
「皇室を揶揄する寸劇は中止」
市民有志の申し入れに「他言無用プロジェクト」(松崎菊也氏ら)が明言
直筆の謝罪文をウェブ上で掲載
「表現の自由」を振りかざし、反論できぬ立場への誹謗・中傷は許されない
さる12月12日、市民有志の政治運動グループ「護国塾総本部」(愛知県日進市)塾長の高橋源紀氏は、東京・神田の「週刊金曜日」編集部を訪問。先般、週刊誌報道等で問題になった同誌主催の市民集会(11月19日、日比谷公会堂「ちょっと待った! 教育基本法改悪 共謀罪 憲法改悪 緊急市民集会」)にて、松崎菊也氏らの劇団「他言無用」が「さる高貴なお方たち」と皇室を揶揄・中傷した寸劇を上演した問題について申し入れを行った。
この寸劇は、「週刊金曜日」発行人で評論家の佐高信氏の司会の下、佐高氏の「えー、今日は特別な日なんで、とても高貴な方の奥さんにも来ていただきました。この会場のすぐ近く、千代田区1丁目1番地にお住まいの方です」と、明らかに皇室を揶揄したセリフとともに、皇后陛下に扮した「他言無用」の俳優・石倉直樹氏が登場して始まるドタバタ劇。先に多くの国民から祝福されてご誕生された悠仁親王に見立てた猿のぬいぐるみが放り投げられるようなパフォーマンスや、天皇陛下のかつての御病気を下品にからかうなど、普段より「人権」を標榜する人士たちによるものとは思えない、品性下劣な内容と報道され、国民から怒りの声があがっている。
高橋氏は、こうした事態を看過する訳にはいかないと考え、今回の上京行動を決意したという。
高橋氏の申し入れ趣旨は、おおよそ次のようなものである。
- 「言論・表現・思想の自由」は当然のことであり、我々はどこの誰が「皇室は要らない」とか、「嫌いである」と思おうと、それはそれぞれの人の思いであって、議論をし合うことも必要と考える。しかし、「他言無用」が上演した内容は、明らかに皇室を敬慕する多くの国民の心情を傷つけるものである。
- 問題の集会は、「憲法改悪」等に反対する市民集会である。皇室は、少なくとも憲法の中で「国民統合の象徴」として位置づけられた天皇陛下を中心とするものであり、「他言無用」の寸劇は「憲法改悪」に反対し憲法を擁護する立場で開かれる集会のテーマにそぐわないものではないのか。
- 皇室の方々は、現憲法をはじめとする我が国の法体系の中で特殊な位置づけを甘受されながら、国民のために国民を代表して公務を果たされているのであり、仮に何らかの誹謗中傷や人身攻撃がなされても自ら反論する権利すら持たれない。こうした方々に、一方的な形で揶揄・中傷することは、「表現の自由」以前に人の道からはずれるものではないのか。
- 昨今、学校教育の場等でのいじめ問題が国民の大きな懸念を呼んでいるおり、皇室の方々にとっても、また国民にとっても大事でかけがえのない悠仁親王殿下の命を、仮にも芝居の上とはいえ、粗末に扱って見せるようなことが道義的に許されることなのか。
以上のような内容の申し入れに対し、応対した「週刊金曜日」側の北村肇編集長らは、「高橋さんのお話はもっともで、主催した当方としても何らかの形で謝罪の意を表さなければならないと考えます」と表明した。後に「週刊金曜日」側が周囲に伝えたところでは、話し合いは極めて冷静かつ紳士的な雰囲気の中で行われ、お互いが納得するものとなったという。
松崎氏が直筆「謝罪文」を提示・12月15日の名古屋公演は中止
翌13日、都内ホテルにおいて高橋氏は劇壇「他言無用」の松崎菊也氏及び石倉直樹氏と面談。この会合には、政治団体「一水会」議長の木村三浩氏(「レコンキスタ」発行人)が立ち会った。
面談では、高橋氏から前日と同趣旨の申し入れがされ、また同氏は「謝罪の気持ちを自分たちなりの考えで示すべき。昨日まで貴殿らが自らのウェブサイト上で行ったような“申し開き”は、全く気持ちのこもっていないものでお話にならない」と述べた。
「他言無用」側の要請で立会人を務めた木村氏は、「今回の寸劇は、権威あるものをむやみに中傷することで自らが偉くなったように錯覚させる一種の“左翼の思想的堕落”というべきものだ」と自らの考えを示した。
これらの意見表明を受け、「他言無用」の松崎菊也氏は「こうした寸劇を始めるきっかけは、昭和天皇が亡くなった時の“歌舞自粛”の動きに危機感を抱いてのこと。以後、20年近くやってきたテーマだが、観客の期待もありエスカレートしてしまった」と述べ、以下のような内容の直筆「謝罪文」を示した。松崎氏らはこれを直ちにウェブサイト上に発表し、併せて15日に予定していた名古屋市での公演を中止して、今後はしばらく活動を自粛する旨を明らかにした。
【謝罪文の内容】
関係各位。
今般、日比谷公会堂にて開催されました集会におきまして、ご皇室をパロディーとした寸劇を上演いたしまして、ご皇室を敬愛される国民各位に、大きな御不快の念をお与えしました。ここに深くおわび申し上げます。今後、ご皇室を寸劇でパロディーにしない由、堅くお約束申し上げます。
至らぬ点には、御指導たまわりますよう、御願いもうし上げます。
平成十八年十二月十二日 コント集団 他言無用 松崎菊也 石倉直樹 すわ親治
※ 謝罪文現物が掲示されるURL(http://www.st21.co.jp/tagon/)
本紙としても高橋氏同様、今回の問題を「思想信条の自由」以前のものであると考える。憲法、教育基本法、安全保障など国の行くべき方向に国論が分かれているのは周知のことだ。しかし、議論すべきことは真面目かつ真正面から行われるべきであり、人心を傷つけるようなやり方は論外である。
高橋氏の思慮深い行動により、事態はとりあえず一歩前進したものと見られる。だが残念なことに、件の集会の開催により大きな責任を負うべき佐高信氏や永六輔氏らは、何らの態度表明もせずに逃げ回り、姿を現さなかったという。かりそめにも言論界やマスコミで活発に行動されているのだから、自分の言動にしっかり責任をもち、説明していただきたいものである。
「週刊金曜日」や「他言無用」その他、寸劇に関わった方々の真摯な反省を望みたい。■
(行政調査新聞・愛知支局)
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