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マスコミ情報を作る者たち
演出されたイラク戦争
七月二二日、イラク北部の都市モスルで大規模な銃撃戦が展開され、フセインの二人の息子ウダイとクサイが死亡したと伝えられた。ラムズフェルド米国防長官は、「イラクの人々にフセイン一族の支配が終わったことを示す明確なシグナル」(七月二四日記者会見)として二人の遺体写真を公開したが、アラブ世界のみならず欧州各国や米国内でも遺体公開には疑問が投げかけられている。イラク侵略戦争中に米政府が、米兵の捕虜や遺体の写真放映、写真掲載を自粛することを求めたことを指摘し、米国の「ダブル・スタンダード(二重基準)との批判を掲載する新聞も多い。
しかし、一般的興味から考えると、ウダイとクサイの遺体がホンモノかどうかとの疑問が浮かぶ。実に怪しい。彼ら二人が殺された豪族の屋敷というのは、以前から米軍が駐留していた場所。そんな屋敷に「お尋ね者」の二人が仲良く現れるとは考えにくい。イラク国内の反フセイン派の人々は二人の死の情報には素直に喜びつつも、あまりのタイミングの良さに疑問を投げかける。
「二人は既に以前の戦闘や爆撃で死んでいたのではないか。ゲリラ戦が活発化し、反米運動が高まってきた今になってわざわざ銃撃戦を演出し、米軍の士気を高め、反米運動の沈静化を目論んでいるのではないのか」。
この日には、イラク戦の最中に捕虜となり、海兵隊等の劇的な救出活動で無事生還したジェシカ・リンチ上等兵(現在二〇歳)が故郷ウエストバージニア州に帰ったというニュースが派手な演出で世界中に紹介された。だが、三月末にイラク南部ナシリアで捕虜になったとされる彼女の救出劇ですら疑問だらけ、謎だらけ。辻褄の合わないことだらけだ。怪しいだけで明確な証拠はないが、この救出劇もまた米軍の士気を高めるために演出された可能性は高い。
イラクが大量破壊兵器を所有すると語る英国政府の証拠文書の情報源とされていたデービッド・ケリー博士が遺体で見つかったのは七月十八日のことだった。英国では以前から、政府(首相府)がイラク戦争を正当化するために情報を捏造したとの噂が噴出していたが、ケリー博士が死んでしまったため、すべては闇の中に消えたことになる。博士の死は自殺と発表されているが、これを鵜呑みしている英国民はほとんどいない。キリスト教徒である博士が自殺することなど、まず考えられない(キリスト教では自殺すると天国へは行けないと信じられている)。
『007』でもお馴染みの英国情報部(海外担当=MI6、国内担当=MI5)と言えば、自殺や事故に見せかけて人を殺すことはお手のものだ。
イラク戦争後に起きているさまざまな出来事、漏れ出てくる情報を眺めてみると、改めて米英による今回の「イラク侵略戦争」が予め書かれた筋書きに従って演出されたという現実が理解できる。
そうした現実を思い知らせてくれるのは海外のメディアであって、残念ながらわが国のメディアにそうした能力はないように思われる。
メディアを封じる日本の「お上」
五月二九日の『読売新聞』朝刊は第一面トップ七段抜きで「北元工作員 難民認定へ……入管『妥当』の報告 近く最終判断」という記事を掲載した。その記事は、森山真弓法相が北朝鮮の元工作員・青山健熈(通称)からの難民認定申請を認定し、わが国初の「北朝鮮難民」となる可能性が高いといった予測記事だった。
この記事に対し法務省が直ちに反応したのだ。
この日、入国管理局長名(増田暢也)で読売新聞宛に「抗議申入書」を届けた。その内容は、「事実に反しかつ読者に誤った印象を与える憶測記事が掲載されており極めて遺憾。訂正と謝罪を求めるとともに、今後このような誤った記事を掲載することのないよう、厳重に抗議を申し入れる」……。
「今後このような……」という言い方は明らかに憲法二一条(表現の自由)中の「事前抑制禁止」に違反している。衆院法務委員会では法務省の抗議に批判が集中、増田局長は六月十日になって「報道機関に対する事前抑制的との疑義を生じさせたことは遺憾」と謝罪することで騒ぎを収拾させようと試みたが、野党側から一蹴され、七月末現在解決はついていない。野党側にしてみれば、今後、入管関係の法案審議などことあるごとにこの事件を蒸し返し、あわよくば法相のクビでも取ろうという腹づもりがあるようだ。
「人権擁護法案」も、目的はメディアが政治家や官僚の不祥事を取材しないような内容になっていることから考えても、わが国の「お上」が「大本営発表以外の記事を書いてはダメ」と言っていると考えてよい。
読売新聞が法務省から受けた抗議は、明々白々にメディアに対する威嚇なのだ。
この威嚇に対して読売新聞社は何の行動も起こしておらず、また読者も何も知らされていない。
お上に脅され、尻尾を巻いてビクビクしているメディアと、そんなメディアに何一つ要望もしない一般大衆、一般読者。
この国が日を追って崩壊していく状況はどなたも感じておられるだろうが、崩壊に手を貸しているのは間違いなく声を発しない庶民大衆なのではないだろうか。
警察が不祥事を起こすのは必然
警察官による不祥事が頻発していることはご存じの通りである。事例を見ようとインターネットなど調べてみればおわかりだろうが、山のような不祥事が検索できる。
警察官の不祥事の原因はキャリアだ、その周辺官僚たちだ、いや監察制度が機能していないからだ、と言われているが、真実はどうなのだろうか。なかには警察組織そのものが腐敗しているのだと主張される方々もいる。
警察が誕生して百二五年。組織が老化し腐敗したと考えておかしくはない。
だが、不祥事を引き起こす本質はそれだけではない。警察官僚自身も理解していないが、実はわが国警察は戦後大きな変遷を遂げた。その変遷、変質に不祥事の本源があると考える。
その本源とは何か。現在の警察が「自治体警察」に過ぎないということだ。
戦前の警察は「国家警察」だった。
現在の警察は、戦前の国家警察の幻影を引きずり、いかにも国家に統合された統一組織のような雰囲気を見せながら、実体は自治体警察でしかない。自治体警察であるからには必然として地域密着型となり、それは地域癒着になりかわる。
こうした自治体警察に対して、国家公安委員会や警察庁などによる監察システムが存在しているが、それは形だけで機能はしていない。当然のことであって、監察システムをどんなに強化しようが「組織防衛本能」のほうが勝つのだ。京都府警が共産党に弱いのは必然なのである。
わが国だけに限らず、アジアの民は基本的に「涙とカネ」で動く。
カネだけで人を動かそうとしたり、カネだけで動く人間は軽蔑される。そして同様に、涙だけで人を動かそうとする人間も軽蔑されるし、涙だけで動く人間はバカ扱いされる。義理、人情が絡み、そこにカネが付いてくれば動くのが当然であり、それこそが「人情」といった風潮が強い。
「オレはカネで動くような男じゃない!」と見栄を切る人間は、義理人情といった美名さえ付けばカネで動くのだ。義理人情だけで動くなどということは、ほとんどない。歴史のある土地、人と人の関係が濃厚な地方であればあるほど、「涙とカネ」の論理は強く働く。ここに癒着の温床があるのだが、その本質部分をアジアの民は美風良俗の一部と考えているのだ。
国家警察から自治体警察に変わり、地域密着型の警察=地域市民に愛される警察を目指せば、必然的に「涙とカネ」に塗れる癒着体質が頭を擡げる。悲しいながらそれが現実なのだ。
赤坂・小学六年女児監禁事件の深奥
七月十七日、東京都稲城市の小六女児四人が赤坂の賃貸マンションの一室に監禁されていた事件が発覚した。以下の新聞記事の内容はすでにご存じだろうが、改めてお読みいただこう。
吉里容疑者、自殺念頭に練炭など前日購入か 少女監禁 東京都稲城市の小学六年の少女四人が誘拐、監禁された事件で、自殺した吉里弘太郎容疑者(二九)は、少女たちを拘束するために使ったプラスチック製容器や鉄亜鈴などを誘拐の前日に買っていたことがわかった。自殺に使った練炭や七輪も直前に監禁場所のマンションに持ち込んだとみられ、警視庁は当初から自殺するつもりだったのではないかとみている。
捜査一課の調べでは、少女四人は一三日に二人ずつ、東京のJR渋谷駅前で待ち合わせて誘拐され、赤坂の短期賃貸マンションに連れて行かれ、一七日まで監禁された。
吉里容疑者の指示で、事情を知らずに二組目の二人をマンション近くまで連れて行った男性の証言によると、吉里容疑者は一二日に都内の量販店で、本来は灯油を入れるプラスチック製容器や八キロの鉄亜鈴を買った。この店はチェーン店で七輪や炭を扱っており、店によってはおもちゃの手錠も売っていた。(以下略)」
(七月二二日『朝日新聞』) |
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直前に長崎で十二歳の中学生が子供を殺害したという事件もあり、この事件と併せて少年少女の乱れが話題となった。また興味本位で東京・渋谷の街に出入りする小・中学生の生態を追った報道も目立った。小学生援交(売春)やロリコン・マニアについてのいかがわしい報道、あるいは疑問符だらけの情報も乱れ飛んだ。……大新聞、大TVまでもがその流れに飛び乗り、肝心要の事件の本質を飛ばしてしまった。
メディアが事件の本質を飛ばしてしまったことに対し、庶民大衆は誰一人として文句を言わなかった。
そういえばかつて、女性問題が発覚して辞任に追い込まれた大物政治家がいた。赤坂の芸者だったかを妾にするに際して、指三本分のカネをケチったとか何とか……。故人となった政治家の話を今さら蒸し返すつもりではない。この事件は、じつは政治家が幼女売春を行っており、その話題を抹殺するために面白おかしく、政治家が追い込まれたように演出された「芸者のお手当て値切り創作話」だった。新聞TVのなかにはその背後の事実を掴んでいながら報道しなかった社もあった。
今回の小六生四人の監禁話の奥にも、まったく同様な秘密が隠されているのではないだろうか。
ネット上などごく一部で流れたが、報道された形での吉里容疑者「自殺」は考えにくい。密閉されたビニールシート中で練炭を焚いて自殺したとされるが、警察発表の形で焚けばビニールシートが燃えあがってしまう。さらに疑問なのは、子供たちを連れてきた共犯がいるにも関わらず吉里容疑者の単独犯行とされる点。さらに、吉里容疑者が作った組織やその背後について一切の捜査も行われず、秘匿されている点などだ。
吉里容疑者には膨大な遺産が残された。事件報道の当初には35億とも報じられた。実際の金額は不明だが、フェラーリ2台を乗り回し高級ホテルの宿泊費一か月分を現金払いの派手な生活、また会員数2000人のロリコンクラブ経営から生まれる利益から考えて数億円、いや二桁の億は下らないだろう。資産家の息子でもない29歳の病弱な男が、どうやって数億〜35億を超えるカネを作ったのだろうか? そして、それほどの利益を生み出すロリータ売春企業を黙って見逃すほど世の中は甘いものなのだろうか? ……ヤクザや闇世界を含めて、である。
そうした問題点を、どのメディアも追及しようとしていない。
この事件を知った庶民もまた、小学生の性などばかりに興味を見せて、手品師の罠に嵌まった観客同然になっている。
手品師の罠に嵌まる庶民大衆にこそ、最大の問題があるのだ。
この国を崩壊させているのは、ワイドショーに見とれて涎を流している大衆なのだ。
含み笑いをしているのは誰なのか?
だが、赤坂・小学六年女児監禁事件の深奥を探ろうとすると、恐ろしいばかりの巨壁が立ち塞がる。一歩も先に進めない、それほど巨大な壁が存在する。歯が立たない、いや、どこに歯を立てれば良いのか、それすら見当がつかないほどの巨壁だ。
唯一の突破口は、自殺したとされる吉里容疑者が秘匿していた顧客名簿である。
そこには二千名の名前と連絡先が記されていた。小学生をセックスの相手にしようと考える人間が二千人もいたこと自体、異常だが、写真週刊誌等に掲載された情報によると、その顧客の職業は医者、弁護士、政治家が大半だったとされる。名簿そのものは警察当局が押収し、これについての発表は一切行われていない。漏れ伝えられるところによると、そこに書かれた名前のほとんどは偽名だったようだ。……小学生売春組織の顧客になるのに偽名を使ったところを見ると、まだ多少の常識は持ち合わせているようだ。
連絡先電話番号は警察が調査すれば、その使用者(名義人)は探し当てることが可能だろう。残念ながら本紙はそれを追求する術を持たない。
それでも本紙は、渋谷、赤坂近辺に生きる闇社会のさまざまな人々に連絡をとり、興味深い情報をいくつか入手した。ただしこうした情報は単なる伝聞情報であり、物的証拠もなく真実か否かも不明である。状況や前後関係を考えると、かなり核心に近いものがあるとも思われる。入手した情報を整理すると……。
吉里容疑者がやっていたプチエンジェルというロリータ・デートクラブ以外にも、同様な店はいくつか存在するが、プチエンジェルは質の良さで評判だった。その客の多くは弁護士、医者などで、政治家もいた。大物国会議員がいたという噂もある。吉里容疑者は小学生援交を商売にするいっぽうで、客が小学生を抱いた写真やビデオを撮影し、ときにそれで恐喝紛いのことをやっていたという情報もある。
ところが最近、吉里容疑者自身が怯えていた雰囲気が見えた。彼の背後にはヤクザとは違った闇社会の何かが関係していたと考えられる。それは半島系もしくは中国系の組織ではないかと推測する者たちもいる。
噂話ばかりだから何とも判断できない。だが、組織的に行われていたはずのロリータ売春にも関わらず、吉里容疑者の単独犯行と断定された。そして肝心の容疑者は疑問符が付いた形での自殺。顧客リストの漏洩もなく、顧客に対する調査も行われなかった現実。
もし、吉里容疑者の組織の背後に、カネが目的ではない組織が存在していたとしたら……。吉里容疑者の自殺の背後に、国家権力が絡んでいる可能性すら考えられるのだ。
だが、新聞TVだけではなく週刊誌に至るすべてのメディアが疑問すら投げかけることなく、警察が誘導する方向に事件を報道し、大衆はそれを鵜呑みするだけですべてが終わろうとしている。
この国を崩壊に向かわせているのは、間違いなく大衆たちなのだ。
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