
【学校乗っ取り・補助金不正受給疑惑】
原告(松村東容疑者)不在のまま
「登記請求権請求事件」第3回審尋開かれる
当面は「争点の整理作業」に集中
「今年一年かかるだろう」……証人尋問までに長い道のり
さる11日に松村東容疑者が不動産侵奪罪容疑で西入間警察署に逮捕された3日後の14日午前、同容疑者を原告とする「登記請求権請求事件」第3回審尋が原告不在のまま、さいたま地裁川越支部で開かれた。
原則として一般傍聴は不可(原告側関係者に限り特例により傍聴を認められる場合もある)。審尋後の原告側弁護士による説明では今回、裁判所側より「登記請求権請求事件」に関する原告側の「権利の主張材料」を的確に整理せよとの要請があった。つまり「登記請求権請求事件」に直接的に関わる請求原因(旧坂戸理容美容専門学校が松村東容疑者の所有であること)以外に、これまでの2回の審尋において松村容疑者が「疎明方法」(証拠物件等)として大量の公文書を提出しているため、まずこれらの疎明方法を的確に整理することが求められたのである。
原告側弁護士は、こうした「争点の整理作業」が今後も複数回の審尋にて行われる予定であるため、証人尋問という局面に達するまで今年一年かかるだろう、との予測をも示した。
また松村東容疑者の「不動産侵奪罪」に関しては、「『学校の所有権』問題の場合、土地と建物(校舎)の所有権は現状では別。『旧坂戸理容美容専門学校』の土地はともあれ……また同容疑者が建てた「東京高等理容美容専門学校」の校舎を勝手に壊したとはいえ、現状の「旧坂戸理容美容専門学校」校舎を建てたのは松山・舟橋側である。たとえ他人の土地に、それまであった建物を土地所有者に無断で壊し、さらに別の建物を勝手に築造したとはいえ、その建物自体は建てた側の所有物。その建物に松村容疑者が立ち入れば、これは形式的には『不動産侵奪罪』に相当する」と説明。しかし「だからといって74歳の松村東容疑者を第3回審尋期日の直前に、しかも休日の早朝に『逮捕』する必要があるのか。逃亡のおそれなどあろうはずもない。現に松村容疑者により刑事告発された舟橋功一川越市長は、在宅のまま書類送検されているではないか」と、松村容疑者の逮捕という事実がもつ意義について、強い疑念を示した。
舟橋市長の「名誉毀損」のケースでいえば、判明しているのは「事件が警察から検察に移った」ことのみ。捜査が進んでいるのか、起訴されたのかどうかさえ検察側は明らかにしない。その発端となった、松村容疑者による同市長への刑事告発(西入間署受理・2006.11.30)から書類送検(2007.10.19)までにさえ、約1年もの時間が経過している。この「約1年」の間に、松山・舟橋氏側より5000万円という金額を含む「和解条項の骨子案」が松村容疑者側に提示され、同容疑者側がこれを一蹴したことは既報の通りだ。
こうした警察・検察側の「不透明さ」に加え、本紙が今日まで報じてきた厚労省、埼玉県警等の行政ないしローエンフォーサーの姿勢についての率直な感想を述べるならば、そこには松山・舟橋氏側の「傷口」を何とか最小限にとどめようとする、何らかの連携があるようにさえ思える。むろん「松山・舟橋氏側」には、補助金不正支給疑惑を追及されるべき上田埼玉県知事も含まれる。
「たとえ自分の土地に他人が勝手に築造した建物であっても、その建物に立ち入るのは不動産侵奪罪に相当する」という、いわば形式論が今回の松村容疑者逮捕の背景にあるのは先述の通り。しかし一昨年、松村氏が最初に「看板」を建てた時点で、松山・舟橋氏側が取った行為は「看板等撤去の仮処分命令申立」であった。だがこの「仮処分命令申立事件」に対し松村容疑者が「保全異議事件」(同容疑者の所有権証明が争点)で応酬すると、松山・舟橋氏側は「仮処分命令申立」を全面取り下げした。
しかし、のち「登記請求権請求事件」へと局面を進めた松村容疑者は、あたかも何者かの「第3回審尋=争点の整理が求められる段階に、原告本人が出頭することを阻止する」意思が働いたとでもいうかのように、審尋の3日前に不動産侵奪罪で逮捕されたわけである。
むろん不動産侵奪罪が適用される拙速な行為を松村容疑者が行っていたのは事実。「形式的な逮捕」とはいえ、松村容疑者が法に抵触する行為を行ったことは否定できない。だがなぜ、一昨年ではなかったのか。なぜ今年、しかも「登記請求権請求事件」第3回審尋の直前、休日の早朝で弁護士にすら連絡の取れない時間をねらって逮捕したのか。逃亡のおそれすらない74歳の老人を、である。そこに、何がしかの「恣意性」を感じるのは、本紙だけであろうか。
学校の所有権にフォーカスが当たった「保全異議事件」第1回審尋期日直前の「基本事件全面取下げ」(2007.3.5)といい、今回の「登記請求権請求事件」第3回審尋の直前逮捕といい、妙ではないか。何が何でも「学校所有権問題」を司法の俎上に載せたくない……あるいは載ったとしても、そのまま時間を稼ごうとする「意思」が、行政から警察、司法の場に至るまで、微妙に連携しているような感覚をぬぐうことは難しい。換言すれば、「現職市長一族による稀代の犯罪・現職県知事による不正」疑惑をめぐり、関係各機関の対応や姿勢が不透明に過ぎるのである。
なお、次回(第4回)審尋期日は3月17日(月)。先述のとおり原則として一般傍聴は不可である。■
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