行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市

行政調査新聞

ご挨拶

地方行政を読む

国内展望

海外展望

社会の片隅

噂の怪奇情報

特集

資料室

 

 


この欄は、わが国のどこかで起きた小さな小さな事件の問題点を取り上げるコーナーです。

不定期シリーズ【抜き打ちチェック!・川越の無駄飯食い】
代議士秘書と連れ立ち、民生委員を「選挙前訪問」するかと思えば
民生委員の妻が在職中に「選挙のお手伝い」
当選後は議会でただ一人発言できない男・若海保市議
何なんだ、この無能議員は?!

「啓政会の弁護士に依頼しているから騒がないでくれ。いずれ自然消滅する話、ほうっておけば消えちゃう話だ」

 またしてもこう豪語するのは川越市議会一年生議員・若海保氏。本紙がお伝えした「経歴詐称疑惑」について、有権者に釈明した言葉がこれである。

 若海市議は「一年生議員で質問ができない唯一の議員」。その無能かつ情けない姿は失笑を誘うが、親戚である衆議院議員・中野清代議士の私設秘書、山口治氏との「仲睦まじき親戚付きあい」は公職選挙法上、決して看過できない問題だ。

 ところで「啓政会の弁護士」とは一体、誰のことだろうか。一年生議員をはじめ議員有志が勉強会のために呼ぶ「講師」としての弁護士、あるいは質問状に対処するために相談する弁護士はいるものの、啓政会(川越市議会議員による最大会派)には「会の弁護士」と呼ぶべき「専任弁護士」など存在しない。

 要するに、地元有権者にはったりをかませ、口先で黙らせているだけなのだ。

 さて先日、本紙はある興味深い文書を入手した。発行者は「新しい川越を創る会事務局」。この文書は、若海保氏と中野清代議士の私設秘書である山口治氏が連れ立ち、民生児童委員宅へ選挙の挨拶に訪れていたことを告発、またその有様を「集票の構図」として明快に図示している。その一部を引用してみよう。


「新しい川越を創る会」発行の「告発文書」。書かれている内容は真実だ。
(クリックすると別窓で拡大表示します)

本年、33万人都市となった川越市では、川越市議会議員選挙が控えております。このような状況下におきまして、ある不当な情報が当会に寄せられてきております。
 その内容は衆議院議員、中野きよし代議士の私設秘書、山口治が川越市議会議員立候補予定者、若海保を引連れ、旭町3丁目民生児童委員、荻原信夫さん宅ならびに新宿6丁目の有山丈夫さん宅を選挙の挨拶に訪れていたというのです。近隣の住宅にも二人が訪問していたということがここから判断できます。他の候補者の皆さんに対しても、代議士秘書が同行して挨拶を行ったというのであるのならば、この話は皆さんも納得できる余地があると思われます。
 しかし、これを覆す確固たる証拠がここに存在したのです!山口治と若海保の二人は親戚関係にあったのです!代議士秘書が私的な理由で勝手に票の操作を行うことが許されるのでありましょうか?もしくは、代議士の判断でこのような行為が行われたのでありましょうか?
 どちらにせよ、この事実のキーポイントには中野きよし事務所が関与していることは間違いありません。新しい川越を創るために、このような利益操作・誘導が行われる古い体質の利権構造を一刻も早く断ち切らなければ、いつまで経っても変化は訪れません!見過ごさず、断固抗議しよう!

 本紙が独自に調査した結果、この文書の内容は真実であることが判明した。

 文書は「代議士秘書が私的な理由で勝手に票の操作を行うことが許されるのでありましょうか?」と疑問を呈しているが、無論許されることでは決してない。


若海保市議宅
(クリックすると別窓で拡大表示します)

 まず、民生委員とは何か。

 厚生労働省の委嘱を受け、県知事の指揮監督と市町村長の指示により職務を遂行する非常勤特別地方公務員である。担当区域の住民の生活状態を必要に応じ適切に把握し、援助を必要とするものがその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、生活に関する相談に応じたり、福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供やその他の援助を行う。任期は三年。また民生委員はすべて児童委員を兼務している。

 山口治氏は現職国会議員の秘書である。国会議員の秘書が、公選法違反であることを重々承知の上で平成14年夏以降、若海氏とともに民生委員宅を訪ねているのである。


若海後援会長・根岸氏の接骨院。手前のハーレー・ダヴィッドソンは根岸氏所有。
(クリックすると別窓で拡大表示します)

 すなわち、「訪ねる」行為それ自体が違法なのだ。山口・若海両氏による「投票依頼」を民生委員・荻原氏が断るにせよ断らないにせよ、である。

 さらに興味深い事実が調査の過程で判明した。若海保市議の奥方、若海しげ子氏もまた民生委員だったのである。

 平成6年1月1日より就任し、南古谷地区を担当していたしげ子氏は夫・若海保氏の市議立候補のために、平成14年12月末を以って民生委員を辞職している。そしてこの辞職日以前より、夫のためにかいがいしくも選挙運動の手伝いをしていたのだ。

「手伝い」の具体的内容とは、仕事仲間をはじめとする有権者に対しての、おもに電話による「依頼」である。


若海保氏の担ぎ手・渋谷造園
(クリックすると別窓で拡大表示します)

 繰り返すが、若海しげ子氏はこの時点では在職中の民生委員であったのだ。

 民生委員の選挙への介入は、公職選挙法において公務員等の地位利用による選挙運動の禁止を定めた第百三十六条の二に該当する、立派な犯罪行為のはずだ。
 
 ところで若海保市議の後援会長と言えば、根岸接骨院を経営する根岸一男氏である。現在、中野清後援会の副会長をも務めるこの人物、先の市議選にて第二位当選を果たした若海保市議の「票の取りまとめ」手腕が評価され、次期は中野清後援会長と目されている。

 これほどまでに「周囲に助けられて」当選を果たしたにもかかわらず、一年生議員のなかで唯一、質問ができない議員が若海保市議なのだ。

 かくも無能な男を担ぎ出して「中野清後援会長」への出世をはかる輩もいれば、こんな税金無駄飯食い市議に肩入れする「川越市指名参加業者」もいる。渋谷造園代表者・渋谷清氏である。議会発言も出来ないような男を市議に推した根拠は奈辺にあるのか。そして、彼らは若海市議の「選挙違反疑惑」を知らなかったとでもいうのか。

 ここで第三回川越市議会定例会(六月議会)における質問から、一年生議員によるものをピックアップしてみよう(各市議名の下は質問の内容)。

神田寿雄
1:むさしの研究の郷構想
2:バス路線の新設
小野澤康弘
1:都市計画マスタープランとまちづくり条例
関口勇
1:地域文化への取組み
2:市民文化祭への取組み
3:文化活動と文化施設の充実
高橋剛
1:中小企業と雇用の現状ならびにその諸課題
 (1)市内中小企業と雇用の情勢
 (2)若年者の職業意識
 (3)ビジネスプランコンテスト
 (4)技能者評価
山木綾子
1:かわごえ男女共同参画プラン推進
2:ファミリーサポートセンター
片野広隆
1:川越市の防犯対策
小ノ澤哲也
1:緑の保全と推進
2:(仮称)池辺公園整備事業
川ロ知子
1:少子化問題と市の対応
2:西武鉄道の「安比奈車両基地」整備計画

 議会という貴重きわまりない場において、議員それぞれが多岐にわたる問題を行政にぶつけている。川越を少しでも良くしようとする「一年生議員」諸氏の意気込みのためか、議会のざわめきの中に、朗々たる声で発言する彼らの颯爽とした姿が眼に浮かぶようではないか。

 ただ一人を除いて……。

 その「ただ一人」、若海議員が本来すべき自身の地盤、南古谷地区に関する質問を行ったのは、ベテラン江田俊雄市議であった。

江田俊雄
1:南古谷駅周辺整備
 (1)南古谷伊佐沼線
 (2)北口駅前広場
 (3)北口開設と増便
 (4)駅前に交番の設置
 (5)その他

 若海議員は議会においても「沈黙は金」などと勘違いしているわけではあるまい。

 川越市民の読者諸氏にはいま一度、「川越市会議員の年収等」をじっくりご覧いただきたい。

 若海保氏のような人物が第二位当選する、これが川越市の「民度」なのか。

川越市会議員の年収等
年報酬額 \6,912,000 (576,000×12ヶ月分)
期末手当 \3,144,960 (576,000×1.2×4.55カ月分)
各種審議会報酬 \220,800 (1日6,900円×32日)
費用弁済 \147,900 (1日2,900円×51日)
合計 \10,425,660  
他に政務調査費として議員一人当たり月額8万円を会派に交付。

「いずれ自然消滅」「ほうっておけば消えちゃう」のは若海氏、ご自身の議席ではなかろうか。■

 

行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市
著作権は行政調査新聞社またはその情報提供者に属します。
Copyright 2001-2007: Gyousei Chosa Shimbun.
All Right Reserved.
 本紙へのメールはこちらをクリックしてください。