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「1億1千万円欺取」で埼玉県宅建協会会長、逮捕!
「9億円の錬金術」に共謀した細谷金作の悪行暴かれる
かばい続けた協会の責任も重大
10月3日、整理回収機構(RCC)を騙して抵当権をつけられた土地売却価格を偽り、1億1千万円を不当に手にした容疑で郷土開発鰍フ代表取締役社長で埼玉県宅地建物取引業協会会長の細谷金作(69)と同社取締役の坂本茂樹(56)が埼玉県警に逮捕された。
新聞報道によれば、郷土開発鰍ノ対して整理回収機構は平成11年に破綻した小川信用金庫から引き継いだ約53億円にのぼる債権の回収にあたっており、同社との間では抵当権が設定された土地を売却した際は、手続き費用等諸経費を除く全額を債務返済に充てることで根抵当権を抹消する申し合わせがされていたという。この申し合わせと裏腹に細谷金作らは、平成16年1月初旬に整理回収機構が5億円を限度とする根抵当権を付けた坂戸市塚越の土地約5,300uを約3億5千万円で売却した際、「2億4千万円でしか売れなかった」とする虚偽の売買契約書を作って写しを機構に提出。結果として、差額約1億1千万円を欺取したとされている。
整理回収機構が小川信金から引き継いだ郷土開発鰍フ約53億円にのぼる債権は、かつての“バブル景気”時代に細谷金作社長が地上げに狂奔した際、小川信金から次々に引き出した資金であるという。“バブル崩壊”で一時はパチンコ店経営にまで手を染めた細谷金作は苦境に陥るが、そのツケは小川信金に押し付けたまま知らぬふりをし、同信金破綻の原因の一端を作り出したといわれている。
いわば、今回の事態は自らが原因者として責任をとるべき債務の返済をゴマかして、私益を抜き取ろうとしたものであり、宅建業者として、あるいは人間としても二重に許されぬ悪行をはたらいたものだ。
“悪事は繰り返される”=本紙指摘の正しさを証明した細谷逮捕
「不動産業者にあってはならぬ悪行で県宅建協会会長が逮捕」という事態に、全国の宅建業界や行政関係者の間に衝撃が広がっているが、こうした事件が発生する可能性については当然予想できることであった。というのは、既に今年3月、本紙が「9億円の錬金術」と題して元川越市幹部職員だった神田壽雄川越市議会議員と共謀した細谷金作による犯罪行為について事実の全貌を連載公表し、あわせて3月24日には県宅建協会の主要役員全員に事実についての認識と共に「細谷を会長から辞任させるべきではないか」と問いかけた公開質問書を発していたからである(本紙インターネット版、4月11日付・4月20日付記事)。
詳しくは記事と公開質問書を参照していただきたいが、細谷が神田市議と共謀して行った犯罪とはかいつまんでいえば次のようなことである。
- 県住宅川越笠幡団地建設計画に便乗して神田市議(当時は川越市経済部次長)所有の土地を県に高く買い取らせるため、細谷(郷土開発)が周辺土地を他の業者(川越市・小沼土建(株))と共謀してとりまとめ、転売を繰り返す“土地コロガシ”で価格を吊り上げ(元の価格の11倍へ)。
- 別々に転売を繰り返した土地を最終的に細谷が一括して買い上げ、それを県にまとめて売却。その際、税逃れのために無届の宅地開発行為を強行。
- 買い上げ途上の県住用地に、産廃ゴミを持ち込み無断埋め立て(住民の目撃証言)。
- 違法な宅地造成工事の際に発見された遺跡を、届出もせずに埋め戻し(関係業者の証言)。
このような宅建業者ならではの役割で悪事の数々をはたらき、神田市議らと共に9億円もの公金を埼玉県から引き出し、分け合ったというのだ。こんなことを行った人物が、「公正な取引」を天下に公約している宅建協会の会長に相応しいわけがない。むしろ以上のような手のこんだ悪事をはたらく者は、常習的な犯罪者といってよく、悪行がこの一事にとどまるものではないことが容易に予想される。
本紙の問いかけに対して、県宅建協会の役員たちは結局、沈黙したままで内部的にも細谷を会長に頂く方向を変えなかった。細谷逮捕の事態については、こうした経過を見るなら県宅建協会役員たちも重大な責任があるのが明白である(蛇足だが、悪行が明らかになった神田市議がこの度、川越市議会で初めて設置された百条委員会の委員に選任されたという。犯罪者の宅建協会会長が不適格であることが明らかなように、これほど不適格な委員もないだろう。市民をバカにした措置は、いずれ相応の報いを招くに違いない)。
無責任な沈黙を守る埼玉県宅地建物取引業協会
細谷金作は、「健康上の理由」で9月末に埼玉県宅地建物取引業協会会長の職を辞したと報道されているが、実際は細谷に対する捜査の手が迫ったことによる駆け込み的な辞任であることは明白だ。いわば“トカゲのしっぽ切り”であるが、協会の対応はかねてより本紙が細谷について会長であることの不適格性を指摘していただけに、遅きに失したものといわざるを得ない。このように著しく職業的あるいは人間的な倫理観を欠いた人物を4年間にわたって会長として頂いてきた県宅建協会全体の責任は免れられるものではない。
細谷らが逮捕された10月3日には、さいたま市浦和区にある協会本部も県警に家宅捜査され、資料が押収された。「我々会員は、国民の貴重な財産を託された者としての誇りと責任を持って社会に貢献する」「我々会員は、諸法令を守り、公正な取引の実現に努める」など、高邁な「倫理綱領」を掲げた宅建協会の権威も地に堕ちた感がある。
10月8日現在、埼玉県宅地建物取引業協会のホームページを見ても、会長が「1億1千万円欺取」で逮捕された事実について何らのコメントや謝罪の言葉も無い。全く無責任な沈黙を続けるままである。
業界に対する信頼の回復に向け、猛省を求めたい。■
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