行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市

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arrow防衛省不祥事続発と米崩落の関係

防衛庁が防衛省に格上げされて1年になる。しかしこの1年間、防衛省はゴタゴタ続きだった。とくに日米安保の根幹を揺るがす機密の漏洩の問題は、防衛省自衛隊が自立できるか否かの瀬戸際に立たされる大問題に発展した。また、航空機等を巡る防衛装備調達品を巡る汚職事件は、守屋前事務次官、山田洋行、日本ミライズの宮崎元伸専務といった個人、企業だけではなく、「日米平和・文化交流協会」の秋山専務理事や、その先の大物政治家にまで広がる雰囲気を見せていた。守屋前事務次官らの保釈後、政界への拡大はなくなったように見えるが、一連の動きの背後に、崩れ行く超大国アメリカの姿が見てとれる。

yellowbox 中流国家に転落した米国兵器事情

守屋前事務次官が夫婦揃って取引先から接待を受けていた問題は、その後自衛隊内で大がかりな調査が行われるほど重大事に発展した。防衛省では過去5年に遡り、契約実績がある業者に調査書を送付、倫理規定に違反する行為の有無についての回答を求めている。対象は中央、地方を合わせて36万件。武器や兵器を納入している大企業に始まり、基地に野菜を入れる八百屋まで、業種や規模に関係なく調査書を送付。この調査に自衛隊員は戦々恐々だという。金品を受け取ったり接待を受けたり、一緒にゴルフや麻雀、旅行などをしたなどという話が、今後も続出する可能性もある。

余談になって恐縮だが、たまたま新年の挨拶で自衛隊の元将校にお会いした際、このOBはこう言って憤慨していた。「もし私が在籍中にこのような事件が発覚したら、事務次官に腹を切らせるか、クーデターを起こしていただろう。このような重大な時期に国民の信用を失う行為をすることは絶対に許せるものではない」。

まったくその通りだが、裏事情通のなかでは異なった情報が流れている。その裏情報とは、お耳にした方もあるだろうが、大まか以下のような情報である。

「ロシアのグラニト原子力潜水艦が装備するミサイルは、レーダーを回避しながら超高速で飛行するため、性能の低い米国のパトリオット・ミサイルでは、迎撃どころか追いつくことさえできない。また、ロシアのオスカー2級原潜ウルスクは、米海軍の探知を回避するステルス機能を搭載し、米空母の数メートル後方に張り付いて航行することができる。ロシア海軍では、米空母にどれほど接近できるか、何時間追尾したかなどと遊ぶことが流行している。完全に米軍を馬鹿にしているのだ。しかも中国が、この機能を備えた原潜の建設に着手している。
3流の軍事技術国家になった米国から離れなければ、日本の国防は危機に陥る。だが、戦後一貫して米国一辺倒だった路線を転換することは難しい。方向転換を模索しようとした官僚と貿易商社こそが、逮捕された前事務次官であり、貿易商社だった。米国から離れることを決して許さないということを明らかにさせるために、今回CIAは彼らを晒し首にしたのだ」

なんとなく納得できそうな情報だが、どこまで真実なのだろうか。本紙は早速、自衛隊幹部に事の真偽を確認してみた。その幹部は当初、回答を渋っていたが、最終的に「前半は真実に近いが、後半はまるで出鱈目」と答えてきた。それはどういうことか。なお追及した結果、本紙が得た感触は以下の通りである。

「ロシアの巡航ミサイルの性能やステルス性機能を持つ原潜の存在は真実に近い情報。だが、ロシアの最先端軍事技術が中国に渡ることはあり得ない。さらに、前事務次官等が離米姿勢を見せたこともない」

結論として言えば、米軍の軍事技術力は明らかに「超一流」から「中流」に落ちたことだけが真実だったようだ。

また余談になるが、今年1月に内調(内閣情報調査室)の事務官が逮捕されたが、これはロシアの対中国諜報活動に絡んでのもの。ロシアは中国を仮想敵国と考え、長期に渡る諜報活動を展開中で、ロシアの最先端軍事技術が中国に流れる可能性は少ないようだ。

yellowbox サブプライム・ローン破綻と世界恐慌への不安

昨年11月以降、米FRB(米連邦準備制度理事会)、NY連銀、ECB(欧州中央銀行)、英イングランド銀行等々、米欧の中央銀行が相次いで巨額な短期資金を自国の金融機関に低利で貸し出した。これは、昨年夏以降の米国「サブプライム・ローン」危機不安によって、各国銀行間での短期資金の貸借が滞り、金融機関が年末以降の決算期に資金不足に陥ることを懸念しての措置だった。この結果、昨年末時点で世界的な金融危機に陥ることだけは回避されたが、新年が明けても不安は解消されず、世界同時株安が勃発。いつ世界大恐慌に陥るか、戦々恐々の状況にある。

そもそもサブプライム・ローンとは何なのか。その破綻額はどの程度のものなのか。ご存じのこととは思われるが、改めて記しておこう。サブプライム・ローンとは低所得者層に向けた住宅ローンであり、その破綻額は日本のバブル崩壊時に比べれば、遥かに少ない。だが、その奥に、大問題が隠されているのだ。

サブプライム・ローンのすべてを解説すると、それだけで一冊の本ができてしまう。誤解されることを覚悟で、その代表例を見てみよう。

住宅建築と軍需で押し上げられてきた米国の景気に翳りが見え始めたときに、低所得者層に向けた住宅ローンが作られ、落ち込むのではないかと思われてきた住宅建設がさらに拡大した。購買層は、わかりやすい例で言えば、英語もロクに読めないヒスパニックなどの低所得者層。住宅ローンの多くは、最初の3年間、あるいは5年間は金利のみで、以降に元本返却が開始されるといったものだった。

総額数千万円の新築高級住宅に、月10万円で入居できる。――契約書もまともに読めない人々がその気になってこれを購入したのだが、3年経ち5年経ったところで元本返却が始まり、月20万円を支払わなければならなくなる。そんなカネは払えない。やむなく彼らは家を捨て、放浪の身となってしまった。数千万円の家は、実体価格は半分以下で、しかも3年、5年の中古だから、売っても元金にはならない。残されたのは、不良債権だけである。

しかし、これで終われば日本のバブル以下の僅かな損失で済んだ。住宅ローンを組んだ金融機関が、ローンを債権として新たな金融商品を組み、それが10倍、100倍と膨らんでいった。低所得者が住宅を放棄した時点で発生した回収不能の不良債権が、底知れぬ額に拡大してしまったのだ。親亀がこけたら小亀がこけ、小亀がこけたら孫亀がこけ、孫亀がこけたら曾孫亀がこけ……という連鎖が起きたのだが、なにしろ親亀が「文字も読めない低所得者層」だったのだから、どうしようもない。

これが世界大恐慌を引き起こすかもしれないサブプライム・ローン破綻の根本なのだ。

yellowbox 世界を駆け巡る「偽装」暴露

昨年の日本は「偽」という文字で表されると言われた。たしかに食品偽装は大問題に発展したし、朝青龍の骨折サッカー事件やボクシングの亀田も偽装だった。サブプライム・ローン破綻も、いわばこうした一連の「偽」だと言えるのだろうが、その奥には巨大な問題が潜んでいる。

その問題の本質を理解するために、ここで戦後世界の動きを非常に簡単に見直してみよう。
世界大戦後、軍事的には、米ソ東西冷戦の時代が長く存在した。その後、米国は世界警察の役割を担うとして軍事的に世界の頂点に立ち、湾岸戦争、イラク戦争を演出した。だがその間に米国の国権は大きく変化をしてゆき、今や未来展望を失うまでに来ている。

経済的に大戦以降の世界を引っ張ってきたのは、当初のアングロ型実体経済であり、東洋では日本が、欧州ではドイツが、それぞれ実体経済の下で世界の発展に寄与していった。だが、「市場主義至上経済」「グローバリズム経済」という掛け声のなか、実体経済は脆くも敗れ去り、ついに「金融資本主義」が世界を席巻してしまった。

世界経済が「グローバリズム経済」という唯一の形になったものの、世界各地では微妙な差が生じている。その差を作り出しているのは、固有の民族や国家が持つ生き様というか哲学というか、まさに「固有の文明史観」なのだ。

わかりやすく言えば、日本では「額に汗して働く」という感覚がまだ残っており、「勤労や努力」の「報酬」が金銭になるという思いが優先している。最近の中年の一部には、こうした感覚を失っている者もいるが、全体としては、まだまだ立派に残っている生き様である。ドイツ経済のなかにも、「得た富は共同体の生成発展に貢献すべき」という相互扶助精神が残っている。

いっぽう、アングロ型経済圏のなかでは、弱肉強食の是認が見られる。狩をして獲物を得ていた原始の手法が経済活動にも名残を残し、その文明史観は奴隷貿易や植民地支配に繋がっていった。

今、世界を支配しているのは、日本型でもアングロ型でもなく、グローバリズム経済である。それは換言すれば「金融資本主義」であり、唯一無二の世界経済圏の存在である。その本質は、カネを創り出すこと、「信用の創出」にある。金や実体あるモノを担保としているのではなく、「信用」を担保にカネを作る。その推進役となったのが各国の中央銀行だった。

現在、世界経済を脅かしている「サブプライム・ローン破綻」とは、信用創出によって生み出された、いわば必然の産物なのだ。

信用によって生み出された通貨(紙幣)は、かつての兌換紙幣のように「金」と交換ができるわけではない。ただ信用によってのみ裏づけされている。信用の創出ができない貧困層は、ますます貧困に向かい、富裕層のみが豊かになる。需要と供給のバランスなど無視され、需要がさほどないのに原油価格は1バレル100ドルを越えるような状況になる。
中流階級の象徴であったクレジット・カード破産者が激増し、彼らは中流から貧困層へと叩き落される。

しかし、こうした信用経済のなかで、米ドルに対する不安感、不信感は、もはや拭いようがない。米ドル一極支配体制は終焉し、世界は多極化した通貨を選択。経済地域は当然ながら多極化し、複雑な様相を呈しており、一気に世界経済が大破産をするか否かが見極められなくなってきている。

一般には株式市場の「底」は3月末〜4月と言われているが、証券会社の人々は「2月4日から15日が底」という見方をしている。さらに経済情報通たちのなかには、「春には一旦回復するが、夏には世界株式大暴落、金融大恐慌が勃発するのでは」との憶測を述べる者もいる。こうした観測通り、7月末頃に世界経済が破綻したら、北京五輪が直撃される。意図的にその時期を狙うこともあり得ない話ではない。

今春、株式市場が本当に復活するのか、あるいは今夏に世界大恐慌が勃発するのかは、正直なところ、まったくわからない。ただ、早ければ年内、遅くとも今後数年以内に、世界経済が滅茶苦茶な大混乱状態に陥ることは間違いないだろう。

yellowbox 日本固有の文明史観を翳せ

サブプライム・ローン破綻に始まり、翳りの見えてきた米国は、どうすればこの苦境を乗り越えられるのだろうか。

簡単な方法として考えられるのは、戦争だ。軍需景気で米国全体を押し上げればいいのだが、現在の米国に対イラン戦を開始できるだけの国力もなければ民意もない。ブッシュ大統領の任期は残り1年。そんなブッシュに戦争を仕掛けられる力もない。

次に考えられるのは、米ドルの放棄。米ドル(Greenbacks =グリーンバック)の暴落を加速させ、通貨をAMERO(Bluebacks = ブルーバック)に切り替える手だ。もしこれが行われれば、現在の米ドル紙幣は紙切れ同然となり、米国債を大量に保有する日本と中国は、莫大な資金を喪失してしまう。新通貨AMEROを兌金紙幣と位置づければ、欧州ユーロを上回る強力通貨となるだろう。だが国際的非難は計り知れぬものとなり、米国の信用はガタ落ちすることも事実だ。

他にも手法が考えられるが、根本的解決法はない。「信用の創造」によって作られた通貨が信用を喪失したのだから、自壊していくのは必然なのだ。これを「金融ハルマゲドン」と呼んでもいいだろう。

では、ここからどうやって立ち上がるのか。

かつてバブル崩壊を迎えた日本は、ゼロ金利政策のなか、政府が銀行・金融機関に血税を大量投入することになった。その間、日本の国民は一体となり、歯を食いしばり額に汗して借金返済に努めた。その姿にこそ、日本的文明史観が籠められている。

国際金融資本家たちが生み出す「偽」の信用創出に手を貸すことなく、日本固有の哲学と叡智によって金融危機を乗り越える姿勢を見せることこそ、われわれに与えられた課題なのかもしれない。■


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