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秋篠宮妃紀子様に親王ご誕生!

 9月6日午前8時27分、秋篠宮文仁親王殿下、同妃殿下の第三子がご誕生された。国民が待望していた親王のご誕生である。皇族としては初めての帝王切開でのご出産となったが、母子ともにお元気。皇室としては昭和40年に秋篠宮さまがお生まれになって以来、じつに41年ぶりの男子ご誕生となった。

 当日、愛育病院を訪れになられた秋篠宮殿下、眞子さま、佳子さまも大喜びだったが、北海道を訪問中の天皇皇后両陛下も笑顔で祝福をされ、また皇太子殿下、妃殿下もたいへんなお慶びようをみせられた。日本列島全国が待ち焦がれていた慶事だけに、あちこちでお祝いの声が飛びあった。ロイヤル・ベビーのご誕生で、経済効果は230億円(英インディペンデント紙)とも1500億円に達する(第一生命経済研究所)とも言われている。

 東京株式市場も沸いたが、今後の安倍新政権誕生後の期待値を含め、年末に向かって日本経済はいよいよ好調との予想が強い。親王様(親王宣下を受けた男子皇族)のご誕生は、何にもまして喜ばしい出来事である。国民として誰もがお祝いに預かってよろしい。だが日本の近未来はそれほど楽観できるものでもないのだ。

小泉純一郎の駆け込み外交

 小泉首相は任期期間の約5年の間に50回を越える外遊を行ったが、これは歴代首相のなかでも飛び抜けている。外交にポイントを置き外遊を繰り返していた中曾根首相が5年間で20回程度だったことを考えても異常なまでの多さだ。小泉首相は9月8日現在もフィンランドに出かけている(ASEM)。これに先立ち、8月末にはカザフスタン、ウズベキスタンの2カ国を訪問している。この中央アジア外交は、日本が中央アジアにおけるパワーゲームに参加するとして、世界中が注目したものだった。中央アジアでは、とくにウズベキスタン、キルギスに見られるように、米911テロ以降、米軍駐留を受け入れ、その見返りとして欧米の大手鉱業資本が金やウラン鉱山の開発に乗り出していた。ところが今年に入って、中央アジア各国の政府が排米・排欧、親露の方針に変わっていくなか、事業の継続に翳りが見え始めていたところだった。

 英国の経済紙FTによると、米の金採掘大手ニューモント・マイニング社は今年7月末に、ウズベク税務当局から4800万ドル(約54億円)の追徴課税を課せられ、金の開発権を売却する方向にあると報じている。また英の非鉄金属採掘会社オクサス・ゴールドが保有してきたキルギスの金鉱開発権をロシア系のグローバル・ゴールドが取得したとの報道もある。

 今年夏以降、ロシアの中央アジア戦略が米英と激突、その結果として熾烈な鍔競り合いが開始されたと言えば簡単におわかりいただけるだろう。

 ロシア対米英の激戦の最中に、中央アジアでエネルギー資源外交を展開しようとする小泉首相に対し、ロシア政府が黙っているはずがない。水面下での激しいやりとりがあったと伝えられる。そうした水面下での暗闘のなか、8月上旬に北方海域でロシア官憲から日本の漁船が銃撃を受け、乗組員の一人が殺害されるという事件が起きた。日本の中央アジア外交に対するロシア側の威嚇という側面が十分考えられる事件だった。ただしこの事件については、当該漁船だけを執拗に追い銃撃したところを見ると、船長または乗組員が、レポ役を突如として放棄したといった、何らかの恨みのようなものをかっていた可能性も否定できない。

ポスト小泉=安倍新政権の行方

 9月8日現在、自民党議員の7割強が安倍普三支持を明確にしている状況のなか、ポスト小泉レースは安倍の圧勝で確定的なものとなった。それでは安倍新政権はどういったものになるのか。これについてはすでに新聞テレビ週刊誌を初めとするメディアがさまざまな分析を行っているから、先ずはそちらをご覧のうえご自身で判断されることが望ましい。ここでは安倍普三の人脈ネットワークをご紹介してみよう。

 安倍は森派に属しており、清和会(森派)の町村信孝、尾身幸次、中川秀直らが積極支援に回っている。国会議員では他にも、高市早苗、下村博文、山谷えり子、世耕弘成、稲田朋美、萩生田光一といった若手グループ以外に、他派閥の甘利明(山崎派)、菅義偉・、塩崎恭久(丹羽・古賀派)、松本洋平・中川昭一(伊吹派)、竹中平蔵(無派閥)等がシンパ集団を形成している。財界で積極的安倍派を構築しているのは、経団連会長の御手洗冨士夫、JR東海の葛西敬之、関西経済連合会の秋山喜久、トヨタ自動車の張富士夫、大和総研の的場順三等々といったところか。マスコミや文化界には、ご存じ産経新聞社を初めとして、重村智計(早稲田)、中西輝政(京都大)、大原康男(国学院)、あるいは作詞家の秋元康、経済アナリストの藤田勉がいる。官界には、警察庁長官の漆間巌、内閣調査室の三谷秀史、元タイ大使の岡崎久彦、外務事務次官の谷内正太郎らが控える。

 だが、こうした表沙汰となる人脈はじつは問題ではないのだ。私淑している荒井三之進氏などでもなく、ほんとうの意味で安倍普三を支える影のブレーンを、どこまで見事に構築できるかによって安倍新政権の実力が問われてくる。小泉純一郎首相が、自分の(米国の)思い通りに政策を進行できたのは、影のブレーンのお陰である。その事実を安倍普三は熟知している。今後の安倍の手腕を見守りたい。

 小泉純一郎が8月15日に靖国神社を参拝したが、中国における非難活動は想像を遙かに下回った。現実には靖国神社前で中国人が立ち小便をして逮捕されるなど、報道されず表面にも出なかった多少の問題があったが、日本も中国も、じつに見事な連携で靖国参拝を表沙汰にしなかった。アテが外れた韓国が一人蚊帳の外で右往左往した感がある。

 安倍新政権に対する中国、韓国の期待は大きい。とくに中国は、経済が厳しい局面にあり、日本からの支援だけが頼りなのだ。中国に対する投資は、世界中が手を引き、どの国も前年比を大幅ダウンしているなか、日本だけが大幅増大(+15%)している。一部経済界には「このままでは日本だけがババを引かされるのではないか」との危惧感も出されている。ここで日本の経済活動が停滞したり減退したら、中国経済は一気に減速し破綻に向かう可能性もある。胡錦濤が安倍新政権を重要視しているのは、こうした事情による。安倍普三本人も対中外交を重要視する姿勢にある。安倍新首相が就任後、最初に行く外国は中国ではないかとの観測もある。またいっぽうでは、安倍新政権誕生直後に胡錦濤が訪日。年内にも日中首脳会談が催されるのではないかとの見方もある。

 ポスト小泉の安倍普三は、小泉路線を歩むと思われる方もいるだろうが、現実はそうではない。非常に簡略して述べてしまえば、小泉を支えてきたのはチェイニー(米副大統領)を初めラムズフェルドなどのネオコン派、すなわち新興ユダヤ勢力である。いっぽう安倍普三のバックは米国国権派と考えて良い。

 戦後日本は連合軍に占領され、米国の支配下にあった。したがって政官財は連綿と米国従属の状況にあった。それが田中角栄による日中国交回復以降、大きく変化していった。表の顔は米国に服従し、ウラでは中国利権に血道をあげるといった雰囲気だ。とくに中曾根、後藤田はこうした状況を強め、いまでは政官財マスコミは完全に中国の支配下にある。この現状を危惧し、政治世界だけは米国直属のものに仕立てようという目論見のうえに作り上げられたのが小泉政権であり、小泉はまさしく米国の忠犬となった。先の中央アジア資源外交にしても、結局のところ米国による中国包囲網作戦の片棒を担がされただけである。

 安倍普三は小泉路線を踏襲し、米国追従型政府を構築するつもりだろうが、前述のように米国は米国でも、ネオコンか米国権派かで大きく異なる。教育、憲法を前面に押し出す安倍普三は、さらに日本版NSC(国家安全保障会議)まで企画している。この行き着くところは防衛庁の省昇格と自衛隊の国軍化である。それは同時に、米軍再編プランと利害が一致する。米国にとっては、対半島、対中国の戦略の一環に日本軍を独立部隊として配置したいのだ。だがこの計画に対する内外の反対勢力は大きい。状況次第では、安倍新政権誕生の1年以内に、日本版911テロが起きるかもしれない。

――それはオウム地下鉄毒ガス事件を遙かに上回る衝撃となるだろう。その結果、警察では対処できないから自衛隊の出動を!という国民の声があがり、それが防衛庁の防衛省昇格、自衛隊国軍化、憲法改正への道筋となり得る。これをSF物語と受け止める方もいるだろう。そう。そんな事件が起きる可能性のほうが少ない。だが、起こっても不思議ではない。現在の日本は、米国に追従するか中国利権に血道をあげるかの二つの道しか探っていないように見える。こんな状態だから、世界の国々から相手にされず、漁船は銃撃され拉致問題は解決せず、周りの顔ばかり気にして生き延びる惨めな国民になってしまった。国民大衆に日ごろから鬱憤が充満し、ストレス社会となっている原因の深奥はこのようなところにあるのかもしれない。

 安倍晋三の肝が据わりさえすれば、米国の力を借りて日本を米国から独立させることも考えられる。新たな未来戦略を安倍普三新政権に期待したいところだ。■

 

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