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女性総理誕生か
1月31日に召集された第151通常国会は冒頭から波乱含みだった。KSD疑惑や外交機密費(報奨費)の問題と同時に株安、経済不安を抱え、与党の公明党までもがこれらを追及しそうな雰囲気を匂わせていたからである。
衆院本会議冒頭で森首相はKSD問題と外交機密費流用問題で国民に謝罪すると同時に、再発防止に努める姿勢を強調した。また21世紀最初に開かれた今国会を、明治維新、終戦後改革に次ぐ『日本新生のための改革国会』と位
置づけ、有事法制化に強い意欲を示した。「自衛隊が文民統制の下で国家・国民の安全を確保するためにには有事法制化が必要である」と明言した森首相の決意は理解できる。
マスコミ各紙が報道している通り、ブッシュ大統領下の米国新政権はわが国に対して「アーミテージ・レポート」準拠を求めてきている。アーミテージ・レポートの内容は、米国のユーラシア大陸一元支配の計画に則ったもので、中国、インド亜大陸侵攻への戦略拠点としての日本の地勢的意味を理解しての戦略である。終戦後、わが国は実質的には米国の隷属下にあったわけだが、その隷属状況をさらに強固なものにするために、アーミテージ・レポート準拠を求めているのだ。アーミテージ・レポートの根幹が憲法改正・情報共有・共同市場促進の3点であることは、すでにこのサイトでも明らかにしているが、わが国政府の対応は米新政権の求めとは程遠い状態にある。
わが国の政治家に関わるカネの流れは、すべて米CIA等に筒抜けであることは、公調外事部などの話を待つまでもなく常識となっている。米国はわが国政府を思い通
りに動かすために、入手した闇の資金ルートをその都度暴き、不都合な政治家の口を封じたりクビを切ったりしてきた。駐日米大使がアマコスト(元CIA諜報員)の時代にリクルート事件が起きたことも偶然ではない。そのアマコストが再び対日政策のトップとして返り咲いた新政権下で、またも第二のリクルート事件、KSD疑惑が明らかにされたのは必然と言えるだろう。
独自にインド外交を展開したり、また「教育勅語」や「神の国」発言を行う森首相に対して、米国は強烈な拒否感を持っている。米国がわが国に対して求めている憲法改正(=有事法制化)は米国隷属の体制であり、日本独自の軍事体制を求めているわけではない。
森総理で今夏の参院選を戦うことは、与党としても苦しい。こうしたなか、自民党内部からも「3月いっぱい。予算案成立後に森退陣」といった声が囁かれ始めていた。KSD、外交機密費、株安の3点で突き上げを食らって、森首相が立ち往生することはもはや必然といった状況が、内外から作り上げられていた。
そうしたなか、2月10日(現地時間9日午後)、ハワイ・オアフ島沖で愛媛県の宇和島水産高校実習船「えひめ丸」が米原潜グリーンビルと衝突、転覆、9名が行方不明となる事件が勃発した。しかも13日には、この原潜を操舵していたのが民間人であることも判明、日本中に怒りが広がっている。だが米ワシントン・ポスト紙などは事故原因等には触れずに「衝突事故の連絡を受けた後も森喜郎首相がゴルフを続けていた」と報じ、森退陣の時期を「早ければ3月、遅くとも6月の参院選前」と解説している。米新政権にとっては事故原因や補償問題よりも、森退陣が重要課題のようだ。
もちろん与党内部でも14日には福田康夫官房長官までもが首相の対応を批判するなど、早期退陣論はいよいよ火勢が強まっている。では、森退陣の後のわが国の首相はいったい誰になるのか。
中国側はかつて、河野外相が首相になることを切望していた。これが理由ではないだろうが、今年1月元旦の読売新聞が突如として外交機密費問題を暴露、関連して河野外相の立場は悪化、首相どころか外相辞任も噂されるほど地に落ちてしまった。自民党としては残る切り札は小泉純一郎だが、小泉を立てても参院選に惨敗することは火を見るよりも明らかで、こんな状況下でエースの登用は考えられない。国民大衆に人気がある田中真紀子を首相にすることは、自民主流派の猛反対で潰れている。では、過酷な参院選を考えて与党が担ぎ上げる首相は誰か。――扇千景(保守党党首)である。
歯に衣着せぬ発言は「女・石原慎太郎」とも言われ、大衆受けする部分も持っており、ポスト森の本命とされているのだ。ご存じの通
り扇千景は宝塚出身で、政治家としての能力はかなり疑問視されており、森喜郎以上に暴言暴論が多い。傍若無人ぶりを発揮する扇千景だが、彼女が頭が上がらない存在は村上正邦(前・参院議員会長)ただ一人。ところが扇千景を操れる唯一の村上正邦は、KSD疑惑でもはや死に体状況にある。
では、ポスト森は扇千景で決定かというと、そうでもない。与党側にも扇千景で参院選に勝てるかどうかの見通
しが立っていない。そうしたなか、驚くべき話だが、土井たか子(社民党党首)を首相に担ぎ上げるといった噂までが霞が関を駆けめぐっている。わが国政府内部にも、また米ブッシュ政権のなかにも、ポスト森が誰であろうとそれは「中継ぎ」であって、憲法改正、情報共有、市場開放を実行する内閣は、参院選後に誕生するという見通
しがある。
こうした流れを熟視すると、わが国が今後もなお不況続きであることが予見される。米新政府が最も望んでいるのは小沢一郎首相による憲法改正であり、その体制を作り上げるまでは、わが国の経済を不況続行に留めておきたいのだ。
では、参院選後に米側が求める政治体制ができるか否か。――現実には、わが国の政治家はほぼ全員が中国の掌の中にあり、米側の求めに応じる可能性は低い。しかし中国自身
が内部崩壊に近づいている現状でもあり、激変する国際情勢のなかで思わぬ
方向に進むことも考えられないわけではない。
米中の動きを見つめつつ、わが国の変化の兆しを捉えていきたいところだ。状況変化が起きた場合、本紙は直ちに論評を行う予定である。
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