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十月株価一万四千円は真実か

 六月以降、東京株式市場が賑わいを見せている。七月三日には一時日経平均株価が一万円に迫る勢いで、最終的には九五九二円と昨年九月末以来の九五〇〇円台回復となった。出来高は十九億三千百万株で、十億株を越える商いが二五日間続いたことになる。この伸長ぶりはバブル期以上のもので、東京株式市場のディーラーたちからも「明らかにムードが変わってきた」と驚きの声があがるほどだった。

 すでに本誌は今年初めから予測を述べてきたが、今年の株高は必然である。もともと昨秋以来の株価下落は、米国金融筋が日本の銀行の乗っ取りを企んだところから始まった。小泉純一郎首相に日本経済の舵取りを丸投げされた竹中平蔵大臣は、メガバンクの国有化で経済危機を乗り切ろうと考えた。「国有化→米銀による乗っ取り」こそが米側の思惑で、竹中平蔵の動きに乗じて米側はいわゆる優良株の空売りを浴びせかける。これでメガバンク国有化の圧力は高まり、竹中平蔵の思い通り、米銀の思い通りの展開が進行していった。

 だが、日本の銀行は大学で講義を教える竹中とは違った。筋も道理もない。現実に経営手腕をふるってきた経営者たちは、教室の学問通りに動くわけではない。メガバンクは軒並み、第三者割当増資を行い、あるいは弱小子銀行に親銀が吸収合併されるなど、なりふり構わぬ自己資本増大策を取ったのだ。この時点で米側は対日経済戦略を基本的に変更した模様。財務長官のオニールや経済諮問委員長のリンゼイなど主要閣僚の更迭にそれが見てとれる。その後の米側は、竹中や小泉などアテにしないで直接市場とやりあうことになったのだ。

 こうした状況は新聞記事からも見てとれる。以下をご覧いただきたい。

株高本物? 東証急騰9500円台 1万円が「分岐点」

(中略)この日特に目立ったのは、大手銀行株だった。みずほフィナンシャルグループ(FG)、UFJホールディングスが一時ストップ高となり、年初来高値を更新したほか、三井住友FGや三菱東京FGも大幅に値を上げた。
これまで相場の足かせとなってきた銀行株だが、『外国人投資家は、持ち合い解消が、一段落したと見始めた』(外資系証券)ことに加え、『株価水準回復の遅れが目立つ大手銀行株に注目した』(大手証券)との事情もある。
銀行株が買われ出したことは投資家に買い安心感を与え、さらに『新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS、サーズ)の終息宣言や、一日発表された日銀の企業短期経済観測調査(日銀短観)での国内景況感の改善で企業業績を見直す動きも出ている』という。
 ただ、今回の上昇が本格回復かどうかでは、まだ、意見が分かれている。十九億三千万株を超えるという十四年四カ月ぶりの出来高や売買代金から、『株式市場は復活した』との見方がある一方で、デフレや不良債権問題など『日本固有の問題は解決されていない』とする慎重論は根強い。
日経平均株価は近く一万円を回復するとの声は多い。しかし、そこで利益確定の売りが出るのは確実だ。『問題はその後も押し上げる力があるか、そこで力が尽きるかだ』(証券関係者)。市場の目は“一万円後”に移りつつある。
(『産経新聞』七月三日朝刊)


外国人の買い越し一兆円超

東証が三日発表した六月の東京、大阪、名古屋の三市場における株式の投資主体別売買動向によると、外国人投資家の買い越し額は一兆八百四十三億円となり、平成十三年四月以来二年二カ月ぶりに一兆円を上回った。一方、信託銀行は四千六百九億円の売り越しで、十二年二月(六千七百五十億円)に次ぐ売り越し額。六月は、米国株高を背景に外国人の旺盛な買いが日経平均株価を押し上げ、月末に九〇〇〇円台を回復した。
(『産経新聞』七月四日朝刊)

 不景気が長期に渡り続いていたわが国だが、そんななかでも実は個人資産は十分に存在していた。それがわが国の莫大な浮遊資産と化している。現在は世界的に見て浮遊資産が増大し、実体経済をはるかに越えてなお増大し続けている。この結果、何よりも「噂」「情報」によって市場が左右されるという危険な状態にある。

 今年三月末の上場企業の決算は過去最高だった。つまり普通に考えれば、四月初旬から日本の株式市場は高騰を続けてもおかしくなかった。それが五月下旬以降にずれこんだ理由は、米国発の情報である。そしてまた、普通に考えれば株価はこのまま上昇し、十月には一万二千円〜一万四千円、年末あるいは年明けには二万円を狙えるところまで来るはずだ。

 この株高を小泉純一郎が「再選のための好材料」と受け取っていることは間違いない。実体経済の面からも個人資産の面からも、そして何より「富の生産」という経済の本質から考えても、今年わが国が株高、土地高、円高に見舞われることは間違いないのだが、小泉純一郎はそれほど自分の国に自信を持っていない。

 米国勢力にしてみれば、脅しの絶好の材料となる。「それなら、日本の株式市場からカネを引き上げますよ」のひと言で小泉は震えあがる。小泉がますます「米国の犬」に成り下がっていくことは止めようがないだろう。

 ただし今回の東京市場に参入している外国機関投資家たちは米勢力だけではない。いやむしろ米の一極支配構造から離反しようとする欧州機関家たちの参入が目につく。こうしたなか、来春にデノミが行われるようになれば、まさにバブル期の再来状態に突入する可能性は高いのだ。

 (デノミ=デノミネーション。本来の意味は「通貨呼称変更」。一般には通貨単位切下げとして使われることのほうが多い。現在の通貨を百分の一、あるいは千分の一にすること。具体的には「新円」の発行。「一新円」は現在の百円または千円となる。デノミによって眠っているタンス預金など個人隠し資産が一気に市場に出回り、また物価を押し上げることに繋がり、インフレが誘導されやすい。)

 

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