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arrow.gif世界経済の転換期にある今こそ
腰を据えて経世済民を心掛けよ!

yellowbox 経済覇権の転換期

12月17日、米FRB(連邦準備制度理事会=米の中央銀行)は政策金利を実質0パーセントに利下げすると同時に、政府機関債やMBS(住宅ローン担保証券)などの大量購入を発表。さらに長期国債の買い取りなどを視野に入れた量的緩和を打ち出した。まさに、自国経済救済のために他国に対して牙を剥き、なりふり構わぬ姿勢を見せている。それは当然ながら、米ドルの価値が激減する将来を見越している。

1カ月前に米ワシントンで開催された緊急首脳会議(G20金融サミット)では、米仏間で緊張したやりとりが戦わされた。フランスのサルコジ大統領が、「米ドルは、第2次世界大戦後は世界で唯一の基軸通貨だったが、世界は変化している。20世紀の仕組みは21世紀には通用しないというのがフランスの立場だ」と演説したのに対し、「わずか数カ月の危機で、60年間の自由主義経済の成功を台無しにしてはいけない」と強い反論をぶち上げたブッシュ米大統領は、「ブレトンウッズ体制」の継続を主張した。

英国のブラウン首相は今回のG20(金融サミット)を「第2のブレトンウッズ会議」と位置づけていた。基軸通貨をドルに置いた戦後自由主義経済は、実体経済を無視するユダヤ金融資本主義に寄生され、その極限で崩壊してしまった。そのユダヤ金融資本主義を払拭することで「ブレトンウッズ体制の継続」を求めていたのが英国なのだ。これに対し、フランスを中心とする欧州各国とロシアは、「ブレトンウッズ体制」を終わりにして、新たな体制を作ろうとしている。

さて、いま話題になっている「ブレトンウッズ体制」とは、そもそも何なのか。米FRBが0パーセント金利を打ち出した12月17日に、「朝日新聞」朝刊第二面で、小中学生向け解説記事『ニュースがわからん!』で、たまたま「ブレトンウッズ体制」の解説を行っていた。以下、同紙から引用してみる。

「ブレトンウッズ体制」って何じゃ
――ドル中心の通貨制度、金融危機で修正機運も――

ホー先生 最近「ブレトンウッズ体制」という言葉をよく聞くぞ。何のことじゃ?

A 第2次大戦中の1944年7月、米ニューハンプシャー州ブレトンウッズのホテルに、連合国側の44カ国の代表が集まって、戦後の経済をどう立て直すかを話し合った。その結果、米国のドルを中心とした通貨制度が作られ、国際通貨基金(IMF)などの国際機関が生まれた。これがブレトンウッズ体制と呼ばれる経済システムだよ。

ホ どうして通貨制度が問題になったんじゃ?

A 大恐慌に覆われた大戦前の30年代、各国は自国の製品が割安になって輸出しやすいようにと、競うように通貨の価値を切り下げた。結果として貿易全体が滞り、さらに経済が悪化した。その反省から、世界の経済を発展させるには安定した通貨制度が必要だとみんなが考えたんだ。
(以下略。「朝日新聞」平成20年12月17日『ニュースがわからん!』より)

じつは日本の麻生首相は、G20開始直前に、「ブレトンウッズ体制」の継続を支援すると表明していた。その骨子は以下の通りだ。

  1.  外貨準備から最大1000億ドル(約9兆円)もの大金を拠出してIMF増資に応じる。
  2.  世界銀行と共同で、途上国の金融機関の資本増強に30億ドルの基金を創設。
  3.  アジア開発銀行の資本を現行(500億ドル)の倍にする。

 米ドルは延命効果でどれほど生き永らえるか不明だが、いずれは紙くず同様になり、滅び去ることは火を見るよりも明らかだ。その米ドルと命運を共にすると公表した麻生太郎は、日本は未来永劫、米国の属国になり切るという姿勢を、改めて世界中に発信したということになる。

yellowbox 不況に喘ぐ庶民大衆

世界金融不況で、日本のメーカーにも不景気の嵐が吹きまくっている。とくに円高の打撃を食らった輸出産業はその痛手が大きい。こうした業種では、期間労働者や派遣社員の契約打ち切りが増加している。非正規雇用、フリーターといった人々は職にあぶれ、それが社会不安を増大させている。

トヨタ自動車とその関連企業が犇めく愛知県では、派遣社員が4000人以上も職を失い、隣の岐阜県でも2000人の派遣切りが行われた(11月末)。

12月17日には日産自動車が国内の派遣社員2000人のクビ切りと期間従業員50人の契約解除を発表。マツダの派遣社員1500人のクビ切り、いすゞ自動車の1400人、三菱自動車の1100人以上のクビ切りなど、この調子だと来年(2009年)3月までには3万人以上の完全失業者が生まれる見込みだという。

働いても年間収入が200万円以下という、いわゆる「ワーキング・プア」は、一昨年の時点で1000万人を突破した。この10年間で10倍以上となっている。汗水流し、必死になってどん底の貧困生活から逃れようとしても、生きていくための最低限のカネすら稼ぐことができない――。こんな極貧層が増え続けている現状を、諸氏はどのようにお考えだろうか。

戦後の日本社会は、敗戦で荒廃した祖国を立て直すために、団塊の世代を中心として、歯を食いしばって頑張るという風潮があった。それを支えたのは、日本社会の中にあった「暗黙の了解」としての、完全雇用、年功序列制の維持だった。それは端的に言えば“国民社会主義的な”日本型資本主義ということになるだろう。

だが同時に、古典的日本風土的なこの体制は、ユダヤ型市場主義至上経済にとっては、攻め込むことの不可能な鉄壁の要塞でもあった。東西冷戦の最中に、日本がこのシステムによって非常な利益を得ていたことは事実であり、英米はこうした日本型資本主義を何とか破壊しようと、対日要望書にそれを明記し続けたほどだった。

平成8年(1996年)に誕生した橋本龍太郎内閣は、強引な手法で英米の要求に答え、六大改革を提唱した。「行政改革」「財政構造改革」「経済構造改革」「金融システム改革」「社会保障構造改革」「教育改革」である。

この六大改革に従って金融ビッグバンを実行した前後から、日本は“新自由主義経済”への道、格差社会への道を歩むことになった。当然ながら、日本の風土が数千年の歴史の中で育んできた文化的資質とでもいうべき「完全雇用、年功序列」の暗黙の了解は反古にされることになった。

橋龍以降の自民党政権は、自分たちに「甘味」を供与するこの新自由主義経済の道を邁進する。その最後の仕上げとして、小泉純一郎・竹中平蔵のタッグが「郵政民営化」を成し遂げ、国民大衆はそのまやかしに乗って、英米が推奨する新自由主義経済の頂点を極めたのである。

世界中を襲った金融危機を前にして、麻生政権は財政出動や雇用対策を繰り出しているが、それは実体を伴わない小手先だけの方便に過ぎず、若年層がバラ色の未来像を描けるわけもない。このまま進めば間違いなくワーキング・プアはさらに増大し、失業者数も激増する。それは同時に、日本の社会に極度の不安定をもたらすことは明らかだ。

いま日本は、大きな転換を求められている。根源的な転換でなければ、日本に未来はない。若者たちに未来はない。

yellowbox 新自由主義経済と訣別せよ

1929年に勃発した世界大恐慌は、世界中の経済体制を崩壊させるほど強烈なものだった。各国は大量の失業者を抱え、国家経済そのものが壊滅状態にあった。そうした状況のなか、1933年1月にドイツのヒンデンブルグ大統領は国家社会主義ドイツ労働者党党首アドルフ・ヒットラーを首相に任命した。

当時のドイツは各国同様に膨大数の失業者を抱えていた。しかも第1次世界大戦の敗北に対し、ベルサイユ条約によって天文学的な賠償金を課せられていたのだ。ヒットラーが首相になった当時のドイツにおける失業率は45%。失業者数は600万人と記録されている。

このときヒットラーは「4年間で失業問題を解決する」と国民に約束した。そして現実に、4年後の1937年には、600万人あった失業者数は91万人にまで激減させたのである。当時、「完全雇用を達成」と表現されたが、91万の失業者数は完全雇用と胸を張れるものに違いなかった。

ナチス・ドイツはいかにして失業対策に成功し、ドイツ経済を復活させたのか――。不況と失業対策に頭を悩ませていた英米を初めとする世界各国は、その原因を必死で探ったほどだった。

ナチス党は経済復活のために、外資による介入を一切排除し、厳格な為替管理、外貨管理を行った。この鉄壁の外資介入拒否姿勢がドイツを活況に導いたのだ。ナチス党はこう呼びかけた。

「通貨の基礎は、金でもなければ外貨準備でもない。労働だけが通貨の基礎となる」

カネがあるか無いかが問題なのではない。働こうとする人間がいるか。それが問題なのだ。働けば、いつかカネになる――ハゲ鷹外資に取り上げられなければ。ナチス党の呼びかけは続く。

「わが民族を救うことは、金融の問題ではない。現に存在する労働力をいかに活用し、投入するかという問題であり、また、現に存在する土地とその資源をいかに活用するかという問題である」

現に今日の日本にも、働く意欲を持っているワーキング・プアが山ほどいる。眠ったままの土地が山ほどある。

「この民族共同体は、貨幣というフィクションの上の価値に依って生きるのではない。現実の生産に依って生きるものであって、この現実の生産が、また貨幣にその価値を付与するのである」

この主張通り、ナチス・ドイツは外資介入を排除したうえで、失業対策と再軍備のための大規模公共投資の原資として「租税信用証券」「労働創造手形」「メフォ手形」などの発行を企業に許可した。そしてこれらの手形をドイツ帝国銀行が裏書保証するという金融政策を採ったのである。

通貨膨張ではない「信用拡張」の手法であり、言ってみれば「政府発行通貨」といったものだろう。

当時のドイツには、8000万人近い人口があった。勤勉な労働力があり、高い技術力があった。そして旺盛な消費意欲もあった。

だが生産力は少なかった。このギャップを埋めたものが政府発行通貨だったのだ。その限度において、インフレになることも対外通貨が下落することもないのだ。

いま世界は、未曾有の大失業時代に突入している。日本もまた、その煽りを食らって悲惨な大不況状態に突入している。これは自然現象ではない。明々白々に人災である。

そして日本には、勤勉な労働力があり、高い技術力がある。そして旺盛な消費意欲もある。

金融の数字だけでうろたえてはいけない。経世済民――世を治めることによって民を救済する。経済とは、カネ勘定をすることではない。世を治め、以て庶民大衆を救うことである。

小泉・竹中が達成させた新自由主義経済というマヤカシから脱却し、日本型経済を早急に構築する必要がある。少なくとも現在の麻生政権には、それは期待できない。

内閣支持率が20%という現状では、解散総選挙に打って出れば自民党は間違いなく惨敗する。その状況のなか、いくつかの動きが水面下で活発化している。山拓・加藤紘と亀井静香、菅直人のYKKKが話題になったり、小泉改革路線を踏襲する中川秀・小池百合子が小泉チルドレンを巻き込んでの活発な動きを展開したりとの話も漏れてきている。だが自民党がどう分裂しようと、それは問題ではない。問題は日本という国を救う展開ができる政権か否かだ。

その視点に立てば、現在の与党はもちろん、野党第一党の民主党にも力はまったくない。政界再編を早め、日本型国民社会主義を提唱する改編勢力が登場することを期待したい。

yellowbox 「文民統制」とは何か

1929年の大恐慌以来最大の金融不安ということで、「ブレトンウッズ体制」の見直しが話題になっているが、同時に歴史の見直しがあちこちで囁かれていることにも注意したい。

これまで第2次世界大戦の原因は「領土侵略」にあるとされてきた。第2次大戦は、欧州戦線とアジア太平洋戦線に分けられるが、欧州では、イタリアがエチオピアに侵攻し、ドイツがポーランドに侵攻したことから戦争が勃発したと説明されてきた。アジア太平洋戦線は、日本が中国に侵出したことから戦争が始まったとされる。

ところが最近の金融不安のなかでは、第2次大戦の原因は「世界大恐慌という経済的理由から戦争が不可避なものとなった」と説明されるようになっている。

こういう状況のなかで、航空自衛隊空幕長だった田母神俊雄が、大東亜戦争は日本の侵略戦争だったとする従来の歴史認識に対して疑義を呈する論文を公表しようとしたため、実質的に更迭されてしまった。

田母神空幕長(当時)は普段から同質の発言を繰り返しており、今回の内容が特別新しいものではなかった。だが政府筋は、「文民統制(シビリアン・コントロール)の原則を踏みにじった」という形で田母神に辞職を迫った。

田母神は、「英米仏露などは侵略国家といわれないのに、なぜわが国だけが侵略国家なのか」と問いかけ、自分の国を「侵略国家=悪の国家」と卑下する思潮を克服する必要性を訴えた。

日本の政府見解では、自分の国を「侵略国家=悪の国家」と定めている。そんな政府の統制下で、自衛隊に「国を守れ」と命令する矛盾を克服しなければ、国防機能を全うすることもできない。何より軍人としての名誉が傷つけられたままである。武人の心構えを無視し続けてきた自虐史観の蔓延に、田母神俊雄空幕長は警鐘を鳴らし続けてきており、それが今まで通り表に出ただけのものだった。

こうした田母神空幕長の言動を抹殺し、彼を罷免に動いた中心人物は漆間巌副官房長官であった。

漆間は警察庁長官から栄転して副官房長官に就任した人物。就任直後に、自ら「後藤田(田中角栄政権下で副官房長官に就任)の再来」と自画自賛し、軍部嫌いで知られる後藤田正晴(旧内務省出身)と同様に軍に対して辣腕を発揮すると豪語した男だ。

旧内務省では、「文民統制とは内務省が軍を統括すること」と盲信していたところがある。

まさに漆間巌は、田母神空幕長の言動を巧みに利用して、警察官僚が自衛隊をコントロールするための布石として、今回の論文をわざわざ大問題に仕立て上げたのだ。

そもそも「文民統制」といった曖昧な日本語は、法制化には馴染まない。戦争や治安出動、あるいは災害出動における軍の出動は文民の統制下で発動されるものといった程度で諒とすべきものである。それ以下の細かな諸問題は、それぞれの国家、民族が育んできた伝統、文化等々によって暗黙のうちに経験的に律せられるものなのだ。

内務官僚的な、矮小な動機に振り回されて「文民統制」を語ることは、自虐史観を肯定する風潮を強める方向に向けられる。

漆間巌副官房長官に限ったものではない。日本のトップに立つすべての人間が、日本の未来を語る資格を喪失しているとしか考えられない。

自分たちの国の未来を真剣に考え、日本型の文明精神を取り戻さなければ、日本は米中の挟間で呻吟し、未来を失うことになる。

政治家や官僚たちに任せることなど、もはやできない。一人一人が自分の責任の中で当事者として活動すること。それが求められているのだ。■

 

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