行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市

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新清掃センター建設計画
神鋼環境ソリューション、一次下請に「不良不適格業者」淺沼組を指定!
「神鋼が決めたことだから」と逃げを打つ川越市
優柔不断なのか、それとも別の理由があるのか?

 新清掃センター建設計画をめぐり、受注業者の(株)神鋼環境ソリューションが一次下請業者に(株)淺沼組を指定、これを川越市に通知していたことが明らかになった。

 神鋼と淺沼組間における「注文書」および「注文請書」の日付は今年3月12日。その翌日には神鋼側から川越市に対し「下請負人通知書」が提出されている。注文書等によれば神鋼は淺沼組に川越市の熱回収施設(265トン/日規模)の土木建築工事(設計・施工)を発注しており、請負金額は12億1800万円。あくまで「注文書・注文請書」と「下請負人通知書」が川越市に届けられた段階であり、神鋼と淺沼組との間に正式の契約が締結されたわけではない。
 
  問題は淺沼組の「現在」である。6月22日、公正取引委員会は防衛施設庁発注の土木・建築工事に対する談合事件で違反業者60社のうち56社に対し入札排除措置命令を、また51社に課徴金納付命令を下した。淺沼組は入札排除措置・課徴金納付命令をともに受けており、課徴金額順では51社中11位。

 これに先立つ6月15日、淺沼組は埼玉県からも指名停止措置を受けている。大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事の入札での入札妨害(談合)である。この事件で同社役員顧問らが逮捕される事態にまで至ったのである。埼玉県はこの事件により、淺沼組および(株)大林組を6月15日より11月14日までの、5ヶ月の指名停止としている。

 つまり7月現在、淺沼組は2つの談合事件により国と県から指名停止措置を受けているのである。これだけでも立派な「不良不適格業者」だ。

不良不適格業者を一次下請に使おうとする神鋼に物言えぬ市行政

 この淺沼組を、神鋼環境ソリューションは一次下請として使おうとしているのである。川越市に対し神鋼環境ソリューションが「下請負人通知書」を提出したのは3月中旬。「下請負人通知書」等の日付は、確かに国および県の指名停止措置の日付より以前ではある。

 だがいうまでもなく、談合が発覚した翌日から指名停止になるわけではない。防衛施設庁談合事件は平成16年度以後の工事全般にわたっており、枚方市のケースも平成17年11月の入札における入札妨害行為である。

 同社が今年6月に国および県から指名停止措置を受けたのは、複雑多岐にわたる(特に防衛施設庁のケース)談合の全容を把握するための調査がたまたま時間を要したためであり、場合によっては3月から指名停止になっていたかもしれない。淺沼組は今年3月以前から、とっくに「クロ」であり、犯罪企業として公正取引委員会等の調査対象となっていたのである。

 だが川越市は、そうした考えを持たないらしい。7月はじめ、本紙は川越市側に対し、神鋼が淺沼組を使おうとしていることについて意見を求めると、「それは神鋼さんが決めたことですから、われわれは何とも言えません」と回答。淺沼組が国および県より指名停止措置対象となっていることに言及した本紙に対して、「われわれが通知を受けたのは3月半ば。指名停止はその3が月後で、時期がずれてましたから」と、非常識きわまりない回答で平然としているのである。

 先に述べたとおり、淺沼組が「クロ」であることは平成16年度の防衛施設庁談合事件に端を発している。つまり平成16年より現在まで、2つの談合事件に対する同一の可罰的違法性が継続していたのである。たまたま6月中旬から指名停止になったとはいえ、今年3月の時点では「何もなかった」と言わんばかりの回答を平然と述べる川越市の感覚には、度し難いものを感じざるを得ない。

淺沼組を指名停止しない理由は何だ?

 さらに不思議なことに、川越市は6月27日現在、淺沼組を指名停止にしていないのである。「川越市入札競争参加資格者指名停止措置業者一覧表」に、同社社名は一切ない。名古屋や新潟の談合事件では「公正取引委員会の審決」の後を追うように大手ゼネコンに指名停止措置を講じる川越市が、新聞等で大々的に報じられた大阪府枚方のケースについては、公正取引委員会審決の後もまったく触れていないのである。あたかも、これから新清掃センター建設を担う神鋼に遠慮し、あえて淺沼組を指名停止にしないかのような様子さえうかがえる。

 川越市は神鋼に対し「淺沼組を使うのは非常識だ」と、不良不適格業者を使わせないための毅然とした態度を取るべきなのだ。

 だが「神鋼さんが決めたことですから」「3月ではまだ指名停止にはなっていませんでした」と、まるで淺沼組を……いや「神鋼が決めた淺沼組」をかばうかのような姿勢に終始する川越市。そこには地場業者に対する配慮など、微塵もない。

 本来ならば、むしろ淺沼組の「不良不適格性」を強調することにより、神鋼に対し「川越市に拠点を置く地元企業を一次下請に使っていただきたい」と申し入れる立場こそが、川越市のとるべきスタンスではないのか。

 中核市・川越市の記念すべき大工事、舟橋市長による不可解な「計画凍結」から4年を経過しようやく工事受注者が決定した、川越市民が待ち望んできた大工事である。この「大イベント」に対し、川越市に拠点を置く地場業者が1社たりとて、その名を刻むことができないのである。市は地場業者が2次、3次下請に甘んじなければならないことについて無為無策であるどころか、本紙の質問にこう言い放った。

「まだほかにも仕事はありますから……」

 川越市は何か重大な勘違いをしているようだ。地場業者は「仕事乞食」ではない。「恵んでやる仕事はまだほかにもある」とでも言わんばかりの市行政。この言葉に官尊民卑体質が端的に表れている。

 地元業者の受注機会を増大させるのは、市の仕事なのだ。地場産業の健全な育成は行政の義務である。地元企業を組み入れたJV(共同企業体)による入札だったはずのものが、市側の一方的な判断で単独入札に変更され、神鋼環境ソリューションが落札したのだ。 

 数多くの応札業者が指名停止措置で脱落し、残った2JVによる入札も度重なる不調という紆余曲折を経てきたこれまでの経過を考えれば、ここにきてようやく神鋼環境ソリューションという受注業者が「決定した」こと自体は歓迎すべきことといえるはずだ……。そう考える市民は多い。

 だが神鋼側が、短期間に複数回の指名停止措置を受けた淺沼組を下請に使うことについて、物を言うことも、言う意志すら感じさせない川越市の姿勢は不可解である。また市が6月27日現在に至ってもまだ淺沼組を指名停止措置業者に加えていないとは、どうしたことであろう。そこになにがしかの「配慮」の匂いを感じるのは本紙だけであろうか。

 われわれ市民は、市民のための大型ごみ処理施設建設に際し、神鋼環境ソリューションによる工事落札から現在に至るまでのプロセスを、もう一度別の角度から見つめ直す必要があるはずだ。■

 

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