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「東松山をこうしたい!」公開討論会 官製談合を撲滅できるのは誰だ? 市民病院で救急医療を再開させるのは誰だ? 「リーマン」の1億円を取り戻せるのは誰だ? 三つの汚点を残した坂本市政の継承か、それとも変革か!! (プリントアウト用はこちら) 与党・民主党が大敗を喫した先の参院選。だが東松山市の「政治の季節」はこれからが正念場だ。6月27日、次期市長選立候補予定者4名(松坂喜浩・鈴木健一・森田光一・竹森郁の各氏。別に名乗りを上げている新井勝氏は欠席)を招いての「公開討論会」が、松山市民活動センターホールにて開催された。灼熱した舌戦が繰り広げられた公開討論会。6つのテーマの中から2つの討論の模様と、会場の市民アンケートより質問が多かったリーマン社債1億円問題の内容をご紹介しよう。
【談合問題について】 「談合は『ない』と思う」(松坂氏) 「しがらみのない市長こそが必要」(竹森氏)まず議題に上ったのは公共事業にかかわる談合問題。司会者はこの公開討論会の主催者でもある「考える市民の会」代表・権田功氏だ(以下、権田氏については単に「司会者」とする)。 司会者は2年前、東松山市で起きた官製談合事件(逮捕者2名)に触れつつ、各立候補予定者に対し、ずばり「官製談合を撲滅する方法をお答えください」と、討論会の口火を切った。
各立候補予定者とも「官製談合は許し難い行為」と述べた上で、おおむね以下のような回答を示した。 松坂氏 「抑止システムをつくる。業務委託について積算基準を明確にできる職員を育てる。また専門員を配置し適正なる発注に努める。また『談合』という言葉についてだが、何を以て『談合』という言葉になるのか疑問に思っている。私は、談合は『ない』と思っている」 竹森氏 「『発注権者のしがらみ』という問題を抜きにしては、いかに入札制度を整えようとも意味がない。たとえば市長の係累が指名業者であれば、市長は自らの権限でその業者に仕事を取らせようとするだろう。入札制度改革のみで、こうした『しがらみ』の問題が解決されるはずがない。しがらみのない庶民派市長を誕生させることが、官製談合を撲滅するには何よりも重要だ」 鈴木氏 「制限付き一般競争入札で市内業者に競争させ、落札率を下げる。そしてチャンスを与える、というような入札制度の改革を実行する」 森田氏 「基本的に地元業者優先の姿勢を貫き一般競争入札を実施する。また入札妨害を行った職員や民間企業にはペナルティーを厳格に課す。私は職員の天下りをさせないし、OB関係の働きかけもさせない」 市民の面前で「私は、談合は『ない』と思っている」と言い切る松坂氏。また「天下りや働きかけをさせない」と、他人には厳しく自分には甘いことを露呈した森田氏。森田氏は「森田光一測量登記事務所・(有)モリタ測量設計」の代表取締役であり、実弟は東松山測量設計(株)の代表者。ともに東松山市の公共事業を受注している。また松坂氏の妻は松坂工業(株)の代表取締役であり、市発注の公共事業における指名業者だ。松坂工業は松坂氏の市長選挙立候補表明にあたり市の指名業者を辞退している。 そもそも2年前の官製談合事件では逮捕者2名を出しているにもかかわらず、東松山市はいまだに「官製談合とは認められない」という見解を示している。この問題については「東松山市民オンブズマン」が市側と訴訟中である。 宮城県や新潟県でおきた官製談合事件も、いずれもトップと、トップの親族のしがらみから引き起こされた事件だ。もちろん第3者チェック機関の設置、一般競争入札の積極的実施等、入札制度・方式の改革は重要だ。だが入札制度・方式をどう改革しようとも、そのシステムの中で実際に公共工事を発注する権限を持つ人物の「人間関係のしがらみ」を無視することはできない。しがらみのない市長の誕生こそが利権まみれの坂本市政を変える、というのは実効性を持つ現実的な視点であり、このことを指摘したのは竹森氏だけであった。 【救急医療再開問題】 どうしたら市民病院で救急医療を再開させられるのか? 救急医療を再開できるのは竹森氏しかいない? 他立候補予定者も認める「事実」つづけて「医療問題の解決策、市民病院のあるべき姿とは?」という司会者の問いに対する、各立候補予定者の回答を見てみよう。 竹森氏 「市民病院で救急医療を再開させる方法はただ一つ、医師の増員しかない。私は6月18日の読売新聞で掲載されたとおり、市民病院に来ていただける医師をすでに10名確保している。私なら速やかに救急医療を再開させることができる」
鈴木氏 「命を救えるのが竹森さんならば、私は市民の皆さんのために頭をさげてでもこの場でお願いしたい」 森田氏 「医師の確保の目処が立っているというなら、私もここでお願いして医師の確保をお願いしたい。また比企医師会の先生方の協力をいただきながら、市民病院で夜間の軽症の患者さんを診ていただくという制度も作っていきたいと考えている」 松坂氏 「10名の医師がいるということならば、市長選挙まで待たずに竹森さんに医師を紹介してほしい。あと3名ドクターが確保できれば、24時間365日の救急医療の再開ができると私は確信している」 公開討論会の前日である6月26日、東松山市松葉町路上にて9歳の少女が車にひかれるという痛ましい事故が発生。だが救急車は頭蓋骨陥没の少女を乗せたまま、しばらく動けなかった。受け入れ先の病院が見つからなかったのだ。結局、救急車は岩鼻運動公園に向かい、少女は待機していたドクターヘリに運ばれ、川越の埼玉医大総合医療センターに搬送された。 少女はなぜ市民病院に、あるいは東松山医師会病院に運ばれなかったのか?東松山市内には脳外科に対応できる救急病院が存在しないからだ。事故の当事者となって初めて直面する事実だが、気づいたときには遅い。目の前にある市民病院で救急医療が再開されることが、東松山市民の生命を守る唯一の方法である。 【リーマン事件の結末】 1億円損失事件、返還されたのはたったの380万円! 「坂本市長に1億円の返還を要求する」(竹森氏)続けて司会者が投げかけたのは、いわゆるリーマン社債1億円損失事件の「その後」。全国的に報じられたリーマン事件の結末、そして各立候補予定者の考えを問うた。 鈴木氏 「徹底して追及したいが法的根拠となる判断材料を市が出さない以上、議員の立場では限界がある。私の追及については議事録やホームページを見ていただきたい」 森田氏 「損失した1億円に関する説明責任が果たされていない。うやむやにはできない」 松坂氏 「市長は過失相当分を負担すべき。過失割合が4対6であるという判定から、市長の責任は4000万円になる」 竹森氏 「本日最後に、私がリーマン事件を語ることに運命すら感じている。今日は、皆さんの知らないリーマン事件の結末を報告する……」 会場は騒然となった。ご存知の方も多いであろう。竹森氏は東松山市の元特別理事。リーマン事件の際、坂本市長の盾となった張本人である。必死に坂本市長をかばい、そして捨てられた竹森氏。彼が何を語るのか。会場は静まり返り、視線は竹森氏に集中した。 竹森氏 「リーマン事件発覚後、関根文男氏という市民が市長に対するリコール運動を始めた。だがリコール運動の途中で関根氏は気づいた。リコールが成功しても、坂本市長が辞職するだけで1億円は戻らない……。そこで関根氏はリコール運動を、坂本市長に1億円の返還を求める訴訟に切り替えた。あわてた坂本市長は私を仲介にたて、関根氏との和解に合意。弁護士を介し市長と関根氏が署名捺印した和解書の中で、1億円については東松山市が東松山市社会福祉協議会(社協)に返還を要請することと明記されている。つまり当時の社協会長は坂本市長であるため、市長が市長自身に1億円返還を求める和解内容だ。実質的に市長が1億円を返還するに等しい和解が成立したため、関根氏は訴えを取り下げた」 竹森氏はつづけて衝撃的な事実を述べた。 「しかし和解は反故にされた。1億円のうち、これまで返還されたのはわずか380万円だ(事件に関係した社協職員3名が返還した300万円と、社会福祉協議会の理事からの80万円の寄付)。380万円しか返されていない事実は市長のみならず市議諸氏もみな知っている。だが市民には知らされていないのが実情だ。私は坂本市長にリーマン事件損失分1億円の返還を強く要請する。リーマン社債購入という違法行為の責任は、市長が1億円を返すことでしか果たし得ないからだ」 官製談合をめぐり誰もが感じている市長の「しがらみ」、救急医療再開、そしてリーマン事件での1億円……。東松山市民の悩み・怒りに対し回答をうやむやにせず、解決への明確な道標を示した点で竹森氏は際だって存在感を示した。本紙には特定の立候補予定者を支援する意図はない。だが会場が竹森氏への拍手で埋め尽くされたのは、この公開討論会に出席した人々みなが目撃した事実である。 坂本市政の継承か、変革か! 「継承」の森田前県議と「変革」の竹森元特別理事 鈴木市議と松坂市議は「中立」今回の公開討論会、そして各立候補予定者のマニフェストで歴然としたこと……。それは坂本市政をめぐるそれぞれの立場だ。 まず森田氏。かつて坂本市長とライバル的な関係であったが、いまでは一心同体であり「坂本市政を継承する」としている。 「坂本市長側近である坂本俊夫市議が、坂本市長と森田氏との連合軍を結成。来年の県議会選挙で坂本市議は『森田氏の後継者』として出馬を狙っていたが、断念したとの噂だ」(某東松山市議) 坂本市長自身は中立を表明しているものの、市長後援会幹部の大半は森田氏を応援。前衆議院議員・山口泰明氏もまた全面的に森田氏を応援している。つまり森田氏は坂本市長・山口泰明元代議士の支持を受け、実質的には坂本市長の後継者として、これまでの坂本市政を継承しようとしているのだ。 鈴木市議は、坂本市政とは中立の立場だ。「談合根絶」をスローガンに入札制度の改革を訴えている。東松山市議会の会派「平成維新の会」を背景に、不正なき東松山市の構築を目指している。 「鈴木市議はこれまで『反坂本市長の急先鋒』と目されてきたが、最近は市長を批判しなくなった。やはり坂本市長から選挙協力がほしいのだろうか。『反坂本』を旗印に集まっていたいままでの支援者は、鈴木市議がスタンスを変えたために正直とまどっているように見える」(鈴木市議を応援してきた人) 松坂氏は民主党の推薦を受け、坂本市長とは中立の立場だ。さる7月11日の参議院選挙への出馬を目論んでいた坂本市長は民主党へ公認申請をしていたが、申請は受け入れられなかった。だがもし坂本市長が民主党の公認を得ていれば、坂本・松坂連合が結成されていたであろう。 松坂氏は現職市議であり、会派「新風会」のもと「子どもにツケをまわさない」東松山市を目指して活動している。しかし最近、松坂市議夫人が経営する松坂工業の本社が、本来法で禁じられている農地の上に建設されていたという事実が発覚。この農地法違反に対し松坂氏自身は反省を示し本社を撤去した。だが市民に対する釈明はなされていない。市議会議員をつとめる松坂氏にとって最も重要なことは、自らの農地法違反を市民に対し明確に説明することである、と本紙は考える。 竹森氏はこれまで坂本市長の側近中の側近として活躍。だが坂本市長が医師の受け入れによる救急医療再開を拒否したことを契機として市長と決別。人口が減少している東松山市を改善するためには、東松山市を変えなければならないと決意し、坂本市政の変革を訴えている。しかし市議会議員定数の半減を主張しているため市議会議員の応援は見込めず、また組織力もない。市職員であったため知名度が低いという弱点もある。 「どこまで竹森氏の政策が市民に浸透していくか、が勝負でしょう」(竹森氏の後援会幹部) 8月、東松山市に新たな市長が決定する。東松山市の未来は市民に委ねられている。リーマン事件で全国的に悪名高い坂本市政。その坂本市政の本質を今後も引き継いでいくのか、それとも変えるのか? 「改革という魔物は、あらゆる立法者、あらゆる都市のあらゆる住人の心に通ずる秘密のドアを心得ている。新しい思想や希望のあかつきが、君の胸のなかに明けそめたという事実は、おなじ瞬間に、新しい光明が幾千もの人々の心に差し込んだということを、君に知らしているのだ」(アメリカの詩人エマーソンの言葉) まもなく迎える次期市長選。継承か、あるいは改革か。坂本市長への評価が問われることはもちろん、東松山市の将来に向けた一大岐路であることは間違いない。■ |