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土地境界杭紛争・「コンクリート杭+黄色の指標色」が意味する「権利確定」 Eメール
地方行政を読む - 東松山市
2009年 12月 07日(月曜日) 10:20

“東松山市” vs “スーパークレーマーH氏”の「境界紛争」!
やはりウソだった!測量会社への取材で判明した
市側の「案」という苦しまぎれの言い訳
「コンクリート杭+黄色の指標色」が意味する「権利確定」

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本紙が10月にお伝えした、東松山市対「スーパークレーマーH氏」の土地境界紛争……。H氏が自己所有の土地をめぐり、公図と現況との相違をもとに市側に土地面積の増加を執拗に要請。市は同氏に屈服し、隣接する市有地からH氏の私有地へ秘密裡に土地を譲渡するため、東松山市職員がコンクリート杭を増設し、境界を勝手に移動した疑惑である。

東松山市は、公有地とH氏所有の土地との境界を示すコンクリート杭3本を、南西側部分で1メートル、南東側部分で70センチほど、市有地(松葉町1丁目24番)に食い込む形で動かしていた。H氏の土地面積を増加させ、市有地を減少させたこの措置は、ひたすらH氏の無理な要求に屈服しただけのもの。何ら法的根拠のない行為だ。のみならずこの措置が市長決裁を経ないまま、H氏の要求に屈した御澤副市長の「指示」による建設部建設管理課らの独断によるものだったことも判明。境界毀損罪、業務上横領罪、背任罪等の疑惑さえ浮上している。

事件の詳細は過去記事を参照していただくとして、市側はこれまで本紙に対し、何の法的根拠もなく杭を移動したことは認めつつも、「コンクリート杭を打ったのは、あくまでも『案』である」と主張。あくまでもプランを示すための暫定的行為であったと強調してきた。

そこで本紙は今回、東松山市の依頼により実際に杭の打ち込み作業を担当した東松山測量設計(株)を訪れ、境界杭増設に関しインタビューした。結果として判明したのは、やはり東松山市のウソであった……。

「『案』であるならば、木杭を入れましょうか」(測量業者)
「いいから、コンクリート杭(本杭)を入れてくれ」(東松山市)

本紙が東松山測量設計を訪れたのは11月2日。さる4月、東松山市建設部建設管理課がH氏の再三の要求に屈し、境界杭2本(コンクリートの「本杭」)をそれぞれ増設したケースについて、市側からの依頼・指示等に関して話を伺った。

「市から業務依頼があった時点で、はっきり『コンクリート杭を打つように』言われました」(同社担当者)

増設の距離はH氏と市が協議して決めたものであり、その指示どおりに測量。実際の増設作業自体は半日で完了した、という。

「標杭規格表」を参照していただければ一目瞭然だが、「コンクリート杭+黄色の標示色」は用地境界杭を意味し、権利境界を示す正式な杭である。市が本紙に主張するような「案」であるならば、「プラスチック杭+赤色の標示色」の用地境界仮杭であるはずだ。



<現場写真。左側が新たに打ち込んだ杭、右側は既存の杭。新たな杭は黄色に塗布されている>

同社担当者は業務依頼の段階で、コンクリート杭で本当にいいのか、と疑問を抱いたという。

「そこで市職員に対し、こう言いました。『コンクリート杭とは用地境界杭、あるいは権利境の境界杭になるものです。もし仮杭であれば木杭を打ちますよ。よく判断してください』とね。もちろん現場でも同じことを、その場にいたH氏と市職員に確認しました。しかし何度確認しても『コンクリート杭を入れてくれ』という指示に変化はありませんでした。私どもも役所からの依頼の仕事なので、指示どおりコンクリート杭を入れました。その後、埋めた杭に市職員が黄色のマークをつけたのです」

標杭規格表を見れば明らかに「本杭」を意味する「コンクリート杭+黄色の標示色。だが市側はこの杭増設行為を「案=暫定的プラン」であると強く主張しているのは先述のとおりだ。「案」であるならば、たとえば公図やその他の図面から面積を求めることができるのではないか。

標杭規格表
名称
材質
杭の標示色
形状(単位cm)
3級基準点杭コンクリート無着色12×12×90
4級基準点杭無着色6×6×60
平板測量杭無着色4.5×4.5×45
仮B・M杭無着色9×9×75
距離標コンクリート無着色12×12×120
 無着色6×6×60
I・P杭9×9×90
役杭9×9×75
中心杭6×6×60
引照点杭9×9×75
控え杭6×6×60
見通杭4.5×4.5×45
水際杭4.5×4.5×90
用地幅杭6×6×60
筆境界杭(用地境界仮杭)プラスチック4.5×4.5×45
用地境界杭コンクリート12×12×90
保護杭木・プラスチック本杭と同色6×6×60

「ええ、できますよ。データさえあれば、ね。私たちは0.001メートル(1ミリ)のオーダーで算出します。しかし市役所にはそれができません」

では「案」であるならば、実際に杭を増設しなくとも、同社のような技術を持つ測量設計業者が精緻に算出した図面をベースにした、図面上での「提案」でもよかったはずだ。いや、そうすべきではなかったのだろうか。その点を同社に問うと、

「だから、私たちも現場で『木杭ではなくてもいいのですか』と、何度も確認したのです」

市が同社に「コンクリート杭を入れてほしい」と依頼したということは、イコール東松山市がH氏に対し「この部分の土地を譲りますよ」という意思表示であり、なおかつH氏のOKをも意味する、登記上の問題まで考慮した行為としか考えられない。

というのも、不動産登記事務取扱手続準則及び法務省の先例では、境界標は「材質に耐久性があり、堅固な埋設で永続性のある標識」(永久標識)でなければならない、とされているからだ。切断が容易なプラスチック杭や、腐食が早く永続性のない木杭は材質の点からして仮杭、予定杭などにしか使用できない。つまり東松山市がH氏の要求に答える「案」としてコンクリート杭を打った、というのはまったく説得力のない話。「プランの提案」行為でコンクリート杭など、不要であり、打ってはならないものなのだ。

今回のケースとコンクリート杭について他市の測量業者に尋ねると、「『案』であるならば、木杭かプラスチックの杭を入れますね。用地境界杭(コンクリート杭)はいろいろな問題に発展することにもなるので、打つときには慎重にやりますよ」と、コンクリート杭が持つ意味の重大性を強調する。単なる「土地境界に関する暫定的プランの提案」のためにコンクリート杭を埋設し、しかも黄色の標示色を塗布するなど考えられないというのは、測量の世界では当然の認識であることを確認することができた。

東松山市民よ、怒れ!
無能な市長に、遵法精神なき幹部職員…
自浄作用を働かせるのは市民でしかない

もう一度、本紙に対する東松山市側の説明を確かめてみよう。H氏所有地に隣接する市有地は、東松山市施行の「松葉町一丁目区画整理事業」(事実上の中止)のために購入したもの。同事業の担当は都市整備部区画整理課だ。

実際にコンクリート杭を打ったのは同市建設管理部。だが総務部の金子部長は「この問題は総務部が対応する」という見解を表明。調査して「間違った行為」等が見つかれば分限懲戒委員会にかける、と答えた。ところが数日後、金子部長および同部次長は「調査した担当課からの結論は『問題なし』。『案』であるため、杭を打って現場確認をしてもらう、という考えによる適切な行為だと思う」などと、平然と回答してきたのである。

都市整備部、建設管理部、総務部が連携し、市長決裁も経ずに打ち込んだコンクリート杭=本杭を「案を示す適切な行為」とごまかすその背後にいるのは、H氏の要求に屈した御澤副市長であることは、本紙過去記事でお知らせしたとおりだ。そしていま御澤副市長らは、坂本市長の決裁を得る手続きに入ろうとしている、という。自分たちが進めた違法行為の責任を、すべて坂本市長に押し付けようというのである。

いったい東松山市は、どうしてしまったのか。リーマンブラザース社債1億円焦げ付き隠蔽事件で一躍、全国に悪名を轟かせた坂本市長……。その市長さえ知らないところで、幹部職員の手で悪質行為が日常的に行われているのであれば、もはや東松山市は完全な機能不全に陥っているとしか言いようがないではないか。

首長(坂本市長)の「首のすげかえ」だけでは、東松山市は完治しない。違法で不公平な行政の病巣を徹底的に抉り出さねばならない状況を、市民はこれまで何度も目の当たりにしてきたはずだ。東松山市民よ、怒れ!市に自浄作用をもたらすことができるのは、市民以外にあろうはずがないのだ。■