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川越市財団・職員着服問題
議会騒然!使途不明金は総額5100万円!

「市長!数字はその答弁書に書いてあるんでしょう?黙ってないで答えなさい!」
「市長、答えろ!」

 9月8日に開かれた川越市議会第4回定例会の、一般質問。中原秀久市議の猛攻に、傍聴席からも激烈なヤジが飛ぶ。舟橋市長は苦虫をかみつぶした表情でおろおろするばかり。そしてようやく開いた口から出たのは、驚くべき数字の連鎖だった……。

 普段は眠ったような川越市議会。「オール与党」と揶揄されることもしばしば。だが8日の一般質問の際、議場を包んだのは希にみる熱気だった。

 中原市議と舟橋市長とが緊張の中に対峙するドラマティックな構図こそは、そのまま議会制民主主義国家における「政府」(行政)と「立法」(議会)との、あるべき健全な姿を示していた。川越市議会は、生きていたのである。

 川越市が全額を出資する「市青少年健全育成協会」(理事長・舟橋功一川越市長)の元職員が社会保険料などを着服した問題で、協会の7年間にわたる使途不明金の総額が約5100万円に達することが、中原市議の一般質問と市長答弁により判明した。

 小暮浩・元川越市保健福祉部介護保険課主任(42)が同協会に移ったのは平成11年(99年)。以来、昨年(平成17年)までの7年間にわたる使途不明金の総額が約5100万円に達したのである。

<使途不明金内訳>

平成11年:2,200,440円
平成12年:6,536,130円
平成13年:7,176,116円
平成14年:5,013,224円
平成15年:8,271,351円
平成16年:8,666,006円
平成17年:13,64,5064円

社会保険料の延滞金等3,346,900円を差し引くと……

不明金合計:4,8161,423円

 ただしこのうち、社会保険料の延滞金等の3,346,900円が含まれている。従ってこの金額を差し引いた4,8161,423円が、いわば純粋な「不明金」だ。

 小暮元職員の「着服の手口」については明らかになっていない。これまで伝えられたところによれば、社会保険料、退職積立金、伊豆戸田荘に勤める職員の給料等を、おそらくは自分の口座に移すという手口であったと思われる。「思われる」というのは、川越市はこの問題について内部調査のみを行い、同職員を懲戒免職にしたからである。

「本人が使ったかどうかの確たる証拠がない。速やかに警察に届けたい」と述べる市長に対し、中原市議は「捜査権もない川越市が警察のまねごとをする必要性がどこにあるのか。自分たちで調べ自分たちで裁いて、今ごろになって『警察に届けたい』とは何事か。遅すぎる」と市長の姿勢を厳しく追及した。

 市の内部調査で「懲戒免職」という裁定を下し、明らかに同職員が着服したと思われる約4800万円を「本人が使ったのかどうかわからない」と述べる市長の感覚は、常軌を逸しているとしか思えない。

 そもそも、7年で約5千万円の不明金が生じること自体が、異常事態なのである。こうした事態に何の危機意識すら見せず、病気入院による約2ヶ月の「不在」すら市民に黙ったままの舟橋市長。危機管理能力はゼロだ。

 危機意識のなさは市長だけではない。庁議(月一回。市長、助役、収入役等、市執行部の会議)にも、報告さえあげられていない。何の話題にもなっていないのに等しいのである。

「これほどの事件をなぜ隠すのだ?」

 厳しく追及する中原議員に、市長は何も答えない。答えられないのである。

 元職員による約5千万円着服とは、大事件である。川越市行政内部の大きな汚点だ。着服金がすべて市民の税金であることはいうまでもない。市は失墜した信頼をどう回復するのか。

 だが市執行部の姿勢には目を疑わざるを得ない。

 同職員による着服が発覚したのはさる5月12日。決算監査における数字の不一致に端を発している。同月20日、監査が小暮元職員に確認を求めたところ、同職員は着服を認めた。

 にもかかわらず川越市は、同職員が懲戒解雇処分を受ける前日(7月27日)までに、この職員に2,125ヶ月分の期末勤勉手当、有給休暇、リフレッシュ休暇を与えてきたのである。

「期末勤勉手当は支給日まで処分がなければ支払わざるを得ない」とは市職員課の弁。だが、本人は5月20日に犯行を認めているのだ。川越市はあろうことか犯罪者に対し、市民の税金からボーナスや有給休暇を与えていたのである。

 小暮元職員を懲戒免職にして、あとは他人事とでもいわんばかりの認識。市執行部には「職員による約5千万円の着服」を重大事件と考えていないとしか思えないではないか。内部犯行に対する危機管理能力が完全に欠如しているのである。

「川越市役所自体が、機能不全なんですよ」

 中原議員は、この問題の本質をそう指摘する。

 この元職員による約5千万円着服事件には、さまざまな憶測が飛び交っている。同職員個人が全額を「懐に入れた」のではなく、市の上級職員らとのいわば共謀である、との確度の高い情報も流れている。そこには複数の現役市議も絡んでいるという。それが事実なら、川越市役所は「機能不全」どころの問題ではない。

 市行政の中に、市民の税金を巧妙にかすめ取る「犯罪装置」としての機能が内包されているのかどうか。われわれ市民は、司法の綿密な調査と適正な判断に期待するしかない。川越市には、何も期待できない。

 当該問題について緊急「百条調査」を行使するための特別委員会の設置を、中原議員が要請するであろうことは必至と思われる。

 これに応じない市議がいるとすれば、川越市民に背中を向けた議員であると見なして良い。■


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