
安岡正篤 記念館(財)郷学研修所をめぐる疑惑【その3】
もはや財団ではなく罪団!
(財)郷学研修所(安岡正篤 記念館)が犯す2大「違法行為」!
文化財保護法違反だけではなかった!新たに発覚した「著作権法違反」疑惑!
「安岡ブーム」の陰でラジオ番組の違法コピー、その売り上げは約6億円以上?!
人の道に外れた順法精神なき財団に「公益法人」の資格なし!!
ある「財団法人」が、長年にわたり既存の放送局の著作隣接権を犯して番組のコピーを販売していたとしたら、読者はどうお考えになるだろうか。「公益法人にあるまじき行為」とお感じになるかもしれない。さらに、その財団が違法コピー販売で上げた収益が数億円に達するとしたら、どうだろう。あろうことか、その財団法人とは「人の道を説き、国家と指導者のあり方を論じ示した」昭和の偉人・安岡正篤 氏(1898.2.13〜1983.12.13)の道徳を継承する団体。数々の税制上の優遇措置を与えられ、今日もなお故人である氏を慕う人々に対し「安岡人間学」を講義する公益法人が現在進行形で犯す、常識では考えられない悪質な違法行為を、本紙が独占スクープでお届けする。「安岡ブーム」の陰で違法行為を繰り返し、反省の色さえない同財団の実態こそは、安岡正篤 氏が最も忌み嫌ったはずのものだ。
(財)郷学研修所とは、まさに「罪団」。「安岡正篤」の名前さえあれば、何をしてもいいのだろうか。まずは本紙既報の犯罪行為、文化財保護法違反を簡単に振り返ってみよう。
(財)郷学研修所の「犯罪」その1・歴然たる文化財保護法違反!
国指定史跡「菅谷館跡」を不法占拠し宗教行事の場に!
本紙は昨年12月号にて、埼玉県比企郡嵐山町の国指定史跡「菅谷館跡」を、長年にわたり不法占拠している「謎の石柱」について報じた。鎌倉時代前期の豪族、畠山重忠氏の館だった「菅谷館跡」に、まるでふさわしくない御影石の大きな重量建造物が、わがもの顔で居座っているのである。
誰が、何の目的で建てたものなのか……。近隣住民さえ知らないその「正体」とは、「財団法人郷学研修所」関係者の私物。郷学研修所とは、わが国を代表する陽明学者・東洋思想家であった故・安岡正篤 氏の「安岡正篤 記念館」や「成人研修会館」、また同氏ゆかりの「日本農士学校」などの蔵書を公開する「恩賜文庫」を擁する団体である。「倫理道徳を説き、人材育成を看板に掲げ」ているこの団体はまた、財団法人(公益法人)としても数々の税制上の優遇措置を与えられている。
本紙が郷学研修所に問うと財団側は、明らかに文化財保護法を犯しているこの「石柱」を、「『日本農士学校』卒業生らの同窓会『川薪会』が建立し維持してきたもの」と明言。郷学研修所職員の多くが川薪会会員でもあることから、事実上は郷学研修所とその関係者の私物である。彼らは石柱を「本丸」と称し、また石柱の場所を「霊所」と定め、長年にわたり「菅谷館跡」とは何の関係もない宗教行事に活用。ときには石柱の前で記念撮影まで行っている。
つまり倫理道徳を説く公益法人が、文化財保護法を犯し国指定史跡に不法建造物を建て、長年にわたり維持。さらに史跡とは何の関係もない宗教行事の場として利用している異常な状況が「菅谷館跡」で展開されているのである。
石柱の建立から現在に至るまでを簡単に振り返ってみる。
この石柱が存在する場所は、もともと安岡正篤 氏の私塾「金鶏学院」および「日本農士学校」、そして「金鶏神社」の所在地であった。当時、これらの私塾を運営した母体は「財団法人金鶏学院」。
だが敗戦直後の昭和21年、GHQの勅令により「財団法人金鶏学院」は解散を命ぜられ、財団の資産であった同地は国有財産となった。しかしこの年の11月、金鶏学院および日本農士学校の卒業生からなる同窓会「全国川薪会」(以下、川薪会)が、「この地に金鶏神社が存在した証を残したい」との理由から、元神社の鳥居木材を角柱に加工して同地に木柱を建てた。彼らの心情はともあれ、その行為は「国有財産である土地に無届けで勝手に木柱を建立した」ことである。なお、現在の「財団法人郷学研修所」関係者の多くが川薪会会員だ。
この木柱を含む土地は昭和24年、国有財産払い下げの対象となった。だが川薪会は資金不足から、土地所有権を得ることができなかった。結局、埼玉県が土地保有者となり、昭和26年から約13年間、「県立興農研修所」が設立、運営されていた。
同地、すなわち菅谷館跡が国指定史跡に定められたのは昭和48年。このときから、木柱は「公有地に無許可で建てられた違法建造物」から、「文化財保護法に違反する建造物」へと、その性格が変わったのである。
昭和52年のある日の夜……。木柱は突如として現在の石柱に建て替えられた。郷学研修所関係者(川薪会関係者)らが役所の休日をねらい、夜陰に隠れて突貫工事を行ったのである。後に埼玉県の所轄職員がこの事実を知り、郷学研修所の関係者に対し「安岡正篤 氏を師事し、人の道を学ぶ人々に闇討ちにあった」と憤激、石柱の建立が違法行為であることを通達。だが石柱を突貫的に建立した関係者らのあいだでは「建ててしまえぱ事実が優先する」と、違法行為を正当化する話も交わされていたという。
昭和59年11月、「金鶏神社奉賛会」が結成される。そして文化財保護法を犯し建立した重量構造物「不思議な石柱」の場所を本丸と呼称し、宗教神事行為や郷学研修所の行事に利用し、同財団の「象徴」と位置づけ、現在も利用しつづけているのだ。
「菅谷之荘七十年史」に記載された「犯行声明」
違法を知りつつ石柱を建立・開き直る郷学研修所側
もちろん財団側に「菅谷館跡」の土地使用権などあろうはずもない。否、事実を正確にいえば、彼らは石柱の建立が違法行為であることを十分に知っていた。のみならず……あろうことか、その「犯行記録」を彼ら自身が認め、出版物として配布しているのである。財団が自らの歴史を振り返りつつ、平成13年11月22日に発行した小冊子「菅谷之荘七十年史」の127ページには、こんな驚くべき記述がある。
<昭和四十九年五月四日、郷学研修所研修会館落成式(六月九日)前に開催された全国川薪会大会で、この議(本紙註・石柱建立について)は大会決議されたが重なる諸問題(本丸が国指定・史跡の為、史跡現状変更許可を文化庁長官から受けなければならない等)が続出し、実現に至らなかったところ、五十一年の伊勢大会で建立の促進が要望され、その御前で卒業生及び関係者の慰霊祭を挙行することが決議され、募金目標額百五十万円が議されたので、土台等は木柱を石柱にし碑文を鮮明にするという見解で、現状変更なしで工事を敢行し、大会(S52.11.20)前の十月三十日に之を完成した>
同財団副理事長の荒井桂氏は、土地使用権や文化財保護法違反の認識に対する本紙の質問に対し「県が文化財保護法により何らかの有権的解釈を示してくれば、その指示に従わざるを得ない」と、あえて「有権的解釈」(社会における最終的判断権者――最高裁や所管官庁等がとる解釈)などという言葉を用いて自らの考えを述べたのは、昨年12月号で既報の通りである。また本紙は、同財団側が県教育行政側トップと密約し、石柱を「行政側の預かり物」という形で結末づけ、文化財保護法違反を隠蔽しようと画策していることをも、あわせて報じた。
だが本紙報道ののち、彼らは関係者にこう言い続けているという。「我々に問題があるならば、県なり国なりが有権的解釈を示してくるはずだ。それがないのであれば、我々は何も悪いことはしていない」……。
財団側、特に荒井桂副理事長は「有権的解釈」という言葉がお気に入りのようだ。だが本紙が今回お伝えするスクープ、財団法人郷学研修所による、現在進行中の重大犯罪行為を明らかにされてもなお、財団側はお気に入りの言葉を繰り返して誤魔化すことができるだろうか。
(財)郷学研修所の「犯罪」その2・悪質な著作権法違反
本紙はなぜ(財)郷学研修所の違法行為を取り上げるのか
なぜ本紙が(財)郷学研修所の違法行為を本格的に追及しはじめたのか、その理由についてここで簡単に述べておきたい。
先に触れた「菅谷館跡」に違法建立された石柱についての取材で、本紙はさまざまな財団関係者を情報源として接触した。その過程で、いわば「郷学研修所に利用され、苦汁をなめさせられている」多くの人々の存在をキャッチした。詳細は割愛するが、彼らの話に本紙は唖然とした。安岡正篤 氏とは「宰相の師」と呼ばれた人物。日本の指針を示し、人の道を説いた人物であった。その安岡氏を偲び継承しているはずの(財)郷学研修所の名の下に、人知れず涙をのんでいる多数の人々がいるということ自体が、看過できない事実だった。団体自らの生き残りのために、善意を示した他人を好き勝手に利用し、出版や金銭を含む有形無形の支援を引き出したかと思えば、突如として切り捨てる悪質で鼻持ちならない集団……。その集団が免税特権を施された公益法人であり、あろうことか人の道を説いた安岡正篤 氏を擁する財団法人の実態であることが、本紙にとってのニュースだった。
本紙を動かしたものは何より、善意を示した多数の人々の「涙への共感」である。やみくもにスクープを追うべく「違法行為を犯しているから郷学研修所を追及しはじめた」のではない。「苦しめられている者への共感」なくして行政調査新聞が存在する意味はない、というのが本紙の自負である。
本紙は十分な時間をかけ、(財)郷学研修所が現在進行形で行っている収益事業に関して資料を収集し分析した。その結果判明したのは、驚くべき「違法コピー販売」の実態だった。個人がパソコンのソフトウェアを違法コピー販売していた、などという話とはわけが違う。財団法人が他人の著作権を踏みにじる「違法コピー収益事業」で、何と6億円近い収益をあげていたという、驚くべき疑惑なのである。
「安岡ブーム」の陰で郷学研修所が精を出していた「荒利ビジネス」
インターネットに「安岡正篤BOOKS」というウェブサイトがある。運営しているのは東京・新宿区の(株)ディー・シー・エス。同社はこのウェブサイト上にて「安岡人間学シリーズ」と銘打ち、安岡正篤 氏の講述を編纂したさまざまな書籍を販売している。なかでも眼を引くのはカセットテープの販売。生前の安岡氏の講話を編集・録音し「テープ講義録・安岡正篤 講話選集」として並べている。全24集・180巻からなる膨大なテープの山だ。いくら「オリジナル音源」が歴史的に貴重なものとはいえ……また商品化に際し古い音源に補正処理を加えたとしても、そのあらたな「処理済み音源」を、あとはカセットテープに複製して売っているのである。その原価を考えると、「テープ講義録」の販売金額は目の玉が飛び出るほど高額だ。
たとえば「第一期」に分けられた44巻のテープは268,400円。「第二期」(56巻)は341,600円。180巻すべてを揃えるとなると、総額1,098,000円に達する。一時期社会問題にまで発展した、悪質な教材販売並みの値段といったら失礼だろうか。
もっともディー・シー・エス社が「テープ講義録」を第一期〜第六期に分割して販売しはじめたのは比較的最近のことで、同社がネット上で通信販売を開始した平成14年(02年)当時では、カセットテープ180本の「全巻一括購入」(998,000円)が販売の主流であったという。まとめて購入すれば「10万円の割引価格」だったわけだ。
ディー・シー・エス社と(財)郷学研修所との間には、著作物に関する独占複製製作販売権が締結されている。まずテープに関して言えば、平成3年(91年)11月3日に「原盤使用契約書」が、また書籍については平成11年(99年)5月28日に「出版契約書」が、それぞれ両者の間で取り交わされている。
「甲」を「安岡記念館郷学研修所理事長・安岡正明」とし、「乙」を「株式会社ディー・シー・エス DC感性研究所」とするテープ販売に関する「原盤使用契約書」は11条の項目からなっている。その第1条には「甲は本テープ講話選集が他の著作権を侵害せず、充分なる権限を有していることを乙に保証する」と記されている。つまり「テープ講義録・安岡正篤講話選集」の原盤(音源)の著作権を、(財)郷学研修所が所有していることを保証した内容となっている。郷学研修所側の「印税取り分」は10%。
だが書籍に関する「出版契約書」では「甲」は「安岡正明」氏個人。財団とは切り離した形となっている。安岡正明氏には6%の印税が支払われることになっている。
両契約書はともに、ディー・シー・エス社の許可を得ないまま、郷学研修所ないし安岡正明氏が独自に「安岡正篤ブランド著作物」を出版・販売することを禁じている。これにあわせディー・シー・エス社側は「安岡正篤講話選集刊行委員会」の名称で安岡氏のテープ・書籍等の編集・出版を独占的に行うことが明記されている。
つまり「郷学研修所ないし安岡正明氏が著作権を持つ『原盤・資料』を、ディー・シー・エス社が独占的に複製・製作・販売する」というのが、両者のあいだにこれまで交わされてきた契約書の骨子だ。
そもそも郷学研修所は「安岡正篤 氏の著作権」を有しているのか?
両契約書に登場する「安岡正明」氏とは、安岡正篤 氏の長男(故人)。正明氏は長らく郷学研修所の理事長を務めていたのだが、平成15年(03年)に没した。現在の郷学研修所は正明氏の弟……安岡正篤 氏の次男である正泰氏が理事長に座している。ディー・シー・エス社との独占販売契約はみな、長男・正明氏の時代に締結されたものだ。
さて、ここまでお読みになった読者諸氏は、これら契約書の大前提……つまり「安岡正篤 氏の講演等の著作権は、(財)郷学研修所が保有している」ことを当然と思うであろう。だが、このことすら実に怪しいのである。
本紙が昨年、財団側に取材した際、同財団副理事長の荒井桂氏は著作権問題について「そりゃ著作権は持っています。当財団の理事長は安岡正篤 氏の次男・正泰氏ですからね」と自信ありげに回答。だが財団内部を知る複数の関係者は異口同音にこれを一蹴する。
「長男の正明氏は確かに著作権継承者だった。だが正明氏が亡くなった後、その家督相続は正明氏の子息に移ったはずだ。(安岡正篤 氏の)次男・正泰氏に著作権が継承されているはずがない」
再度、財団側に電話確認すると「わからない」の一点張り。それどころか「財団は安岡正篤 氏の著作物に関する著作権を有しているのか」という根本的な問題に対してさえ、
「いますぐにはわかりません。調べてみないと……」と、信じられない回答を示したのである。
「では『テープ講義録』の著作権も、財団にあるのかどうかわからない、ということなのか?『テープ講義録』は貴財団が運営のための収益事業として、現在進行形で販売している主力商品であるはず。なぜそのような基本的な事項について即答できないのか?」と切り込んだ本紙に対し「とにかく調べてみないとわかりませんし、他の業務がありますので調べるにもどれほど時間がかかるのか、お答えできません」という、問題意識のかけらもない対応を見せた。
全巻100万円の「テープ講義録」の正体
その一部はニッポン放送「暁の鐘」の違法コピー番組!?
現理事長の正泰氏が、父の著作物に関する著作権を継承しているのかどうか……。実はこれ、郷学研修所をめぐる違法行為の全貌からすれば、むしろ些細な問題にすぎない。より大きな問題とは、財団側が「安岡正篤 氏の著作物」を販売し、莫大な利益を上げていること自体にある。
売ってもいいのかどうか。それが問題なのだ。より正確に言えば「ディー・シー・エス社に販売させてもいいのかどうか」。ディー・シー・エス社は財団側が正当な著作権を有していると信じているからこそ契約書を取り交わしたのである。同社は「善意の第三者」であり、財団による「詐欺的著作契約」の、いわば犠牲者というべきであろう。
話をわかりやすくするために、まずは「テープ講義録」に焦点を絞ろう。講話しているのは安岡正篤 氏本人。だが財団側はこの「音源」を販売する権利を持っていない。というのも「テープ講義録」に収録された音源の多くは、何とわが国有数のAMラジオ放送局である(株)ニッポン放送(フジサンケイグループ)が制作し、過去に放送した番組だったのである。
著作隣接権とは?
- 著作権法によって、著作物を公衆に伝達するために重要な役割を果たしている実演家、レコード製作者、 放送事業者および有線放送事業者を保護する制度。
- 著作権と著作隣接権はそれぞれ独立した権利である。
著作隣接権のうち、放送事業者に認められた権利
- 複製権:放送を録音・録画及び写真的方法により複製する権利
- 再放送権・有線放送権:放送を受信して再放送したり、有線放送したりする権利
- テレビジョン放送の伝達権:テレビジョン放送を受信して画面を拡大する特別装置等で、公に伝達する権利
- 送信可能化権:インターネットのホームページなどを用い、公衆からの求めに応じて自動的に送信できるようにする権利 |
ニッポン放送が昭和34年1月から昭和38年4月まで、4年以上にわたり毎月1回のペースで放送していた早朝番組「暁の鐘」……。安岡正篤 氏が直接出演し講話していたこの番組の音源に対し、局側アナウンサーの音声やコマーシャルの部分を削除、編集したものが「テープ講義録」に収録された、多くのカセットテープの正体である。むろん、ニッポン放送側と郷学研修所側には、複製や販売に関するいかなる契約も締結されていない。完全な「違法コピー商品」なのだ。
本紙は取材の過程で、財団との独占契約によりディー・シー・エス社が販売する「テープ講義録」のうち、マスターテープとおぼしき古い音源の入手に成功した。オープンリールテープの再生スイッチを入れると、すぐに久保田鉄工(当時)の「マリンディーゼル」のコマーシャルが流れ、開始音楽につづいてニッポン放送のアナウンサーの挨拶がはじまる。
「おはようございます。久保田鉄工提供、講座『暁の鐘』の時間がまいりました。今朝は『いわゆる国づくり人づくり』と題しまして、全国師友協会会長、安岡正篤先生にお話ししていただきます。では先生どうぞ……」 ここではじめて安岡正篤 氏が、印象的な声で語り始めるのである。
コマーシャルから番組オープニング音楽、アナウンサーによる挨拶の音声……こうしたもののすべては、この音源が著作隣接権で守られればならない「ニッポン放送の制作物」であることを如実に示している。制作者側の作品である番組。その番組の時間の流れを勝手に編集し無断でコピーし販売するなど、絶対に許されるものではない。(財)郷学研修所の「収益事業」のうち、事実上メインに相当する部分に著作権法違反の疑いが濃厚であることはもちろん、著作隣接権侵害行為は歴然としているのだ。もし財団現理事長・安岡正泰氏が「父の著作権の継承者」であっても、その違法性は変わらない。著作権と著作隣接権とは別個の、たがいに独立した権利だからである。
「出来る限り調査して対応したいと考えております」(ニッポン放送)
本紙はさっそく先述の「マスターテープ音源」の一部をニッポン放送側に送付し、番組「暁の鐘」と(財)郷学研修所の「テープ講義録」との事実関係を確認した。するとニッポン放送側は「なにしろ古い番組なので調べてみないことにはわかりませんが」と前置きし「当放送局と(財)郷学研修所との間に、金銭の授受を主旨とした契約関係は一切ありません」と即答。さらに数日後、本紙は局側(編成管理部)の正式コメントを受け取った。
当社としての見解は以下の通りです。
もし、この販売されているテープがニッポン放送の番組を録音テープをベースにしたもので、それが無許可で行われている行為だとしたら、放送音源の無断使用として明らかな法的侵害であろうと思われます。50年近く前のことですので、不明な点が多々ありますが、出来る限り調査して対応したいと考えております。
以上
※(著作権者である、実際にお話されている安岡正篤 氏ですが、氏の許諾があったとしても、放送局は録音盤に対する著作隣接権を保有しています。)
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「不明な点」のひとつとして局側が挙げたのは、「『テープ講義録』として販売されているうちの、どれが『暁の鐘』のもので、またいつの番組に相当するのか、時間をかけてみないとわからない」点であるという。
そこで本紙は、これまで判明した「暁の鐘」の放送日と題名、またその番組のどれがディー・シー・エス社の「テープ講義録」に使用され、あるいは無断反訳(書き起こし)され書籍として出版されたかを、可能な限り調査し一覧表にまとめた。
【ニッポン放送の朝の番組「暁の鐘」著作権違反調査リスト】
(こちらをクリックしてください)
ニッポン放送側は本件に関してきちんとした調査体制を組むと明言した。放送事業者として至極まっとうな姿勢であり、今後の同局による動きが注目される段階に至った。
(財)郷学研修所に「公益法人」の資格なし!
安岡正篤 氏の遺徳を「美田」とし、群がり貪る行為に恥を知れ!
公益法人の趣旨とは異なり、財団法人郷学研修所の実態とは「公共に寄与する」どころか、公共に害を振りまく「罪団」というべきであろう。「法は知らないでは済まされない」とはいえ、法律に疎いがゆえの過失、という一面もあろう。「悪意があったわけでもないだろうに、行政調査新聞はなぜそこまで郷学研修所を悪しざまに言うのか」と非難する読者がおられるかもしれない。
だが本紙は荒井桂副理事長をはじめ財団トップに直接面会し、さらに電話取材をも行っている。そして本紙が取材過程で知り得た、財団に苦渋をなめさせられた人々の「人知れぬ涙」を知っている。本文に書かなかった感触をも総合すると、彼らは「確実に知っていて違法行為を犯している」のである。「安岡正篤」の名前さえあれば何をやっても許される、とでも勘違いしているかのような、鼻持ちならない姿勢がかいま見えるのは、偽りなき事実である。
財団の構造上の問題……つまり「安岡正篤の遺徳」を擁する財団法人に、その「安岡家」の人間が理事長として君臨していることによる弊害が、郷学研修所という、本来ならば安岡正篤 氏を生前から知る人々が運営し、安岡人間学をより一層輝かせることのできるせっかくの場を「駄目にしている」気がしてならない。
奇妙なことに、郷学研修所はディー・シー・エス社の独占販売権とは別に、ラジオ番組「暁の鐘」の反訳書籍を複数の出版社に出版・販売させている。書籍の印税10%のうち、6%が「安岡家」の取り分となり、4%が郷学研修所に回ってくる。「財団法人の運営のための収益事業」であり、減税特権を付与されているにもかかわらず、である。
この点を財団側に問うと、荒井副理事長(元・埼玉県教育長)はこう答えた。
「いや、それはむしろ我々の認識とは違う。我々は、『安岡家』から4%分の支援を受けている、と考えている」。
その「安岡家」の正泰氏が、まさに財団の理事長なのだ。本来ならば財団が10%を収益事業の利益として得るべきではないのか。あるいは10%を「公益法人の減税措置」というフィルターにかけてから、6%を安岡家に「配分」するという、脱税行為を犯しているのか?財団の運営に関わる質問を発しても、たとえば決算書が「いま見あたらないからわからない」と逃げ、菅谷館跡の土地使用権には「そんなものがあるのですか」とうそぶくその様子は、公益法人のあるべき姿では決してない。
近年まで、担当の社会保険労務士さえいなかったという財団法人郷学研修所。コンプライアンス(法令遵守)を口うるさく言う職員もいなければ、民間企業のように切磋琢磨する社会でもない。「安岡ブーム」が到来しても「本家」の威光で市場を難なく独占し、「安岡正篤の遺徳」を美田とし、財団トップ同士が互いに貪り合っている……というのは言い過ぎであろうか。
ともあれ約10万本、約6億円と推定される違法コピー・カセットテープの販売実績に対するニッポン放送局側の追及は、彼らにとって致命的に重要であろう。もはや「有権的解釈」云々では逃げられない。180巻のテープの中に、たった1本でも「違法コピー」が混じっていたならば、それだけでもうこの「公益法人」はアウトなのだ。
最後に、郷学研修所をめぐる「著作権利図」をご覧いただきたい。これが財団法人のあるべき姿なのか。昭和の碩学と呼ばれた故・安岡正篤 氏が望んだのは、こんな「遺徳を擁する団体」では決してなかったはずだ。
郷学研修所よ、恥を知れ!■

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