行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市

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新清掃センター建設計画
市が提示した、お話にならない「代案」に
「不法業者を助ける必要はない」と市長が明言!

 9月議会一般質問のトップバッター、大河内市議は8日、新清掃センター建設計画をめぐる諸問題について質問した。

 新清掃センター建設計画の「凍結解除宣言」を行ったのは、ちょうど一年前の9月議会であった。平成18年を迎えた2月、川越市は「新清掃センター議員懇話会」にて、センターの熱回収施設建設に9社を応募業者として発表。だが5月、全国規模での「屎尿・汚泥処理施設建設工事をめぐる談合事件」が発生したおかげで、新清掃センター建設計画は応募9社のうち、「ペナルティなし」業者は川崎重工業(株)、(株)神鋼環境ソリューション、新日本製鐵(株)の3社のみ、という異常事態を迎えた。さらに8月14日、川崎重工業が「社内事情により辞退したい」と申し出た。

 したがって新清掃センター熱回収施設建設の見積設計図書を提出した業者のうち、クリーンな業者は神鋼環境ソリューションと新日本製鐵(現・新日鐵エンジニアリング)の2社のみ、というのが現在の状況だ。

 この2社こそは談合を拒否し、自社が研鑽した技術で正々堂々と競争する道を選んだ、優良企業と呼ぶにしかるべき業者である。

 こうした業者の優良性、遵法性をきちんと評価し、違法業者を隔絶した公明正大な競争の場を担保することが、行政の公平性である。「技術競争」とは、そうした公正な場においてはじめて行うことができる。違法業者の参入を許して、どうして公平かつ透明な競争が確保できようか。

 このあまりに明白な、子どもでもわかる結論を素直に下せないのが川越市だ。大河内市議の質問への答弁に立った同市環境部は「競争入札実施に対する4通りの考え方」と称し、驚くべきオプションを述べたのである。

  1. 指名停止を受けていない業者で入札を実施する
  2. 指名停止が解けるまで入札執行を延期し、一定数の業者が整ってから入札を実施する
  3. 指名停止を解除し入札を実行する
  4. 一部業者について指名停止期間を短縮し、入札必要業者数を確保する

 環境部は市議会の壇上で、こうしたオプションを正気で述べていたのだろうか。2はすなわち「犯罪者の禊ぎを待って入札を行う」ということであり、3は入札数確保のために「犯罪を『なかったことにしてあげる』」、4は入札数確保のために「罰を軽減する」ということに他ならない。

 環境部は「(全国屎尿・汚泥処理施設建設工事の談合事件業者)11社に対して、各自治体とも8ヶ月から10ヶ月の指名停止を行っている。こうした状況で川越市がとるべき対応策のひとつには、指名停止を受けていない業者で入札をやる、ということ。だが現時点では2社のみ。そのような状況では競争性が損なわれるのではないか、という問題がある」とし、なんと「指名停止期間が満了するまで入札を待つ、という考えもある」と述べた。

 つづけて「指名停止の一部を解除するという考え方もある。一定数の業者数を確保するための措置だ」と述べつつも「今回の指名停止は要綱に基づいた措置。原因となる事実(談合行為)が確認され、要綱に照らして指名停止したもの。したがって打ち消す事実がない限り、解除は難しいものと考えている。2や3の考え方では違法業者ペナルティの救済措置となってしまう、という問題もある。頭を悩め苦慮している」と、自ら提示した代案をその場で否定した。

 愚劣である。こうした答弁自体が、まったくの時間の無駄だ。

「あらゆる建設的な方法を模索する」という作業と、「物事の順列組み合わせをすべて挙げる」という作業が異なるのはいうまでもない。「代案を盲滅法に挙げればいい」のでは決してない。2から4までの馬鹿げたオプションで、川越市は「競争性が確保されるかもしれない」と、本気で考えていたのか。

 たとえ「念のため、あらゆる方策を検討する」つもりであろうと、このようなオプションを市議会答弁で読み上げ市民に提示すること自体が、不健全であり不真面目にすぎる。

 健全な行政、健全な運営、公明正大であること。いま川越市に問われているのは、同市行政にまとわりつく「後ろ暗さ」を払拭することだ。

 

舟橋市長「不法行為をした業者を助ける必要は全くない」
市長よ、その言葉を覆すな!

 環境部の馬鹿げた答弁の後、舟橋市長は壇上でこう明言した。

「平成21年度中の竣工を絶対に目指さねばならない。目的はいい施設を作る。できるだけ安価な工事で、ランニングコスト等の経費がかからない施設……という条件のもとで、立派な施設を作らねばならない。不法行為をした業者を助ける必要は全くない。これに乗っ取って私は今後、行動していきたい」

 当たり前である。だがこの当たり前の姿勢が、妙に真っ当に見えてしまったほど、環境部の答弁はお話にならない代物だったのだ。

「落札業者との契約を12月議会に議案として提出したい。さいわい1社ではなく複数残っている。安く性能のよい施設を作る、ということを十分にふまえた上で、早期に新清掃センターを作る」

 当たり前に行わなければならない事業を、ねじ曲げたり、無為に時間をかけたり……。それこそが、市長がこれまでやってきた行為であることを、市民はみな知っている。

 舟橋市長よ。ようやく口にした当たり前の発言、その言葉に二言はないだろうな。■


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