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北朝鮮消滅の日
 ――9月に『統一宣言』か!!――

(本記事は2002年8月中旬現在での「海外展望」です。金正日は対米強硬路線を選択した9月現在、本記事の予測は覆されました。その後の「展望」につきましてはこちらをあわせてご覧いただきますようお願い申し上げます)

死の淵にいる金大中大統領

 6月30日正午前、羽田空港に韓国・金大中夫妻が乗った特別機が到着した。この日の夜、横浜国際総合競技場で行われるワールドカップ(W杯)決勝戦、ブラジル対ドイツを観戦するためにやって来たのだ。だが、金大中大統領の顔色には疲労が色濃く滲み出ていた。――前日、ワールドカップ3位決定戦が韓国で催される直前に、黄海上で北朝鮮軍と韓国軍が銃撃戦を繰り広げた事件の処理のために、金大中は不休不眠だったと伝えられ、それが彼の体全体に疲労を宿らせていたと説明される。

 金大中が末期ガンの状態にあるという噂は、昨年から流されていた。韓国政府、金大中側近はこれを悪質なデマと一蹴、ガン説否定に躍起となっているが、なにしろ極東アジアの最重要地・韓国の大統領の生死に関わる問題である。世界中の諜報・情報機関はその真偽を自ら確認すべく最大の努力を続ける。

 金大中はほんとうに末期ガンなのか? その答えを、6月30日に横浜で彼を目の辺りにした多くの人々が知ってしまった。描き上げたようなぶ厚い化粧の下に、どんより黒ずんだ顔が覗き、その足取りは死を直前に迎えた者のそれであった。それは単に不眠不休による疲労などではない。病気がガンなのかどうかは別として、明らかに金大中は病魔に冒され、その余命は僅かとしか思えない。

 ワールドカップは2−0でブラジルが優勝した。この試合を天皇皇后両陛下と共に観戦した金大中大統領夫妻は、試合終了後、宿舎に引きあげようとしたが、実はここで奇妙な事件が起きている。報道はされていないが、金大中大統領夫人が皇后陛下の進路を意図的に妨げ、失礼な振る舞いをしたのだ。――国際問題となっても仕方のないような振る舞いを、なぜ李姫鎬(金大中夫人)は取ったのだろうか?

 決して意図的ではなく、そのように見えただけ……と弁明する者もいる。あるいは、死人のように動きが緩慢になった金大中に視線が集まることを嫌って、意識的に事件を起こしたとも言われる。金大中と同様に親日家とされる李姫鎬である。皇后陛下に対する失礼には、あるいは別なサインが籠められていたのかもしれない。

日本に向けてミサイル発射!

 ワールドカップ3位決定戦が行われた6月29日の午前、黄海で北朝鮮軍と韓国軍艦船の間に銃撃戦があった。結果、当然ながらわが国防衛庁、海保、海自はもちろん、政府首脳も北朝鮮の動向に敏感になっていた。

 そんな状況のなか、ワールドカップ決勝戦の6月30日正午前、韓国の金大中大統領夫妻が羽田に到着する直前、衝撃の情報が首相官邸に飛び込んできた。
 情報の発信源は在日米軍総司令部。情報の内容は――

 「北朝鮮及び瀋陽軍区(支那東北部)から日本に向けてミサイルが発射された!」

 多くの人々が夕方からTV放映されるワールドカップ決勝戦を見ようと心を弾ませている頃、首相官邸は大混乱していた。北朝鮮及び中国(支那瀋陽軍区)からミサイルが発射され、九州・沖縄方面に向かっている模様だと言う。だが、考えてみると疑問がある。米軍はなぜ、まっ先に首相官邸に通報してきたのか。防衛庁、自衛隊に通報するのが筋ではないか。

 間もなくこのミサイル発射情報が「誤報」とわかり、官邸周辺は安堵に包まれた。が次の瞬間、またしても凍りつくような情報が流れてきた。

 「那覇航空自衛隊がミサイル着弾を確認した!」

 ミサイル発射は誤報ではなかったのか――。じつは「ミサイル着弾確認」という情報は那覇基地の担当者が宮崎県のある人物に電話報告したものなのだが、基地担当者が間違って宮崎県在住の政府関係者に電話したものだった。

 この事件については厳重な箝口令が敷かれており、現在に至るまで真相は不明である。しかし米軍情報が誤報であり、その誤報は単にミサイル発射だけに留まってはいなかったと考えられる。

 そして、ロイター電が7月に入ってから以下のような趣旨の報道を行っている点が気にかかる。

 「……日本の政治家がアメリカ発の情報だけに頼っていてはダメだ。日本は独自の情報収集力を持つべきである」――。

北朝鮮の経済改革

 謎のミサイル事件が起きた翌日の7月1日、北朝鮮は大規模な経済改革を行っている。その内容は、米や日用品などの配給制を止め直接購入を可能にしたこと、そして為替レートも市場実姿にあわせるというものである。こうした大規模な経済改革の結果、北朝鮮はどのように変化したのだろうか。以下の8月26日「朝日新聞」記事をご覧いただこう。

「経済改革進む北朝鮮・平壌を行く『カネとモノ』の変化 冷麺10倍、ビール75倍に【平壌25日=高槻忠尚】

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で経済改革が始まっている。値札は大きく書き換えられ、これまで目にしなかった最高額紙幣も出回り始めた。外貨交換所では、米ドルや日本円が従来の70倍のレートでウォンと交換されている。街角に立つと、「カネとモノ」の変化が肌で感じられた。

・物価
 平壌中心部のパン屋。45ウォン(約36円)で売られているカステラは6月までは4.5 ウォンだった。クリームパンは3ウォンから30ウォンになった。女性従業員は『平均で10倍ぐらい値上げした。売り上げ?まあまあね』。冷麺(れいめん)で有名な『玉流館』では、1杯が15ウォンから 150ウォンに。食堂のビールは8ウォンが 600ウォンになっていた。(中略)

・賃金
 物価に伴って賃金も大幅に引き上げられた。『主体思想塔』の案内員チン・オクスンさん(47)は 150ウォンだった月給が今月から3千ウォンになった。テレビ局に勤める夫(49)も 170ウォンから4千ウォンに。『コメなどは値上がりしたが、ほかはそれほどでもありません』と物価引き上げの影響をあまり受けていないという。
 平壌郊外の被服工場では14日、引き上げ後初めて賃金が支給されたという。女子従業員の月給は約 100ウォン弱から1500ウォンに。ただ、『出費も増えたし楽ではない』と話す従業員も。(中略)
 価格改革と同時に、ほとんど流通していなかった最高額の 500ウォン紙幣も出回り始めている。道路脇の露天商の売り上げの中には、10ウォン紙幣や硬貨に交じり 500ウォンの新札が2枚あった。

・新レート
 平壌の高麗ホテルは今月から外貨交換レートの電光板を設置した。公式レートで1米ドル=2.15ウォンだったウォンは、実勢に近づけるため約70分の1に切り下げられた。当初1米ドル= 150ウォンと伝えられたレートは、その後の為替相場を反映して、25日は 151ウォン。1円は1.25ウォンだった。ただ、食堂などで米ドルや円での支払いを求められることが多い外国人には、あまり影響はないようだ。(中略)
 一連の改革について北朝鮮当局者は『国民の生産意欲を高め、実利を追求する政策』と話す。だが、操業率30%といわれる工業や生産性の低い農業を抱えた苦境の中で、モノの安定供給は簡単ではない。ある店の従業員は『賃金引き上げ後、客は増えたが、品物はまだ不十分』と心配顔だった。」(「朝日新聞」8月26日朝刊)

   

 経済改革だけに限らない。北朝鮮の国内状況は明らかに大きく変化しつつある。そのことが当然ながら、8月25日から始まった日朝外務省局長級協議での北朝鮮側の態度に明らかな変化として表れる。これはもちろん、7月末に東南アジア諸国連合地域フォーラム(ASEAN・ARF)で川口順子外相が北朝鮮・白南淳外相と接触したとき、協議内容について予備折衝が行われ、すでにその時点で北朝鮮側の態度の軟化が話題になっていたものなのだ。

 では、北朝鮮の経済改革をどのように分析するか?

 これについて韓国大統領補佐官の林東源はこう語る。「中国(支那北京政府)の改革開放経済政策の初期段階と似ており、肯定的に評価したい」――。

 これはあくまでも、北朝鮮寄りと見なされている林東源の言葉である。一般には以下のような分析が妥当と考えられる。すなわち、「北朝鮮経済はついに破綻の極限まで達し、現状の〔闇経済〕を追認した」!

 北朝鮮の闇経済は、それほど肥大化しているものなのだろうか?

 じつは近年、中国(支那)東北部と北朝鮮の経済交流が非常に活発化してきた。この結果、「カネさえ払えば北朝鮮で手に入らないモノはない」と言われるほど、豊富な物資が支那東北部から北朝鮮に流入してしまった。そのため北朝鮮の闇市場が一気に膨れあがり、闇経済が北の全経済に占める割合が急速に上昇した。

 闇経済が経済全体の5%を越えると正常経済は崩壊すると言われる。かつて東ドイツが崩壊したとき、GNPに占める闇経済の割合は6%程度だった。そして今、北朝鮮経済のなかで闇が支配する割合は6%を越えたと推定されるのだ。

 これを何とか正常化するために、北朝鮮指導部は紙幣を増刷するなどして誤魔化してきたが、いよいよ誤魔化しが効かなくなるところまで来てしまったようだ。

 これまで共産主義国家である北朝鮮では、食糧、家賃、光熱費、医療費はほとんど無料だった。ところがここ数年続いた農作物不作が北朝鮮経済を疲弊させ、今年、北朝鮮を直撃した台風が農業生産に大打撃を与えたことが、ついに経済改革が断行されることになったのだ。簡単に言えば「米も家賃も日用品も配給はしない。給料を労働に応じて上げるから、闇市場で買って生活しろ」と言うわけだ。――共産主義経済の崩壊である。

圧力

 「露外相、金総書記と会談 北が日米対話用意『拉致協議』言及せず 【モスクワ29日=斎藤勉】
 平壌発のイタル・タス通信によると、北朝鮮訪問を終えたロシアのイワノフ外相は二十九日、平壌で記者会見し、『北朝鮮は前提条件なしで米国、日本と建設的対話を行う用意がある』と述べ、ブルネイで三十一日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で北朝鮮と日米の代表団同士の接触がありうるとの見通しを示した。
 イワノフ外相は平壌で金正日総書記と数時間会談、プーチン大統領からのメッセージを手渡したが、この場で金総書記がARFでの日米との対話に同意した可能性が強い。(中略)
 イワノフ外相は会見でさらに『(北朝鮮と日米との)対話では朝鮮半島をめぐるすべての懸案が議論されうる。ロシアは平壌とワシントン、東京との接触の進展を歓迎するだけだ』と述べた。(中略)
 イワノフ外相によると、金総書記は『韓国との関係発展を継続するばかりでなく強化する』と言明し、北朝鮮で今月から始まったという『経済改革』については『経済の性格を変え、国家の強化と国民の福祉の成長を促進するものだ』と強調したという。」(「産経新聞7月30日朝刊)

 上記の新聞記事が語る奥底を読み取っていただきたい。北朝鮮の経済改革は、闇経済が肥大化したことが原因だが、同時にロシアからの要求があったことは火を見るより明らかである。

 すでにここ数年、支那北京政府から見捨てられた北朝鮮・金正日王朝はロシアにすべてを託している。プーチン(ロシア大統領)だけが命綱なのだ。そしてプーチンの背後には、対英・対シオニズム右派との決別を覚悟したブッシュ米大統領がいる(本紙8月16日『欧米社会大異変!』参照)。

 そうなると、イワノフ外相が金正日に手渡した〔プーチン大統領からの親書〕の内容が非常に重要であることがわかる。

 すでに7月末には、わが国の多くの情報通たちが「八月中・下旬に金正日がロシアを訪問する」という情報を得ていたが、〔プーチン親書〕の内容の一部が米国経由で漏出していた可能性は高い。続いて以下の記事をご覧いただこう。

 「露大統領、金総書記と会談 南北正常化を支援 鉄道連結も推進 【モスクワ23日=佐藤貴生】
 ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正日総書記は二十三日、ロシア極東のウラジオストクで非公式首脳会談を行った。両首脳の会談は三年連続となり、主に経済協力について協議し、朝鮮半島を結ぶ南北縦貫鉄道とシベリア鉄道を連結する「ユーラシア鉄道構想」の具体化を詳細に検討した。また、プーチン大統領は朝鮮半島の関係正常化に積極的に関与する考えを表明した。(以下略)」(「産経新聞」8月24日朝刊)


 米国政府関係者の多くは現時点で「北朝鮮は近い将来、崩壊する」と予見している。それは「自然崩壊する」というニュアンスでの発言ではない。「崩壊させる」という強い意思力の表現なのだ。米政府関係者のこうした強い発言は、ブッシュ大統領の決意が滲み出たものと見て良い。そのブッシュの決意を真剣に理解しているのがプーチンなのだから、当然ながら米国の決意は北朝鮮・金正日王朝に届いていると見て良いだろう。



統一宣言

 8月7日、北朝鮮の琴湖で軽水炉収容施設の着工式が行われた。この軽水炉建設は朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が進めるもので、間もなく本格的工事に突入する。軽水炉建設は米朝枠組み合意(1994年10月)に基づき国際共同事業体(=KEDO)が2基の軽水炉を北朝鮮に提供するものだが、その条件として北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることになっている。

 米ブッシュ政権は北朝鮮の軽水炉建設作業開始に対し、核査察を前倒しし、年内にも行う意向を明らかにしている。

 核査察は軽水炉に原子炉等が搬入される2〜3年前に行われるものと考えられているが、その時期は明らかにはされていない。現在の工事予定では3年後の2005年夏頃に原子炉搬入が想定されており、査察は来年からではないかとの見方もできる。

 じつは意外と知られていないようだが、米朝枠組み合意に絡んで、北朝鮮自身が1994年から2002年まで、ミサイル発射実験を凍結している現実がある。つまり来年、平成15年(2003年)には、ミサイル実験を再開できる状態にあり、北朝鮮は非公式ながら実験再開を示唆しているのだ。

 北朝鮮のミサイル実験再開に関して米軍は異常なまでに神経を尖らせており、北朝鮮監視の目をますます増強させている。そのことが6月30日の「ミサイル発射誤情報」に関係したとも伝えられる。

 米国ブッシュ政権の最終目標が支那北京政府にあることはご存じの通りだ。その最終目標と正面対峙している現在、北朝鮮が米の思惑から外れて暴走することをブッシュは許さない。そこには強烈な〔神がかり的意思〕が存在している。

 ブッシュ米大統領は6月にプーチン露大統領を通して「北朝鮮の経済自由化と政治の民主化」を強く要請。この強烈な要請が7月1日の北朝鮮経済改革に繋がった。米国が中国(支那)と正面対峙に向かう現状を見て、プーチンは朝鮮半島統一に絶大な影響力を発揮し、わかりやすく言えば日清・日露以前の状態に持ち込もうと考えている。事実、ソウルにロシア大使館を新築・拡大し、「統一後」に備えている。

 あらゆる世界的状況、国際環境を考えると、年内から来年早々には北朝鮮がIAEA(国際原子力機関)の核査察受け入れを容認すると同時に、改革開放経済に拍車がかかり、来年(平成15年2003年)秋には民主化運動(官製?)の勃発、そして翌平成16年(2004年)から平成17年(2004年)には南北朝鮮の統一が達成されるというのが通常の認識である。

 だが……。

 それは明らかに、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の崩壊を意味する。

 北朝鮮の融溶を意味する。

 米国、ロシアを初めとし、中国(支那北京政府)や周辺諸国の国際圧力が描く未来設計図の中で、北朝鮮という国家が溶けて無くなっていくことを意味する。それを金正日王朝が黙って受け容れるだろうか?

 本紙は複数の事情通から衝撃的な情報を入手した。その内容は「9月中旬に金正日がソウルを訪問。そこで『南北統一宣言』を行う」というものだ。

 これは今年9月に南北朝鮮が統一されるということではない。あくまで「宣言」が出されるだけで、現実問題としての統一にはしばらくの期間を要する。ただし、金正日が「統一宣言」を行うことにより、北朝鮮としての国家的面子は保たれる。

 さらに韓国側の状況からすると、唯一、南北統一に積極的な金大中の病状問題がある。すでに金大中は死の直前との見方もあり、一刻の猶予もない。統一に向けての実務問題は棚上げのまま、一気に統一宣言が出される可能性は決して低くはない。

 朝鮮半島が統一されることは、極東アジアの平和にとっては望ましい限りである。しかし統一される南北両国家は、統一ドイツ以上に経済的問題を内包している。

――いや、経済的な問題だけではない。過去において対立し、幾度もの戦闘を行ってきた両国民の間に存在する微妙な闇を払拭するためには、対外的な「敵」を創造することが想定される。そして、朝鮮半島の国家が「敵」を生み出すとしたら、それはいったいどこなのか?

 ブッシュ大統領が進めている国際政治、そして支那北京政府の動静、さらには予測される朝鮮半島の激動――。わが国が激震に襲われる日が近い!


 

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