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【埼玉県・川島町】
200トン以上のアスベスト管が野積みで放置
本紙の通報で国と埼玉県、直ちに対処へ
住民生活に多大な脅威川島町行政きょうまで見て見ぬふり
行政と関係会社の責任は重大

 産廃ゴミの不法埋設疑惑が浮上した埼玉県川島町の平成の森公園の近くで、またも廃棄物をめぐる問題が発見された。地元住民から「町民会館の近くに、大量のエタニット・パイプ(石綿管)が野積みされている」との情報を得た本紙が4月6日(金)の夕刻に現場にかけつけたところ、町民会館に隣接した土地と更に近隣のもう1カ所に経年による劣化が始まったエタニット・パイプが大量に放置されているのが見つかったのだ。

 本紙は、石綿飛散による住民被害が心配されるところから、9日(月)に政府(環境省、経済産業省、厚生労働省)に通報し、対処を打診。結局、協議の上で厚生労働省の労働安全室がアスベスト処理について権限が委譲されている埼玉県環境部廃棄物指導課に対処を提起し、11日(水)午前には同課と川島町生活環境課、それに埼玉県東松山環境管理事務所が本紙の案内で現場を調査し対応を開始することになった。

劣化したアスベスト製パイプが約200トンも野積み!

 本紙が周辺住民から聴取したところでは、エタニット・パイプが大量に野積みされた2カ所の土地には、かつて日本エタニットパイプ(株)(現在は、さいたま市の日本ホーバス(株))の下請け業務を行う事業所が設置されていたという。近隣に古くから暮らす複数の住民の話では、「それぞれの事業所で働いていた人が、何人も肺ガンなどで亡くなっている」とのことで、最近、全国各地で確認されているアスベスト被害がここにも存在したことを伺わせている。

<現地を調査する県職員ら>
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 エタニットパイプは、鉄の代用品として第一次世界大戦(1914〜1918)前後にヨーロッパで発明され、日本では日本エタニットパイプ(株)が1931(昭和6)年から1984(同59)年にかけて製造していた(他に秩父セメント(株)等、計3社が製造)。アスベスト(石綿)とセメントにより、肉厚が薄くて丈夫な鋼管に準ずるパイプとして普及した。鋼管とは違って海岸近くの土中に多い塩分や海水にも腐食しにくく、ガス管や水道管、農業用水管として我が国でも大量に使用されてきた。

 耐用年数は25〜30年で、それ以後は劣化(石綿成分の溶出や飛散)が見込まれるため、政府は対応マニュアルを示して全国的に撤去・交換が進められている。

 今回見つかった野積みのエタニット・パイプは、現場を確認した埼玉県職員によれば「4トン車で40〜50台分くらいある」とのことで、約200トンにのぼるものになる。また、切削を含めた加工に使われた土地と見られることから、撤去の際は下の表層の土壌も併せて除去するべきとの見解も示されており、処理には相当巨額な費用を要することが確実だ。

安全第一の迅速な対応と責任の明確化を

 埼玉県廃棄物指導課によれば、「すぐに処理についての特別スキームを検討しながら、当面は飛散防止のための措置を実施する」とのことだったが、18日現在、本紙が確認したところでは必要なビニールシートの手配が出来ておらず、川島町と県が行ったのは町民会館近くの1カ所について、シートで被われているに過ぎない。これではおざなりで、住民の安全第一に迅速な対応が何より求められる。特に、町の公共施設近隣に目に見える形で野積みされていたのに、それを放置してきた川島町の責任は重大である。本紙としても、善処を厳しく求める。

 今後の方向については、必要な場合、国からも予算措置が行われて安全対策を講じての処理が県の手で実施される見通しである。しかし、今日、アスベスト健康被害が全国的に問題になっていることから、ただちに住民への聞き取りを含む実態調査に踏み切るべきと本紙は考える。

 それにしても、川島町はなぜこうも廃棄物に関するトラブルが多いのだろうか。清流に挟まれ、水田が広がる美しい田園地帯の桜が満開の時期に、恐ろしい劣化したアスベスト製パイプの山を目のあたりにして嘆息せざるを得なかった。郷土を汚す企業活動の横行、あちこちで見つかる不法埋設物(アスベスト廃棄物については、本紙は以前も取り上げた)、それを背景にした郷土を汚す政治家の跋扈…これらが、除かれ川島町が真に「郷土」と呼ばれるにふさわしい地域になるよう本紙は住民の方々と共に行動していきたい。■

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