
恫喝、丸投げ、ダンピングのデパート
不良不適格業者のチャンピオン・三ツ和総合建設業協同組合
自称「中小企業」、その実態は
「公共事業を支配する県下有数の大手ゼネコン」
川越市よ!この悪徳ゼネコン業者を即刻、指名停止で叩き出せ!
(地方紙版行政調査新聞平成15年6月号に掲載した記事です)
川越市の地元業者冷遇を、本紙は何度批判したことだろう。違法営業所業者やダンピング確信犯業者など、本来なら市がやるべき悪質業者の調査を本紙が独自に敢行し、「不良不適格業者」を野放しにし甘んじるその無能無策に対し豊富なデータとともに何度糾弾し、かつ建設的な方策を提示してきたことだろう。
ある市内業者は本紙に対し「おかげさまで川越市もやっと少しづつ、まともな方向へ動き始めましたよ」と表情を和らげた。これまで公共工事に関するダンピング防止対策にほとんど関心を示さなかった国や県、市行政がようやく重い腰をあげたのは誠に喜ぶべきことである。
だが、川越市が「普通の市」となる過程には、まだ幾多の困難が山積している。前号にて公開した「平成十四年度完全版・川越市公共工事の市外発注状況」の異常な数字を読み解くには、一般市民が知ることのない奇々怪々な政治力学のほかに、市民社会には本来あってはならない「深い闇」を見つめねばならない。
本紙が今月号で取り上げる問題……それは避けては通れない道、いつか来なければならない道である。
かつて、差別という塗炭の苦しみから立ち上がり、人間の解放を誓った人々がいた。差別は人間の心の闇である。その闇と果敢に戦うことを決意した人々の精神は、現代にも脈々と受け継がれていると信じる。
だが、闘いの過程ですっかり変わり果ててしまった人々もいた。
「怪物と闘う者は、自らも怪物とならぬよう心せよ。忘れてはいけない。深淵を見つめるとき、深淵もまたこちらを見つめているのである」
(フリードリヒ・ウィルヘルム・ニーチェ)
地元業者を救え!ダンピングを防止せよ!
ようやく重い腰をあげた埼玉県と国土交通省
二〇〇三年五月。埼玉県の建設業界にとって明るいニュースが二つあった。
まずは「埼玉県建設工事標準請負契約約款」の改正である。
さいたま新都心建設、ワールドカップ埼玉スタジアムなど大型公共投資の峠を超え、埼玉県内の官民合計の建設投資額は、一九九一年度の三兆八千六百三十二億円から二〇〇一年度は二兆二千八百四十八億円と約四割も減少した。特に公共投資は自治体の財政難により、今後増えることはないだろうと県入札担当者は予測する。仕事の総量が減れば、経営努力にも限界が見える。県下建設業者は未曾有の危機に瀕しているのだ。
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県内企業の組み合わせによる特定JVの活用や債権譲渡の承諾といった、県から直接工事を受注する企業への支援に加え、工事の施工に当たり通常発生する下請け契約および建設資材の調達等においても県内企業の活用をより一層図ることにより、本県建設産業へのさらなる支援を行う観点から、「埼玉県建設工事標準請負契約約款」を次のように改正し、平成15年6月2日以降に公告又は指名通知を行う工事から適用することとした。
<改正約款条項>
第7条 乙は、下請契約を締結する場合には、当該契約の相手方を埼玉県内に本店(建設業法(昭和24年法律第100号)に規定する主たる営業所を含む。)を有する者の中から選定するよう努めなければならない。
2 乙は、工事材料に係る納入契約を締結する場合には、当該契約の相手方は埼玉県内に本店を有する者の中から選定するよう努めるとともに、調達する工事材料は埼玉県産とするよう努めなければならない。
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昨年、埼玉県は大規模建設工事への県内企業の参入を促すため、入札参加条件を緩和するなどの業界支援策を実施した。だが埼玉県建設業協会に加盟する四百八十六社のうち上場企業は二社である。大半が下請け業者なのだ。
「下請けを義務付けなければ、急速な倒産増加を防ぐことはできない」……。県入札企画室が今回の改正に込めたのは「工事の下請けも県内業者、資材の納入契約においても県産とする」というものだ。公正取引委員会が「好ましくない」と難色を示しつつも、改正契約約款は六月二日より施行される運びとなったのである。
国土交通省に続け!
川越市よ、一日も早く「低入札価格調査制度」を導入せよ
もうひとつの明るいニュースは、国土交通省によるダンピング防止のための動きがようやく本格化したことだ。
国土交通省関東地方整備局および管内の一都八県四政令都市による「関東地方ダンピング受注対策協議会およぴ幹事会」の初会合が五月二十八日、さいたま新都心合同庁舎2号館で開催されたのである。
この初会合では、ダンピング受注に対する共通認識を持つため「協議会の設置」「情報交換の推進」「施工対策点検要領の作成や担当部署の拡充」などで合意を見た。各発注機関は今後、適正な施工を徹底するため、監督や検査の担当者らを増員するほか、低入札価格調査制度などを参考にダンピング対策に本格的に乗り出すこととなったのである。
本紙はこれまで「最低制限価格の公表は不良不適格業者に対する調査放棄」「低入札調査価格の真の意義は『不良不適格業者の調査』にあり」と主張してきた。
川越市はこれまで、低入札調査価格制度の有効性のみを指摘し「意味がない」とその導入を一蹴してきた。
だが、最低制限価格制度であろうと低入札調査価格制度であろうと、ダンピングという行為の直接的防止策にはなり得ない。最低制限価格を導入すれば最低制限価格に入札が集中し、競争に勝ち抜くためにこの価格を下回る入札が増加するのは当然の現象である。また低入札価格調査制度に実効性薄しとなれば、「なめてかかる」業者が後を絶たないのは自明だからだ。
だが、両者には決定的な違いがある。出血価格で入札した業者を「ダンピングの疑いあり」として調査するか否か、つまり「ダンピングを繰り返す不良不適格業者をあぶり出し特定する」調査を行うか、放棄するかの違いである。
それはすなわち、入札の場が悪用されぬよう市が守るべきセキュリティの問題である。
国土交通省は、低入札調査件数の増加に、なぜ予定価格を大幅に下回る価格で受注できるのか、最終的に採算が取れているのか、徹底的に調査している。国交省直轄工事は低入札価格調査の対象なった場含、工事件名や予定・調査基準・落札の各価格に加え落札業者名も公表されることになっている。昨年度の調査対象件数は14年度の2倍に膨れ上がったという。
中核市川越市とあっては、国土交通省の対策を追随し、最低制限価格を撤廃し低入札調査価格を導入すべきであろう。
最低制限価格制度とは、怠け者のやり方である。さらには結果的に「資金繰りのためのダンピングを市が奨励する」愚行である。直ちに廃止すべきなのだ。
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【関東地方ダンピング受注対策協議会】
関東地方整備局=渡辺和足局長、上田寛副局長、尾見博武副局長、清水郁夫総務部長、木村昌司企画部長、本東信建政部長、藤田郁夫港湾空港部長、足立守営繕部長
茨城県=坂入健土木部長栃木県=岩立忠夫土木部長
群馬県=川西寛土木部長
埼玉県=今井大輔総務部長、森口隆吉県土整備部長
千葉県=鈴木忠治土木部長
東京都=福島七郎財務局建築保全部長
神奈川県=賓積泰之県土整備部長
山梨県=樋口宙輝土木部長
長野県=小市正英土木部長
横浜市=三田修契約部長
川崎市=楜澤孝夫財政局長
千葉市=鎗田昭雄財政局長
さいたま市=中村正彦財政局長
【関東地方ダンピング受注対策協議会・幹事会】
関東地方整備局=篠崎実総務部契約管理官、大槻省吾企画部技術調整管理官、山本淳建政部建設産業調整官、高木幸夫港湾空港部港湾空港情報管理官、橋本憲夫営繕部営繕積算調査官、飯作了一総務部契約課長、磯野良樹総務部経理調達課長、羽鳥耕一企画部技術管理課長、小山宏建政部建設産業課長、山口浩史営繕部計画課長
茨城県=坂本理土木部参事兼監理課長、大塚輝一郎技監兼検査指導課長
栃木県=稲葉豊土木部監理課主幹、久保章土木部技術監理課主幹
群馬県=小阿瀬義孝土木部技術調査室長
埼玉県=田中護総務部参事兼入札企画室長、新井勲県土整備部技術管理課長、酒井敏光県土整備部建設業課長
千葉県=高橋諭土木部管理課長
東京都=南雲昇財務局経理部副参事、山本康友財務局建築保全部技術管理課長、池田茂敏建設局総務部技術管理課長
神奈川県=澤田英樹建設業課課長代理
山梨県=古屋良夫技術管理室長
長野県=北澤陽二郎土木部監理課技術管理室
さいたま市=小勝伸嗣参事兼契約課長
千葉市=池田秀雄財政局財政部契約課長
横浜市=小野寺延夫契約第一課長
川崎市=中橋徹契約課長
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だが、国土交通省が先導するこうした本格的なダンピング防止への取り組みを尻目に、相変わらずダンピングを乱発しているのではないか、と危惧される業者がある。
「不良不適格業者のチャンピオン」、三ツ和総合建設業協同組合である。
またしてもダンピング乱発か?
さいたま市の悪質業者に泣かされる他市業者
「これを見てくれ。五月末に二日連続で行われた入札の結果だよ」
建設業界に詳しい消息筋は、落札結果が書かれたメモを差し出した。
最低制限価格ピッタリで落札された二つの工事……。五月二十六日には坂戸・鶴ヶ島下水道組合が発注した下水道築造工事、翌二十七日には入間市が発注した西武中学校運動改築工事である。どちらの工事も落札者は「三ツ和総合建設業協同組合」であった。
■2003年5月26日
発注者:坂戸・鶴ヶ島下水道組合
工事名:公共下水道築造工事(脚折第1幹線−2)
工事場所:鶴ヶ島市藤金、脚折
入札方式:一般競争入札
落札者:三ツ和総合建設業協同組合
落札金額:117,600,000
設計・予定価格:168,000,000
最低価格:117,600,000
応札業者:田中工業、伊田テクノス、中里組、築地工業、清水工業、中村組、島村工業、木藤建設工業、佐田建設、柳沢リース建設、初雁興業、東興業、大野工務所、栄建実業、三ツ和総合建設業協組、東部谷内田建設、氷川建設、エムテック |
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■2003年5月27日
発注者:入間市
工事名:西武中学校屋内運動場改築工事(建築工事)
工事場所:入間市仏子960-1
入札方式:一般競争入札
落札者:三ツ和総合建設業協同組合
落札金額:190,000,000
設計・予定価格:233,000,000
最低価格:190,000,000
応札業者:三ツ和総合建設業協組、川木建設、土屋興業、吉沢建設、司産業、武蔵野園、岩堀建設、太陽建設、初雁興業、トーヨー建設、本橋組、住協建設、佐久間建設、西武建設、矢島工務店、島田組、エムテック
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これら二つの工事に先立つ二週間前、飯能市が発注した「飯能市立富士見小学校校舎東側大規模改修・耐震補強工事」にも、三ツ和総合建設はかなりの安値でで入札している。
■2003年5月14日
発注者:飯能市
工事名:飯能市立富士見小学校校舎東側大規模改修・耐震補強工事(建築工事)
工事場所:飯能市大字双柳1-1
入札方式:指名競争入札
落札者:矢島工務店
落札金額:147,095,000
設計価格:173,054,000
調査基準価格:147,095,000
最低価格:190,000,000
三ツ和総合建設の入札金額:152,200,000 |
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実際に落札したのは飯能市内業者の矢島工務店であった(矢島工務店は同小学校西側大規模改修・耐震補強工事をも昨年五月に落札している)が、後続する二つの入札状況を勘案するとき、ダンピングの疑念が首をもたげてくる。なにしろ先に同小学校西側工事を手がけている矢島工務所を除く応札十六社のうち、最安値をつけているのが三ツ和総合建設なのである。
「三ツ和は、三箇所でばたばたっと一気にダンピング入札をやった。そのうち二つを落札したってわけだ。これは要するに『悪質営業所業者問題』の端的な例なんだよ」
本紙は昨年十月号にて川越市内にはびこる「悪質営業所業者」問題を詳述し、業者の実名や指名落札状況を完全公開した。このとき取り上げたひとつの事実が、「本社をさいたま市に置く業者」の圧倒的優位である。
なぜ優位なのか。
川越市内営業所業者の圧倒的多くは、本社をさいたま市に置いている。そして驚くべきことに、さいたま市は「市外業者」を事実上シャットアウトしているのである。
「本告示の告示日において本市内に本店を有すること」……。さいたま市告示の入札条件はこれである。
さいたま市は一般競争入札でさえ市外業者を完全排除しているのだ。
したがって、川越市に本社を置く業者が「営業所業者」としてさいたま市の公共工事に入札している事例は極端なほど少ない。
大規模工事の際に、経審点数で最低でも1200点をマークする大手上場企業クラスの業者が参加することはある。数十億単位の大規模案件ならば、それに見合った施工能力を持つ、さいたま市外の大手業者が参入しなければ工事そのものが不可能な場合があるからだ。
だが、地元業者には遠く及ばない話である。
このような現実の前に、舟橋川越市長が相川さいたま市長に対し、このアンバランスを是正するよう提案した、という話は聞こえてこない。
本紙が取材した川越市内の建設業者はこう語った。
「さいたま市には、他市業者は一社も入っていません。現にわれわれ(川越市内業者)は他市にも営業所を有していますが、さいたま市の公共工事にだけは入り込むことができないのです。さいたま市は『営業所業者』を一切排除しているんですよ」
さいたま市に本社を置く「川越市営業所業者」の中に、最低制限価格(予定価格から三十%を引いた金額)以下の「出血価格」で落札するダンピング業者が存在しているのは過去号で既報のとおりである。
当時、川越市指名委員会を率いていたのは初野前助役。風通しの悪い指名委員会に「ダンピングをひそかに期待しているのでは」との疑念さえささやかれていた。
「市としては、工事を安く請け負ってもらえるなら、それに越したことはないしね。そういう料簡なんだよ川越市は」(当時、本紙の取材に応じた建設業界消息筋)。
「排他的に過ぎるさいたま市に、川越市側は何のアクションも起こせないのか」と問い詰めた本紙に対し、当時の川越市契約課・飯島課長の返答は危機感のかけらもないものだった。
他市業者に極端に排他的なさいたま市に本社を置く「さいたま市業者」が、他市の公共工事に出張っては出血価格で入札しつづけたら……「さいたま市以外の業者」はたまったものではない。
さいたま市に本社を置き、他市に置いた営業所を拠点に公共工事を荒らしまくる悪質ダンピング業者……この筆頭が、三ツ和総合建設業協同組合なのだ。
川木建設完全主導の「川越市保健所新築工事」
三ツ和の存在意義は何処に?
昨年十二月号にて、本紙は平成十四年四月〜十月までの、いわば不完全な「川越市およびその他3市の公共工事発注状況」を公開した(平成十四年度完全版は先月号を参照)。昨年十月の時点では、川越市の「建築」部門における市内発注率は100%であった。だがこの暫定的集計からわずか一ヵ月後の十一月十一日、この完璧な市内発注率は無残にも60.5%に下落した。
川越市保健所新築工事の入札結果が影響したのである。落札者は三ツ和総合建設業協同組合。予定価格七億五千百万円に対し、落札価格は七億四千二百万円であった。
施工にあたるのは三ツ和総合建設と川木建設のJV(共同企業体)。
建設業界消息筋は語る。
「JVとは言っても、実際あの工事に関しては川木建設がすべて施工している、と言っていい。本来、三ツ和と川木の代表構成員比率は七対三だったはずだ。つまり職員が三人必要なら、二人が三ツ和、四人必要なら三人が三ツ和の人間であるはずなんだ。代表構成員が工事のイニシアティブを持つんだからね。だが現場を見れば、川木建設が主導権をもって仕事をしているのは一目瞭然だよ。川越市は、そのことをちゃんと知っている」
主導権三割の川木建設が事実上、工事の施工すべてを行っているのなら、三ツ和総合建設はそもそも必要ないではないか。
協同組合とは名ばかり
実は県内第三位の有力ゼネコン
「そもそも『協同組合』っていうのは、語弊を恐れずに言えば弱小企業が集まったものだろう。だがその『弱小企業の組合』の実際の姿はどうか?県内有数の、押しも押されぬ大手ゼネコンなんだよ。相変わらず『弱小企業の共同体』を自認してはいるものの、やっていることは『本当の弱者』叩きじゃないかね」
ここで興味深い資料をご紹介しよう。平成十五・十六年度の埼玉県公共工事に入札参加資格をもつ建設業者のうち、最上級にランクされる「丸A」業者の一覧である。土木、建築のそれぞれにおいて、『中小企業・弱小者の組合』であるはずの三ツ和総合建設業協同組合は、堂々の第三位なのである。
表の見方を簡単に説明しよう。
公共工事へ入札しようとする企業は事前にランク分けされ、ふさわしい企業だけが入札を許される。「資格審査数値」とは、まさに格付けのための点数だ。この数値は、次項につづく「経審点」と「主観点」の合計となる。
「主観点」とは各発注者=自治体または官公庁が独自の基準で審査するものであり、具体的にはISOの有無、検査点数、過去の施工実績などが勘案されつつ算出される。
「経審点」とは「客観点」を意味する。全国一律の基準で審査をする客観点は「経審点数」、すなわち△工事種類別年間平均完成工事高△自己資本額及び職員数△経営状況△技術力△その他、という五つの審査項目の評点をそれぞれ求め、係数を乗算して導き出された総合評点(P評点)によって計算される。
「1級技術者」とはまさにその業者が擁している一級技術者の数である。
業界消息筋は大手ゼネコン化した三ツ和総合建設業「協同組合」の実態についてこう語る。
「逆に言えば、組合が『有数のゼネコン』となったからといって、組合を構成する組合員は依然として弱小業者なんだ。弱小業者の実力じゃ、大手業者の力や技術的に秀でた中堅業者にはかなわない。
ダンピングすれば仕事を取ることはできる。だけど、本当にその工事をこなせる力があるのかという問題とは別だ。だからJVを組むもう一方の業者に施工の大部分をやらせたり、ひどい場合は『丸投げ』したりするんだよ」
そして彼は「あくまで喩え話だが」と前置きし、こう付け加えた。
「幼稚園児が百人集まったからって、一人の大学生がこなす問題が解けるはずないだろう?それと同じことなんだ」
「建設業界の問題児」「業者泣かせ」の悪名をほしいままにする、この「県下有数のゼネコン」とは、いったい何者だろうか。
不良不適格業者のチャンピオン・三ツ和総合建設と
指名停止取締委員会の「無法ぶり」
三ツ和総合建設業協同組合(山本亜細雄代表理事、本社・さいたま市上小町535番地)。略して「三ツ和総合建設」または単に「三ツ和」と呼ばれ、部落解放同盟埼玉県連合会「埼玉県同和産業振興会」の、建設部会における主力企業である。
設立は昭和四十六年(71年)七月。初代理事長の山本文平氏は山本亜細雄・現理事長の父親であり、解放同盟大宮支部長と埼玉県部落解放企業連合会(埼玉企業連)の理事を務めた人物である。
平成十二年(00年)一月、埼玉企業連は三ツ和総合建設を中心とした「埼玉県同和産業振興会」に形を変えた。振興会理事長には町田玉蔵氏が、また専務理事には小野寺一規氏が就任し、解放同盟県連事務所が所在する「埼玉人権・同和センター」に事務所を据えた。
三ツ和総合建設の組合員は県下業者はもとより、北海道や愛知、群馬、栃木、千葉なども含めての四十五社。その規模でいえば、紛うかたなき広域企業である。だが全従業員数十人以下の会社(組合員)が全体の44%を占めており、一社あたりの従業員数が二名の会社もある。
と思えば、三ツ和総合建設の役員に顔を連ねるのは大手ゼネコンOBだ。本多技研工業OBを専務理事に、また熊谷道路OBを理事の一人に迎え入れる三ツ和総合建設は、大手ゼネコンOBの受け入れ先企業の様相さえも呈している。
昨年四月二十六日、川越市発注の公共工事をめぐる談合で、Aクラス業者二十社が公正取引委員会より排除勧告(独禁法違反)を受けた事件は記憶に新しい。
三ツ和総合建設は排除勧告を応諾した二十社の一社である。埼玉県は昨年五月、同組合を3ヶ月の指名停止にしたほか、川越市、東松山市、熊谷市、狭山市、さいたま市などの十四市町村も、各自治体の「指名停止措置要綱」に準じ、一斉に二ヶ月〜四ヶ月程度の指名停止措置を講じた。
だが、応諾した二十社のうち三ツ和総合建設だけが、およそ一般常識では考えられない行動を開始した。
指名停止後の五月から、同組合の山本毅副理事長ら四、五人が県および県下自治体を訪れ、同組合を指名停止処分とする根拠となった自治体の「指名停止措置要綱」の撤廃を要求しはじめたのだ。
彼らの行為はエスカレートし、ついに六月には「安全技術定例会」を開く。この定例会、十四市町村の契約課や同和対策課などの職員を三ツ和総合建設の会議室に召集し、組合幹部と対面する形で座らせ、さらに職員らの背後をグループ業者約七十名で囲むという、「安全」とも「技術」とも関係のないものであった。
まるでリンチである。
このとき山本毅副理事長らが名乗ったのは「指名停止取締委員会」。頭がくらくらするような名前だ。各自治体が地方自治法による権限で独自に決めたペナルティ要綱を、何の権利で民間業者の組合が「取締る」のか。しかしこの冗談のような「委員会」の名において、彼らが自治体に投げつけた暴言と要求は、もはや横暴という言葉さえ霞むほどの、支離滅裂な恫喝そのものであった。
| 指名停止措置要綱の撤廃要求
・何の理由で何を根拠に指名停止したのか。
・公正取引委員会とは約半年間対話してきたが、指名停止を課す権限は一切ないことを確認している。
・事前に組合と民主的な話し合いもせずいきなり指名停止をした事は一方的な公権力の行使であり、法律のタダ乗りである。
・今回の取引制限は加害者と被害者がはっきりしている刑罰でもなく談合罪でもない。
・行政の役割とは何であるか。
我々組合及び中小企業は今日の不況の下、日夜必死に努力し組合及び組合員の生活を守ると共に地域住民貢献することで社会正義を全うしている。
行政はこういった企業を支援する立場であって足を引っ張るようなことは許されない。
よって我々が行政にペナルティを課すことは当然である。
・公正取引委員会は特定の市場を独占して価格を吊り上げる企業から一般消費者を守るために組織されたもので建設業においては本来該当しにくいものである。
さらに独占禁止法の第一条からすると指名停止そのものが独占禁止法の趣旨に反することになる。
・今回法律に基づく措置とは公正取引委員会と川越市に提出する改善措置、課徴金の納付、許可権者からの営業停止までで各行政機関の指名停止は必要ない。あえて受けるなら発生現場の行政だけである。今後は建設業と共存共栄を計るなら中小企業をつぶす様な指名停止の全面廃止を要求する
指名停止取締委員会 委員長 山本 毅
※ 三ツ和総合建設業協同組合
指名停止取締委員会
副理事長
委員長 山本 毅
郵便番号 331−0853 埼玉県さいたま市上小町535番地
(以下、電話およびFAX番号は省略)
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危機に瀕する建設業界
不良不適格業者はいまこそ猛省せよ
県よ、川越市よ、怯えるな!
「よって我々が行政にペナルティを課すことは当然」とは驚きだ。これが、いやしくも法治国家で活動を許された企業が吐く言葉だろうか。司法が介在しない、「やられたら、やり返す」という「同害復讐」(応報刑)の最も原始的かつ幼稚な発想。ハムラビ法典の古代バビロニアですら通用しない。この論法が通用するのは、まさに無法地帯である。
三ツ和総合建設の母体である部落解放同盟。その解放運動とは、なにより人権を重んじる運動であるはずだ。にもかかわらず、「人権」を重んじる市民社会の基礎である「法の支配」「罪刑法定主義」という言葉は、三ツ和総合建設の辞書には存在しないというのか。
三ツ和総合建設の度重なる不良不適格行為こそは、部落解放運動の誇り高き歴史に泥を塗る行為ではないのか。
冒頭にも記したとおり、建設業界はいま全国レベルで未曾有の危機を迎えている。
だがいかなる業種でもそうだが、「いい仕事をする、いい業者」は、いつの世も必要とされるのは言うまでもない。
三ツ和総合建設業協同組合は今や県下有数のゼネコンである。その影響力も社会的責任も大きい。建設業界全体が危機に瀕したいまこそ、「建設業界の問題児」という汚名を払拭し、技術を研鑽し、地元住民から愛される良き建設業者となるべきだ。
* * *
国、県、地方自治体がダンピング防止対策に本腰を入れ始めた……。誠に喜ばしいことだ。だが「ダンピングを行う不良不適格業者」の一部に対し、つまらぬ怯えを抱いたままことに当たるのでは、根本的な防止対策にはなりえない。
行政が真に怯えるべきは、納税者、市民に対してである。当たり前ではないか。
そして川越市議諸君。やるべきことは山積している。本紙先月号が公開した川越市公共工事発注状況リストを見てもなお「行政調査新聞の記事や資料を参考にして後追い調査するわけにはいかない」などと嘯いているのなら、嘆息すべき無能ぶりだ。後追いが沽券にかかわるというのなら、まずは本紙が提示した資料や記事内容を独自検証せよ。行政当局へ問い合わせるなり、新聞など公開情報を取り寄せるなり、方法はあるだろう。そして真実のデータであることをきちんと確認してから行動せよ。そうすれば、その後の諸君らの行動はもはや本紙の後追いとは呼ばれまい。
川越市から一千万円以上の年俸(期末手当、審議会報酬、費用弁償含む)を得て安寧な市民生活を営む市議諸君。市が諸君らに高額な年俸を与えているのは、失業対策では決してないのだ。
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