狙われる日本!米中枢同時テロ後の日本を考える
米軍を中心とする多国籍軍が容赦なくアフガニスタン・タリバン政権を攻撃し、ついにタリバンを消滅させた。昨年9月11日の米中枢同時テロ勃発以降、混乱混迷を深めていた世界は、これで平和安寧の方向に向かうのではないかと期待したいところだが、中東ではイスラエル・パレスチナ間の戦いがいよいよ本格化しそうである。あるいは後世の歴史家たちが「第四次世界対戦勃発」と解釈するかもしれない状態が、今、世界を覆っている。
そんな状況のなか、わが国がテロリストの攻撃に晒されるという途轍もない情報がもたらされている。ほんとうにわが国は危険な状況にあるのだろうか。
北朝鮮空爆情報
12月9日の北京発共同電が、朝鮮中央通信の情報として以下の内容を発表した。「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の労働党機関紙・労働新聞は九日、米国が北朝鮮をアフガニスタンの次の攻撃目標にしようとしているとし、『われわれは生死を顧みない覚悟で、万端の軍事的対応を取らざるを得ない』と強調した。論評は、米国が大量
破壊兵器に関する査察を要求し、露骨に戦争を煽動していると非難。『こうした条件下では、対話による問題解決は期待できなくなった』とし、『米帝が“反テロ”を口実にあくまでも戦争の方法を選ぶなら、われわれのすべての防御・攻撃手段は侵略者らに対し、懲罰の攻撃の火を注ぐだろう』と指摘している」。
いったいこれは何を語っているのだろうか。
米国による北朝鮮空爆を牽制しているのである。そして実はこの日(12月9日)、主に在日系のサイトなどで「米、北爆を決定」といった情報がまことしやかに流されていたのだ。
じつは9月11日の米中枢同時テロ以前に、わが国で米軍施設等を狙ったテロが勃発する可能性があるという情報を、公安調査庁は得ていた。近畿北陸あたりで公調が在日名簿を調査していた事実などが報道されたが、これも北朝鮮によるテロを警戒したことによる行動だった。
そして9月11日の米テロから僅か3日後の9月14日付けの北朝鮮の機関紙・労働新聞の論説欄に、「日本は人口密度が高く、故に弱点が多い」という表現がなされ、さらに「原発や上下水道」等の単語まで並べられていた。誰がどう読んでも、わが国に対する脅しである。
その後世界の目はアフガニスタンに集中する。タリバン政権の戦い、アル・カイダの末路、米軍が繰り出すさまざまな科学兵器。
そして11月28日に、朝銀東京信組破綻をめぐる資金流用疑惑で朝鮮総連中央本部強制調査が起きる。
北朝鮮・労働新聞は直ちにこれに対決姿勢を見せる。「(北朝鮮の)軍隊と人民は日本反動の策動を高い警戒心を持って注視している」。こうした党・政府の意向のうえに平壌では労働者たちによる糾弾集会も開かれている。
朝鮮総連中央本部強制捜査の前日の11月27日朝、朝鮮半島の軍事境界線を挟んで北朝鮮側が一斉に発砲をするという事件が起きている。2年ぶりの非武装地帯での銃撃戦であり、この戦闘で韓国兵一人が負傷したが、これも「総連強制捜査」に対する日本政府への警告と考えられる。
北朝鮮がわが国に対して何らかの行動を取る可能性が高まった12月初旬になって、在日サイトを中心に「米による北爆」という情報が流された背景には、こうした状況があったようだ。そしてこの「情報」のなかには、「11月初旬に来日したキッシンジャー(元国務長官)と中曾根康弘(元首相)がホテル・オークラで会談し、米軍による北爆を了解した」とか、「11月21日に訪韓した中曾根はソウルで盧泰愚元大統領と会談し、米軍北爆を伝えた」、「朝鮮総連という聖域の強制捜査は米国側からの要望によるもの」といった、いかにもありそうな話が付け加えられていた。さらに具体的に「12月26日空爆開始」といった情報もあった。
米軍のハイテク兵器
米軍による北朝鮮空爆は、ほんとうにあるのだろうか。
事実、アフガンの戦いがある程度の目処が立った米国にとって「最も空爆したい国」はイラクでもイエメンでもソマリアでもない。北朝鮮である。かつてゲーム感覚戦争とも呼ばれた湾岸戦争のイラク空爆は、北朝鮮に対するデモンストレーションでもあった。だが、広大な砂漠地帯に広がるイラクと山岳地帯中心の北朝鮮では爆撃効果
はまったく異なる。湾岸戦争で米軍がいかに正確にミサイルを命中させようとも、北朝鮮はそれほどの脅威に感じなかったろう。
ところがユーゴ空爆は、より北朝鮮に近い状況を感じさせるものだった。しかもここでは中国大使館誤爆事件時のように、地中深くまで侵入して爆発するバンカー・バスターを初めとする新型ミサイルが続々と登場する。北朝鮮にとってこれほどの脅威はないだろうと思われたが、現実はそうでもなかった面
もある。山岳地帯に無数の巨大トンネルを構築している北朝鮮は、この程度なら持ちこたえられると考えたらしい。
今回のアフガン空爆は、そうした北朝鮮の思いを粉砕するものでなければならなかった。だからこそ米軍はハイテク兵器を惜しげもなく投入したのだ。もちろん「賞味期限切れ」に近づいた巡行ミサイルトマホークなどもふんだんに使用したが、540メートル四方を焼き尽くし周辺にも酸欠をもたらすという噂の新兵器“核を越える兵器”――恐怖の1万5000ポンド爆弾「デージーカッター」(BLU82)も投入している。それだけではない。両翼合計の長さが僅か15センチで重量
200グラム程度だが、小型ビデオカメラを装備し時速50キロで百メートル上空を飛行する無人偵察機。あるいは静止してビルの窓を覗き込む無人特殊偵察機。さらには殺傷のみを目的に開発された人体付着型小型爆弾等々。こうしたハイテク兵器はわが国マスコミでも盛んに紹介され、その脅威の能力に誰もが驚愕した。
ほんらいこうしたハイテク兵器の能力は、秘密なのだ。従来型の戦争であれば、兵器の能力は隠され、それが相手方の恐怖心を増大させる。次から次へと、得体の知れない新爆弾・新兵器が使用されただけで相手は参ってしまう。
今回、米軍が新型ハイテク兵器の効果を積極的にリークした背景は、もちろん米国が「テロ支援国家」と名指している国への威嚇である。そしてその最大のターゲットは北朝鮮だ。あるいはまた、北朝鮮を脅すことによって支那北京政府が目論む「超限戦」戦略を牽制しているのである。
冷戦終結後、米国の戦略戦術に変更が生まれてきている。かつては戦争の主力として考えられてきた空母、潜水艦(原潜)、戦車等を使った正面
戦争はもはや起こり憎いと考えられ、今後はゲリラ戦や対テロ戦となる――戦争のようで戦争ではない状況――を想定しているのだ。こうした状況への対処戦略を「非対称戦」と呼んでいる。昨年(平成13年)9月に公表されたペンタゴン(米国防総省)の『四年期国防見直し(QDR)』においても、情報戦重視と特殊部隊による特殊攻撃の増大が想定され、ハイテク兵器開発の必要性が強調されている。
ブッシュは大統領就任以前から、国防戦略を大幅に変更すると語っていた。従来までの核兵器による抑止力を主とした安保体系を転換し、テロ攻撃に対する防衛を提唱していたのだ。国防長官に任命されたラムズフェルドも、ブッシュの公約実現のために力を注ぎ、軍事改革推進の最高責任者として改革を押し進めてきた。ミサイル防衛構想(MD構想)ももちろん米本土防衛を主眼としたものだった。
しかし、こうした米軍の大規模転換は、カネ食い虫の大型兵器体系を縮小することであり、戦略核や不要設備、装備の廃棄、基地縮小といったことが含まれる。そしてそこには政治家や軍事関連産業の利権が絡み、当然ながら統合参謀本部と国防長官との間に確執が生まれることとなった。また、とくに兵器の大幅削減がなされ存在すら薄くなりつつある米陸軍は、ブッシュ政権に対して心情穏やかならざるものがあるのではないかと推測される。そんな状況下、テロに怯える米国を襲った炭疽菌事件は陸軍発の可能性が取り沙汰されているが、真相は未だ藪の中にある。
ビン・ラーディンの行方
米国の軍事体系が変化し、正面戦から非対象戦へ、ハイテク科学戦へと移行したことは、北朝鮮にとってはますます脅威が増したことになる。後に詳述するが北朝鮮は最近、あらゆる部分で締め上げられ、このまま崩壊の刻を待つか、撃って出るかの厳しい選択を迫られている状態にある。そんな北朝鮮にとって、今回の米軍によるアフガニスタン空爆、あるいはタリバーンやアル・カイダとの戦闘は、まさに自分たちが攻撃されていると感じるものだったろう。アジア問題に詳しい情報通
は、こう語る。
「北朝鮮・金正日政権は、ロシア製スティンガー・ミサイルを初めとした旧来型兵器で十分武装したタリバーンやアル・カイダが、米国との戦いでどのような戦果
をあげ得るか注目していたでしょう。ところが彼らは、ほとんどまともに戦わなかった。最後の局面
となったカンダハル、あるいはトラボラ近辺では多少の接近戦もありましたが、それも双方の主力が激突したというものではない。米国の超ハイテク兵器が彼らのすべてを圧倒し、戦争にすることすらできなかったというのが現実です」。
もちろん、これに対し「アル・カイダは正面戦争を避けて新たなテロ攻撃にすべてを託している」という見方もある。そうした意見も念頭に入れたうえで前出の情報通
の話の続きを聞いてみよう。
「金正日王朝は最後の局面で、ビン・ラーディンがどうなるのかを注目していたはずです。彼が生きて捕まるのか、それとも戦死するのか。あるいはまた逃げ切るのか。もしビン・ラーディンが逃げ切ったら、そこに金正日王朝の活路が見いだせる。こうした考え方は世界中の専門家たちも同意見で、だからこそ米軍はラーディン捕獲、殺害に躍起となっていました。アフガン空爆の裏には、明らかに北朝鮮に対する恫喝の意味があり、それはテロ首謀者ラーディンの首を獲ることで完了するのです」。
だが、首都カブールが簡単に落ち、南部の拠点カンダハルも明け渡し、パキスタン国境に近いトラボラ周辺の洞窟をすべて虱潰しに捜索してもビン・ラーディンは姿を現さなかった。12月中旬には米国防総省あたりからも「ラーディン死亡説」が流れ始め、ついに12
月18日にはラムズフェルド国防長官までもが死亡説を公言するようになっていた。
ところがその直後、本紙は興味深い情報を入手した。12月18日にビン・ラーディン本人がパキスタンで「出版契約書にサインをした」というものだ。これは正確には、パキスタン人が執筆し英国他で出版される「ビン・ラーディン本」の契約にラーディン自身がサインしたというものだが、この情報はタイ在住の中国系の人物と、日本の某宗教系団体から、ほぼ同時に似た内容として伝えられたものだった。
ではこの情報通り、ラーディンはほんとうに12月18日当日、パキスタンにいたのだろうか? それは限りなく怪しい。本紙は独自の情報収集能力を有し、それには多少の自信を持ってはいるが、今回のような「世界が注目する最高機密」が勝手に飛び込んでくることは考えられない。明らかに「ビン・ラーディン生存情報」が裏情報として流されることを期待しての作為情報だと思われる。事実、本紙がこの情報を入手して数日後には、複数のインターネット掲示板に前記の内容が書き込まれていた。
さて、話題は本筋から逸れるが、読者にとって最も興味深い内容の一つでもあるビン・ラーディンの居場所についてちょっと考えてみよう。昨年9月11日、ビン・ラーディンがどこにいたのかは、われわれにもわからない。だが米国によるアフガン空爆が開始された10月7日には、彼は間違いなくアフガンから姿を消していたと考えられている。前出の情報通
はこう語る。
「ビン・ラーディンは10月初めにはすでにアフガンから姿を消していたというのが、中東事情通
の常識です。ではどこに行ったのか。一般にはパキスタンとかイラクと言われていますが、それはあり得ません。ソマリア、イエメン説などもありますが、それもまずないでしょう。というより、すでに10月にはイスラム圏から脱出していたはずです」。
こう前置きしたうえでこの情報通は「アフリカのどこかの国の可能性が最も高いが、あるいは旧ソ連の某国の可能性も僅かにあり得る」という。この情報通
に限らず、ラーディンは「イスラム圏から脱出している」という見方は多い。アフリカのどこか、あるいは南米といった説も飛び出している。では、ほんとうはどこにいるのか。……もちろん本紙にもわからない。わからないのだが、本紙はかなりの確率で彼が匿われているある場所を想定している。
ビン・ラーディンが匿われている場所……。そのヒントは重信房子にある。一昨年に大阪で逮捕された元日本赤軍・重信房子はかつてたびたび北京を訪れていた。アラブ・ゲリラとして世界中がその行方を追っていた重信房子が、どのようなルートを使って北京入りしていたのかは不明だが、中東と北京を結ぶ極秘ルートがあったことは確かだ。しかも重信房子が北京滞在中にいた場所は、「砦のような頑健な壁に囲まれた場所」であり、その周囲を常時50人近くの兵士たちが警備していたという。しかもその警備の兵士の、少なくとも数人は「アラブ系の男たちだった」ともいう。ビン・ラーディンが逃げ込む場所として最も安全で、しかも米国にとって最も手が出しにくい場所は、間違いなく北京である。これは本誌の独断的推測に過ぎないのだが、その可能性は非常に高いものと考えられる。
ところで余談ついでに述べておくと、本紙が以前から主張している通
り、昨年9月の米中枢同時テロを単純に「ビン・ラーディンとアル・カイダの仕業」と考えることは非常に危険である。いや、単純にそう決めつけているのはわが国マスコミとそれに洗脳されたわが国大衆だけなのかもしれない。『スポーツ報知』紙によると、アフガン難民を描いて注目されたイラン・フランス合作映画『カンダハル』の監督モフセン・マフマルバフ氏は米中枢テロを「米国内部の抗争」と決めつけ、「事件を誰かのせいにしなければならず、世界で一番弱いアフガンのせいにした」と語っている(『スポーツ報知』紙1月15日朝刊)。この事件は恐らく未来永劫に闇に隠され続ける類のもので、さまざまな問題が捩じれた形で噴出した事件である。言ってみればオウム真理教によるとされた地下鉄毒ガス事件に似ている。
地下鉄毒ガス事件は、ロシアや旧ソ連、北朝鮮を含め世界中のさまざまな要因が絡み、さらにわが国内の政治、経済、そしてヤクザ問題にまで及ぶ問題があのような形で噴出したものであり、事件の背後には単に「麻原章晃+オウム真理教」だけでは片付けられない重大事が存在していた。今回の米中枢同時テロには、地下鉄毒ガス事件より遙かに巨大で陰湿な重大事が存在しており、これを単純に「ラーディン+アル・カイダ」と決めつけることは非常に危険な思い込みである。
北朝鮮の焦り
今年(平成14年)2月15日に金正日は60歳の誕生日を迎える。その日には盛大な祝宴が催されることは確かだが、さらに4月15日には故・金日成の生誕90周年のお祝いが予定されている。そして6月には、日韓ワールドカップ開催に対抗するための大アリラン祭も企画されている。北朝鮮にしてみれば、ワールドカップの日韓共催により日韓両国が緊密な関係を築きそれが世界中の話題となることは、心情的に許せるものではない。そこでこの期間に、世界中の大物たちを北朝鮮に呼んで盛大な大アリラン祭を企画、発表したのだ。だが、一般
庶民は極度の飢餓状態にあり、国家財政そのものが破綻に陥っている北朝鮮に、三度も続く大祭を乗り切ることができるのだろうか。
北朝鮮にとって頼りの金ヅルは日本だった。ところが日本の長引く不況は、裏ルートで北朝鮮に送られる金を極度に減少させてしまった。日本の不況のために朝銀がいかに苦労をしたか、またわが国国民の血税がいかに朝銀に吸い取られたか、以下をザッとご覧いただこう。
平成10年には朝銀近畿が破綻し公的資金3100億円が投入された。翌平成11年には朝銀東京を初めとする全国13の朝銀が破綻、平成12年12月にはまたまた朝銀近畿が破綻し、翌年には朝銀近畿は検査忌避容疑で家宅捜索を受けている。そして平成13年11
月、朝銀9行に対し新たに3100億円の公的資金が投入された。その後検査忌避容疑で元理事長らが逮捕されるいっぽう、昨年11月末には業務上横領事件として朝鮮総連元財務局長らが警視庁に逮捕されるに至ったのである。
昭和30年(1955年)に朝鮮総連が創設されて以来、総連本部に捜査当局の手が入ったのは今回が初めて。逮捕された康永官は非常に質素な暮らしぶりをしていた人物で、集めた資金で私腹を肥やしていたものではない。彼が北朝鮮に送金した額は「5000億円とも1兆円」とも言われているが、実際はそれより遙かに多いだろう。それでいながら今回の総連家宅捜査で押収したものは、僅か段ボール箱3つ。明らかに前もって捜査が告知されており、今後も含めてなお数千億円の公的資金を投入せざるを得ない状況のなか、国民大衆を納得させるために儀式的に行われた感が強い。この捜査に無理して同行を許可された警視庁外事課員たちは、内部のものに手を触れることすら許されず、ただ唇を噛んで総連内部に立ち入っただけだった。「われわれが主体で行えば、持ち出せるものはすべて押収した」――外事課員はそう語っている。
かつては北朝鮮の資金源とされ、平成元年には国会で「疑惑問題」まで引き起こしたパチンコ業界は、今ではそのほとんどが米ロスチャイルド資本下に吸収されてしまい、もはや北朝鮮の資金源ではなくなっている。米国の締めつけと言っても良いのだろうが、北朝鮮のカネ集め能力は格段に落ちてきているのだ。そんな状況下で、金正日60歳のお祝いと金日成生誕祝い、そして心情的に許すことができないワールドカップ日韓共催が続く。警視庁外事課員は、この状態を憂慮している。
「日本に対してさまざまな恫喝が行われている可能性がある。それは国家そのものに対してというだけではなく、一般
企業に対しても行われている可能性がある」――。だが、外事課が憂慮しているのは、企業恐喝紛いの資金稼ぎだけではない。
「いま外事課が最も恐れているのは、北朝鮮によるテロです。可能性は非常に高い。われわれはテロを絶対に起こさないよう万全の警備を行い、それなりの手を打っている。しかし、それでも網の目を縫ってテロが行われる可能性はゼロではない」。
本紙がこうした情報を得たのは昨年12月20日夜のことだった。その際、この外事課員は個人的な直観として、テロが起き得る日を以下のように推測していた。すなわち、一、12
月末。天皇誕生日前後。二、1月中旬。三、2月中旬・建国記念日前後。四、3月下旬。地下鉄毒ガス事件があった20日前後。
この情報を得た直後の12月22日、東シナ海に北朝鮮のものと思われる不審船が出現、海上保安庁の巡視船「いなさ」「あまみ」「きりしま」と銃撃戦を行い、不審船は沈没(自爆)するという事件が起きた。
この事件についてはさまざまな報道がなされており、読者諸氏も相当な情報を入手されていることと思う。新聞TVマスコミでは、この不審船発見は米軍の偵察衛星が捕らえた不審電波傍受が発端としているが、これは意図的な誤報の可能性が高い。『週刊文春』誌は独自の情報として、海上自衛隊鹿屋基地が電波を傍受し、P−3Cが飛び立って不審船と思われる船舶を軒並み撮影し、これを分析して特定したと書いているが、これが最も信頼できる情報だ。
不審船銃撃戦、沈没の報を受けて本紙は海自・佐世保基地の海曹と話し合ったが、この海曹はもちろん詳細は一切知らなかった。だが、「米軍が北朝鮮の小型偵察船を細かに観測している可能性より、鹿屋基地による無線傍受の可能性のほうが高い」としたうえで、「恐らく周辺海域には不審船同様の漁船が相当数存在し、その分析に手間取ったのではないか」としている。さらに個人的感想として、「沈没した船はオトリであり、その近くに本命がいたはず。また一部マスコミに発表された通
り、同時刻に日本海近辺に少なくとも2隻の不審船が行動をしていたようだ。どちらも1隻は陽動作戦またはオトリ船であり、海自の護衛艦出動の際にはロケット砲RPG−7で攻撃する予定だったと思う」と語っている。
今回の不審船は、3年前に能登半島沖に現れた3基のモーターを積載した高速艇とは違い、モーターは一基の低速船だった。このことからも、この船がオトリあるいは陽動作戦を展開した船だった可能性が高い。ではこの船、あるいは発見できなかった北朝鮮工作船の目的は何だったのか? もちろんそれは、北朝鮮の資金調達船にほぼ間違いない。この時期に工作員交代用の船が東シナ海一帯に現れることは少ない。この一帯に現れる北朝鮮工作船の多くは、麻薬取引とその資金回収船であり、ときには大陸系の黒組織が絡んでいる場合もある。
これに関し非常に残念な話がある。不審船沈没直後には、「引き揚げは技術的にも可能だ。現場水域がどういう状況か調べて、できることなら引き揚げたほうが良い」と小泉首相は応えている。首相のこの発言に対して、海保や海自の幹部、防衛庁などは小躍りするばかりに喜んだ。ところがその数時間後、福田(康夫)官房長官は「引き揚げなくても船籍や積み荷がわかれば、それで良い」と消極発言。「何としても引き揚げる」と威勢良い発言をした扇千景(国土交通
省大臣)も、官邸側から注意を受けて発言が尻すぼみになってしまった。さらに追い打ちをかけたのが、連立与党の公明党・神崎(武法)代表だ。「引き揚げのメリットとデメリットを考える必要がある」と、まるで引き揚げに反対する立場をとる。ここにはどうやら、中国(支那北京政府)の意向があったと考えられる。
海自佐世保の海曹は語る。「われわれの間では、この海域に現れる不審船は麻薬取引か工作員交代の任務を帯びていると考えている。証拠はないが、北朝鮮の工作船は中国(支那)と関係を持っているというのが常識だ。それも蛇頭などとの関係ではない。軍と密接に絡んでいる。今回も五星紅旗(国旗)を掲げ『長漁3705』という名を船体に記していた。本来だったら不審船がこんなことをすれば中国海軍が放っておかないはず」。
事実、不審船が沈没(自沈)した直後、深夜にも関わらず在北京の日本大使館は支那政府外務省に呼び出され事件の説明を求められ、翌日には「武力行使したことに留意しており死傷者が出たことに遺憾の意を表明する」というコメントまで発表している。それどころではない。小泉首相の「引き揚げ容認」発言直後には、「日本側は中国の権益と懸念を十分に尊重すべきである」と、恐ろしいまでに露骨な干渉を行ってきている。北朝鮮が日本からカネを巻き上げようとしているのを黙認するどころか、これを応援しようとするのが中国(支那北京政府)の本質なのだ。
年末に起きた不審船沈没(自爆)事件は、工作員交代目的であったにせよ麻薬取引にあったにせよ、いずれにしてもわが国を狙った犯罪であり、テロ行為の一環である。この解明に待ったをかける支那北京政府に対し、わが国政府は堂々と応対すべきである。そしてより怖いのが、わが国を不安混乱に陥れる直接行動によるテロだ。前述のように警視庁外事課が最も恐れているのが、こうしたテロだ。だが、北朝鮮によるテロに関し、警視庁ではない国家情報の某機関は、次のように語る。
「北朝鮮が直接手を下すはずはない。そんなことをすれば、たちまち米軍による空爆すら考えられる。怖いのはオウムのような連中だ。それはパレスチナの自爆テロに似ている行動となる。イスラム過激派の連中は、自分の意思で爆弾を抱えてイスラエルを襲撃しているのだが、実際はイスラエル工作員の煽動で自爆テロを行っている。かつてオウムは、自分たちの意思で国家を転覆させようと地下鉄事件などを起こしたが、それを背後から煽った者がいることは間違いない。――今後わが国に起きるテロ紛いの事件は、オウムの時と同様、本人たちは自分の意思でやったと考える破壊活動だ」。
ここにきて、9月14日付けの北朝鮮の機関紙・労働新聞の論説欄の記述が気にかかる。「日本は人口密度が高く、故に弱点が多い」「原発や上下水道」――。本紙と親しい情報通
は、こう付け加える。「具体的に攻撃目標と思われるものを列記しておきながら、不思議なことに『新幹線』という言葉が出てこない。最も効果
的で最も簡単に攻撃できるのは新幹線だと思われる。オウムのような連中がまた使われるのかどうかはわからないが、他国の工作員の笛に乗って踊りを踊る連中が出てくることが一番恐い」。
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