政治資金収支報告書に見られる山口泰明衆院議員の
「金権体質」と「拝金主義」
「もらったカネは俺のもの。ゼッタイ使いたくない!!」
国民の怒りを呼ぶ政治資金(公金)のモラルなき横奪
安部政権よ、こんな賎しい奴らに「美しい国造り」ができるのか!
似たような事例が続出している……。昨年末、自らの政治団体が、実際には存在していない事務所の経費などとして約7800万円の支出を政治資金収支報告書に記載していた疑惑により、大物政治家が大臣辞任に追い込まれた。佐田玄一郎前行革相のケースである。佐田前行革相の事務所費問題に刺激されたかのように先月末、久間章生防衛大臣の事務所が「雀荘」であったことを大手週刊誌が暴露。1月17日現在、衆参合計22名以上の議員が、政治団体の「主たる事務所」を家賃等の一切かからない国会議員会館事務室と記載しているにもかかわらず、何と年間1000万円程度の事務所費を計上していることも明らかになっている。
山口泰明衆議院議員のネズミ根性を徹底糾弾!
何でこの事務所の家賃が年間1千万もするのだ?
「法外な事務所費支出」は脱税の温床
ここで本紙は、もう一人の政治家と、その政治資金疑惑にフォーカスをあてる。埼玉県比企郡川島町出身の代議士、山口泰明衆院議員をめぐる献金疑惑と、非常識かつ法外な事務所経費の問題だ。
本紙にこれまで寄せられた複数の投書……。その中には、現衆議院議員である山口泰明氏への政治献金をめぐる疑惑が認められていた。中でも目を引いたのは、山口議員の政治団体が使用する事務所の、法外ともいえる高い費用である。事務所費には通常、電話代や切手代等も含まれる。だがやはり、その多くの割合を占めるのは家賃だ。川越市に編集部をおく本紙にとって「地価相場」はほぼ見当がつく。投書が示した概算の数字は、大きな違和感を抱かせるに充分であった。
山口議員は「自由民主党埼玉県第十選挙区支部事務所」(以下「選挙区支部」)と「泰進会」の2つの政治団体……政治資金を受ける団体を持つ。前者が企業献金のポケットであるとすれば、後者は個人献金用にあたる。
両者の使い分けと「政治資金規正法」の抜け穴については後述するとして、まずはこの二つの政治団体が使用する事務所費を見てみよう。
選挙区支部事務所(坂戸市仲町12-10 キトウビル)は、木藤建設工業(株)社屋の1階に置かれ、さらに3階にも1室を賃借している。「政治資金収支報告書」を一瞥すると、平成15〜17年度の年間の各事務所費は次のとおりである。
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<選挙区支部事務所(坂戸市仲町)の事務所費>
平成15年度 1,095万3,158円 (月当たり91万2,763円)
平成16年度 625万539円 (月当たり52万878円)
平成17年度 954万8,076円 (月当たり79万5,673円) |
本紙が近隣の不動産物件を調査したところ、同じような物件(道路に面した1階部分の事務所と階上の1室、約25坪)の賃貸額の相場は月に30万円程度。収支報告書に記載された額は明らかに大きすぎる。もちろん他に事務所がある場合は、その総計から当該事務所経費が算定されるが、少なくとも報告書には他の事務所の記載はない。
つぎに泰進会事務所を見てみよう。
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<泰進会事務所(東松山市和泉町)の事務所費>
平成15年度 1,190万8,166円 (月当たり99万2,347円)
平成16年度 1,176万4,843円 (月当たり98万403円)
平成17年度 1,746万4,108円 (月当たり145万5,342円) |
泰進会事務所(東松山市和泉町3-15)が置かれている場所は、坂戸市周辺よりもさらに不動産市場価格が低い。本紙が調べたところ、この地域における泰進会事務所と同様の物件の賃貸相場は月20万円前後。だが山口議員はこの「安いはずの」泰進会事務所の費用として、どの年度も選挙区事務所以上に高額な事務所費を記載しているのである。
一ヶ月20万〜30万程度が妥当な相場とみなされる事務所2つに対し、もし山口議員が実際にこれほど高額な費用を支払っているのであれば、大きな問題が浮上する。総務省政治資金課によれば「実際に支払われているという前提に立てば、当該地の相場額以上の額面をかりに事務所賃貸の対価として支払うことは、政治家の寄附行為制限または金員、金券等の配付禁止に該当する、公職選挙法違反の可能性が高い」とのこと。
だがこの金額、実際には支払われていない可能性もある。「収支報告書」の額面通りの金額は実際には支払っておらず、相場額を超えた差額をいわゆる「裏金」として流用する行為の疑いである。国税庁に問い合わせると、その場合は「政治資金収支報告書の虚偽記載はもちろん、税法上の追及を受けることになり、これも公職に選出された者には決して許されない脱税行為となる」との回答であった。
また、選挙区支部の政治資金収支報告書では事務所費の一部を、支部政党助成金で次の通り各年度充当している。
平成15年度 212万4,350円
平成16年度 229万6,125円
平成17年度 229万2,130円
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もしこれらが虚偽記載での運用であれば、政党助成法にも関わる違法行為に該当する。
「山口(衆)・原(武州ガス)・島村(島村工業)」が織りなす
露骨な癒着の「黒いトライアングル」
法外ともいえる高額な事務所費に着目した本紙が、山口泰明議員の政治献金について調査を進めると、驚くべき事実が次々と浮上した。山口議員は公益企業・武州ガスグループから、1社あたり500〜750万円もの巨額献金を毎年のように受け入れている事実が一つ。そして埼玉県の代表的な公共事業受注企業である(株)島村工業からも毎年、多額の献金を得ているのである。
ここでまず、山口泰明議員と武州ガスグループ、そして島村工業との関係をおさらいしておこう。山口議員の略歴を見ると、「平成8年6月 武州ガス(株)・坂戸ガス(株)取締役」と記されている。
武州ガス(株)は埼玉県南部広域にLPG・都市ガスを供給している。同社会長は原宏氏。山口泰明氏の母・福美子氏の実弟であり、埼玉県前公安委員長である。原宏氏は坂戸ガス(株)の社長でもある。坂戸ガスは武州ガスをはじめ4社協同出資により設立され、現在川越市をはじめ3市1町に都市ガスを供給している。つまり山口議員は「叔父がトップを務めるガス会社2社」の取締役、というわけだ。
いっぽう島村工業は山口議員の地盤である埼玉県比企郡川島町に本店を、また上尾市緑丘に本社を構える、埼玉県指名参加の大手建設企業。02年2月に勲四等瑞宝章を受章した同社会長の島村治作氏は現在、(社)埼玉県建設産業団体連合会の会長であり、(社)埼玉県建設業協会の常任顧問、そして(社)全国建設産業団体連合会の副会長にも座すという、埼玉建設業界の「顔役」である。
島村治作氏は畑和・元埼玉県知事(72年〜92年在任)と昵懇の仲。だが後の土屋前知事との間に軋轢が生じ、島村工業は一時的に、完全に干されたことがある。このとき土屋前知事の娘である土屋桃子氏の負債を、島村工業がいわば「肩代わり」する形での仲介役を果たしたのが山口議員といわれている(本紙インターネット版03年8〜9月号に詳細記事あり)。前回の埼玉知事選では、落選した嶋津昭候補を熱心に支援した島村会長親子の背後に山口議員の存在が囁かれていた。
同社と山口議員の癒着とおぼしき実例を一つあげるとすれば、99年(平11年)の同社役員人事であろう。当時、「監査役員」には女性が2名配されていた。1人は島村祝子氏、もう一人は山口律子氏……山口泰明議員の夫人である。
こうした露骨ともいえる癒着の構図のため、原宏氏、山口議員、島村工業の三角関係を「黒いトライアングル」と評する地元・川島町住民も多いのが実情だ。
公益企業・武州ガスグループからの巨額献金!
その額、何と3年間で9千万円以上!!
山口泰明議員の政治団体の一つである「選挙区支部」は、武州ガスを中心とする「武州ガスグループ」各社から巨額の政治献金を受け取っている。
<武州ガスグループ企業各社から選挙区支部への献金>
平成15年度…4,050万円
内訳
株式会社ビージーサービス 750万円
株式会社ビージーシステム 750万円
武州産業株式会社 750万円
武州興産株式会社 300万円
株式会社ビージー 750万円
武州オートスタンド株式会社 750万円 平成16年度…2,500万円
内訳
株式会社ビージーサービス 300万円
株式会社ビージーシステム 300万円
武州興産株式会社 400万円
株式会社ビージー 750万円
武州オートスタンド株式会社 750万円
平成17年度…2,150万円
内訳
株式会社ビージーサービス 300万円
株式会社ビージーシステム 500万円
武州興産株式会社 100万円
株式会社ビージー 750万円
武州オートスタンド株式会社 500万円 |
ここで注目すべきなのは、武州ガスグループ企業のうち数社の献金額である。政治資金規正法で定められた、資本金10億円未満の企業の年間献金限度額上限は750万円。つまりグループ企業のうち数社が、限度額上限ぎりぎりまでの寄付を行っていることだ。こうした寄付が可能なほど武州ガスグループ企業に収益があるのならば、公共性を有するガス会社という立場から、利用者にこそ利益還元するべきであろう。
また「泰進会」に対しても、武州ガスグループ幹部による献金が年度ごとに、次のように行われている。
- 平成15年度 215万円 武州オートスタンド株式会社代表取締役・原敏成氏ら
- 平成16年度 155万円 同右
- 平成17年度 55万円 武州興産株式会社代表取締役・吉田正広氏ら
選挙区支部と泰進会が武州ガスグループ企業から受け取った献金額は、平成15〜17年度の3年間で、実に総額9125万円に達している。
国会議員は、政治資金を受ける団体として、「政党支部」、「資金管理団体」の2つの「献金の受け皿」を持つことができる。そして現行の政治資金規正法では、各団体それぞれに対し収支報告書の提出を義務づけている。だが「連結収支報告書」(団体全体が得た総額の報告書)は義務づけられていない。報告書の届出先が総務省の場合もあれば、都道府県の選挙管理委員会の場合もある。そのため議員の収支全体を見ようにも、議員が自発的に合計の数字を公表しない限り、実際問題として無理なのだ。
政治資金規正法は「穴だらけ」と言われる。連結収支報告書が義務づけられていないことをはじめ、収支報告書のうち外部監査(公認会計士または監査法人)を受ける義務があるのは、政党が出す報告書のうち政党助成金(税金が原資)に関するものだけ。その他は内部監査人の意見書を添付するだけでいい、という甘さがある。
先の「武州ガスグループ企業各社から選挙区支部への献金」内訳を見ると、武州ガスグループ企業が並んでいるものの、武州ガスそのものが登場しない。この事実こそが「迂回献金」の疑いを強めている。
武州ガスは言うまでもなく公益企業。公共性ゆえに税制上の優遇や助成を受ける公益企業が政治家に献金することは、政治資金規制法で禁止されている行為だ。
山口議員はこの問題を法的にクリアするためか、武州ガス本体からの献金は受け入れず、かわりに関連会社であるビージーシステムなど複数のグループ企業からの献金を受け取っている。こうした「迂回献金」により、確かに法的問題はクリアする。だがこれらグループ企業は関連業務並びに決算上の問題から見て、武州ガスとは「別の企業」と言い得るものではない。結果的に言えば、こうした武州ガスグループからの献金は「税金の横流し」と言うべきもの。道義的に許されるものではないはずだ。
さらに、山口議員が衆議院に提出した「所得等報告書」によると、山口議員は国務副大臣に就任している時期以外に、武州ガスグループ企業の取締役としての報酬を受領しているのだ。
その報酬は、坂戸ガス(株)、武州ガス(株)、武州産業(株)、(株)ビージー各取締役の任を経て、平成15年度〜17年度では各年度で1千万円以上。さらに持ち株配当も若干(各年度15万6千円)ではあるが受領している。
山口泰明衆議院議員とは、まるで武州ガスに寄生しているような存在ではないか。縁戚にある公益企業のあからさまな迂回献金にべったり依存する人物が、ひろく国民に資する政治家としての公正さ、適正さを有している、と言えるのだろうか。
島村工業関係からは、3年で約1千7百万円!
寄附の74%を武州ガスと島村工業に依存する山口議員
山口議員が「経済依存度」を高めるもう一つの雄が、埼玉県下有数の公共事業受注企業、島村工業である。同社は「選挙区支部」に対し、平成15〜17年度において毎年500万円ずつの献金を行っている。同社会長である島村治作氏はまた「泰進会」に対し、平成15年に10万円(妻名義を含む)、16年と17年にはそれぞれ100万円を寄附している。
つまり、山口議員は島村工業関係から、平成15〜17年度の間に総計1,710万円もの献金を受け取ったことになる。
その他に島村工業は、平成17年度に泰進会が開催した政治資金パーティー「山口泰明君を励ます会」のパーティー券100万円分をも購入しているのである。
「公共事業受注企業による政治献金は望ましくない」……。国土交通省はこれまで2度、こうした通達を出している。は全国建産連の副会長である島村治作氏が、こうした通達を知らないはずがないのだ。
公共事業とはいうまでもなく国民、県民の負担する税金を原資として行われる事業。その収益から政治献金が支出されるとなれば、これは不適切のそしりを免れ得ない。
そもそも企業献金自体が大いに問題あり、なのだ。政治献金とは憲法で保障された国民の参政権の一つであり、国民代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついたもの。だがいうまでもなく企業は主権者ではなく、選挙権も持たない。そうした企業が政党や政治家に金をだして政治に影響を与えるということは、主権者である国民の基本的権利を侵しかねないものだ。企業献金とは、献金者がまさに企業であるがゆえに、「どうしても利益誘導型になってしまう」(熊谷直彦・三井物産社長、日経93年6月24日記事)。企業献金から「事実上の賄賂」という性格は、ぬぐい去ることができないものだ。
ましてや、公益企業・武州ガスである。公共事業受注企業・島村工業である。「事実上の賄賂」どころか、「税金の横奪」という性質すら持ち得るのが、こうした企業からの献金だ。
「選挙区支部」では、平成17年度だけを見ても、寄附収入のうち武州ガスグループ企業と島村工業関係からの献金が、実に74%を占めている。武州ガスと島村工業関係からの献金が年次寄付収入の大部分を占める山口泰明衆議院議員の政治団体とは、いったい何なのか。これを「政業癒着」と言わずして、何というのだろうか。
仮設プレハブ事務所設置費に約950万!!
高額な「家屋費」を辿れば、またも「島村工業」が!
事務所費用問題よりも重大であり、いまだ世間では問題が表面化していないものに、「政治家個人に対する政治団体からの寄附」がある。山口議員は、総選挙のあった最近の2年度にわたり、自らが管理する2政治団体から1千万円以上を「寄附」させているのだ。
この「寄附」行為は、総選挙のあった平成15年度と17年度に行われている。山口議員が受領した金額はそれぞれ、
- 平成15年度 400万円 (選挙区支部と泰進会から200万円ずつ)
- 平成17年度 1,150万円 (選挙区支部800万円、泰進会350万円)
である。
本紙はあらためて平成17年9月11日執行の衆議院議員選挙についての選挙運動費用収支報告書を調べてみた。
すると驚くべきことが判明したのだ。選挙費用では、選挙事務所を設定したり集会場所を使用したりするための「家屋費」という費目が認められている。山口議員は、選挙にあたる収入として確かに選挙区支部、泰進会からの「寄附」合計1150万円と自己資金」とし、284万784円を合計して1178万4784円を収支報告書に記載しているのだが、いっぽうで支出総額(一部公費負担)1414万0564円のうち、「家屋費」には何と947万6350円を使ったとしているのである。何と選挙に使ったカネの7割が選挙事務所の設定だけに費消されたというのだ!
その内訳を見ると、さらにおかしな問題が浮き上がる。以下は、947万6350円の内訳だ。支払先等に注意してほしい。
<山口議員が平成17年衆院議員選挙費用収支報告書に記載した「家屋費」>
- 土地借上げ料(二件) 17万3,400円+14万6,700円
- 事務所仮設電気工事費 200万0,000円 支払先 浜田電機(株)
- 備品借上料 37万8,000円 支払先 (株)柳沢リース建設
- 電話架設費 (臨時電話) 27万8,250円
- 事務所設置費 650万0,000円 支払先 (株)島村工業
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これは仮設のプレハブハウスである。その電機工事費が200万円、事務所の設置費が650万円、それも端数なし。そして650万円の支払先は……やはりというか、島村工業である!いったい、どんなに絢爛豪華なプレハブ選挙事務所ができたのだろうか?
参考までに、同じ埼玉県第10選挙区に立候補した、山口議員以外の2人の候補者が使った「家屋費」は、次の通りだった。
- 松崎哲久(民主) 60,000円
- 梅沢永治(共産) 90,100円
同じ選挙区で、なんという違いか!山口議員に対する有力候補だった松崎氏の総選挙に際しての収入額は、800万円ほど。宣伝費など「選挙運動らしい」活動にまんべんなく使っている。果たして山口議員の事務所設置費650万円と電機工事費200万円とは、臨時仮設のプレハブ事務所に使われたのであろうか?実際は、「票の買い取り」「裏ガネ」に差額分が充当されたのではないのか……。
こう考えることなしに、これほど高額なプレハブハウスの設置費をどのように説明するのか、ぜひとも教えてもらいたいものだ。
集金組織か、裏金貯蓄組織か?
巨額の「繰越金」が示す政治団体の
「異常なカネ余り体質」
山口議員の政治団体の特徴を一言で表現するなら「カネ余り体質」であろう。まずは「選挙区支部」の、総選挙のあった平成15年度と17年度における総収入と支出を見てみる。
「選挙区支部」
総選挙時の総収入および支出
平成15年度
総収入 2億3,241万1,307円
総支出 7,965万4,381円
繰越 1億5,275万6,926円 平成17年度
総収入 2億2,385万5,985円
総支出 9,101万8,090円
繰越 1億3,283万7,895円 |
政治活動費の大きな負担を余儀なくされるはずの総選挙の年……。「選挙区支部」は総収入の半額以下しか運用せず、各年度とも1億数千万円を手つかずに翌年繰越としている。各年度とも、税金を原資とする支部政党交付金を自由民主党本部から受領し、人件費や事務所費に充当する上で、政治活動基盤である政党支部ではこうした余剰金を常態化させている。
そして公益企業、県下大手公共工事受注企業から巨額の献金をも集めているのだ。
いっぽう、「政治資金管理団体」である泰進会はどうか。やはり余剰金の繰り越しの連続だ。平成15年度から17年度までの各総収入額と総支出額と次年度への繰越額は、次の通りである。
泰進会の総収入および支出
平成15年度
総収入 9,649万9,598円
総支出 1,854万7,011円
繰越 7,795万2,587円
平成16年度
総収入 1億4,678万6,778円
総支出 2,649万4,038円
繰越 1億2,029万2,740円
平成17年度
総収入 1億9,701万1,171円
総支出 3,602万4,561円
繰越 1億6,098万6,610円 |
泰進会の主な収入は、毎年行われる政治資金パーティー「山口泰明君を励ます会」による。実際、泰進会の存在意義そのものがこのパーティーのためにあるとさえ思える状況だ。平成17年4月13日に赤坂プリンスホテルで開催された「山口泰明君を励ます会」では、2,600名を集めて収入5,675万4,340円を上げている。パーティー経費としてはホテル側に支払った650万円以外、記念品代や案内状印刷その他を合計しても1,000万円にはならず、5,000万円弱の「純益」を上げているはずなのだ。
問題は、こうしたパーティーで集めた多額の資金のほとんどが選挙や政治活動に使われず、明細不明の事務所費や、山口議員個人に交付される「寄附」として支弁されている点である。使いもしない資金を集めるために政治資金パーティーを開催するなど、政治倫理以前の問題ではないか。
「選挙区支部」と泰進会の繰越額を合算すると2億9,382万4,505円。山口議員はこれほど巨額の資金を、政治団体に蓄えているのである。山口議員の選挙での支出をベースに考えれば、ざっと3〜4回の選挙戦を戦っても、まだ余りある金額だ。
事実、新聞では泰進会が埼玉県下の政治団体(政党を除く)として、県医師連盟についで2番目に多い収入額を誇ると報じられている(「産経新聞」埼玉版 平成18年10月28日付)。
カネが余るなら、公益企業等から巨額献金を集める必要はない。自民党本部を通じて支給され、事務所費や人件費に充当される毎年数百万円以上の政党助成金も必要ない。いずれも国民が拠出した税金が原資なのだ。山口議員は政治をカネ集めの道具にしているに過ぎないという実態が、如実に示されているではないか。
勝手な法解釈をうそぶく
山口議員の開き直りと無反省ぶり
山口泰明衆議院議員をめぐるこの驚くべき「政治とカネ」の実態について、本紙は同議員に対し書面による質問を行った。だが1月23日、ファックスで寄せられた回答の内容は、一言でいえば「開き直り」そのものであった。
<本紙の質問と山口議員からの回答>
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本紙の質問 |
山口泰明議員の回答(原文ママ) |
1 |
島村工業からの多額の献金は、山口議員との癒着を意味するものではないのか。 |
ご指摘の企業に限らず、多くの個人などから浄財を頂戴して、法令に従って適正に処理し、国や地域の発展のための日々政治活勧に充てさせていただいております。寄付の有無・や多寡で政治活動が影響されることはあり得ません。貴社の「貴職と当該企業の癒着」との指摘は全く事実に反します。 |
2 |
武州ガス・グループ企業からの多額の献金を、原資との関係性を希薄にするかのように、政治団体の会計処理を経て余剰金へと転化している。これを是正すべき問題として認識しているのか、あるいは問題なしと考えているのか。 |
ご指摘の企業からの政治寄付は法令に従った適正なものであり、貴社の「違法性が高い」とのご指摘は全くの事実無根です。 |
3 |
選挙区支部並びに泰進会の事務所費について、真実の額面を明細に基づき明らかにせよ。また家賃相場と大きく異なる高額な事務所賃貸費用を容認して支出しているのはなぜか。 |
政治資金につきましては、政治資金規正法、公職選挙法、税法などの諸法令に従って適正に処理しており、その内容は収支報告書記載のとおりです。政治資金規正法は、憲法の保障する政治結社及び政治活動の自由と国民の知る権利の観点から記載事項を法定しておりますので、かかる観点から記載事項以上の詳細については回答しておりません。 |
4 |
選挙区支部ならびに泰進会から、平成 15 年度と 17 年度に「寄附」名目で交付を受けた金員合計 1,550 万円の使途明細は? |
ご指摘の寄付につきましては、すでに「選挙運動費用収支報告書」で報告済みです。公職選挙法、政治資金規正法及び税法上もなんら問題のない寄付であり、当該報告書をご確認ください。 |
5 |
選挙区支部ならびに泰進会が余剰金を重ね、巨額の次年度繰越金を貯蓄する意図または使途目的と資金運用計画を明らかにせよ。 |
政治資金につきましては、政治資金規正法、公職選挙法、税法などの諸法令に従って適正に処理しており、その内容は収支報告書記載のとおりです。なお、「貴職が代表を務める政治団体が、事実上の集金組織であり裏金を貯蓄するマネーロンダリング機能を兼務している」との指摘は全く事実に反するものです。 |
6 |
現在、マスコミで連日報じられる現職閣僚の不適切な会計処理問題や、報告書の虚偽記載疑惑問題についての考えはどうか? |
政治資金は、憲法の保障する政治結社及び政治活動の自由と国民の知る権利の観点から議論されるべきと考えます。 |
7 |
政治資金の不正流用疑惑が発覚し国税庁および警察当局の捜査対象となる場合、支持者ならびに有権者に対しどのような損害賠償責任を果たすのか。また泰進会が保有する金員の運用決裁権は誰にあるのか? |
いかなる法的根拠で損害賠償責任と言われているのか存じませんが、いずれにしましても政治資金は法令に従って適正に処理しており貴社のこ懸念には及びません。 |
以下、山口議員からの回答を<本紙の質問と山口議員からの回答>を参照しつつ検討してみる。
1: でたらめな回答だ。「多くの個人などから浄財を……」など笑止千万。同議員の場合、個人からの献金とは武州ガスグループ企業の幹部や島村工業会長およびその家族からであり、それが同企業からの献金と合わせ、山口議員が代表をつとめる政治団体の寄付収入の大部分を占めているのは明白である。
まして、「日々政治活動に充てさせていただいて…」などの言は、これまで指摘してきた「カネ余り」に見られる異常な体質から見て、それこそ「全く事実に反し」ているものとしか言えない。山口議員の国会での活動は、議員の主務というべき質疑の中で「圏央道インターチェンジ周辺開発の推進」や、「ガス事業振興」などに関連するものしか見られず、献金元への利益誘導につながるものばかりである。
「寄付の有無や多寡」云々は、上記のような体質が「収賄」とみなされてKSD問題で逮捕された村上正邦元参議院議員・労相の例を見るなら、山口議員の言動と献金との関係は限りなく“グレー”に近いものであることは明白だ。
特定の企業グループ・個人から献金収入の大部分を得て、それらに利益となる質疑しかしない……これを「癒着」と言わずして、何と呼ぶのか。
2: 武州ガスは公益企業であり、様々な税制上の優遇や助成を受けたうえ、事実上排他的に公共料金にかかる事業を営む、特別な地位を持つ企業である。
こうした性質を持つ企業は、政治資金規正法において寄付行為を禁止されている(「寄附の質的制限」法第22条の3@)。またその関連会社も、本社企業に準ずるべき性格を持つものであり、表面上、法的規制をクリアしたとしても政治家としての道義的責任が問われるものとなるのは明白である。
なお国税庁はこの問題について、本紙取材に対して「関心を持っている」ことを明らかにしている。こうした問題を「法令に従った適正なもの」とし、本紙の指摘を「事実無根」と開き直るのは、政治倫理に関する自覚をカケラほども持ち合わせていない山口議員の心情を示して余りあるものだ。
3:政治資金は「国民の不断の監視と批判」に晒されるべく、正確に公開されるべしというのが政治資金規正法の主旨である。「政治結社及び政治活動の自由」を云々して、本紙からの批判に「記載事項以上の詳細については回答しておりません」と開き直るとは、勝手な法解釈としか言いようのない回答だ。
本紙の質問に対して山口議員が行うべきは、指摘された疑義について、確かな事実的裏付けをもって説明することであり、事務所費であるならその内訳、自ら個人に対する政治団体からの「寄附」については、政治活動費としての使途の明細を明らかにすることである。
4:選挙に必要な活動費を政治団体から議員個人に対して「寄附」することは、一般的に行われていることではない。この問題について本紙は総務省ならびに国税庁に問い合わせたが、いずれも無条件に「なんら問題なし」とはしていない。むしろ後者は「大きな関心を持たざるを得ない」と表明している。これは、政治資金と個人所得の壁を取り払うに等しい行為だからだ。
5:まったく語るに落ちたもので反論する必要すらない回答だ。泰進会が政治資金パーティーくらいしか年間の活動を行っておらず、政党支部を含め年々の繰越金がどんどん蓄積されているという、それこそ二つの政治団体の政治資金収支報告書に記載された内容を見るだけで、この「反論」の虚偽は露わになる。
こんなに貯め込んだ「政治資金」を、いったい何に使うつもりなのか……。これこそ、山口議員が回答すべきことだろう。
6:先にも記したが、政治資金規正法の主旨をねじ曲げた勝手な観点を持ち出して、「泰明流の曲解」を披瀝するのはまったくの背信行為である。
7:公益企業や公共事業受注企業からの政治献金は、何が原資なのか。そのことに思いの至らない者に「選良」たる資格はない。この回答は、ひたすらカネ集めのためだけに政治団体を運営する山口泰明議員の本質を示して余りあるものだ。こうした議員を国民、地域からの代表として国会に送り出すことは、埼玉県民の恥であるとしか言いようがない。
本紙は、山口議員の事例がかの「チンネン」こと山口敏夫元議員以来、次から次へと埼玉県からわき出る金権スキャンダルの土壌を示す典型であると考える。この際、山口議員を徹底追及し、県民の前にその実態を露わにすることで、「政治の主人公は地域住民、国民である」との原則への覚醒を促すために全力を挙げる決意だ。
唖然!カネカネ亡者・山口議員をめぐる「次なる黒い野心」の噂!
民主党と手を組み「川越市長の座」を狙うのか?
山口泰明議員は川越市を「金のなる木」にするつもりか?!
取材の過程で本紙が得た、看過しがたい噂を最後にお伝えしておこう。何と山口泰明議員が次期川越市長の座を虎視眈々と狙っている、というのである。
舟橋功一現市長が平成21年初頭までの任期を満了するのか、あるいはさまざまな黒い疑惑のゆえに任期を全うすることができないのかはさておき、近い将来に行われる次期市長選に向けて、山口議員と「その背後」が、すでに川越市を牛耳るべく着々と蠢動し始めている、というのだ。
一部では「民主党と手を組む」との、確度の高い噂さえ流れている。本紙は現在こうした噂について地を這うような取材を敢行している。この噂が事実であれば、もう滅茶苦茶。票集めのためなら何でもあり、を絵に描いたような状況だ。
先に記したとおり、山口議員は武州ガスグループ企業と島村工業にべったり。本人がいくら「癒着はない」と否定しようとも、政治資金収支報告書等に記された山口議員の「カネ」の出所を見れば、そんな否定に何の説得力もないことは明白だ。本紙取材の際、国税庁が「大きな関心を持たざるを得ない」と反応を見せたのも先述の通り。国会においても限りなく「企業献金元への利益誘導」としか思えない質疑ばかりを繰り返す山口議員の「ダークぶり」は、ある意味で非常にわかりやすい。
山口議員の背後にあるのは「ガス屋と建築屋」だけではない。「病院」まである。山口議員は埼玉医科大学顧問。そして同大理事長は丸木清浩埼玉県議であり、山口議員の政治的後見人といわれている。「山口議員は丸木県議の、いわば陰の役割を中央政界で演じている」との噂も絶えない。
こんな男が、中核市である川越市にずかずかと入り込もうと画策している、というのだ。
冗談じゃない。川越史上最悪といわれた舟橋現市長の後任に、なぜ武州ガスグループ企業と島村工業の利益のために動いているようなダークきわまりない人物が、わざわざ川島町からやって来なければならないのか。川越市には他に「人」がいないのだろうか。
こんな男、川越市には不要だ。もし次期市長の座をほんとうに狙っているのであれば、早々にお引き取り願おう。本紙は今後、山口泰明議員の動きを鋭意注視し、さらなる疑惑があれば直ちに「市民のための市長」を願う、多くの川越市民へ適宜お伝えする。
市長は、特定企業がつくるのではない。あくまで市民こそが選ぶものだ。■
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