
愛知県・日進竹の山南部特定土地区画整理事業
亜炭坑道未充填問題、日進市が住民安全について責任放棄答弁
3月8日、日進市議会で西尾克彦議員が追及
住民の不安が現実に=小牧市の桃花台ニュータウンで
亜炭坑跡が原因の地盤沈下
「地下の亜炭坑がいつ陥没するのか…」
区画整理事業組合から地下の空洞や埋設された廃棄物の存在を知らされないまま宅地を売り渡された日進市竹の山南部地区の住民の不安は、小牧市の住宅地で起きた事件でますます現実味を帯びるに至った。3月3日付の日刊紙(朝日、中日)によれば、住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)が1988(昭和63)年に発売した桃花台ニュータウン(9,015世帯、27,757人)で2001(平成13)年に二軒から「家が傾いてきた」との苦情が寄せられ、調査したところ最大8.8cmの沈下が確認され地下4〜8mでかつての廃棄物とみられる軟弱な油泥が発見されたという。
その後も地盤沈下がおさまらないため、この二軒の住宅は昨年夏までに「居住に適さない」とされて都市再生機構が買い戻しをしたが、さらに他の住宅からも「ふすまや窓の締まりが悪い」との苦情が相次いだ。結局、軟弱地盤が相当広範囲にわたると見られるため、とうとう本格的なボーリング調査に乗り出したのだという。同ニュータウンの住民からは「土地の造成は県、上物は公団で信用していたのに、裏切られた思い」と、怒りの声があがっている。
小牧市によれば、桃花台ニュータウンを含む同市東部丘陵地帯では、江戸時代後期から昭和中期にかけて亜炭の採掘が行われており、古い住民の間では「亜炭を掘っていた道筋では地盤が沈下する」とずっと以前からささやかれていたとも言われている。ここも亜炭の採掘を終了後は、廃棄物の最終処分場に使われ、その後に愛知県が買い取って宅地開発が始められるに至ったのである。
正に小牧市で起きた事態は、日進竹の山南部特定土地区画整理事業の対象区域について心配されている問題を先取りした形でまざまざと示したものだ。
消えた亜炭坑充填費14億円は、どこに行った?
いまや愛知県全体、いや国をも巻き込む問題に発展した亜炭坑跡地や廃棄物最終処分場跡地を含む不良宅地開発。2月17日付インターネット版で本紙も報じたように、いままさにリアルタイムで保留地の販売が継続中で公立保育園建設が進められようとしている日進竹の山南部特定土地区画整理事業区域では、既に生活を営んでいる住民からの不安や苦情にどう答えるのか、真に安全な暮らしを保障するために事業そのものを見直していくことが切実に問われている。
3月8日の日進市議会で一般質問に立った西尾克彦議員(日進市公共事業監視会議・議長)は、そもそもこの区画整理事業計画の当初に予算化されていた亜炭坑道の充填費14億円がいつのまにか消えている問題を取り上げ追及した。これは、当初は亜炭坑の空洞を残さずにしっかり充填することが、安全上必要と考えられていたことを示すものであり、それがなぜ事業計画から消され安全を二の次にしたのかの根源に関わる問題である。
質問当日には、名古屋テレビの取材も入る日進市議会としては異例の事態となった。西尾議員の質問への答弁は、次のような経過説明的なものだった(答弁に立ったのは、中川勝美助役)。
「…市が知っていることは、平成5年7月に愛知県から区画整理事業の認可がおりた時点で、亜炭鉱を充填する費用を予算に計上されていたことと、平成6年3月に工事着工前の事前調査として、亜炭層の推測調査をされていること、平成7年6月の第一回の事業変更認可において亜炭充填費を14億円に予算計上されたこと、平成13年10月の第三回の事業変更認可において充填費を亜炭対策費に改め、2億円とされたこと、平成15年4月の第四回の事業変更認可においてこれを5千万円に減額されたことであります。…組合は亜炭坑道跡に係る処置について、平成13年の事業計画変更の時点で、充填による陥没等の未然防止から、万が一陥没等が起こった場合にその都度処置する方針へと切り替えたというものであります。なお、充填費は、予算として計上したものの未執行とし、他に流用して使ったものではありません」
充填費を予算化し、額面を上げたり下げたりした経過をるる述べた答弁だが、大事な点は「充填による陥没等の未然防止から、万が一陥没等が起こった場合にその都度処置する方針へと切り替えた」ことだ。要するに、「事前の安全対策はやめた。事故が起きてから考えればいい」という無責任方針に切り替えたということで、区画整理事業組合のこうした路線転換を容認した日進市と愛知県の責任は誠に重大だ。
それにしても、なぜ一時は必要と考えられた14億円もの坑道充填費が予算から外されてしまったのか。実は、上記の答弁はテレビ取材が入ることを察知した市側が、予定した答弁を大幅に変更したものだ。本紙が入手した変更前の予定答弁では、充填費が消えていった事情をより詳しく明らかにしている。これを引用してみよう。
「竹の山南部特定土地区画整理組合は、平成5年7月に県の事業設立許可を受け事業をスタートいたしました。その時の事業計画上といたしましては、10億円の充填費用を計上いたしておりましたが、平成7年6月の第一回事業計画変更許可で14億円に増額し、平成13年10月の第三回事業計画変更許可で2億円に減額し亜炭坑充填費から亜炭坑対策費へと変更いたしております。また、平成15年4月第四回事業計画変更許可で5千万に変更いたしており、事業を進めていく中で、地価下落による保留地処分金の収入不足を抱える中で、組合の歳入及び歳出のバランスで、削減されてきたものです。なお、亜炭坑充填費につきましては、過去においても、国、県の補助は無く組合の単独費で行うことになっております」
何のことはない、当初の目論見よりも保留地が高く売れないため、そのシワ寄せを安全対策費で埋め合わせたということだ。これではツケ回しそのもので、結局なにも知らずに宅地を購入した住民を踏みつけにすることに等しいではないか。この責任は何よりも、区画整理事業組合の現理事、一連の経過に「認可」を与えてきた愛知県と日進市当局にある。
「あっちでも、こっちでもやってないから、ここも安全」という愚答
テレビ取材が入るからといって、予定した答弁内容を突如変更するというのも誠に不透明な話だが、逆に世論の監視が広く行われないなら、日進市の当局者がいかにひどい答弁をしかねなかったかをも今回の事態は露呈した。なぜ、安全のための充填をしないままの亜炭坑跡をかかえた宅地を、市が手伝って販売促進をしているのか(保留地販売の広告資料は、市役所の窓口で市民に配布されている。いわば市が「安全性」を保障しているのと同様だ)。
市側は、本紙が入手した予定答弁の中で亜炭坑跡地を充填しなかったことや、こうした保留地の販売を市自らが促進していることの根拠について、ほとんど開き直りのような愚答を開陳している。これは、西尾議員が当該区画整理事業を統括している玉野総合コンサルタントの社員が「亜炭坑充填の必要性」について業界誌で力説している証拠を突きつけて行った質問に答えようとしたものだ。
「…続きまして(充填を)、行わなかった理由についてでございますが、昭和50年代に発見された亜炭立坑については当時の日進町にて、閉塞工事がおこなわれており、組合の造成工事の過程で、切土、盛土、掘削、転圧等において、支障なく概成したため、充填費用から対策費へと変更し結果的に行われなかったということです。…これまでの対応についてですが、土地の価格が下落傾向の経済状況下では、区画整理事業における保留地の販売は組合の成否を左右する大変重大な事項であり、市としても積極的に支援していくべきことがらであると認識しています。その中で、今回の件についてですが、鉱区権が設定されている、名古屋東部丘陵地区での一般的な不動産取引では亜炭坑について明示をしていないと聞いており、竹の山南部土地区画整理組合による保留地処分においてもこれと同様の手法により売買契約を結んでまいりました。ここで、亜炭坑が不動産における瑕疵にあたるか否かについてですが、民法で考える瑕疵とは、目的物が通常有すると期待される性質を欠くために目的物の使用価値が減ずる場合と考えられます。そこで、竹の山南部を含めた名古屋東部丘陵地区を見てみますと、多くの土地で亜炭坑の充填がされておりませんが、過去より良好な住宅地として利用されております。かつ、当該区画整理地区は、昭和50年代の市による復旧工事や組合による慎重かつ注意深い造成工事により、住宅に影響の出るような落盤事故は発生していません。このように、当該地区の不動産の主たる目的である建築には特段の支障はなく十分な使用価値を有していると思われます」
なんという言い草であろうか! 本紙が先に報道したように自らが建築ガラを含む産業廃棄物を埋立てながら「良好な残土で造成した」と偽って市に保育園用地を売ろうとした区画整理事業組合を「慎重かつ注意深い造成工事」を行う者として美化する。あげくは、住民が問題にしている亜炭坑跡地の存在を伏せて売買契約を結んでいることや空洞の充填をやっていないことについて「名古屋東部丘陵地区での一般的な不動産取引では亜炭坑について明示をしていない」「竹の山南部を含めた名古屋東部丘陵地区を見てみますと、多くの土地で亜炭坑の充填がされておりません」と、「あっちでも、こっちでもやってないから」と開き直る。これが、責任ある行政当局が言うべきことだろうか?(それ故、テレビ放送がされるとわかったとたんに、答弁を変更しなくてはならなかったのだろう。この部分に該当する答弁については、記事の最後に収録した西尾議員の質問大要とそれに対する答弁を参照していただきたい)
日進市が上記の愚答に示されるような認識を持っている背景に、愛知県の甘い認識がある。住民有志の要請を受けて民主党の河村たかし衆議院議員が行った文書質問に対する愛知県の回答には、次のような文言が明記されている(全文は、記事末)。
「(※充填費の)14億円は土地の利用価値をより高めるため計上したものであり、財源は保留地処分金を充当する予定であったが、組合総代会の議決及び知事の認可による手続きを経て、当面必要となる調査費等のみに減額変更されたものである」
「亜炭採掘跡が分布すると想定されている隣接する岩崎西部(日進市)、極楽(名東区)、高針東部(名東区)等の土地区画整理事業でも充填していないが、閑静な住宅地として土地利用されており、当地区(※竹の山南部のこと)はこれらの地区とほぼ同様と考えている」
県にして、この甘い認識だ。区画整理事業組合の認可・監督権者である愛知県にして、このていたらくぶり。充填を行わなかった事業地区を並べることで、自らの怠慢を白日の下に晒したも同様だ!
既に冒頭に取り上げた小牧市の地盤沈下は、県や市の言い分の空疎さを如実に物語っている(小牧の問題では、都市再生機構と愛知県の間で悶着が発生している。機構側は「土地から廃棄物撤去をしたか否かの説明はなく、住民への補償にかかる費用は県に請求する方針」と主張し、県側は「土地の販売時に必要な資料は渡した。機構側が必要な措置を講ずれば、地盤沈下は防げた」「地盤をよく調べてしっかりした基礎工事をするのは機構側の責任」と応酬している。何をかいわんや、だ)。
住民に背を向け区画整理事業組合・玉野総合コンサルタント鰍フ免罪に走る愛知県と日進市
「今回の西尾議員の質問で、事件の構図が見えてきました。バブル経済時代の“イケイケ”的発想で進めた区画整理事業計画のほころびのツケを愛知県や日進市は住民に負わせようとしているのです。思うような値段とテンポで保留地が売れないため、安全対策の充填費をなくしてしまう。県の事実上の分身として、いうままに動きまわる玉野総合コンサルタントとそれに操られる竹の山南部区画整理事業組合。結局、これだけ追及されても住民の声に背を向けて、詐欺商法同然に市が問題ある保留地の販売を助け続けるというなら、私たちは家族と生活を守るため断固としてたたかわなければなりません」(保留地を購入して居住する人)
この間の本紙による追及や西尾議員の奮闘、日進市公共事業監視会議をはじめとした住民運動の高まりで日進竹の山南部特定土地区画整理事業がかかえる問題点が大きくえぐり出されつつある。道理は、あげて住民側にある。小牧市での地盤沈下問題やあらたに亜炭坑の充填が行われないままであることが明らかになった地区の存在など、日進市の住民のたたかいは愛知県全体をゆるがすものとなりつつあるといえよう。
本紙は、引き続き行政の不作為による住民犠牲の事案を追及し、たたかいを続ける決意だ。
【付録】
[1]日進市市議会(平成18年3月8日)における西尾克彦議員の一般質問
(大要)
問@
前回に引き続き、竹の山南部特定土地区画整理事業について聞く。
この問題は、既に国をも動かす事態まで大きく発展してきた。私は、住民代表の方と東京に出向き国土交通省、環境省、経済産業省に現状を伝えて話し合ってきたが、政府の方々は日進竹の山南部特定土地区画整理企業組合と事業を統括してきた玉野総合コンサルタントがこの間行ってきた所行に唖然とされ、かなり深刻に事態を受け止めたようだ。
特に国側が驚いていたのは、早くから医療廃棄物を含む有害廃棄物の投棄や埋設、メタンガスの噴出などの事態が指摘されていたのに90ヘクタールにも及ぶ広大な区画整理事業を淡々と事業組合が進め、市もなんら具体的な指導もせず、問題の顕在化まで手立てが打たれないまま推移してきたことだ。後で詳しく聞くが、亜炭坑の跡地など、調査すらまともに行われず、まるでその痕跡をかき消すかのような区画整理を実施して宅地造成をするなど、正気の沙汰とは思えない。国の話では、昭和39年時点で亜炭坑跡地は全国で255箇所もあったというが、たいてい山奥や山林の中にあり、宅地利用などの話はほとんど見られないそうだ。
そこで、まず最初に聞くが、市は事業組合から提出された事業予算案で、当初計上されていた亜炭坑跡地の充填費14億円について、当然確認されていたものと考える。しかし、私が議長をつとめる日進市公共事業監視住民会議が事業組合等から聞き取ったところでは、地下に存在する坑道跡の充填など安全対策は全く行われていないということだ。
この事実を、市はいつから認識していたのか。また、計上された14億円については県や国からの補助金支出の際の審査対象になっていたはずだが、事業者が「坑道の充填はしなかった」といっている以上、この予算はどこかに霧散してしまったということだ。この消えた14億円の行方はどうなったのか。
問A
私はここに、かつて存在した「充填協会」の機関紙を持っている。ここには、竹の山南部特定土地区画整理事業を統括してきた玉野総合コンサルタントのメンバーが、亜炭坑について埋め戻し・充填を行うことが安全上、どんなに大事か懇切丁寧な説明を書いている。
実際、同社が同じようにコンサルタント業務を行ったお隣の長久手町の区画整理事業では、亜炭坑の埋め戻し・充填を丁寧に実施している。このことは、一般に配られた長久手の区画整理事業組合のリーフレットにも解説されている。
実は、この問題について2月4日に竹の山集会場で亜炭坑問題についての説明会が竹の山区会議員有志のよびかけで行われ、30人の方々が集まったが、ここでは「自宅の底地に空洞があるのを発見した」とか、「家に不自然なひずみが出て、ひび割れが生じている」などの深刻な問題が保留地に住んでいる方から出てきた。
事態は深刻だ。安全対策上、大事なはずの坑道跡の充填が、なぜ竹の山南部では行われなかったのか。その理由を教えていただきたい。また、今後、行政としてこの問題にどう取り組むのか、明らかにしていただきたい。
問B
かつてわが国は亜炭鉱を含む炭鉱資源によるエネルギー供給に大きく依存しており、現在廃坑になったところがほとんどだが、その安全対策や被害が生じた場合の補償は鉱害法に基づき厳格に実施されてきたと経済産業省は述べている。この点から言うなら、市民の安全な住生活の基盤である土地の安全性について、市が正面から取り組み、必要な問題が生ずれば県や国とも相談しながら解決にあたるべきだと考える。
その点で私が特に強調したいのは、産廃処分場や亜炭坑がかつて存在した土地であることに口をつぐんで、こんなに大きな「保留地分譲」「抽選処分」を告知して販売するためのチラシを作って大々的に販売促進を公的な仮面をつけた区画整理事業組合が展開していることの重大性だ。単なる民間デベロッパーではなく、行政のお墨付きを受けた団体であり、本来、信用度が最大限担保されているべきものだ。しかも、私が持ってきたチラシは、市役所の区画整理課の窓口に山積みされ、いわば市役所そのものも販売に協力しているのだ。この間の私の質問や住民からの問い合わせに対する市側の対応は、まるで“ひとごと”のようなものだが、自ら問題ある物件を販売し続けていることの同義的、行政的責任をどう自覚しているのか。下手すれば、日進市が詐欺的商法に加担したといわれかねない事態ではないのか。
また、私はここに保留地売買の契約書を持ってきたが、なぜか「産廃」や「亜炭坑跡」の存在を明記したものと、何も書かれていないものがある。これは、どういうことなのか。
私は、亜炭坑跡地の調査と対策について、市が積極的な取り組みを行い、この際、竹の山南部特定土地区画整理事業の対象地域全体について実態を把握し住民に報告するべきであるし、この問題が根本的解決を見るまで市が販売促進を手助けすることは絶対に許されないと考えるが、どうか。
問C
北部保育園用地から見つかった産業廃棄物の処理と、市が行うべき対応について聞く。
1月31日に行われた全員協議会に生涯支援児童課から出された資料によれば、コンクリート片等の撤去工事は2月末に完了し、3月から保育園建設工事に着工するという。しかし、前回の質問で私が取り上げたように、この用地ではかねてから医療廃棄物を含む有害廃棄物が投棄・埋設されており、今回、事業組合が調査した現在の地表より深さ4mの範囲ではこれらは発見・除去されないままになってしまうと考えられる。そもそも造成前に土地の安全性を確認する際にこれらは調査されるべきであったのであって、造成して自ら盛土して「その範囲は調査し、コンクリート片を除去した」では済まされる問題ではない。
もともと有害物質が存在する可能性の高い事実を隠蔽するために盛土したようなもので、市はまんまと瑕疵のある物件をつかまされたといわなくてはならない事態だ。先の資料では、「念のため、さらに3箇所のボーリング調査を実施することとした」とあるが、市としては何メートルの深さまで、どのような調査を行ったのか。
また、今回、問題のある土地を売却したことで市に保育園建設工期の遅れなどの損害を与えた区画整理事業組合や玉野総合コンサルタントの責任は重大だ。通常、瑕疵のある土地を販売した場合、支障を生じた点について補償するのが世間的なルールだ。一部の人は、「市のカネを使うべき」と言っているようだが、これこそ「盗人に追い銭」で納税者をバカにした議論と考える。
市は、受けた損失を正しく評価し、組合や責任ある施工業者、特に「良好な残土で盛土」などと市に虚偽報告をした者や判明しているコンクリート片等を埋設した業者から損害金を取るべきと考えるが、どうか。 |
[2]西尾議員質問に対する市側答弁(中川勝美助役)
はじめに「市は、いつから組合が坑道跡の充填などの安全対策を行っていないことを知ったのか」についてお答えします。
市は、昭和50年代に当地で発見された亜炭坑の立坑道の閉塞工事を行っておりますが、当地における横坑道の跡が具体的にどのようになっているのかまでは把握しておりません。市が知っていることは、平成5年7月に愛知県から区画整理事業の認可がおりた時点で、亜炭鉱を充填する費用が予算に計上されていたことと、平成6年3月に工事着工前の事前調査として、亜炭層の推測調査をされていること、平成7年6月の第一回の事業変更認可において亜炭坑充填費を14億円に増額されたこと、平成13年10月の第三回の事業変更認可において充填費を亜炭坑対策費に改め、2億円とされたこと、平成15年4月の第四回の事業変更認可においてこれを5千万円に減額されたことであります。
繰り返しになりますが、組合は亜炭坑道跡に係る処置について、平成13年の事業計画変更の時点で充填による陥没等の未然防止から、万が一陥没等が起こった場合にその都度処置する方針へと切り替えたというものであります。
なお、充填費は、予算として計上したものの未執行として、他に流用して使ったものではありません。
続きまして、「なぜ、竹の山南部では充填が行われなかったのか。行政としてこの問題にどう取り組むのか」というご質問にお答えします。
組合は、昭和50年代に当地において発見された亜炭坑の立坑道の閉塞工事が行われていることと、整理事業における切土、盛土、掘削、転圧等の造成施工の過程において支障が発生することがなかったことにより、充填によるのではなく対策として処置していく方針としたためであります。
なお、組合は、より万全を期すために、来年度に亜炭坑道の第二次調査を行うと聞いておりますので、本市といたしましても適切な助言をしてまいりたいと考えております。
続きまして、「市は問題のある物件を販売していることをどう自覚しているのか。販売促進を手助けすることは許されないと考えるが、どうか」というご質問にお答えします。
現在、組合は保留地の購入を希望される方々に対して、当地に亜炭坑があった旨を口頭で説明されていると聞いておりますので、市が保留地の販売を案内することについても何ら問題があると思っておりません。
市としましては、住民の皆様がたの土地に関するご質問に対して、誠意をもって対応するよう組合に意見をしております。
続きまして、「ボーリング調査は何メートルの深さまで、どのような調査を行ったのか」というご質問にお答えします。
ボーリング調査は、建物の基礎工事を行う範囲の内の3ヶ所において、基礎工事の影響範囲である12メートルの深さまでの土質試料の採取と土壌の硬さを調べる標準貫入試験調査を行っております。
最後に、「市は組合や施工業者、コンクリート片等を埋設した業者から損害金を取るべきだが、どうか」というご質問にお答えします。
今回の問題が、結果として建設工事にどの程度の影響を及ぼすのかは現時点ではっきりしているものではないため、損害賠償等につきましては具体的に考えておりません。市としましては、来年度中に北部保育園の移転整備事業が完了できますよう全力で取り組んでいくことが最優先のことと考えております。
保育園用地の廃棄物についてですが、市においても愛知県から産業廃棄物の法における定義や扱いの説明を受けております。投棄廃棄物の処理責任は、土地所有者または行為者にあります。
本件に関して、市は地質調査により土壌汚染に関する項目がすべて基準値以下であることの確認をし、組合から「地表から4メートルの深さまでのコンクリート片等を撤去した後に、在来の土で埋め戻したい」という善後策の申し出を受け、これを了承して進めさせているものであります。
この先は、工事監理者及び工事請負者の意見をもとに、土中の状況が保育園の基礎工事に支障がないと判断できれば、工事請負者に着工を指示してまいります。
また、組合に対しては、適切に情報公開されるようお話させていただきます。
※ 西尾議員の質問と市側の答弁は、議場で聞いた内容をもとにしたものです |
[3]テレビ局取材が明らかになる前に日進市が用意した答弁案
亜炭坑充填費の14億円についてですが、竹の山南部特定土地区画整理組合は、平成5年7月に県の事業設立許可を受け事業をスタートいたしました。その時の事業計画上といたしましては、10億円の充填費用を計上いたしておりましたが、平成7年6月の第一回事業計画変更許可で14億円に増額し、平成13年10月の第三回事業計画変更許可で2億円に減額し亜炭坑充填費から亜炭坑対策費へと変更いたしております。
また、平成15年4月第四回事業計画変更許可で5千万に変更いたしており、事業を進めていく中で、地価下落による保留地処分金の収入不足を抱える中で、組合の歳入及び歳出のバランスで、削減されてきたものです。なお、亜炭坑充填費につきましては、過去においても、国、県の補助は無く組合の単独費で行うことになっております。
続きまして、行われなかった理由についてでございますが、昭和50年代に発見された亜炭立坑については当時の日進町にて閉塞工事が行われており、組合の造成工事の過程で切土、盛土、掘削、転圧等において支障なく概成したため、充填費用から対策費へと変更し、結果的に行われなかったということです。また、今後につきましては、組合においても二次調査を実施し対応を考えていくということですので、市といたしましても指導、助言していく所存です。
続きまして、亜炭坑跡地の調査と対策についての市の取り組み、住民への報告についてですが、議員の質問にもありましたように亜炭鉱は戦後、国のエネルギー政策の一環として採掘が行われた関係から、亜炭坑対策については経済産業省の所管のもと、実施されてまいりました。従いまして、今回の事案についても、国、県と連携を取りながら進めていきたいと考えております。
これまでの対応についてですが、土地の価格が下落傾向の経済状況下では、区画整理事業における保留地の販売は組合の成否を左右する大変重大な事項であり、市としても積極的に支援していくべきことがらであると認識しています。その中で、今回の件についてですが、鉱区権が設定されている、名古屋東部丘陵地区での一般的な不動産取引では亜炭坑について明示をしていないと聞いており、竹の山南部土地区画整理組合による保留地処分においてもこれと同様の手法により売買契約を結んでまいりました。ここで、亜炭坑が不動産における瑕疵にあたるか否かについてですが、民法で考える瑕疵とは、目的物が通常有すると期待される性質を欠くために目的物の使用価値が減ずる場合と考えられます。そこで、竹の山南部を含めた名古屋東部丘陵地区を見てみますと、多くの土地で亜炭坑の充填がされておりませんが、過去より良好な住宅地として利用されております。かつ、当該区画整理地区は、昭和50年代の市による復旧工事や組合による慎重かつ注意深い造成工事により、住宅に影響の出るような落盤事故は発生していません。このように、当該地区の不動産の主たる目的である建築には特段の支障はなく十分な使用価値を有していると思われます。
しかしながら、亜炭坑に対する充填については法的義務はないものの、鉱区権が設定されているのは紛れもない事実であることから、8割を超えて事業進捗が図られ、組合の資金計画のおおよその目処がたちました18年度に、組合において亜炭坑の調査を行うべく検討していると聞いています。日進市としましても、調査結果をふまえ指導、助言するとともに結果の如何によっては組合の判断により充填対策をすることもあることから、十分な情報を組合員に提供するようあわせて指導し、住民がより安心して暮らせるよう努めてまいりたいと考えております。
続きまして、北部保育園用地から見つかった産業廃棄物の処理と、市が行うべき対応についてですが、北部保育園の用地につきましては、1月の全員協議会でご報告させていただきましたように組合が実施しておりましたコンクリート片等の撤去作業が完了しましたので、現地確認を行った後、支障がなければ保育園の建設工事に着工したいと考えております。
ご質問のボーリング調査につきましては、組合が施工に関係した深さまでのコンクリート片等は組合により撤去されましたが、念のため、それよりも深い部分について調査を行ったものです。
内容としましては、建物の基礎工事を行う範囲のうちの3ヶ所において、基礎工事の影響範囲である12メートルの深さまでの土質を調査するため、試料の採取と土壌の硬さを調べる標準貫入試験調査を行いました。
調査の結果、工事の支障となるようなガレキも発見されず、設計業者にも今回の調査データを示し、設計どおりの施工方法で支障のない旨を確認しております。
なお、本市といたしましては、今回の問題が北部保育園の建設工事に結果としてどの程度の影響を及ぼすのかが、はっきりしていない現時点におきましては、茅野議員の代表質問に対しお答えしましたように、来年度中に北部保育園の移転整備事業が完了できますよう全力を挙げて取り組んでまいることが最優先と考えておりますので、よろしくお願いします。
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[4]河村たかし衆議院議員の問い合わせに対する愛知県の回答書面(平成18年2月20日)
平成18年2月9日のご質問について
質問(1)組合が日進市に保育園用地として売った土地に産廃が埋まっていた。
答え ・埋立ては、廃棄物処理法に違反する行為ではなく、土壌は環境基準を満足している。
・ なお、日進市の要請により、土地区画整理事業によるコンクリート殻等を現在撤去中である。
質問(2)住宅地として造成した土地に亜炭坑跡がある。
@組合は亜炭坑充填予算として計上した14億円を他に流用した。隣接する長湫南部の組合は充填したのに、なぜこの地区は行わないのか。
答え ・14億円は土地の利用価値をより高めるため計上したものであり、財源は保留地処分金を充当する予定であったが、
組合総代会の議決及び知事の認可による手続きを経て、当面必要となる調査費等のみに減額変更されたものである。
・ 発見された亜炭廃坑については、S50年代に「亜炭放置坑口閉そく工事」が当時の日進町により実施され、土地区画整理着手後は陥没事故は発生していない。
・ 亜炭採掘跡が分布すると想定されている隣接する岩崎西部(日進市)、極楽(名東区)、高針東部(名東区)等の土地区画整理事業でも充填していないが、閑静な住宅地として土地利用されており、当地区はこれらの地区とほぼ同様と考えている。
・ なお、亜炭廃坑対策について、万全を期するため、その対応について、現在組合で検討中である。必要となる財源については、組合独自財源で対応することとなる。
質問 A都市計画道路が国交省補助事業で造られているが、道路の安全性は大丈夫か。
答え ・都市計画道路については、路床支持力試験を実施し地盤の支持力を確認して適切な舗装設計を行っている。
・ 県では、組合の発注する設計書を「実施設計承認」し、工事完了後には「完了実績報告書」を書類審査し、現地確認検査を行っている。
質問(3)組合の監督権限は知事にあるが、監督責任について説明してほしい。
答え ・県は土地区画整理法に則り、土地区画整理事業の促進を図るため、組合に対して、必要に応じて、指導、助言、
勧告、援助等を行っている。 |
※わかりやすくするため、体裁を修正してある。
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