埼玉県川島町・平成の森公園
無かったはずの公園管理台帳が出てきた!
「産廃ガラ不法埋設」疑惑の隠ぺい工作破綻か?
本紙インターネット版2月28日付記事「山口泰明衆議院議員の“黒いルーツ” すべては『平成の森』から始まった 浮上した(株)島村工業の産廃ガラ不法埋設疑惑!」は、地元川島町をはじめ、埼玉県内の行政及び建設業界、そして広く県民の間に反響を広げた。
「25億円以上もかけた町営公園に、大量の産廃ガラが公然と不法埋設されたのか?」「行政調査新聞がこれだけ明確に疑惑を指摘したのに、どうして誰も追及もしなければ、反論もしないのだ?」「公然と名指しをされている山口泰明衆議院議員は、疑念をはらすべきだ」
こうした声が、本紙にも多数寄せられている。しかし、平成の森公園の建設を推進した故・山口泰正町長の息子、山口泰明衆議院議員はおろか、行政面で記録を明確に残す責任を有し、現在でも当時の建設工事の実情を知っている職員が在職しているはずの川島町役場、そして当時の町幹部が含まれる町議会議員たちから、何の声も上がらない。
これでは、本紙に寄せられた複数の投書をはじめ、川島町住民たちの間で根強くささやかれているダークな噂が否定されるどころか、やはり噂の中には何らかの真実が隠されているのではないか、という疑念が増幅されるばかりだ。
その噂とは「当時の山口町長が(株)島村工業と謀り、産廃ガラを工事現場に不法埋設し公園造成費用と産廃処理費用を二重取り。その一部である2億円を町長の息子・山口泰明氏の国政出馬に於ける自由民主党公認獲得の工作資金にした」というもの。にわかに信じがたいこうした黒い噂を川島町役場も、町会議員らも「沈黙をもって肯定」しているとしか思えない状況がそこにある。
本紙は尚、その後も不法埋設疑惑の確証を得るために関係者や住民の訪問を続け、様々な証言や傍証を得つつある。その過程で、不可思議なことが起きた。
「公園管理台帳はない」と言い張った川島町役場
本紙には、さまざまな告発や伝聞情報が届けられる。しかし、これらを報道するに足る確証をもった内容にしていくには、基本的事実の積み上げから丁寧に取材していくしかない。行政に関する問題については、行政資料の公開を当該機関に求めて照合していくのが常道だ。
しかし、川島町の平成の森公園については、行政情報の収集に当たる本紙の前に川島町役場が奇妙な態度で立ちはだかったのだ。
「平成の森公園には、公園管理台帳はない。他の公園についても、公園管理台帳などない」
町役場の都市計画課は、当初こう述べては、本紙が提出を求める公園基礎資料の存在を否定したのである。
そもそも公園管理台帳とは、何か?公園管理台帳は、国が昭和31年(1956年)以来制定した都市公園法で公園を造成し管理する機関(地方自治体等)に作成が求められるもので、その公園の地積から平面図、施設配置や工事関係図書、植栽配置図など当該公園に関する基礎的情報とその後の変遷を記録にとどめ、爾後の公園と施設の管理維持の際の参考にするための必置資料である。だいたい、公立の公園は、住民の財産であり当該地方自治体にとって貴重でかけがえのない管理物件である。当然、その管理に必要な資料は、当該公園が存在する限り永続的に保存され活用されるべきものである。
本紙が川島町側に対して、「公園管理台帳は、法律で作成と保存が義務付けられたもののはずで、ないはずはない」と指摘しても、町側は「ないものはない」と言うかと思えば、別々の段ボール箱に詰められて倉庫のあちこちに散在していると説明した資料や図面を指して「これら全体を公園管理台帳というのではないか」という詭弁を弄すなど、本紙記者を煙に巻こうとする姿勢に終始するばかりであった。
まさか、埼玉県が造成して町に移管した公園(川島町工業団地造成で作られた八幡公園等)については公園管理台帳がないことはなかろうと問いただすと、川島町都市計画課は、「それもない」と言い張った。「それなら」と、本紙は他の裏付けに走ることにした。
「え、公園管理台帳がないって…」―絶句する国土交通省担当者
本紙は、川島町が「公園管理台帳がない」と言っている問題について、都市公園法の所管官庁である国土交通省を訪れ、担当者に見解を問い合わせた。
「川島町は、都市公園法で作成と保存が義務付けられた公園管理台帳について、ないと言っているが問題はないのか?」
川島町は、本紙が産廃ガラ不法埋設疑惑を問題にしている平成の森公園はおろか、町内の他の公園の管理台帳すらないと主張していたのだ。この問題を説明すると、国土交通省地域整備局公園緑地課の都市公園法担当者は絶句した。
「そもそも、都市公園法は公園管理台帳を自治体が作成しなかったり、なくしたりすることを想定していないもので…」
川島町の主張する内容は、法律の想定外、それどころか完全な脱法行為であるということなのだ。
「ちゃんと資料は町に引き渡しています!」―埼玉県企業局
一方、埼玉県が工業団地造成にともない川島町に引き渡した八幡公園等の管理台帳については、どうなのか。本紙は、埼玉県企業局を訪れて経過を確認した。
「公園管理台帳がないなら、まったく川島町の責任です。私たちは、公園の引き渡しに際して基本資料を町に受領させました」
企業局の担当者はこう述べ、更に川島町長の公印のある「受領書」も示した。少なくとも、公園管理台帳に納めるべき基本資料は、埼玉県から川島町に引き渡されていたのである。
いったい、どういうことなのか?やはり、川島町は平成の森公園の疑惑隠しのために基本資料たる公園管理台帳を隠匿、あるいは破棄し他の公園についても横並びで同様の措置をとったのであろうか?ならば、とんでもない不法行為が町ぐるみで行われたことになる。
しかし、事態は意外な進展を見せる。
「公園管理台帳がありました」―唐突な態度変更
本紙が国や県に問い合わせをし、説明を求める中でそれぞれから川島町に対して真偽確認が何度も行われたという。なにしろ法律で作成と保存が義務付けられた資料がないというのは、尋常な事態ではない。国や県から再三の問い合わせを受けた町側の担当者は、顔を赤くしたり青くしたりしたに違いない。そして、その結果は……。
本紙に対して8月に入り、川島町都市計画課から連絡が入った。
「公園管理台帳がありました……」
本紙記者がかけつけると、県から移管された八幡公園のものはおろか、くだんの平成の森公園の管理台帳も目の前に出されたのである(写真参照)。
 
平成の森公園の管理台帳をめくると、公園竣工の平成9年以降、何度か植生その他に変更や補充、確認検査などが実施された形跡が赤字による記載追加で確認できた。一番新しいものは、平成14年の赤字記載であった。つまり、公園管理台帳は、立派に維持管理に活用されていたのである!
なぜ、こうした公園管理台帳を「ない」と川島町は言い張ってきたのか?その理由は前述の記載追加にある。本紙は、平成の森公園に産廃が埋設されたため、植栽が正常に育たなかったり、グラウンドの水平面が傾いたりしたとの証言を得ていた。そして、そうした経過があれば、公園管理台帳の記載追加の中にそれらに対して取られた措置が確認できるに違いないと考えたのである。
川島町側も、正にその点を恐れたのではなかろうか。しかしいまのところ、そうした記載追加は確認できない。記載されたり追加されたりするべき新たな資料が、管理台帳に故意に含まれなかった可能性がある。
ますます深まる平成の森公園の疑惑
本紙はこうした、記載追加資料の存在可否について、川島町に対して確認を求めているところである。事実はこうして着実に解明されつつある。悪事は隠し通せないのだ。
おかしいではないか。なぜ、もともと存在した公園管理台帳をあえて「ない」と言い張りつづけたのか。職員が存在を忘れていた?その可能性は断じてない。先に述べたとおり、台帳は近年に至るまで維持管理されてきたもの。写真でもおわかりの通り、ファイルフォルダーできれいに綴じられた厚みのあるものだ。役場のどこかのロッカーに埃まみれで忘れ去られていたようなものではないのだ。
そして本紙に対しては「ない」と言い続けたこの公園管理台帳の「不存在」について、いざ県から川島町の違法性を追及さると、はじめて「はい、ありました」……いくらなんでもそれはないだろう。何故、あるべきものを本紙に対して隠蔽し続けたのか。そうした姿勢から、平成の森公園をめぐる疑惑はますます深まっていくのである。
あの公園には、本当は何が埋められているのか。本紙は、事実究明に引き続き全力を挙げる所存だ。■
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