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  細谷会長の悪事を前に当惑する埼玉県宅建業協会

 県住川越笠幡団地建設計画に関する「約9億円の公金横領疑惑」をめぐり、小紙は埼玉県宅地建物取引業協会の主要役員に対し公開質問書を送達した。小紙がこれまでインターネット版および地方紙版にて報じてきた事件の概要をお読みいただければ、同協会会長である郷土開発(株)代表取締役社長・細谷金作氏が「土地コロガシ」において重要な役割を遂行していたことがおわかりいただけるだろう。

 小紙はさる3月、短期集中連載と銘打って県住川越笠幡団地建設計画にまつわる約9億円の公金横領疑惑について詳細に報じた。疑惑の全体図に関してはほぼ描ききったものの、連載を完了するにあたり埼玉県宅地建物取引業協会側からコメントを取る必要があった。細谷金作氏が自らが遂行した、免許業者にあるまじき違法行為の数々に対し、細谷氏を会長に戴く埼玉県宅地建物取引業協会の認識をしっかり把握しなければならなかったからだ。宅建業者の協会は、細谷金作会長の行為をどう受け止めるのか。「会長」ならば多少の不正は容認されるべきとでも考えているのか、あるいは許されざる行為と認識するのか。「許されない」とするのであれば、協会は細谷会長に対しいかなる処置を取ることを考えているのか、あるいは何もしないのか。小紙は協会側の意向を確認し、これを明白にすることで連載を終える予定であった。そのため、小紙が同協会に送付した公開質問書には、きわめて簡潔な質問が二点、記されているだけである。

一、小紙インターネット版で報道した貴会会長/細谷金作氏(郷土開発椛纒\取締役)が神田壽雄川越市議会議員らと繰り広げた不法・違法行為について、どのような見解を持たれるか。

二、細谷金作氏はこの際、貴会会長を辞任すべきと考えるが、どうか。

 小紙が協会側に公開質問書を送付したのは3月24日。だが一週間を経ても回答が寄せられないため小紙は4月5日、役員を介して協会本部へ照会したところ、いったん4月15日前後までには回答されるとの意向を確認した。

 しかし協会側から通知してきた約束の日を迎えてもなお、回答は寄せられなかった。小紙があらためて同協会へ照会したところ、協会側は「顧問弁護士に相談したところ『回答の必要はない』と示唆された」とし、小紙の公開質問状に事実上、回答拒否の構えを見せたのである。

 小紙の公開質問書に対し、回答する法的義務などあろうはずもない。常識的に考えれば当然であるにもかかわらず、回答の可否について弁護士に法的判断を求める協会側は明らかに、小紙の公開質問書に対し当惑しきっている様子だ。

「(行政調査新聞が)埼玉県に通知する形を取っていただければいいのですが……」。

 このような協会側の当惑ぶりから、小紙の報道に対する否定材料は存在しない……真実であることを認めつつも、自ら戴く会長に対する断罪および処遇の如何を回答書にて発表することはできないという公的立場と、行政機関の指示さえあれば内部調査を行うことができるという自浄作用とのジレンマで、埼玉県宅地建物取引業協会が呻吟している様子を窺うことができる。

 だが小紙の役割は報道することであり、県への違法行為の通知を本義としていないのは言うまでもないことだ。

なぜ「自浄作用」に期待したのか

 もう一度、小紙連載記事をご覧いただければ、小紙が埼玉県に対しこの件について通知せず、まずは協会の自浄作用に期待した理由をご理解いただけよう。いうまでもなく県と郷土開発代表取締役・細谷金作氏との間に交わされた「土地買収明細書」の存在である。

 平成元年2月13日に埼玉県が発行した「土地買収明細書」の乙欄には郷土開発(株)代表取締役・細谷金作氏の「署名および捺印」がはっきり見える。

 この署名および捺印について、細谷氏は他会員業者の面前にて、「笠幡の土地などいじくったこともない。まとめて売った覚えもない。字だって、俺の字じゃない」と、「明細書」に自らが関与していないことを明言しているのである。

「俺の字じゃない」……。意味不明な、釈明にすらなっていない言葉である。細谷氏が言いたいのは「自身の筆跡による署名ではない」ということだろうか。ならば……何だというのだ?署名の「甲」欄に記載されているのは畑和・元埼玉県知事の筆跡ではない。活字だ。角印も畑元知事自らの手ではなく、他の職員が捺したのかもしれない。だからといって、畑和氏の「署名」が無効になることはない。

 細谷氏の「俺の字じゃない」発言の意味するものとして、以下のような事例が考えられるだろう。

* 「細谷金作」名義で署名捺印した、他の郷土開発社員による署名

→ 「郷土開発株式会社」という法人の契約署名であることに変わりはない。「俺の字じゃない」とは、まるで小学生以下の屁理屈。

* 「郷土開発・細谷金作」を勝手に名乗った無関係の第三者による署名

→ 細谷氏はこの書類をもって、自社の名を騙った悪質な詐欺事件、あるいは公文書偽造事件として直ちに司直の手に委ねるべきだ。否、委ねなければならない。犯罪を知りつつ放置あるいは無視するというのは免許業者として許される行為ではないからだ。また企業経営者としても危機管理ゼロを露呈していることに他ならない。当然、そのような不動産業経営者=免許業者に宅建業協会会長など務まるはずもない。
だが2006年4月現在、細谷氏が本件についてアクションを起こした形跡はない。

* 埼玉県が郷土開発あるいは同社代表細谷金作氏に無断、無許可で公文書を偽造

→ 細谷氏はこの「明細書」の存在を知った以上、埼玉県に対し自らの法的権利を守るべく、直ちにしかるべき行動を起こさねばならない。
だが2006年4月現在、細谷氏が本件についてアクションを起こした形跡はない。

 2名の会員業者の面前で「俺の字じゃない。笠幡の土地など知らない」と言い張る細谷金作氏は、同じく会員業者らの「行政調査新聞の取材を受け事実を説明せよ」との要請をいったんOKしながら、土壇場で小紙との約束をキャンセル。県に対し、あるいは司直に対し何一つアクションを起こさないまま、小紙の取材からも逃げまどい今日に至っている。

「県住川越笠幡団地建設計画」の経緯の中で、「土地買収明細書」を明示することで細谷会長の「5筆まとめ売り」問題を最初に俎上に乗せたのは県なのだ。「俺は知らない」というのなら、なぜ細谷会長は埼玉県に対し、このゆゆしき問題を自ら明らかにすべく行動を起こさないのか。

 小紙の短期集中連載および地方紙版での報道後、細谷会長は姑息にも人を介し、100万円という金銭によって小紙の動きを止めようとしたことは既報の通りである。細谷会長が「○○急便を使って行政調査新聞に手を打った」などと周囲に吹聴している事実もまた、同会長の人間性を端的に示している。周囲の会員業者らに対し、一時的にでも安堵させようと出任せの「対策」を口にしたのか何なのか。小紙も見くびられたものである。

 いずれにせよ小紙はまだ、「県住川越笠幡団地建設計画」問題について終止符を打つわけにはいかないのだ。

「謎の空き地」に存在する遺跡の問題は確かなものとなりつつある。また某宅建業者が川越市文化財保護課に対し、ある確証を持って「発掘せよ」と、配達証明付きの要請文を川越市に送達した事実をわれわれは入手したからだ。

 公開質問書への回答の如何を確認することで、小紙は協会側の意志を把握することができた。ならば小紙は、いよいよ取材を通じて集積した詳細な資料をもとに、上部団体や監督機関への取材・照会を含め、いっそうの追及を進める所存だ。それが真相究明を怠る者たちへの小紙の回答であると共に、市民、読者への責任だからである。

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