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arrow川越市・新市庁舎建設計画問題
議会をないがしろにする「ご乱心」舟橋市長・最後の暴走に
陰で尽力する共産党は舟橋「協賛党」!
こんな「低レベル市政」に市民はいつまで翻弄されねばならないのか!

舟橋市長の爆弾発言に「眠れる市議会」がついに反旗を翻した! 議会の意向を無視した市長の唐突な思いつき発言ともいえる「新市庁舎川越駅西口移転」計画に、川越市議会は特別委員会を結成したのである。

一職員の横領は追及しても、「学校乗っ取り・補助金不正受給疑惑」に代表される舟橋市長の疑惑にも、書類送検にすら見て見ぬふりの市議会……。あるいは市議の1人が埼玉県の元行政トップとグルで「県住笠幡団地計画」をでっちあげ、自分が持つ二束三文の山林を県に約8億円で買い取らせようとも……はたまたその市議が第三セクター・川越都市開発で異常な金額の接待交際費を蕩尽しようとも、ひたすら沈黙を守ってきた「オール与党の“死議会”」が、舟橋市長の「思いつき市庁舎移転計画」に対し、ついに「待った」をかけたのだ。その最大の功労者は中原秀久市議。特別委員会設置を歓迎しない一部市議らの動きを封じての成果であった。

yellowbox 出来レースか?低俗なパフォーマンスか?
会期最終日に「最大会派代表の質問に市長が答弁」
「殿ご乱心」を誘導するかのような新井市議の「質問」

 まずは舟橋市長の爆弾発言を振り返りつつ、その問題点をピックアップしてみよう。新井市議と市長との「絶妙な掛け合い」が浮かび上がってくる。この日の質疑が出来レースと言われるゆえんである。

「私ももうある程度任期が来ておりますから、これはもう今後どうするかは別といたしましても、やはり決断をもってこれはやらないとだめだということで、これは私の人生最後の事業になると思うのですが、ぜひとも川越市に新しい市役所をつくりたい……」

 内容の重さに較べ、その発言自体はあまりに唐突だった。昨年9月の川越市議会定例会(平成19年第5回定例会)会期中に舟橋市長が述べた、川越市庁舎をめぐる「川越駅西口新庁舎計画」発言である。おそらく市議のほぼ全員がこの日、いや会期中にさえ、こんな発言が市長の口から出るとは予想さえしなかった。まさに「降って湧いたような」話であった。

 9月議会第16日目(最終日)を迎えた18日、新井喜一市議が珍しく一般質問の席に立った。古参議員ながら質問数がきわめて少ないことで有名な同市議が質問のテーマとしたのは、川越市役所(本庁舎)の地震対策について。「本庁舎の耐震診断」「耐震改修の費用対効果」「大地震に見舞われたら本庁舎はどうなるのか」と問題を列挙し、あげくには、

きょう現在、政治的決断をするべきだというふうに私は思いますが」(平成19年第5回定例会本文より原文ママ。下線は本紙。以下同様)

と、まるで後続する舟橋市長の「電撃答弁」を誘導するかのような内容で、今期最後の質問を締めくくった。

 この新井市議の質問を受けたかたちで舟橋市長は「大変重要な問題の回答をすることになりました」と前置きしたかと思いきや、突如として堰を切ったように「川越駅西口・市庁舎移転」について自説をブチあげたのである。まず本庁舎の耐震性について、市長は次のように言い放った。

「(現市庁舎について)もう震度6になったら無理だろうと、これ全部崩れるだろうと思っています。私は市長室4階から急いで逃げ出さないと潰されると、こういうふうに思っているのです」

 平成7年度に実施された耐震診断結果から、現市庁舎の構造耐震指標(IS値)は0.6と判定された。自治体の庁舎を防災拠点として利用する場合、要求される強度はIS値0.9が通常とされる。つまり現市庁舎は防災拠点としては活用できないものの、すぐに倒壊する恐れはなく災害時の避難場所としては問題ない数値なのだ。事実、民間の同規模建物であれば0.6は安全な値とされている。「4階から急いで逃げ出さないと潰される」とは、あまりに大げさ。というよりこの恐がりようもまた、舟橋市長がもちいた「演出効果」のひとつ……つまり「耐震性不備という逼迫した事態」に対し、自らの任期残り時間でなんとか間に合わせなければならない、と思わせる幼稚な演出と考えるのが妥当であろう。

 そして「IT時代への対応」というお決まりの理由から「8億円をかけて現市庁舎を改修すること自体が無理である」と決めつけたうえ、

きょう初めて申し上げるのです。(市庁舎は)少なくとも川越駅西口に移転しなければだめだと、こう思っています」

と、出しぬけに「川越駅西口」が移転先として浮上したのだ。川越市が県と共同で西口に進めている「地域振興ふれあい拠点施設整備事業」に市役所機能を導入するプランは、市長自身が「難しい」と述べている。だが市長は、同じ西口にある約8100uの市所有地に目をつけた。この土地、これまで有効活用されないまま、無料駐輪場(約4319u)および自由広場(約3792u)として暫定利用されるに甘んじてきたからである。

yellowbox 民間に建てさせて一部を分譲マンションにすれば
百億円の建設費とランニングコストを未来永劫タダに?
「こんなマジックを使えるのは私だけだ」と言わんばかりの幼稚なハッタリ

「費用はなるべく一銭もかけないで市役所をつくる方法を考えなければいけません」と市長は続けた。建設費をなるべく抑えるという方針が重要であることは言うまでもない。だがなぜ、なるべくなら一銭もかけては「いけない」のか。唐突に新市庁舎移転の考えを述べておきながら「カネは一円たりともかけてはならない」とは、それ自体が何とも虫のいい話である。舟橋市長がこれほど極端に「タダ」にこだわった真意は後述するが、舟橋プランの骨子とはつまり、民間介入型の市庁舎および分譲住宅等の抱き合わせ建設計画を意味する。

 市長は岐阜県岐阜市の「岐阜シティ・タワー43」や埼玉県川口市の「キュポ・ラ」、または新潟県長岡市役所の移転問題にも言及しつつ、建物自体は民間に建設させ一部をマンション等に分譲するという形で、市役所の機能をそこに組み入れる方式を提案した。

「岐阜シティ・タワー43」の場合、6階から14階までが高齢者向け優良賃貸住宅、15階から42階までが分譲マンション、残りは商業施設と(株)岐阜放送が使用しており、市運営の公共スペースは地下1階の市営駐車場と、3階の福祉医療施設のみ。行政機能など一切入っていない。市長がいくら「マンションの最上階は1億円以上で、工事中にすでに売れていた」と述べたところで、岐阜市がセーブすべき建設費・ランニングコストは、43階全体のうち駐車場と福祉医療施設の2フロアだけなのだ。「岐阜シティ・タワー43」のケースと、川越市役所全体の建設費およびランニングコストの負担を民間導入でまかなうプランとは、まるで計算の違う話であることは素人目にもわかる。

 だが舟橋市長は「この川越のシンボルタワーとして、そして今後の発展の礎でつくりたいと、こういうふうに思っておりますので、ちょっときょうは興奮しておりますので……」と、会議録で3ページにもおよぶ独演を繰り広げたのである。議事録に残されたこのときの市長の様子はまさに「ご乱心」。自分が「結論」を述べるのは「問題」だとか、「余計なことを言って恐縮」などとへりくだりつつも、「私の人生最後の事業」と「興奮して」いる市長の姿、市庁舎移転にかける異常な熱情がまざまざと描かれている。

 まして興奮冷めやらぬ舟橋市長は、11月27日の定例記者会見でも、議会の意向を聞きもしないまま独断でこの川越シンボルタワー構想……つまり「川越駅西口の市有地に市役所を移転し、民間導入により市のコストゼロで30階建てのビルを建設し、一部を分譲マンションにする。このシンボルタワーを2〜3年以内に建設する」と、滔々と述べたのである。

yellowbox 「超重要政策を市長の独断で決めるのか!」
市長の暴走に果敢に立ち向かった中原市議にインタビュー
「市庁舎建設基金に1円さえ積み立てなかった舟橋市長に新庁舎を語る資格なし」

 つづく12月議会(平成19年第6回定例会)でも、一般質問初日から問題となったのがこの「市長独断の市庁舎移転構想」。市執行部ですらこのシンボルタワー構想は寝耳に水だった。同日、中原市議は一般質問にて「(この構想について)すぐ市の関係部署の部長や課長に、いつこういう議論がされたんだと聞いたものの、返ってくる答えは『聞いていない』」が大半だった。これほどの重要政策を市の関係職員も知らず、私ども重大な判断を迫られる議会に対しても情報提供もないのはいったいなぜなのか」と、市長の独断ぶりをあらためて議会に示した。

「30階建てのマンション入りのシンボルタワー構想はどこからどのように生まれたものなのか、議会にも説明がなく職員も知らないという状況のまま、新聞各社には2〜3年のうちに建設したい、などと話している。明らかな議会の軽視です」

 中川秀久市議は本紙のインタビューに開口一番こう述べた。

地方自治法

第四条  地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない。
・2  前項の事務所の位置を定め又はこれを変更するに当つては、住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払わなければならない。
・3  第一項の条例を制定し又は改廃しようとするときは、当該地方公共団体の議会において出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。

「12月議会でも質問したのですが、地方自治法第4条に『地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければいけない』と書いてあります。さらに第2項には『前項の事務所の位置を定め又はこれを変更するに当たっては、住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払わなければならない』とあります。そして一番注目しなければならないのは第3項、つまり「第一項の条例を制定し又は改廃しようとするときは、当該地方公共団体の議会において出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない」のです。 私は、市役所の位置を決める、あるいは移転するというのは、超一級の重要政策だと考えています。議会は3分の2以上の多数をもって、その提案がいいかどうかを決めなければなりません」

 昨年9月19日、すなわち9月議会における市長の「爆弾発言」の翌日、読売新聞は「川越市役所、駅西口に移転」と、あたかも既成事実であるかのように大見出しでこれを報じている。さらに市長は議会の意向を無視し、定例記者会見でも独断的に自らの構想を述べている。市長のこうした発言は地方自治法を無視する行為に等しいのである。

 中原市議はつづける。

「舟橋市長は市庁舎問題を語る資格がない、というのが私の考えです。なぜなら舟橋市長は1円たりとて、市庁舎建設のための基金積み立てを行わなかったからです。川合喜一前市長は任期最後の年、つまり平成4年に市庁舎建設基金制度を発足させ、5億円の基金を創設しました。しかし平成5年に舟橋市長が誕生した以後、現在まで積み立てはまったく行われていません。その理由として舟橋市長誕生当時はバブル崩壊以降の極めて財政事情が厳しい時代でもあったため、建設基金に積み増しする財源がなかったといわれています。もちろんそうした時代背景もあったでしょう。しかし現在に至ってもなお、舟橋市政になって建設資金が1円も積み立てられていない、という事実は大きいのです。
  たとえば福島県福島市。30万都市ですが、ここは新庁舎の建設のために、昭和42年から40年をかけて約166億円を積み立てています(平成19年3月現在)。三重県鈴鹿市では昭和63年から76億5千万円を、千葉県浦安市は人口15万5千人ですが、昭和57年から80億円を積み立てました。多くの自治体が庁舎建設に際し基金を設置し、新庁舎を建設する場合にはこの基金を使って建設する考えを持ち、実行しています。
  しかし川越市は5億円しか積んでいない。繰り返しますがこれは前市長の川合市長が平成4年までに積んだもので、平成5年に舟橋市長が誕生してからの積立額はゼロです」

 中野清候補との熾烈な闘いの末、舟橋功一氏が初当選した15年前の平成5年(93年)当時、新市長となった舟橋氏がさっそく実行した公約の一つは「都市計画税率の引き下げ」であった。「固定資産税が年々増えているため、都市計画税を引き下げれば市民の税負担が軽減される」というのが税率引き下げの大きな理由だった。川合前市長時代の都市計画税0.3%を、舟橋市長は0.2%に引き下げた。以後15年もの舟橋長期政権で、0.1%の引き下げは約200億円の「減収」として、川越市の財政を逼迫している。公約を果たしたこと自体は評価すべきだろう。だが新庁舎建設を計画している他の地方自治体の多くは、苦しい財政の中から多少でも基金を積み立てているのだ。

 まして舟橋市政は職員削減を含め、どこの地方自治体でも実行した行革をやらなかった。市長自ら「行革は進まなかった。慚愧に堪えない」と認めているのだ。

「カネは1円たりともかけてはならない」……。舟橋市長が「建設費タダ」に拘る理由はここにある。そもそも平成7年時点で構造耐震指標(IS値)が0.6と判定され「市長室4階から急いで逃げ出さないと潰される」恐怖を抱いた時点で、なぜ基金積み立てを始めなかったのか。1円すら積み立てなかった市長自身が、新庁舎構想など語る資格がないことを十分に知っているからではないのか。

 中原議員は語る。

「IS値が0.6、というのは、これは民間では通常の値です。市庁舎には0.9レベルが妥当というのは、防災拠点として通常の建物の1.5倍の強度を求められるからです。しかしながら川越市内の小学校のなかには、0.19レベルの校舎もあるのです。市内の学校の耐震化補強工事が終わるのは8年後の平成27年。0.19レベル学校からみれば約3倍の強度を持っている現市役所が、なぜ学校よりも先に建設されなければならないのでしょう。大地震や災害時に『子どもを置いて先に逃げる親』の発想と同じではありませんか」

yellowbox 建設費100億を捻出するには
4千万円レベルの分譲マンションを1億円で売らねばならない?!
ましてランニングコストの捻出など、絵に描いた餅!

”市長のおっしゃるのがすべて正しい議論であれば、私は100億の市役所がただでできるのならば、ノーベル賞級の報奨を市長にあげなくてはいけないと思うんですけれども……”

 昨年12月議会で中原市議は市長の独断構想をこう揶揄した。

 「自らの失政(不始末)を、他人の力を利用して解決する」のが舟橋流、というのは意地の悪い言い方かもしれない。だが舟橋市長は、庁舎建設基金の存在すら無視し続けたツケを、一見絶妙とも思える方法で一掃し解決しようと試みる。それが今回の民間介入による「シンボルタワー構想」であり、幼稚な「舟橋マジック」のからくりだ。

 中原市議は市長の独断構想について、具体的数字を挙げてその非現実性を論じてくれた。

【容積率】:敷地面積に対する建築延べ面積(延べ床)の割合の上限

<延べ床÷敷地面積 = 容積率>

たとえば100坪の土地に1階30坪、2階20坪の家を建てたとき容積率は、50%となる。

<(30+20)÷100×100=50>

容積率はあらかじめ地方自治体により、土地の種類ごとに決められている。
川越市の場合、駅近辺の商業地域の建坪率は80%、容積率は400%あるいは600%と決められている。
川越駅西口8,100uの土地に容積率を500%(2つの土地の平均)、30階建ての建物を建設すると、ワンフロアの床面積は1,350uとなる。

<(1,350×30)÷8100×100 = 500>

これは敷地面積8,100uに対し6分の1の床面積の建物である。シンボルタワーとは言い難い、非常にか細く貧弱な建物となるだろう。

「市長は、まるで何かに取り憑かれたかのように、30階建てのシンボルタワーを2〜3年でつくると言っていますね。移転候補地とされている川越駅西口の市有地は総面積で8100uあるのですが、道路を挟んで2つに分かれています。手前の無料駐輪場(約4319u・商業地域)は容積率が400%、奥の自由広場(約3792u・商業地域)は600 %です(建坪率は両土地とも80%)。

では仮に平均を500%と仮定して8100uに乗じれば、建築延べ面積は40,500uまで……ここでは約40,000uとしておきましょう。

12月議会での市長答弁によれば、総務省の地方債許可基準に基づくと、現在の川越市の常勤職員数が1020人であるため、25,100uが必要とのことです。現在の市庁舎は12,000u。市長は20,000uあればいいと言っていますが、ここでは地方債許可基準にしたがって25,000uで考えてみます。

建築延べ面積40,000uから25,000uを引くと、残りは15,000uになります。建設費は100 〜120 億円かかると言われていますし、市はこの建設費を負担しないとしています。ならば、この15,000uに住居部分のマンションを建設して分譲し、その収入でもってタダで庁舎を建てる=最大120億円を捻出するということになりますね。100uの床面積をもつマンションが150室しかできないとすれば、単純計算で約6千7百万円。しかしこれは分譲開始と同時に完売しての話です。現実的には、1室約1億円で売らなければ100億円は捻出できないと考えられます。同様の新築マンションの平均価格は約4千万円。誰が4千万円レベルの物件を1億円近い金額で買うのでしょうか?」

 市役所の建物とは、一般住宅と兼用できる性質のものではないはずだ。広いオープンスペースも必要。またあらゆる市民が便利に使えるよう、バリアフリー化も図られなければならない。川越駅西口に市庁舎を建設するのであれば、建物周りの道路整備はもちろん、駅に隣接するならばペデストリアンデッキ(高架等によって車道から立体的に分離された歩行者専用の通路)も整備されなければならないはず。単に建物建設費100億円がタダ、などという話ではあり得ないのだ。

 中原市議はつづける。

「8100uの土地は市有地。つまり川越市民の共有財産です。それをなぜ特定の人間に貸し与えるような政策をとらなくてはいけないのですか。財源を生み出すためだけに、公有地をあまりに容易にマンション用地にしようとしている。想像してみてください。もし上層の居住部分から火事が発生したら、市役所は水浸しになります。市長のいう『IT化の時代』だからこそ、そうした事故は市役所にたとえ一時的とはいえ、機能停止という致命的な打撃を与えます。

 たとえ市長のシンボルタワー構想が議会の賛成を得たとしても、不測の事態やリスク回避、セキュリティ問題を真剣に協議すれば、それだけで3〜5年はすぐに経過してしまうはずです。いったいどうやって2〜3年で建てるつもりなのか、8,000uの土地に30階建ての建物というのは、現在の法律や条令や要領からいったらできっこない。ならば法律を無視して建てるつもりなのか。このアイディアは市長だけの考えではないはず、と私は思っています。誰かがアイディアを出し、市長がそれに乗り気になっている……そう思います。そもそもシンボルタワーなどという箱物的発想が古い考えであって、いまは環境に配慮した建物をつくるのが主流ですよ」

yellowbox 自治会長ら、連名で「移転計画反対」の意見書を提出
川越市、「川越駅西口先にありき」の誘導尋問アンケートを実施!

 市庁舎移転計画は、1971年ごろにも持ち上がったことがある。だが当時は地元の反対で撤回された。本紙が取材したところ、平成6年にも市議会で市庁舎のあり方について、移転を含めた検討が行われた。また平成7年の阪神淡路大震災以後は、市庁舎のあり方が本格的な検討課題になったという。しかし、市民生活への影響から検討は慎重に行われてきた。そして、平成11年に出された「中心市街地活性化基本計画」(川越市)では、市庁舎の移転などは一切、課題とされなかったのだ。

 だが今回の「シンボルタワー騒ぎ」。市民の前に計画が公然化したのは確かに昨年9月議会が最初だ。しかし実はすでに昨年中から、市役所内では常設のプロジェクトチーム(3つ)が置かれ、日常的な体制で検討が進められてきたという。舟橋市長の「電撃発言」とは、実は用意周到に準備されたものだったのだ。

 それにしても、である。昨年からの「川越駅西口・市庁舎移転計画の異様な加速化」には、いったいどのような背景があるのだろうか?行政に精通したある有力消息筋は、こう述べている。

「舟橋市長が、来年春に予定されている市長選挙での再選を狙ってのアドバルーンとして揚げたものでしょう。建設産業は、社会資本整備の進展の中で構造改革が求められています。民間活力導入型、分譲住宅・店舗等の抱き合わせ型の市役所庁舎建設計画は、地元や中核ゼネコン・デベロッパーにとってこの上なく魅力的なプロジェクトとなります。これで、中央を含めた業界の支援を集め、再選への盤石の態勢づくりを狙っているのだと思います」

 市長の「民間介入型の市庁舎および分譲住宅等の抱き合わせ建設構想」で最も得をするのは、先の9月議会の市長答弁のなかでも例として挙げられている「森ビル」のような大手デベロッパーなのだ。何しろ、公有地をタダで利益獲得のための開発事業に活用できるのだから。

 この構想、全国どこの地方自治体も実現していない。先述した岐阜市の「岐阜シティ・タワー43」には市役所機能はない。北九州市の戸畑区役所のケースは、建物棟そのものが異なる。きわめて近い事例をあげるとすればドイツのミュンヘン市役所だろう。地下にレストランが、また1〜2階が商店、中間部分は行政機構が入居し、さらに上は企業等の居住区となっている。

 さる2月13日、新聞各紙は川越市庁舎の川越駅西口への移転計画に現市庁舎周辺の自治会長ら13名が連名で反対の意見書を提出したことを報じた。川越市が今年1月10日から2月12日にかけて各地区の公民館などで公開した「川越市中心市街地活性化基本計画(素案)」をめぐって提出された反対意見書だ。

 しかし、川越市の姿勢はこれを一顧だにしていない。3月14日締め切りで川越市総合政策部政策企画課が実施した「川越市役所庁舎に関する市民アンケート」は、市役所移転計画が「既定のもの」であるかのような記述に満ちた、いわば「誘導尋問」的な設問を並べては、市民の声を利用しようとしていることが明白なものだった。

「問6 新しい市庁舎の場所は川越駅西口がよいと思いますか」

「問7 新しい市庁舎は、どのようなイメージが望ましいと思いますか」

「問10 新しい市庁舎を建設する場合の視点 新しい市庁舎を建設する場合、重視しなければならないことは何だと思いますか」

「問11 移転後の現在の庁舎〜市庁舎を移転した場合には、現在の市庁舎に市役所の窓口機構を残し、観光拠点等として有効活用を図るよう検討していく予定ですが、それ以外にどのように活用したらよいと思いますか」

川越市役所庁舎に関する市民アンケート

<川越市ホームページで行われていたアンケート画面の一部。たった3つの設問の中に「川越駅西口」という地名が2回も登場する>

 まさに「結論先にありき」の恣意的設問と言わざるを得ない。ろくに説明資料も示さず、決まった結論への同意を前提にした意見ばかり求めている。舟橋市長は、市民の意識まで私物化しようとしたのだろうか?

yellowbox 市長の暴走に「待った!」
「市庁舎建設特別委員会」市議会全会一致で可決!
だが、革新政党であるはずの共産党が難色を示す

 さる3月議会の最終日……。「眠れる市議会」がついに市長の暴走に対し「待った!」をかけた。市庁舎移転構想問題で市長と激論を戦わせてきた中原市議(プロジェクト川越21)をはじめとする4会派が、代表者会議等を通じた特別委員会の設置を強く要求。3月21日(3月議会最終日)、代表者会議の開催をへて市庁舎建設特別委員会(12名)の設置が決定したのである。

 この経過について中原市議は語る。

「新庁舎の移転建設問題は市政にとって極めて重要問題。このことは何度繰り返しても足りないほどです。議会としてもこの問題を多角的かつ慎重に検証する必要があります。そこで私をはじめ市議の一部が、代表者会議などを通じて早急に特別委員会を設置するべきと主張しました。すると驚いたことに、一部の会派からは『懇話会でいいのではないか』という意見がでたのです。懇話会というのは法的根拠を持っていませんし、市長の出席要求も難しく会議録を残すことも義務づけられてない。第一、『懇ろに話をする会』ですよ。そんなものが市の超重要案件を審査するにふさわしいと思いますか。まるでお茶飲み会的発想ですよ。また最大会派(啓政会)からは『アンケートの結果を見てからでも遅くはないのでは』との意見もでました」

 アンケートとは、先述の市総合政策部政策企画課が実施した「川越市役所庁舎に関する市民アンケート」を指す。あれほど誘導性の強い設問を作成し、集計業務さえアウトソーシングするどころか市役所内部で処理するアンケートに、果たしてどれほどの信頼性を期待することができるだろうか。

yellowbox 川越市の共産党は保守翼賛の「協賛党」
市長・新井市議・佐藤市議は「ご乱心トリオ」か?

 先の9月議会における市長の電撃発言、そしてその発言を明らかに誘導した新井喜一市議による質問の絶妙なかけあいは、誰がみても「出来レース」と呼ぶにしかるものだ。そして特別委員会設置に際し、こともあろうに共産党が「懇話会でいいのでは?」などと、はっきりいえば市長の独断構想に甘すぎる姿勢を示したのである。共産党といえば、普通なら泣く子も黙る反権力政党。自治体の首長が真に市民を思い、たとえ完璧に近い政策を打ち出したところで、基本的に反対票を投じるのが彼ら独特の「権力チェック」の姿勢ではなかったのか。その共産党が、川越市に限ってはまるで「舟橋協賛党」。過去の市長選でも対立候補を擁立せず、おかげで舟橋市長は無投票で3選までを迎えた経緯がある。まさに異常都市である。

 実は川越独特の共産党の「舟橋翼賛」姿勢、先にのべた舟橋市長初当選時の公約である「都市計画税の減税」と深い関係がある。しかしこの政策は豊かな少数市民には歓迎されても、貧しい、あるいは一般の人々には横を向かれる減税措置なのだ。
  かつて舟橋市長は「政敵を作らない」と評された。その端的な例を挙げれば市長選である。初当選こそ中野清衆院議員と激しい選挙戦を展開したものの、その後は 2回連続無投票。特に3選目の市長選では自民、民主など6党の推薦を得た。「国会は中野清、市政は舟橋功一」と、かつての宿敵とすみ分けを演じては、保守候補の出馬を封じる手腕に優れていることからくる評価である。

 共産党とて例外ではない。舟橋市長が自らの成果として強調する「公共施設の1%節電運動」を、共産党は「原発依存でなく、節電も必要というわれわれの考えをくんでくれた」(山村健仁前市議・日本共産党議員団)と評価した。

 かつて本紙がある市政関係者とのインタビューで得た情報によれば、共産党と市長とはかつて政策協定を行った、という。共産党が市長を応援するかわりに、舟橋氏は共産党の「意向」を汲んだ……。それが都市計画税の引き下げだ、というのである。社会問題のすべてを階級闘争の構図に当てはめ、「弱者=下位階級の解放」をテーマとする共産党にとって、都市計画税の引き下げ、ひいては撤廃の主張は「市民を重税から解放する」大義名分に適うものだった。

 共産党の都市計画税をめぐる減税および撤廃の主張=「住民から税を取り上げない」という論理は、市の運営に対し実に無責任な主張であった。だが、これに迎合したのが舟橋市長であった。共産党と旧社会党との連携、というのが初当選当時の舟橋市長の、ひとつの売りだったのだ。

 こうした舟橋氏の政治手腕により川越市は久しく「オール与党」状態、共産党はいわば骨抜きにされてきたのである。

 都市計画税の減税に関しては是非があろう。だがその結果として川越市の財政逼迫を招来し、舟橋市政の誕生から新庁舎建設基金の積み立てが1円も行われてこなかった。そして現在、市長の「ご乱心」独断構想に対し共産党は「懇ろに話しあえばいいのでは」と、甘すぎる姿勢、翼賛的姿勢を示しているのが、わが川越市の現状であることも確かだ。

yellowbox いま必要なのは徹底した議論!
「川越駅西口」という「結論ありき状態」を撤回し
真に市民のための「市庁舎」を慎重に研究せよ

 本紙は最後に、中原議員に対しあえて挑発的な質問をぶつけてみた。川越市庁舎は移転する必要もなく、直ちに新築する必要もなく、現状のままでもかまわない……と考えているのか。

「まず、現庁舎に対しもう一度きちんと調べなければなりません。本当に補強は無理なのか。たとえば現市庁舎の6〜7階部分は議会のために使われているスペースです。あくまでたとえば、の話ですが、この議会スペースを切り離し(別の場所に移動させ)、1〜5階部分のみを補強し、しばらく使用している間に建設基金を積み立てる、という方法ではだめなのか。本当に、直ちに建て替えなければならないのか。そして……本当に補強工事に8億円もかかるのか。我々はまず、現市庁舎の耐震性補強の手段をさまざまな角度から考えねばなりません。新たに設置された特別委員会には、やるべきことが山積しているのです」

「多くの一般市民にとってそれほど頻繁に利用するわけでもない市役所が、駅前の一等地に位置する必要性はまったくない」「現庁舎の正面駐車場と裏側にある市民体育館跡地を有効活用する方法でもいいのではないか」とはよく聞かれる意見だ。市庁舎の移転問題とは、中原市議の言葉を借りれば「超重要政策」。川越市の百年の大計にかかわる大問題と認識すべきだ。舟橋市長のいう「2〜3年で建てられる」問題では断じてない。

 この市庁舎移転問題、本紙も今後の推移を徹底注視する所存だ。■


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