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自民党総裁は「N」で決定

(本記事は2001年3月末現在のものです。本誌の予測のその後につきましては、5月5日付けの本誌記事「森喜朗の怪」 をご覧ください)


なお続く野合政権

 マスコミ主導の下、「辞めろ辞めろ」の国民的大合唱が起き、3月10日夜の自民党五役との会談で森喜朗首相はついに退陣を決定した。ところがその後の3月19日の日米首脳会談、25日の日露首脳会談、そして4月初旬までかかる予算関係法案審議終了までは明確に退陣を表明することが出来ず、存在意味不明の内閣がわが国を動かし続けている。

 3月16日には、戦後初めて政府として「デフレ」を公式に認めた(麻生太郎経済財政相「緩やかなデフレ」発言)が、経済減速の危機に首相・内閣が主導権を発揮できないという異常事態に国民大衆はなお怒りを露にしていない。19日の日米首脳会談は、ブッシュ米大統領に不良債券処理問題など強烈な注文を受けるなど米国ペースで終始したが、これも退陣直前の森首相であるが故に叩かれっ放しといった印象だった。

 4月5日には予算及び関連法案の参院通過が見込まれ、直後に森喜朗は退陣を明確な形で表明すると思われる。その結果 、早ければ4月19日、遅くとも4月末には自民党総裁が決定され新たな内閣が誕生するだろう。

 こうした動きのなか、自民党は地下で国民不在の総裁選びを続けており、国民大衆もまたそれに対して何の反応も見せていない。わが国にとって最大の問題は、じつは政府与党や首相にあるのではなく、大衆そのものにある――。いや、大衆をリードすべきTV新聞マスコミが正しい報道を行っていない点が問題だと思われる。

 国民不在、大衆無関心の状況下にあって、自民党はなお公明党・保守党との連立を捨てようとは考えていない。この野合政権こそ最大のガンであることに大衆は気づくべきである。


ポスト森を巡って

 4月初旬までは明確な形での森退陣が宣言されていない。この結果 、ポスト森を巡る駆け引きは水面下で行われ、ますます国民不在の印象を強めている。大衆にとって自民党総裁選びは、芸能界の事件と大差ない感覚になりつつある。

 では、一般マスコミが語る芸能界情報ならぬ「ポスト森情報」はどうなっているのか。ひと言で言えば「混沌状態」である。

 森派に所属し実力と人気を兼ね備えた小泉純一郎が総裁選出馬に出るという情報から、小泉が最も近い位 置にいるという見方が強い。しかし森喜朗自身は首相引退後も内閣に対する発言権を確保したいと考えており、最大派閥橋本派の意向を気にかけており、小泉支持に回るか否かは不明だ。現実に小泉は22日にも「私は出るとも出ないとも言っていない」と最後まで森の態度に同調する構えを見せている。

 橋本派では、領袖の橋本龍太郎が総裁に色気を見せてはいるものの、派内は野中(広務)を推す勢力が強い。ところが野中自身は「私が出ることは200%ない」と明言。またこれを聞いた同派最大実力者の青木(幹雄)が「300%ない」と補足するなど、野中の芽は一般 マスコミでは消えたように見える。

 野中は「世代交代」をさかんに訴え、古賀(誠)が有力と伝える新聞もある。あるいは小泉の「野田聖子首相・小渕優子官房長官」という冗談とも思える発言を本気で報道する新聞もある。

 この他には、本紙がすでにお伝えした通り、亀井静香、平沼赳夫、堀内光雄などが総裁候補と伝えられる。では、現実はどうなるのだろうか?


中曾根急浮上の謎

 デフレ宣言が出され「国家存亡の危機」のために経済対策を優先させ、総裁選を6月に延ばすと野中が発言したのは3月14日のことだった。ところが一夜明けた15日に、野中はこの発言を撤回。自民党内でも6月先送り案はパッと沈静化し4月実施がほぼ間違いない状況となった。こうした状況下の3月21日、本紙は永田町情報に詳しい二人の人物から興味深い話を聞いた。以下はその雑談を纏めたものである。

 朝日新聞が突如、「森退陣」をスクープした3月8日、ポスト森候補として野中、小泉、古賀といった名が永田町に流れた。この時点では10人を越える候補があげられたが、その中に「中曾根」の名もあった。

しかしこの時、中曾根総裁を考えた者は一人もいなかっただろう。事実、自分たちも中曾根の芽は0%だと考えていた。

 ところが、野中が青木の支持を得られず、小泉が躊躇した中で最大実力者として、急遽、中曾根による短期リリーフが浮上してきた……というのだ。

 この情報通の見解はこうだ。

 ――橋本派のウラの実力者・青木幹雄は野中と合わず、また権益問題で衝突するから野中が総裁選立候補しないハズだ。小泉は郵政民営化問題で主流派の同意が得られないのが最大の問題だが、同時に独身である彼は女性問題を片づけておらず、今の時点で立候補には躊躇しているという。さらに多くの候補が参院選敗退を予感しており、誰もが「次の次」を狙っているという。こうしたなか、堂々と出馬できるのは橋本か中曾根しかいない。また、KSD問題で逮捕された村上(正邦)は何らかの取引を中曾根と行った可能性があり、そこには中曾根首相の筋書きが存在したという。

 現実に、この二人以外の永田町事情に詳しい人々は異口同音にこう語る。「3月中旬には中曾根の可能性は0%だったが、現在では30%くらいまで上がっている。あるいは今後の工作次第で中曾根首相もあり得るかもしれない」。

 では、ほんとうに妖怪・中曾根が短期リリーフで自民党総裁になるのだろうか? 本紙はまったく別 な情報源から「野中で決定」という情報も得ているのだ。


野中で決定

 米ワシントン・ポスト紙が「森の後は野中」と報道したことは前回お伝えした。しかし日本のマスコミを見る限り、「200%あり得ない」という本人の発言が大きく取り上げられ、野中総裁はないような印象を受ける。これについて京都府の某実力者が以下の解説をしてくれた。

 「野中さんで決まりです。14日の夜に野中さんご自身で決断された。その後1週間かけて折衝が続けられ、23日の夕刻にすべてが整った。京都はすでに野中首相を念頭に置いて動いています」。

 さらに情報を追求すると、野中総裁誕生の青写真が見えてくる。

 「朝日新聞がスクープのように森退陣を発表したが、誰の目にも明らかな通 りあれは野中さんの指示。森首相を引きずり下ろした張本人は野中さんです。その本人が総裁を狙わないはずはない。とくに連立を組んでいる公明党、保守党は野中さんでなければ連立解消まで考えている。ところが国民の間には野中さんは〔黒幕的存在〕と見られ、正面 突破すれば森の二の舞。支持率も低く参院選敗北の責任どころか経済政策まで追及されるでしょう。だから一旦は出馬を拒否し、請い乞われて総裁選立候補という形を取るでしょう」。

 この情報の出所は明確にできないが、精度はかなり高いものである。では、いったい今後どのような情報操作がなされるのだろうか。当然ながら考えられるのは、朝日新聞、TV朝日を中心としたマスコミである。本紙が考える手順は、以下の通 りだ。

 まず新聞TVで「野中の総裁選出馬はあり得ない」という情報を流す。場合によっては本人自らがTV生番組で出馬なしの宣言を行う。次に小泉を初めとする総裁候補を新聞TVで叩く。TV生出演でこれを追及することもあり得る。古賀、野田聖子などといった若手については、実力もない首相ではこの経済的難期を乗り越えることが不可能といった印象を与える。さらに、自民党改革には実力者の登場が必要なこと、また難局打開のためには与党一体の非常時内閣が必要なことが説かれる。――その挙げ句に、TV生番組中に司会者が野中出馬の必要性を語る、といった筋書きが考えられる。

 田原総一朗、蟹瀬誠一、久米ひろし……こういったTV朝日系のキャスターたちの発言、動向には注意しておいたほうが良いだろう。

 大衆が真に考えなければならないのはいったい何なのか。自民党政策に賛成の者も、また反対の者も、公明・保守との野合政権がこの国を救うものなのか否か、真剣に考えるときではないだろうか。

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