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深層追跡
埼玉県西部地区・上福岡市役所大スキャンダル!
武藤博市長をバックに公共工事を好き勝手に操る
怪女「AG」の爛れた「ピンクネットワーク」!!
(地方紙版行政調査新聞平成15年12月号に掲載した記事の一部です)
「チャッ、チャラッチャ、チャッチャー」。
取材のあいだ記者の頭に鳴りっぱなしだったのは、三十年近く前のテレビ番組「ウィークエンダー」のテーマ曲(「鬼警部アイアンサイド」のテーマ曲)であった。
行政に厳しい姿勢でメスを振るう本紙にとって、身の下三寸の話題は埒外である。
だが今年最後の本紙取材中、記者は頬を赤らめ、記事の行間はピンク色に染まった。
記事の中で大きな役割を持つ「AG」は、卓越した才能や資金力で力をつけたのではない。「オンナの武器」を活用し現在の地位を手に入れた、いわば「ウルトラ女狐」である。
ピンクシティ・上福岡市にオールドビッチ全開!
「オンナの武器」で市庁舎を牛耳るスーパー女狐「AG」
まずは以下をご覧いただきたい。いまから四年前、すなわち平成十一年(99年)、上福岡市に流布した「怪文書」である。
(姓名等はプライバシーを考慮し略字に置き換えてあります)
上福岡市職員の皆様及び
有権者の皆様そして、議会人の方々、市長武藤博殿へ
AGと云う女性を皆様方すでにご存じだと思います。相当な悪名高き女性と云うことです。市発注の公共工事に関し、市長の名を語り業者を脅し現金を脅し取って居るのです。又、本来業者指名選定についても一民間でありながら口出し、たとえばZ建設工業はこの工事の指名に入れるな、S建設を入れて取らせるようにとか、又大手ゼネコンに対して、落札金額の何パーセントを市長に届けるから持って来いとか、私(AG)の云っていることは市長の言葉だとおもいなさいとか、これは明らかに恐喝罪であり、競争入札妨害でもあり、もしそれを市長が知らないとすれば詐欺罪でも有ります。
公共工事そのものの原資は血税であると云う事を皆様忘れないで下さい。
公明かつ民主的に執行されなければならない性質の事項であると思います。
法の番人であるはずの行政トップクラスの方々このようなことは重大な問題であると云う事を強く認識して頂きたいと思います。
ただ単にAGなる悪女の言うことを聞かないと云うだけで、上福岡市発注の公共工事の指名から排除するという事は極めて異常な事であります。
市職員幹部の皆様このような女性は上福岡市政発展の為に又武藤市長の将来の為、速やかに排除して下さい。
これは、ほんの一例で有ります。前田建設工業からも一千万円とってます。
是はすでに県警も把握しているとの事です。地元建設業者からも集金しています。また、お金を払えない業者にはAGの指定推薦する下請けを使いなさいと云うことです。さらに、A建設の社長室長(社長の娘婿)であるDなる者とは、男女関係であると言うことだそうです。この事に関しては業界では周知の事実のようです。
又、富士見市・三芳町・大井町についても井上県議会議員(公明)を同行させ同様の手口で迫ろうとした様ですが、何処の首長も相手にしなかった様でございます。
上福岡市役所も一日も早く正常な形に戻して頂きたいと思います。
「市長の名を語り業者を脅し、税金を食い物にし、私腹を肥やす悪徳ブローカーだけのことです」
司法の手が入らない内に目をさませ。
市民市政の皆様・市役所は誰のものでもない。
上福岡市役所が大好きな一職員より。
(→原文を見る)
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最初にお断りしておくが、「怪文書」の多くは根拠薄弱な噂話の域を出ぬものである。そもそも自らを秘した書き手による情報に信憑性は希薄であり、手段としては卑劣の誹りを免れ得ぬものであるというのが本紙の基本的見解だ。
だがときとして、それは恐るべき真実の一端を暴露する場合もある。
昨年より、本紙のもとに匿名の投書や電子メールが頻繁に届けられた。そのどれもが、上福岡市庁舎内部における腐敗を赤裸々に告発する内容だった。
寄せられた情報をもとに調査を開始した本紙は、その過程で驚嘆すべき事実を知ることになる。自らのオンナで上福岡市行政を牛耳る女性「AG」。女帝というよりむしろ「オンナの武器」で権力を弄ぶその実態に、「女狐」という言葉さえ霞む。
そして「AG」の放縦を許すどころか、甚だしきは嬉々として小遣いを受け取る上福岡市長・武藤博氏。「AG」に翻弄される上福岡市公共工事の実力者・安田博氏……。この三者の大きなトライアングルの周辺に、富士見市の建設業者や埼玉県議などの脇役がさまざまな補助線を引いている。
伝家の宝刀、入札参加指名権を振りかざす「AG」中心の情事行政。市内業者にとってはまさに恐怖政治そのものである。そして事実、上福岡市の大型公共工事は、武藤市長を中心とした安田理事〜「AG」体制に掌握されているといっても決して過言ではないことは、同市発注工事における過去の入札調書でも明白である。
調査が進むにつれ判明してきた上福岡市の空前の腐敗に、本紙は唖然とした。掲示した一通の怪文書は、取材の過程で本紙が入手したものである。この古い文書が伝えていたのは、紛れもなく真実に近いものであった。上福岡市の尋常ならざる実態を危惧した人物(あるいは一部の人々)が、すでに四年も前から告発していたのである。
「地方の時代」が叫ばれて久しい。だが二十一世紀の日本社会において、上福岡市のような腐敗行政が罷り通っているのであれば、地方の時代など永遠に訪れまい。
だが、己を捨てても上福岡市の正常化に一石を投じようとする人物の姿もあった。
本紙今月号がお送りする複雑怪奇な人間模様、まずは主な登場人物を明らかにしておこう。
上福岡アンダーワールドの住人たち
武藤博・上福岡市長
昭和十二年(37年)四月二十日浦和市生まれ。父親が大病を患ったため高校卒業後、東京で三年間の修業を積み、地元の野台団地前にて公衆浴場を経営。昭和四十年代のことである。
昭和五四年(79年)上福岡市議に初当選し、一期の落選を経て平成四年(92年)には市議会議長。平成九年(97年)には上福岡市長に初当選を決め(自民・新進・公明推薦)
、平成十三年(01年)には市長二期目に当選(自民・民主・公明推薦)した。
実弟は現在、日本銀行副総裁の武藤敏郎氏。敏郎氏は公明党代表・神崎武法氏と大学で同期(昭41・東京大学法学部卒)。
安田博・上福岡市開発公社理事
昭和三七年(62年)福岡町に入職し、昭和五一年(76年)の建設部都市計画課長を皮切りにおもに建設畑を歩み、平成十三年(01年)より上福岡市土地開発公社理事(駅東西周辺再開発担当)に就任し現在に至る。
市長の片腕と呼ばれ上福岡市庁舎において、公共工事に関するものすべてに隠然たる力を有する実力者である。義弟の長島直行氏は上福岡市の現・都市整備部長。
「AG」
現在五十代前半であるこの女性が、上福岡市行政に台頭してきた経緯は諸説紛々である。後述する元埼玉県議・井上正則氏の引き立てにより浮上してきたとする説、富士見市・山田三郎元市長の側近であったO氏の「オンナ」だった頃から力をつけはじめたとする説もある。
「AG」は富士見市に所在する某測量会社に長らく勤めている。名刺の肩書きは「専務取締役」。武藤市長の資金管理団体「上福岡市政治研究会」の寄付明細には、高額寄付者のひとりとして「AG」を見つけることができる。
井上正則氏
昭和十四年(39年)四月三十日生まれ。昭和四十年(65年)より二十五年間、公明党本部に勤務し政党役員をも務めた。
平成三年(91年)、公明党公認で埼玉県議に初当選し、公明党県本部長を経て平成十年(98年)には同本部の代表に就任している。 |
安田博氏は「AG」と官製談合を共謀し、共工事の落札業者から利益を得ているというのである。「AG」が表に出ることにより、上福岡市発注の公共工事に応札する土木建設業者らに「上納金」を要求。これに与する業者にのみ入札権を与え、上納金を拒絶した業者には、自ら手なずけた業者に「入札指名権を与えない」と言わせるという。まるでテレビ番組の悪代官そのままではないか。市内業者にとっては恐怖政治以外の何物でもない。どれほど理不尽な要求であろうとも、指名権を握った安田理事-「AG」には黙して従うしかない。業者は沈黙を余儀なくされるのである。
安田理事と「AG」なる女性との仲が非常に親密であるのはいうまでもない。そして、この二人の裏には武藤市長が介在しているという。
つまり上福岡市の大型公共工事とは、武藤市長を中心とする「安田理事プラス『AG』」に掌握されているといっても過言ではない。同市における過去の契約履歴にも明らかである。
平成十一年(99年)七月、上福岡市民有志は武藤市長に対する監査請求を市に提出した。「違法もしくは不当な契約の締結」がその理由である。
監査請求によれぱ平成十年(98年)度、上福岡市が締結した業務委託(契約額百万円以上)に係わる随意契約133件のうち、複数の相手方から見積書を徴したのはわずか6件に過ぎなかった。これは上福岡市契約規則第十六条一項に違反している。すなわち「市長は、随意契約を行う場合においては、原則として二人以上の相手方から見積書を提出させなけれぱならない」のである。上福岡市の随意契約に競争原理は存在せず、あるのは武藤市長を背景とした安田〜「AG」ラインへの忠誠心によって、契約の可否が決定されるというシステムであることが充分に推測できる。
「AG」の存在に業者は沈黙せざるを得なかったものの、議会においては武藤市長当選第一期の当時、すでに共産党議員からの厳しい質問の中に登場していた。そして武藤市長と一蓮托生の存在として安田理事の名も挙がっていたのである。
上福岡市近隣地区の某市議が激白!
「『AG』と武藤上福岡市長、公明党を結ぶ点と線
「AG」と武藤博上福岡市長とは如何なる関係なのか。なぜ「AG」は武藤市長の後ろ盾を得たのか。
武藤市長と「AG」の関係の始まりは、武藤氏が上福岡市議であった時代にさかのぼることができるという。本紙が取材した人物は異口同音に「あの二人は古い仲だ」と語る。
「AG」が上福岡市に台頭してきた時期は、武藤博氏が上福岡市長に初当選した平成九年(97年)。後述する「横山助役問題」が起きたのもこのときである。
当時、「AG」は「東上クラブ」なる組織を運営していた。市内建設業者の懇親を目的としたこのクラブを後押しするのは、当然ながら武藤博「新市長」の役割であった。
平成十三年(01年)、武藤氏が二期目の市長当選を決めると、これに呼応するかのように「AG」は「東上クラブ」を「向上会」に変更している。
本紙は上福岡市近隣地区の某市議にインタビューした。「AG」と武藤市長の裏話を知っているという。
彼の話だ。
「私が非常に親しくしている上福岡市の某議員から聞いたんだが、武藤市長が就任した翌年、総合センター「フクトピア」の市民交流プラザと保険センター建設の入札で談合情報が市に寄せられ、入札が延期になった経緯がある。その談合情報とは『落札は前田建設工業。談合を仕切っているのは富士見市にある測量会社の<AG>という女性』だ、というんだ。
なぜ一企業の女性社員が入札を仕切るだけの力を持っているのだろうか……。私は建設業界のさまざまな情報を収集し、その結果判明したのが、『AG』が中心となり業者・市議会議員などが名を連ねる『東上クラブ』という団体の存在だった。この『東上クラブ』をバックアップしているのが武藤市長だ、ということも判明した。
バックアップの理由?決まってるじゃないか。武藤市長は市議会議員時代から『AG』とは特別に昵懇の間柄だったからだよ。まあ、これ以上は話せないが、『AG』という女と武藤市長との関係は知らない者がいないぐらい、有名な話じゃないか」
これらを裏付けるかのように、上福岡市に武藤市長が誕生するやいなや、「AG」の市役所通いが始まったという。
「AG」の頻繁な市役所通いは一時、市庁舎内でも話題になるほどであった。市内業者たちは口々に「『AG』って女に逆らうと仕事がもらえなくなる」と囁きあった。「AG」による上福岡市恐怖政治の始まりである。
より強固に、緊密になる武藤博市長と「AG」との関係は、「AG」が「武藤市長の片腕」と呼ばれた管理職員、安田博氏とも通じることにより、強権を有する「爛れたトライアングル」を形成するに至る。
某市議は力説する。
「上福岡市の入札は今日、この三人によって総てが決められているのが現実なんだ」
「AG」が運営する「東上クラブ」は、やがて武藤市長が二期目に当選すると同時に「発展的解消」を遂げ、新たに「向上会」なる組織として生まれ変わったのは先に記したとおりだ。
「『向上会』の設立パーティーは都内で盛大に行われた。大手企業の前田建設工業・戸田建設が協力し、地元の小林土建らに声をかけて作ったものだが、パーティーに出席した政治家に武藤博市長はもちろん、公明党の井上正則県議がいたんだ。利害関係にある業者のパーティーに平然として出席する武藤市長や井上県議(当時)の政治姿勢に、市民が疑惑の目で見るのは当然だね。現にあなた(本紙記者)もそのために私の話を聞いているんでしょう……。
『AG』と公明党との関係ってのはこれまでも噂にはなっていた。だがパーティーに公明党県本部代表の要職に就く現役県議が出席したってことで、噂が本当であったことが証明されたことになったんだ。これは有名な話なんだが、よく他の議員連中がだまっているよな……」
「AG」の夫の葬儀委員長は公明党県本部代表
「AG」は「警察に貸し」がある?
「AG」と井上前県議との関係を奇怪なかたちで示す資料がある。実は「AG」の配偶者は本年七月に逝去しており、その葬儀が七月十三日に執り行われている。写真は会葬者に配布された御礼状なのだが、葬儀委員長として井上正則氏の名が中央に記載されている。故人は平成五年(93年)に富士見市都市計画課に所属、以後は鶴瀬駅西口区画整理事務所、農政課を経て昨年、職員課に配属され勤務する途中で亡くなった。公明党県本部代表にして前県議である井上氏との接点は、配偶者である「AG」を除き、どこにもないのである。
夫の葬式の葬儀委員長に「男」を据えるのだ。まさにビッチである。
しかもこの葬儀には一部の業者を除き、二市二町のほとんどの業者が参列した。彼女の勢力の一端をかいま見ることができよう。
冒頭の「怪文書」の一節……「富士見市・三芳町・大井町についても井上県議会議員(公明)を同行させ同様の手口で迫ろうとした様ですが」というくだりにも、真実味が帯びるのである。
某市議は饒舌に続ける。
「さっきの『フクトピア』の二施設は結局、平成十年(98年)十月二二日に入札が行われ、前田・斉藤のJVが十一億一五〇〇万円で落札したんだが、ここにも驚くような噂がある。
このとき『AG』という女性名義の口座には、前田建設工業から一〇〇〇万円が入金されていたというんだ。しかし『AG』には職務権限がない。入札資格を持つ業者でも、市執行部の人間でもないからね。しかもその一〇〇〇万円は武藤市長のところへは渡っていなかったんだ。警察だって手をこまねいていたわけじゃない。業界関係者を引っ張ってずいぶん調べたらしいんだが、でもいつの間にかうやむやになってしまった、と聞いている。
しかし『AG』が動いて前田・斉藤JVの指名を組んだのは事実のようだ」
それは確証のある話なのか、との本紙の問いに対し、
「いちいち裏を取ったわけじゃないが、確度の高い情報だ。火のないところに煙はたたんよ。それに『AG』は警察に貸しがある、という話もある。前富士見市長に絡むことでね」
山田三郎・前富士見市長は昭和四七年(72年)、汚職事件で逮捕され辞職した前市長を批判し、「クリーンな革新市政」を謳い初当選した。
だが「クリーンな市政」は二十年続かなかった。山田前市長は工業団地建設に絡む汚職事件の主役となったのである。昭和六二年(87年)と翌年一月の二回にわたり、団地造成事業に対する補助金支出などに便宜を図る見返りとして、竹之内協同組合理事長(当時)から百万円ずつ、計二百万円を受け取った疑惑であった。
この疑惑のため、山田前市長は昭和六三年(88年)夏の市長選で落選。その二ヶ月後、ついに逮捕されたのである。
ところで当時、山田前市長の元には事務職を勤める女性がいた。
「AG」である。「AG」は山田前市長の補助金支出について調べる警察に対し、前市長の逮捕に直接つながる供述をしたという。
「『AG』が助かったのは、つまりそういう貸しが警察にある、って話なんだ。
いずれにせよ、前田建設工業の一〇〇〇万円が『AG』の口座に入ったこと自体が不自然だろう。そこには入札以前から、何らかの約束事があったんじゃないか、と疑わざるを得ない。でなければ『AG』のところにカネは入らないはずだからね。
ともかくあんた、工事費が十一億を上回る金額だよ。
公平な入札をしていれば、そこに疑惑など生まれようもない。武藤市長は金がないから、金には弱い、というのがもっぱらの噂なんだ」
「オンナの武器」を縦横に用いる「AG」の触手は市庁舎だけにとどまらないのである。
前田建設工業と市民交流プラザ「フクトピア」施設建設にまつわる噂は他にもある。「市長の片腕」、安田博・上福岡市開発公社理事の縁者が経営する某造園業者が前田建設工業の下請けに入り、六〇〇〇万円の工事を前田建設工業から受注し、孫請業者に丸投げしたという話も浮上する。
「あんた業者だろう?」の一言で
一期で切り捨てられた横山元助役
「AG」の話をもう少し続けよう。
武藤博上福岡市長の第一期時代、助役は横山清一氏であった。昭和十二年(37年)上福岡生まれの横山氏は、昭和二九年(54年)から建築士として建築業に従事。(有)横山工務店を経営する傍らの昭和六二年(87年)四月、上福岡市議に初当選した。以後、平成五年(93年)から一年間の市議会議長も任じた。
平成九年(97年)六月、武藤市長が議会に横山清一氏の助役選任を提出、賛成多数で可決され、翌月より上福岡市助役に就任。(株)横山工務店は上福岡市指名業者届を取り下げ、清一氏の子息である横山明仁が代表取締役となり現在に至っている。
横山新助役が誕生すると、まるで申し合わせたかのように「AG」が活動を開始した。
『AG』は武藤博氏が市長に就任したとたん、上福岡市庁舎に公然と出入りするようになったのは先にも記したとおりだ。だがある日、「AG」は横山助役が公務を執る助役室に、面会予約も取らずに闖入したのである。
横山助役は、もちろん武藤市長と『AG』との関係を知る立場にあり、面識もあった。だがアポイントもなく突如として助役室に入るとは、どう考えても尋常ではない。
「AG」は助役室に入るなり、こう言い放ったという。
「この前、A建設が落とした工事、横山さんの息子の会社でやらない?」
先だってA建設が落札した上福岡市発注の公共工事。「AG」はA建設の下請けを横山助役(当時)の子息が経営する横山工務店で請けないか、と誘いをかけたというのである。それも白昼堂々アポなしで、公務中の助役室で、である。
これぞスーパービッチの面目躍如!
「AG」は大胆にも、助役室内にて横山助役を籠絡すべく、目の前に餌をぶら下げたのである。
「AG」の意図を看破した横山助役は怒りにふるえつつも、毅然として叫んだ。
「あんた業者だろう。そういう話をこの部屋でするべきではない。出て行ってくれ」
すると「AG」は「私は業者ではない」と反駁したというのだ。
だが結局は横山元助役に追い返される羽目となった。
このハレンチな「AG」の専横行為は無論、武藤市長が篤く保護し、特別な関係を維持している女性がゆえの特権行為である。なんとなれば市民に行政を付託される市庁舎助役公務室において、助役の任にある者を不正に導引する言動をとる厚顔無恥な姿勢は、武藤市長を背景とすることなくしては行い得るものではないからだ。
こうして横山氏は、いわば「飴をぶら下げる雌虎の尾を踏んで」しまった。平成十三年(01年)六月三十日、横山氏は一期を以て助役を退任することとなったのである。
決めゼリフは「私の言葉は市長の言葉と思いなさい」
「AG」に操られる業者たち
「AG」が上福岡市助役室で横山助役に押し込もうとたくらんだA建設とは、怪文書の中に書かれたA建設に合致するものであった。
もう一度、本紙冒頭に引用した「怪文書」の文面をじっくりお読み頂きたい。市発注の公共工事に関し「指名」というエサをぶら下げ、市長の名をバックに市内業者や大手ゼネコンからも現金を"脅し取る"「AG」。「私の言葉は市長の言葉と思いなさい」と、存分にビッチぶりを発揮している。
そしてカネを払えない業者に対しては「ならばここを下請けとして使いなさい」と指名しているのが、A建設なのである。
そのA建設から現在独立して、「AG」としっかり手を組み富士見市、上福岡市の公共工事のフィクサーを務めているといわれる男性が、いま噂の頂点に座っているH・Cという人物だ。
上福岡市発注の公共工事に、己が自由に操ることのできるパペット業者をはめ込み、さらにはその下請け業者まで選択するという強権で、公共工事を手玉に取る「AG」とその背後にいる者たちに利益還元される構図は、あまりに明白である。
そして恐るべきは、本来なら地場業者を優遇し他市への利益流出を最小限にとどめるべき行政の首長が、「AG」を戒めるどころかより緊密度を強め、「AG」が主催する「向上会」の後押しをしているという状況である。
スーパー女狐「AG」を「フィクサー」にしたのは、他でもない武藤市長なのだ。
情けない男である。以下で「武藤の男っぷり」を見てみよう。
凋落する武藤市長支持の声
霧散した住民不在の合併「茶番劇」と「兵どもが夢の跡」
武藤市長の後援会「むとう博後援会」の会長である近藤末広氏から会員に向けて、本年十二月七日に行われた後援会総会の案内状が回ったのは最近のことである。
「21世紀における上福岡市の街づくり」と題したこの後援会総会の会場は、上福岡市の総合センター「フクトピア」内のホール。開催時間は午後一時から四時であった。日曜日の午後という、市民が最も気軽に集まることができるはずの時間。だが収容人数五百人の広大な空間にやってきたのは、わずか百名あまりであった。
寂寥感漂う今回の総会では触れられなかったものの、これに先立つ九月二二日、近藤末広氏自身もまた本紙の取材に応じ、近々に「むとう博後援会」を辞任するつもりであると語っていたのである。
武藤市長の不人気ぶり……。こうした兆候はすでに現れていた。
消滅した「二市二町の合併」話である。
「富士見市・上福岡市・大井町・三芳町合併協議会」(以下、合併協議会)が設置されたのは平成十二年(00年)四月である。そしてこの合併協議会が「合併を是」とする方向性で合意したのは昨年(03年)三月十六日、第十回二市二町合併協議会の場であった。
| 二市二町合併住民投票の結果 |
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賛成
|
反対
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開票率
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| 富士見市 |
23021
|
9972
|
100%
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| 上福岡市 |
11063
|
7961
|
100%
|
| 大井町 |
7774
|
8893
|
100%
|
| 三芳町 |
6181
|
8334
|
100%
|
翌平成十五年一月十六日、二市二町合併協議会は合併の期日と新市役所をどこに置くのかについて決定。住民投票の必要性が議論されることはなく、住民不在のまま、あたかも合併そのものが既定の計画のように推し進められた。
二市二町の合併については、まず各市とも共産党が反対の烽火を上げた。
まず上福岡市。共産党は「絶対反対」、また同党のみならず反対を唱える市議も多かった。武藤市長は無論賛成である。だが武藤市長は旧浦和市の出身。生え抜きの上福岡の人間ではないため、合併後に市長の座を仕留められるかどうかについては疑念を呈する市民が多かった。
大井町でも共産党をはじめ反対が多数を占めた。理由の筆頭は同町の「市への昇格を優先すべき」だ。平成四年(92年)、東武東上線ふじみ野駅が開業したため高層マンションなどが建ち、町の人口は五万人に達そうとしている。そのため大井町はまず市への昇格を優先し、現町長が初代市長となり、それから合併の問題に取り組みたいという。無論、合併の暁には初代首長の座を目論んでいたのは、島田行雄町長も同様である。
三芳町でも共産党が強硬に反対。
富士見市は市長、市議ともに合併に賛成多数。浦野清市長もまた、合併後の新市長の座を虎視眈々と狙っていたのだ。
八月、二市二町合併協議会は全体会議にて新市名を「ふじみの市」に決定。さらに在任特例の適用可否についても可決した。あとは二ヶ月後に開催が決定した住民投票を待つだけとなった。
十月、合併の是非を問う住民投票が二市二町の各自治体ごとに行われ、三芳町と大井町において反対票が賛成票を上回り、合併協議がご破算になったのはマスコミ報道のとおりである。
「ふじみの市長」は幻と消えたものの、昭和三三年生まれの若き近藤県議は挫ける様子もないらしい。
埼玉政界に通じる消息筋は語る。
「近藤県議は『二市二町が合併しようがしまいが、上福岡の次期市長選には出るつもりだ』と言っているよ」
近藤善則県議は二度の無投票当選にて現在、県議三期目。父は初代上福岡市長の近藤克郎氏であり、祖父は村議と三代続く地元政治家のエースである。
先の消息筋は、
「合併問題で武藤市長は市民にそっぽを向かれた。このままでは本当に近藤議員に取られてしまうよ」
と笑っていた。
福田行雄と組んだ武藤博上福岡市長の
「考えるほどに後味の悪い集金行為」
今月号のちょうど一年前、本紙の地元・川越市を賑わせたのは「偽計入札妨害事件」であった。川越市の公共工事をめぐり、舟橋功一市長を背景に暗躍し逮捕された男が福田行雄・(株)辰己総設元社長であった。
一年一昔のあわただしい時代、武藤市長に関する取材を繰り広げていた本紙は、久しぶりに福田行雄氏の名を、そして信じがたい話を耳にした。次期市長選のおよそ半年前から、武藤博上福岡市長が福田行雄氏と組んで川越市周辺の建設土木業者ら約十八社より、一社当り三〇万円の集金活動を行っていたというのだ。
この集金活動について語ってくれたのは、川越市在住のある業者だ。彼は述懐する。
「実に後味の悪い集金行為だった」……。
平成十二年(00年)六月のことである。
川越市にある(株)昭和工業(石井要代表)の子会社(株)昭和空調の福田行雄社長(当時、福田行雄氏は「辰己総設」を未だ設立していなかった)が、この業者のもとに訪れた。
福田氏曰く「上福岡市役所より指名参加を受けるなら、上福岡市長の後援会(『むとう博後援会』)にバックアップしてもらえば指名が有利になる。そのために三〇万円を寄付してほしい」というのである。
彼は寄付金を渡した。いや彼だけではない。二ヶ月後、寄付行為に賛同した川越市および周辺業者は約十八社を数えることとなり、川越プリンスホテルで食事会という名目の会合を開くまでに至る。
代表格として大手の島村工業(株)島村治作会長らも出席したこの会合に武藤上福岡市長も出席し、「上福岡市の発展を、私を含めて宜しく頼む」と挨拶したのである。
司会進行役は福田行雄氏。また武藤上福岡市長に同行し、市長とともにこの会合の会長役であったのは「愛信」なる建設業兼不動産業を営む人物。この人物は挨拶の中で「(皆さんの)仕事の方も有利に進めていく」と述べたのである。無論、傍らでは市長が、会場には指名への便宜を期待した業者らが話を聞いていた。
ところがこの会合からしばらくして、話が二転するのである。
まず、一ヶ月ほど後のことだ。福田行雄氏が業者の元を再び訪れた。何と「あの金集めはまずかった」と、集金した金を戻しに来たのである。
そしてさらに一ヶ月ほど経ったある日、またしても福田氏が現れた。
「いろいろと考えたんだが、今度は『むとう博後援会』ではなく、福田個人に寄付したことにしてほしい」。こう主張し、一ヶ月前に払い戻した金を福田氏は再び集金して回ったのである。
だがそれ以後、上福岡市からの指名はまったくない……。
いったいこの話は何だったのか。
まず考えられるのは、「目的はカネ集めそのものであり、川越市を中心とした業者は馬鹿にされた」ということである。換言すれば、武藤上福岡市長および「むとう博後援会」は福田行雄氏と結託し、「上福岡市の公共工事発注」を餌に業者からカネを集めたにも関わらず、まるで犬のように後足で砂を掛け平然としている……ということである。
そのための小細工として、武藤上福岡市長は福田氏に「あの金集めはまずかった」と言わせ、いったん集金した寄付を返却し、その裏で「福田に寄付したことにしてくれ」などと、再び寄付金を集めていたのであろう。
「カネ集め」の目的は何だったのか。
市長二期目を狙う武藤博氏は、いうまでもなく上福岡市の首長なのだ。川越市で選挙運動をしてもまったく無意味なことである。
たとえ違法行為であれ「選挙運動の一環」という意味合いが存在しないのであれば、これは明白に「カネ集めそのものが目的」でしかないではないか。
福田行雄氏が集金した金を武藤市長側に渡していれば、の話である。
もう一つの可能性は、福田行雄・辰己総設元社長は「寄付金」を独り占めにした、ということである。いやもっと直裁に言えば、福田氏は「むとう博後援会」への寄付と称し業者からカネを集め、そっくり騙し取ったということだ。ならば、とんでもない事件に発展する。
武藤市長が「そんな事実があったとは露知らず」というのであれば……そしてそれが真実であれば、どうしてもそうなる。
「武藤上福岡市長が『指名への便宜』という約束を果たさないまま平然としているのか」あるいは「福田氏に騙されたのか」……実に、実に後味の悪い話である。
そして川越市と周辺の業者は多額の資金を提供しつつも、未だに上福岡市の公共工事の指名に参加出来ずにいる、という事実だけが残る。
その後、業者の間に噂話が飛び交った。
「武藤市長には女がいる。その女が上福岡市のフィクサーなんだ。だからその女性と組めば上福岡市の仕事がもらえる」。
ある業者が、この女性と組んで上福岡市の仕事を取ったという。
取材の過程で「武藤市長の女が公共工事のフィクサーを務めているという」という言葉に何度も突き当たる。
「AG」の影。そしてこのフィクサーを野放しにし、市民に対し無反省な武藤博上福岡市長……。
四年前の怪文書は、確かに真実を反映していたのである。
伏魔殿・上福岡市の正常化に
己を捨てて挑むチャレンジャー教育長・登場!
武藤市長を中心に据えた「AG」と安田理事の「公共工事専横ピンク・トライアングル」。かくて上福岡市庁舎は、近代稀に見る伏魔殿と化し、強烈な腐臭を放っている。
本紙はこの調査について、上福岡市・永田善雄助役に取材したおり、安田〜「AG」ラインの黒い噂を承知しているか、と質問したところ、「風聞程度の噂は耳にしている」と回答した。噂を耳にしているのであれば何故、正常化を図らないのか、となおも問う本紙に対し、永田助役は曖昧にうつむくだけであった。
耳にしているのに何もできない、市長のオンナには触れられない……。
だが、爛れた上福岡市を少しでも正常化すべく、果敢に立ち上がった勇者がいる。
本紙の地を這うような取材に、いわば「内部告発」という形で取材に協力してくれた勇気ある人物、上福岡市教育長の吉野英明氏である。
全日本剣道連盟の七段教士でもある吉野氏は、古武士然とした好漢である。上福岡市を知り尽くす彼は、武藤・「AG」・安田ラインを唾棄すべきものとし、教育長である己の立場を擲っても上福岡市の正常化に尽力すると力説する。
いかに荒廃した組織にも、こういう人物はいるのである。
吉野教育長は上福岡市の正常化に、果たしてどんな手をうつのか。武士道精神を体現する男、吉野英明氏の活躍に期待しつつ、本紙は今後もこの問題を鋭意注視する。◆
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