行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市

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西八区・埼玉県議選を振り返る
渋谷、独力で勝ち抜きトップ当選!
平成十四年度・川越市公共工事の市外発注状況を完全公開!
契約課に「政党関係者」の圧力か?
新市議よ、よく見ろ!この異常な数字、狂った現実は何だ!!

(地方紙版行政調査新聞平成15年4・5月号に掲載した記事です)

市民の眼は節穴ではなかった。
あまりに低い得票率(37・51%)。問われるべきは川越市民の民度であろう。低迷する小泉政治への反発、政治に対する不信の証左かも知れぬ。だがゆりかごから墓場まで国民を守るのは政治に他ならない。
すべて郷土の繁栄も市民の守りも政治家の双肩にかかっているのだ。
低い投票率の場合、組織票を持つ候補者が有利である。川越市の場合、公明党が断突であってもおかしくない。
渋谷実氏が得票数で福永氏を抜きトップ当選を果たした意義は大きい。
市民の眼は、確かに節穴ではなかったのだ。だが……。

幼稚・傲慢・得意気な
福永県議の「時局のあいさつ」

 まずは虚心坦懐、バイアスなき眼で以下の文章をお読みいただきたい。

<『大学に行きたくても行けなかった人に尽くす』

 私の名刺入れには、1枚の小さな紙が入っています。いつも肌身離さず、大切に持っています。縦・横8センチくらいのメモ帳の切れ端です。そこには、福永の名前がひらがなで5行。鉛筆で書いてあります。たどしい(ママ)字です。「ふ」の字は枠外に何回も書いてあります。そして2行目、3行目といくにつれて、上手になり、5行目の字は力強く、しっかりと「ふくなが」と書いてあります。この紙は、「学校を出ていない」「字の書けない人」「ご年輩のご婦人」が私を応援するために、ひらがなで「ふくなが」と書く練習をした紙です。彼女は公明党支持者ではなかった。でも、私の支持者が一生懸命、私の実績などを訴えてくれた結果、このご婦人は字の練習をするまでになったのです。4年前の選挙の時に、名細の小堤のご婦人が、「彼女は、この紙を見せながら『ふくながさんを応援してね』とお願いして歩いているのよ」と語って、僕に手渡してくださいました。この紙は僕の宝物です。

 政治家の中には偉そうにする人もいます。でも、僕は違います。「字の書けない人」に象徴される、名もない庶民の皆さまに支えられているおかげで、県議会議員をさせていただいていることへの、感謝の思いを抱きしめながら戦っています。(以下略)>

「福永県議が熱弁!盛大に公明党時局講演会」より引用)


 如何であろう。薄ら寒いものを感じないだろうか。

 これは福永信之県議が本年一月三十日、川越市民会館で開催した時局講演会における「時局のあいさつ」の冒頭である。

 ここに登場する「公明党支持者ではない非識字者の高齢女性」は、ひらがなの「ふくなが」以外の字を、事実上書くことができない。少なくとも「時局のあいさつ」を見るかぎりは、そう読める。この女性は「『ふくなが』と書くか、あるいは白紙投票するしか自らの選挙権を行使し得ない」よう、福永氏支持者に「教育」されたのだ。

 福永県議の「宝物」とは、この教育の成果なのだ……そう氏自身が語っているに等しい。

 アメリカ国務省の各国紹介資料でさえ、日本の識字率は99%で最高水準と示されている。「字の書けない人」は、明らかに「少数派、マイノリティー集団」と呼ぶべき層に属しているはずだ。

 だが1%の非識字者をして99%の識字者の象徴とするとは……いや、そもそも庶民を識字の可否で語るとは、まったく以て理解不能である。

 つまり福永県議という人物は、庶民を非識字者と同様、上記引用にあるように手取り足取り「保護しサポートしてあげなければならない対象」としか考えていないことに他ならない。されば「公明党は日本のセーフティーネット」(safety net:安全網、保護システム)と銘打っているのも、はたと納得がいく。

 このような考えを「名もなき庶民」は「傲慢」と呼ぶのである。

「偉そうな政治家と僕は違います」……。なるほど、確かに違う。福永県議の精神の偉ぶり方は、他の政治家を圧倒し突出している。


現職県議がこんな調子だから
純粋な運動家に悪影響が出るのだ

 福永県議の「時局のあいさつ」に抱いた本紙の感想を「感受性の相違」と片づける向きもおられよう。だがこの文面に書かれているのはそれほど単純なものではない。

「投票干渉」という選挙違反をご存じだろうか。耳慣れない言葉だがれっきとした犯罪行為である。公職選挙法第228条を引用してみよう。

(投票干渉罪)
第228条 投票所又は開票所において正当な理由がなくて選挙人の投票に干渉し又は被選挙人の氏名(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、政党その他の政治団体の名称又は略称)を認知する方法を行つた者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。

 今回の統一地方選、まずは四月十三日に行われた広島県議選呉市選挙区で創価学会の婦人部員が投票干渉により逮捕されているのだが、奇妙なことにインターネットで「投票干渉」という単語を検索すると、なぜか公明党支持者によるものが圧倒的に多く目につく。

 なかでも圧巻なのは、プロレスラーの大仁田厚氏やタレント大橋巨泉氏らが当選して話題となった、平成十三年(01年)七月の参議院選挙。地方紙などで報道されただけでも公明党関係の逮捕者は十一府県十三人にも上っている。まるで投票干渉の全国展開・全国同時多発なのだ。

 そのうち十県(宮城、埼玉、千葉、神奈川、富山、滋賀、岡山、広島、徳島、佐賀)までは、お年寄りや身体の不自由な人を不在者投票に連れ出し、公明党候補者の氏名を書いたメモを持たせ投票を指示する、という同一の方法が用いられた。

 一部の政党がこれまで選挙の際、「得意ワザ」としてきたとされるのは、「選挙直前・集団的住民移動工作」。立候補者のいない地域から住所を移して投票し、選挙がおわるとこっそり元にもどして何食わぬ顔、という作戦である。

 選挙に詳しいある関係者は語る。

川越市県議選挙開票結果(西8区)
候補者名
所属政党
得票
渋谷実
自民党
26,204
矢部操
民主党
21,101
池田まさよ
社民党
7,816
福永信之
公明党
26,131
守屋裕子
共産党
14,698


「具体的な数字はまだでていないが、今回の統一地方選でも、三ヶ月前までの一年間をかけて埼玉およびその周辺都市から、川越市に向かって相当数の住民移動(住民票の移動)があったよ。もっとも法では規制できないし、選挙ではよくあることなんだが」

 本紙はもちろん、公明党が選挙違反をしていると主張するつもりはない。

 福永県議およびその支持者が「投票干渉を働いた」と主張しているのでもなければ、公明党の政策に対し全面的に反対するつもりもない。真に市民に資する賢明な政策を掲げ邁進するのであれば、公明党であれ共産党であれ反意を表明する必要など、本紙にありようはずもない。

 政治的にも人間的にも誠実な公明党議員、党員、創価学会員がいることも承知している。

 だが創価大学法学部一期を卒業後、公明新聞記者として二十年を経た三期目の現職県議・福永信之氏。いわば公明党生え抜きのエリートだ。その彼が投票干渉の告白かと見紛うような「時局のあいさつ」を美談として悦に入っているのである。

 候補者がこの調子では、選挙運動の最前線で活躍しなければならない運動家たちの選挙常識が希薄になったところで、誰が責められよう。「福永県議の時局あいさつを聴いて」影響を受け、「純粋に善意から」結果的には本当に投票干渉罪を犯してしまう、未来の選挙運動家たちが出現しないとは誰も言えまい。

 現職県議がこんな調子では、選挙を懸命に支える運動家たちが可哀相だ。

 本紙の関係者にも公明党員がいる。福永氏の「時局のあいさつ」は党のレベルを押し下げている。まるでこれでは、公明党とは何でもありの党に見られてしまう。公明党の政策レベルは高いのに「投票干渉」の誤解を受ける行為は避けるべきだ、と怒っているのが現実である。


自自公・自公保連立の申し子、登場

「時局のあいさつ」はこのあとも続き、後半部では元公明党埼玉川越市議団長・水口和夫氏を敬称もつけずに、「死んでも忘れません」と裏切り者呼ばわりする一面も。

 そしてこの時局講演会を、あたかもバーゲンセールのブランド品のようにを飾りたてるたのは、五人の政治家だ。「土屋義彦埼玉県知事」「太田昭宏公明党幹事長代行」「中野清衆議院議員」「山口泰明衆議院議員」そしてわが川越市の「舟橋功一市長」……お歴々がずらり雁首を揃えている。

 それにしても不思議な図である。公明党川越市議予定候補七氏までが壇上に上がった同党現職県議の時局講演会で、現職の自民党衆議院議員が二人。県知事は平成八年六月の知事選こそ無所属出馬ではあったが、自民党最高顧問も務めている。

 そしてここに、今回の埼玉県議選・西八区を読み解く鍵がある。福永県議の「時局のあいさつ」の薄ら寒さを嗤うだけでは済まされない。そこに融けているのは、埼玉県西第八区のグロテスクな政治力学である。

 いくら自公保連立とはいえ、自民党の現職議員・中野氏がなぜ、「これが公明党なんです!」を連呼する、同党色濃厚な現職県議の時局講演会に来賓として出席しているのか。

 おかしいではないか。同じ公明党で埼玉出身の高野博師氏や浜田卓二郎氏(ともに参議院議員)は出席していないのだ。

 まず、過去を振り返り、中野清という人物を凝視しよう。平成十二年の衆議院議員選挙に至る、数年分の経過である。


 
公明党に媚びる節操なき中野清氏に翻弄された
小宮山家の悲劇

 当選十一回を数え田中内閣時代には郵政大臣を勤めた自民党の重鎮、小宮山重四郎氏(平成六年十一月没)。 急逝した重四郎氏の跡を継ぐべく立ち上がったのは次男の小宮山徹氏である。父の秘書を務め、政治家見習いをしてきた徹氏は自民党の公認を得、平成八年(96年)十月、埼玉七区から衆議院選挙に立候補した。

 だが徹氏は破れた。徹氏に三万票あまりの差をつけ、中野清氏が衆院選初当選を飾ったのである。三期連続で埼玉県議を務めた旧新進党の「新人」であった。

 川越の名家である和菓子の老舗を実家とする中野氏は、強固な地盤をもとに昭和四十六年、川越市議会議員に当選して以来、川越市議会副議長、埼玉県議三期を経ての初勝利となった。

 このとき小宮山徹氏三十四歳、中野清氏は六十歳。

 中野氏はその後、平成九年十二月の新進党解党後、小沢自由党には合流せず改革クラブへ合流。ここで公明党との露骨な馴れ合いを演じている。

「衆議院会派」(=公明党・改革クラブ)の国会対策委員会(国対)の副委員長となったのである。委員長は現・公明党副代表の草川昭三氏。

 ところで「会派」とは何か。

 国会は厳密には政党ではなく、すべて会派単位で動いている。会派とは政党ではなく、国会で活動をともにする議員の「括り」。衆議院では公明党と改革クラブ(ともに政党)が「公明党・改革クラブ」という会派を組み、また参議院では民主党と無所属議員で「民主党・新緑風会」という会派が組まれるという調子である。

 会派の目的は議事から庶務まで、国会内の「交通整理」をすること。各委員会での委員長ポスト、各議員の発言時間、控え室の広さまで各会派の議席数によって決められる。本来ならば議長、副議長、各委員会の委員長等は選挙で決めるのがルールだが、四百八十名の衆議院議員でその都度選挙を実施するのは事実上困難であるため、会派が機能しているのである。
 衆議院会派「公明党・改革クラブ」の草川国対委員長は当時、中野氏を「本当に頼りになる相棒です」と褒めちぎっている。

 政界関係者はあきれる。

「いくら自自公連立とはいえ、ベタベタぶりがここまで露骨なのは、ちょっと見たことがないねえ」

 いっぽう四年後の衆院選を控え、小宮山徹氏も出馬を予定していた。だが氏の計算を狂わせる出来事が起こる。

 平成十一年(99年)十二月、中野氏が改革クラブを離党。自民党に復党するという節操のなさを見せたのである。

「自民党本部が中野氏の入党を認めるはずがない」……こう考えた徹氏の予想は見事にはずれ、自民党本部は中野清氏の入党届を、改革クラブ離党の翌日に受理したのだ。

 元自民党だった男。旧新進党から改革クラブへと公明党べったり路線を突き進み、「自自公」連立政権発足に便乗し、公明票と「縁結び」して自民党へ舞い戻った調子のよい男。そして現在、福永県議とまるで相思相愛の仲である中野清氏……この人物に「一貫した政治理念」というものはない。

 平成八年の衆院選で父の跡を継ぎ自民党の公認を得たのは徹氏だ。だが自分を破って当選した現職議員が、こともあろうに自民党入りした。これでは次期衆院選で公認を得るのは無理だ……。このため徹氏は出馬を断念し、「女性である泰子氏のほうが票を見込める」として小宮山家のバトンを妹に託した。


平成十二年六月の陣
兄の雪辱戦に臨んだ、果敢な妹

「妹」とはいうまでもなく元埼玉県議会議員・小宮山泰子氏である。

「自民党の公認を得て、保守本流の戦いをしたい」

 中野氏の自民党復党により激化する公認争い。だが同年四月、中野氏が埼玉県第七選挙区(川越市、上福岡市、富士見市)支部長に就任し公認を獲得することで決着を見た。「現職優先」の論理が働いたのである。

 運も中野氏に味方した。

「あのとき小渕首相(田中・竹下派)が"生きて"いたら、小宮山泰子を公認しただろう」。こう語る政界関係者もいる。

 公明党は中野氏を推薦した。まさに中野氏の計算どおりである。

 これに反発する泰子氏は一歩も引かぬ姿勢で無所属立候補を決意し、平成十二年六月の埼玉県第七選挙区は「保守・自民分裂」の様相を呈したのである。

 昭和四十年生まれの彼女は今年で三十八歳。有名女優だった故・新珠三千代の妹を母に持ち、慶大卒業後NTT勤務を経て父の下で秘書を務めた泰子氏は、これまでに埼玉県議を二期経験してきた。平成七年(95年)四月、二十九歳にして埼玉県議会に初立候補し当選。四年後の二期目では最高点当選をなし得た、華麗な経歴の持ち主である。

 泰子氏は亡き父の地盤に加え、若い支持者を取り込む戦略を取った。

 だが泰子氏に勝利の女神は微笑まなかった。結果は次点。

 当選を果たしたのは、またしても中野清氏であった。得票数は中野氏が76,366票(34・5%)を獲得。泰子氏は53,324(24・1%)で二位であった。

 保守分裂選挙の趨勢を決したのは三万票の公明票と言われた。「党公認」を訴えることで自民系の組織票をさらった中野氏が、持ち前の強固な地盤に加えて取り込みに成功したのが案の定、この公明票だったのだ。得票率34%。「公明党べったり路線の、名ばかりの自民党議員」の勝利であった。

 朝日新聞西埼玉版は当時の泰子氏の言葉を、こう記している。

「もし、あの票(本紙註:公明票)がなければ、違った結果になっていた。悔しいといえば、悔しい。しかし、当選できないから付き合うとか、媚びようとは思わない。そうなったら政治家ではない」。

「WINWIN」(女性候補者支援組織)推薦候補の中では唯一、敗北を喫したのが彼女であった。だが泰子氏は民主支持層に浸透していたため、いまでも「『民主公認』なら勝っていた可能性は高い」との声も聞く。 

 泰子氏は翌年の平成十三年(01年)七月、自由党に入党。

「自由党は『まず連立ありき』ではないところが良かった。政策面でも共通することが多い」

 そして同党公認を得て参院選選挙にも出馬。だがまたもや落選の憂き目を見たのである。

 しかし故・重四郎氏の背中を見て育った泰子氏である。その根性は半端ではない。

「私の政治信条は『保守本流』そのままです」……。

 彼女は現在、自由党埼玉県第七総支部会長を務めている。埼玉県七区の「台風の目」はいま、日本大学大学院で国際情報を専攻しながら、来年の衆議院議員選挙へ向け爪を研いでいる。

 選挙予測は本紙の埒外にある。だが実際問題、次期衆院選の展望はどのようなものだろう。中野氏にとって、小宮山泰子氏の存在は今後の脅威となり得るのか。

 前出の政界関係者がつづける。

「小選挙区の比例第一をとれば、小宮山氏が甦る可能性がある。なにしろ民主党と自由党が組めば、公明票に近づくんだ。中野氏にとっては十分に脅威となり得る数字だよ。川越市はともかく、上福岡市や富士見市では票数から言えば小宮山氏の方が強いしね」


無節操な中野議員の仁義なき戦い
小宮山を乗っ取り渋谷を捨て

 泰子氏を迎え撃つ中野氏が、次期衆院選のために打った布石……それが、福永県議の「時局のあいさつ」に中野氏が登場する、ひとつの理由である。

 選挙事情に詳しいある関係者は語る。

「今回の統一地方選で中野議員は、自民票を公明党に流したんだよ。自民から福永氏に流れた票は四千から五千といわれている。その理由?もちろん次の衆院選を狙ってのことだ。これは実質的には、同じ自民党から出馬した渋谷実潰しだったと言っていい。つまり渋谷議員は『捨てられた』。だが渋谷氏は独自で選挙を勝ち抜いてトップ当選を果たしてしまったんだ」

 読者諸氏は、もはやこの話に奇異を感じることはなかろう。衆議院議員・中野清という人物にとって、選挙とは「票の貸し借り」でしかない。

「父の時代から四十年以上、埼玉県西部で保守本流の火を守ってきたのは小宮山家」……。小宮山泰子氏は現在の所属政党こそ自由党ではある。だがこの「自由党の小宮山」こそが「本当の自民党」であることは、これまでの経緯でもお分かりいただけよう。

 だが現在、川越市で自民党といえば、公明党に媚びる中野清氏だけになってしまったのだ。
 泰子氏を強力にサポートするのは「埼玉文化クラブ」。「政治家の後援会」というより、むしろ一種のファミリー的な雰囲気をもつこのクラブは彼女の母親が最高幹部をつとめている。

「旧小宮山系の三万六千票ほどあるだろう」。前出の関係者が語る。

「にもかかわらず小宮山家が現職議員を輩出できない理由は二つある。ひとつはもちろん、中野氏が自民票を根こそぎ横取りしたこと。もう一つは……」

 現職議員なき「埼玉県西部の保守本流」小宮山家の悲劇を語るには、公明党べったりの中野衆院議員に加え、もう一人の人物にご登場願わねばなるまい。

 先の選挙で21,101票を獲得(第三位)、県議二期目の当選を決めた民主党の矢部節氏である。


小宮山を飛び出した男・矢部節県議と
福永県議、中野衆院議員を結ぶ線

「そもそも秘書ってのは、議員(オヤジ)を恨むものだよ。苦労が多いなんてもんじゃない。仕えている間は自分のすべてを擲って、口は堅く閉ざして堪えなければならないからだ。どれほど煮え湯を飲まされるような状況にあってもね。だから重四郎氏のお葬式で香典を着服しようと、『積年の労苦への対価』という意識なんだろうな。小宮山側が訴えを起こさないのはいわば『口封じ』の意味もあったろう。もっとも、矢部氏本人は否定しているがね」

 川越選挙事情に詳しい別の消息筋はこう語った。

 かつて故・小宮山重四郎の秘書であった矢部氏は重四郎氏没後、小宮山家を飛び出し平成七年(95年)四月、埼玉県議選に初出馬した。同じく初出馬した小宮山泰子候補との「身内の争い」が、当時二十九歳の小宮山氏の勝利という決着を見たのは前述のとおりである。さらに平成十一年(99年)、矢部氏は二度目の出馬にまたも落選。二期目の泰子氏はこのときトップ当選を果たしている。

 平成十三年(01年)七月、民主党の公認を得た矢部氏に「三度目の正直」がめぐってきた。県議補選にて初当選を飾ったのである。

 面白いことに、中野清後援会の一部幹部は、矢部後援会会員でもあるという。

「一番の理由は地域性だろうね。農協関係者をはじめ農家の人が多いし。それに中野氏が矢部氏に色目を使っているという噂も聞く。矢部氏は、まあ八方美人というか、喧嘩はしない性格だしね」(消息筋)

 ところで三月、初野敬彦前助役による偽計入札妨害事件を捜査していた埼玉県警の捜査二課長が配置換えされたのは記憶に新しい。初野前助役をはじめ三光建設・栗原元会長、辰己総設社長・福田らが逮捕され、舟橋市長の逮捕も間近かと言われていた。だが栗原元会長が「尚美学園問題」についても自供を始めているとの情報がもたらされた矢先、捜査二課長の配置換えにより、捜査は歯止めをかけられたのである。

 初野前助役の裁判を傍聴したマスコミ関係者は証言する。

「あのとき、公判検事はやる気満々だった。だが取り調べ検事の方はやる気なし。弁護団に及んでは初野前助役に『いやいや、初野さん悪かったよ』と詫びまでいれていた。その挙げ句には捜査二課長の移動。奇妙だね」

 矢部氏は尚美学園問題にからみ、捜査の進展を望んでいなかったという「噂」がある。そしてこの噂の線上におぼろげな輪郭を見せるのが、福永氏である。

 福永氏は今期三期目。川越市(西08区)出身の県議では最古参である。「オール与党」の川越市体質そのままに、党派を超えて矢部氏に配慮できる立場にいる。

 また福永氏は埼玉県議会委員会のうち、公明党議員団副幹事長として警察委員に名を連ねている。

「警察委員は一年に一回変わるが、委員長ポストそのものは公明党が押さえているんだ」(消息筋)

 確かに一昨年度は埼玉県議会公明党議員団・団長の青木俊文議員が、また昨年度から現在にかけては副団長の高橋幸寿議員が委員長ポストに就任している。

 もし、警察委員長が県警本部長に何らかの「指示」を出したとしたら……。真相は闇の中である。

 先の消息筋は、こんな話も披露してくれた。

「埼玉県議会の民主党は現在、事実上の分裂状態にあるんだ。例の首長四選禁止問題さ」
 民主党は、地方自治他の首長の連続四選を禁止する条例を「各自治体独自に制定できる」とし、公職選挙法改正案をまとめて国会に提出する方針だ。民主党の改革姿勢のアピール、とも呼ばれるこの国会法案提出をめぐって、いま埼玉県議会の民主党内では意見が真っ二つに割れているのだ。

「四期目もやりたい。よろしくお願いします」……。無投票三選を決めた現川越市長・舟橋功一氏。新清掃センター建設計画問題、はては疑惑の尚美学園問題と、先の偽計入札妨害事件を契機として刻々明らかとなった市長の「黒いファミリー・ビジネス」の構図は、本紙がこれまで数回にわたってお伝えしてきた通りである。

 だが「川越市政史上最悪の市長」はこの期に及んで、虎視眈々と再選の機会を狙っているという。四選のための協力を求められた某市議は「舟橋って男は、いったい何なんだ?自分が他人からどう思われているのか、わかっているのだろうか」と呆れ返っているのが実情だ。

 多選禁止については公職選挙法に制限規定がなく、また基本的人権である被選挙権を制限することから憲法上の疑義も指摘されている。だが衆議院法制局の判断にも示されているように、知事多選禁止は十四条の平等原則、十五条の普通選挙の保障、二十二条の職業選択の自由、九三条一項の直接選挙権のいずれの条文にも抵触するものではなく、むしろ民主主義の本質に沿うもので憲法の趣旨に合致すると積極的に評価されている前例さえあるのだ。

 民主党保守系の矢部氏は「四選禁止には反対」をアピールするため、「民主党系の新しい会派」に合流している。

「そうやって矢部議員は、市長の四選を阻止する立場ではないことを宣伝しているんだ」。


50%に満たない川越市の市内業者発注率!
平成十四年度完全版・川越市公共工事の市外発注状況を公開

 本紙は昨年十二月号にて、暫定的ではあるが平成十四年四月〜十月にかけての川越、所沢、さいたま、越谷の各市における「発注状況」を公開した。

 本号で公開するのは平成十四年四月〜平成十五年三月まで、つまり平成十四年度の完全版である。川越市の市外業者発注率が、他市と比較して如何に常軌を逸しているか、じっくりとご覧いただきたい。

 川越市の市内業者発注率は、50%に満たないのである!何たる地場業者いじめ。何たる冷遇ぶり。まさに言葉を失う。川越市は地場業者に恨みでもあるのだろうか。

川越市発注状況(平成14年4月〜平成15年3月)  単位=千円
業種
発注機関
市内業者発注分
市外業者発注分
  件数 総額 件数 金額 件数 金額
土木 123 2,240,291 96 1,261,948 56.3% 27 978,343 43.7%
建築 47 1,316,295 46 796,895 60.5% 1 519,400 39.5%
舗装 38 253,617 38 253,617 100.0% 0 0 0.0%
造園 74 352,139 73 351,255 99.7% 1 884 0.3%
下水道 18 385,340 14 259,790 67.4% 4 125,550 32.6%
機械器具設置 29 2,156,495 17 237,395 11.0% 12 1,919,100 89.0%
電気 36 584,477 30 235,052 40.2% 6 349,425 59.8%
空調 14 60,920 11 38,520 63.2% 3 22,400 36.8%
土木設計 84 294,709 33 77,221 26.2% 51 217,488 73.8%
建築設計 12 63,935 8 34,795 54.4% 4 29,140 45.6%
総計 475 7,708,218 366 3,546,488 46.0% 109 4,161,730 54.0%

越谷市発注状況(平成14年4月〜平成15年3月)  単位=千円
業種
発注機関
市内業者発注分
市外業者発注分
  件数 総額 件数 金額 件数 金額
土木 84 1,513,776 80 1,461,626 96.6% 4 52,150 3.4%
建築 27 345,355 25 280,405 81.2% 2 64,950 18.8%
舗装 7 41,000 6 35,050 85.5% 1 5,950 14.5%
造園 25 357,370 25 357,370 100.0% 0 0 0.0%
下水道 24 897,015 22 863,419 96.3% 2 33,596 3.7%
機械器具設置 14 187,750 10 89,600 47.7% 4 98,150 52.3%
電気 10 605,050 9 590,050 97.5% 1 15,000 2.5%
空調                
土木設計 50 196,180 33 88,570 45.1% 17 107,610 54.9%
建築設計 4 18,650 2 8,000 42.9% 2 10,650 57.1%
総計 245 4,162,146 212 3,774,090 90.7% 33 388,056 9.3%

さいたま市発注状況(平成14年4月〜平成15年3月)  単位=千円
業種
発注機関
市内業者発注分
市外業者発注分
  件数 総額 件数 金額 件数 金額
土木 239 6,566,197 232 5,500,997 83.8% 7 1,065,200 16.2%
建築 97 6,282,990 85 5,118,140 81.5% 12 1,164,850 18.5%
舗装 26 198,830 26 198,830 100.0% 0 0 0.0%
造園 18 248,580 18 248,580 100.0% 0 0 0.0%
下水道 134 4,244,464 129 4,041,764 95.2% 5 202,700 4.8%
機械器具設置 41 2,751,940 33 1,710,220 62.1% 8 1,041,720 37.9%
電気 32 1,873,810 29 1,763,010 94.1% 3 110,800 5.9%
空調 22 267,670 19 134,970 50.4% 3 132,700 49.6%
土木設計 197 1,111,522 130 523,332 47.1% 67 588,190 52.9%
建築設計 31 343,207 26 166,367 48.5% 5 176,840 51.5%
総計 837 23,889,210 727 19,406,210 81.2% 110 4,483,000 18.8%

所沢市発注状況(平成14年4月〜平成15年3月)  単位=千円
業種
発注機関
市内業者発注分
市外業者発注分
  件数 総額 件数 金額 件数 金額
土木 49 1,675,820 42 1,541,200 92.0% 7 134,620 8.0%
建築 26 494,076 26 494,076 100.0% 0 0 0.0%
舗装 28 457,500 27 425,800 93.1% 1 31700 6.9%
造園 18 73,780 17 70,780 95.9% 1 3000 4.1%
下水道 21 785,820 17 683,820 87.0% 4 102,000 13.0%
機械器具設置 18 219,095 4 121,340 55.4% 14 97,755 44.6%
電気 17 186,490 11 150,890 80.9% 6 35,600 19.1%
空調 5 53,050 4 51,850 97.7% 1 1,200 2.3%
土木設計 35 136,910 26 75,350 55.0% 9 61,560 45.0%
建築設計 8 96,375 7 95,940 99.5% 1 435 0.5%
総計 225 4,178,916 181 3,711,046 88.8% 44 467,870 11.2%

埼玉県発注状況(平成14年4月〜平成15年3月)  単位=千円
業種
発注機関
県業者発注分
県外業者発注分
  件数 総額 件数 金額 件数 金額
土木 2472 114,076,177 2420 91,721,377 80.4% 52 22,354,800 19.6%
建築 215 10,726,026 208 10,077,656 94.0% 7 648,730 6.0%
舗装 417 5,102,185 410 5,060,145 99.2% 7 42,040 0.8%
造園 353 1,750,236 353 1,750,236 100.0% 0 0 0.0%
下水道 48 2,586,360 48 2,586,360 100.0% 0 0 0.0%
総計 3505 134,240,984 3439 111,195,774 82.8% 66 23,045,570 17.2%


 さいたま市の土木工事。総額約238億の発注工事のうち、市内業者が81.2%を受注しており、市外業者の受注割合は18.8%と、およそ八対二の割合である。

 越谷市は市内業者分90.7%に対し市外業者分は9.3%で約九対一。

 所沢市は市内業者分88.8%に対し市外業者は11.2%で、同じく約九対一。

 どの市もみな、最低でも市内業者が80%を占めている。

 ところが、川越市の場合はどうだろう。明らかに異常と言わざるを得ないパーセンテージがここに展開されている。同じ土木工事のうち、市内業者による受注割合はなんと46.0%、そして市外業者は54.0%に達しているのだ。

 平成十四年十月までの集計では、川越市の建築工事における市内発注率は100%だった。だがそれは四月から十月までの半年間に行われた工事が46件、金額にして約五億七千万円であり、一件あたり約千二百万の小規模改修工事ばかりで、大規模工事が含まれていなかった数字である。

 だがこの輝かしくもいじましい数字でさえ、十一月以降には無残にも変貌している。

 川越市発注状況のうち、「機械器具設置」は89%。断突の市外発注率だ。これについてある市内建設業界関係者は語る。

「市内では優秀な設計業者がなかなか見つからない、というのは致し方ない。だがそれでも極力、市内業者を使う方向で考えるべきだ。JV方式(ジョイントベンチャー:共同企業体) にするべきではないのか」

 先のAクラス二十社談合事件を踏まえ、川越市内の建設業者「高橋土建」は川越市建設業協会から脱退した。

「わたしは反省して(協会を)抜けました」……。公正取引委員会に「反省の姿勢」を見せるたの、いわば「公取委向けの顔」である。

 川越市建設業協会とは任意団体だ。その最も大きな目的は災害対策にある。「災害時など緊急時に業界各社が協力体制を組み市民に資する」役割の大きさが、建設業界ほど求められているところはない。川越市もその存在意義を認めているのだ。

 だが、高橋土建はその「協会」を脱退した。これはすなわち災害時協力体制の拒否であり、「いざ有事の際にも、市民には協力しません」と宣言しているに等しいのである。

「その高橋土建にも川越市は指名に参加させ落札の機会を与えている。川越市の血税を『工事』という名目で与えているんだ。任意団体を脱退したとて違法ではない。だが道義的には大きな問題だよ」

 本紙が昨年十月号で詳細にお伝えした「悪質営業所業者」問題。本紙インターネット版である「インターネット行政調査新聞」には、川越市内に存在するすべての営業所業者に対し、実際の営業所の実態を克明に撮影した写真を公開している。

 だが、川越市はこの問題についてもまったく動いていないのだ。

「これ以上、悪質営業所業者、不良不適格業者を野放しにしたまま入札に参加させるのなら、今度はわれわれが建設業法違反で、川越市を警察に告発する」。

 市内業者の怒りはまさに沸点に達しているのである。

 川越市の市外業者発注率54.0%。

 何度見ても目を疑う数字である。まさに空前の数字といえる。だが「絶後」ではない。その理由を、川越市政に詳しい消息筋はこう語った。


川越市は頭がおかしいのか、それとも……
完全に常軌を逸した数字の「本当の理由」

「簡単なことさ。地元業者を優遇しても自分たちの利益にならないんだよ」

 消息筋は語る。

「どことは言わんがね、『政党関係者』といえばわかるだろう。強力な組織票を持つ党や、労働組合に強い党などだ。役所の『政党関係者』というのは一般的に、保守はいるものの自民党関係者はほとんどいないのが普通なんだ。たとえば川越市役所には公明党関係者、まあ『隠れ公明党』とも言うべきかな……これが三分の一近くいる、と言われている。

 そういう政党関係者が、市外業者を入れるよう契約課に圧力をかけているんだよ。理由? 決まっているじゃないか。自分たちの勢力拡大のために、だ。執行部にしてみれば公共工事が安く上がればそれでいいわけだし。地元業者を『いじめ』ている意識すら持っていないんじゃないかな。実態を知る市議連中だって、だんまりを決め込んだ方が有利なわけだし。共産党も与党化、オール与党なんだよ川越は。だから誰も文句も言わない。川越市ってのは、本当に特殊だよ」

 それが事実であれば由々しき問題どころではない。この消息筋は続けた。

「初野前助役はもともと市長選に出馬しようとしていた。公明票が取り込める目算があったんだ。その前助役の系譜を引く人事はいまだに川越市役所に残っている。各部長級などにね。そういうラインが、矢部氏にもつながっていくんだ」


渋谷県議に聞く

「この数字を、いったいどう思いますか?」

 本来ならば県会議員に聞くべき類の問題ではないのだろう。だが本紙の再三にわたる告発に対し手を拱いてばかりいる無能無策な市議にあきれた記者は、トップ当選を果たした渋谷実氏にこの現実を突きつけてみた。

 渋谷県議も憤懣を隠さなかった。

「余所の市町村でできることが、なぜ川越ではできなんでしょうね……。私の政治哲学は『百の論より行動』なのです。ここで議論を尽くすより、ともかく私は、川越市の発注状況については、他市町村と同様の『常識的な数字』をもたらすよう尽力するつもりです」

 昨年のAクラス二十社による談合事件。川越市が当初、予定していた指名停止期間は実は六ヶ月であった。だが「業者におもねるのではなく、業者の困窮状況を冷静に見つめた場合、六ヶ月の指名停止期間では地元業者は全滅してしまう」との強い懸念を抱いたのは、ほかならぬ渋谷県議であった。

 行政が大づかみに六ヶ月も指名停止措置を行うのは如何なものか。談合をやらざるを得なかった、という経緯も見る必要があるのではないか。一方的な行政の制約を看過することはできない……。

 渋谷県議は川越市に訴えた。

「地場業者の立場に立ち、地場業者の悪いところを改革すると同様、行政に対しても地場業者の健全な育成に尽力するようにするのが、私の立場です」。

 本来、市に対しては何の肩書きも持っていない渋谷県議が指名停止期間について意見し、これを受けた川越市が指名停止三ヶ月の断を下したという一連の経緯は、本紙記者が確認した事実である。

「両助役が就任という形で市政の形が正常化されたので、これからは川越市の異常事態も徐々に終息し、正常化に向かうでしょう」。

 渋谷県議は、最後にこう付け加えた。

「本音で物言えば損をすることもあります。しかしながら『だんまりを決め込んでいたほうが有利』というのは、選良にあるまじき姿勢です。『結果の正常化のために、論を唱えるより行動する』……私のこの姿勢が、トップ当選へと繋がったと信じています」


新市議に期待

 本紙はこれまで再三にわたって「市議よ、しっかりせよ!」とその無能無策を叱責してきた。しっかりするための「具体策」すら、本紙は豊富なデータとともに提示してきた。

 だが彼らは動かなかった。川越市が悪質営業所業者をどれだけ野放しにしようと、市内業者をどれほど冷遇しようと、初野元助役の退職がどれほど違法性の強いものであろうと、問題意識すらなき川越市会議員。オール与党、「物言えぬ羊の群れ」と化した総勢四十名の彼らが得ている年収入は、一人当たりおよそ一千万。「年収三百万円時代」と言われるこのご時世に、ともすると定年退職した高齢者が一千万円の年収を手にすることができるのである。

川越市会議員の年収等
年報酬額 \6,912,000 (576,000×12ヶ月分)
期末手当 \3,144,960 (576,000×1.2×4.55カ月分)
各種審議会報酬 \220,800 (1日6,900円×32日)
費用弁済 \147,900 (1日2,900円×51日)
合計 \10,425,660  
他に政務調査費として議員一人当たり月額8万円を会派に交付。

 保守系新人が健闘した今回の市議会議員選挙。当選者名簿を見れば「川越市、いまだ金権政治横行か」の感が強い。得票数上位に農村部出身が多いのだ。また川越市役所の元部長、自動車教習所教官も見える。元の職業を俯瞰すれば、市民にどれほど貢献できるかの見当もつくというものだ。

 昨年四月、議員一人あたりの「政務調査費」がこれまでの月額六万円から八万円にアップした。二万円の上げ幅を「市長からのおみやげ」とする噂もちらほら。政務調査費は会派に支給されるものだが、一人会派ならすなわち月八万円の余禄となる。

 それゆえ、新選出議員のなかで本紙の眼を引いたのは小野澤康弘氏の公約である。▲財政支出を見直し、無理・無駄のない予算づくり▲議員定数削減▲議員報酬の削減▲議員定年制の実現▲収入と支出を市民にガラス張り公開……これらが本当に実現してはじめて、伏魔殿・川越市はようやく「行政が正常に機能する、普通の市」の姿を取り戻すことができるのだ。

 返り咲いた中原秀久氏にも期待がもてる。

 そして何より心強いのは、菊池実市議が再選されたことである。お得意のパフォーマンスもさることながら、本紙とは立場も考え方も異なる市議だ。

 だが、少なくとも菊池実という人物は、羊ではない。まごうかたなき狼である。

 

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