行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市

行政調査新聞

ご挨拶

地方行政を読む

国内展望

海外展望

社会の片隅

噂の怪奇情報

特集

資料室

 

 


次なる「華信Xデー」への布石?
 「被疑者の早期検挙」を警察庁が言及
国際犯罪集団・華信問題、再び参議院で審議

 3月26日、参議院外交防衛委員会で再び出資法違反の国際サギ犯罪集団・華信についての審議が行われた。質疑者は昨年と同じく吉岡吉典議員(共)であるが、今回は矢野哲朗外務副大臣が答弁に立った他、警察庁や法務省も相当に踏み込んだ答弁をした。

 「インターネット上での実名をあげた個人攻撃」や「タイ国要人への接近」等についても具体的に対処が示された他、「被疑者の早期検挙を期する」と犯罪集団への本格的取締への政府の意欲が示された。

 以下、議事録が公開される前に本紙がつかんだやりとりのエッセンスを解説と共に紹介する。


「コンゴは国家として、コンゴ開発会社の運営、資金調達に関与してない」

 吉岡議員は冒頭、外務省が昨年らいコンゴ民主共和国政府に対して行ってきた華信との関わりについての問い合わせにどのような返答が来ているか質問。矢野副大臣は、次のように答弁した。

 「…コンゴ民主共和国政府に対して、華信が同国で行っているとされる投資プロジェクトに対して、コンゴ民主主義政府が実際出資しているのか否か照会をさせていただきました。その後、様々な機会をとらえてキンシャサ及び東京において先方政府からの回答を累次督促をさせていただきました。
 その督促でありますけれども、大変多くにわたりまして、政府への照会十五回等々、都合三十回ぐらいに及んでの督促もさせていただきまして、その結果、今般、先方政府より、コンゴは国家として、コンゴ開発会社の資本について株式は保有していません、そして同社の運営にも資金調達にも関与していない、その旨の回答をいただいたわけであります」

 この答弁で、華信・大橋利一郎一派の詐欺疑惑の本質があますところなく暴露された。
彼らは「コンゴの豊富な地下資源の開発や公共事業に独占的に参入する権利を得られるようになった」「大橋会長がつくりあげたコンゴ政府要人との信頼関係で、個人と国家の合弁という例のない仕組みをつくったのがコンゴ・デベロップメント・カンパニー(コンゴ開発会社)だ」とさかんに宣伝し、会員からの出資を募ってきた。しかし、コンゴ政府が明確に「株式は保有していない」というのだから、「個人と国家との合弁」など「絵にかいた餅」以上の何物でもなかったことが明々白々となったのだ。

 この件について、華信がホームページ上でどのような「反論」を行うのか、あるいは各地で開催する「事業報告会」でどんな話をするのか見物である。

 
予想以上の規模だった強制捜査
全国四十数カ所で証拠物件多数を押収

 吉岡議員は、続けて華信がホームページ上で秘密扱いの外交文書を公表し(本紙が外交関係者に聞いたところによれば、日本大使館からのものは本物でカビラ大統領からの返書なるものは「外交文書としての国際ルールをふまえていない体裁なので、偽物」だという。尚、同様の文書は現在「裏切り者」として華信ホームページ上で糾弾されている元顧問によってもテレビ等マスコミ機関に持ち込まれている)、「日本の外務省はうそをついており我々の事業はコンゴ政府との間で正式に進めている事業だという、そういう趣旨の主張を載せている」ことを紹介し、「そういうものが今の報告ですべて偽りであったということが明らかになりました」と強調。その上で警察庁に捜査の進展状況を質問したところ、答弁で報道されている以上に捜査が広範に行われたことが明らかになった。警察庁の答弁は、次の通りだ。

 「お尋ねの株式会社華信に係る出資法違反容疑事件でございますが、千葉県警察におきましては、本年の一月の二十九日と二月四日の両日にわたりまして、同社の事務所など四十数か所の捜索を行っておりまして、多数の証拠品を押収しております。
 現在、関係者の取調べ、それから押収しました証拠品の分析など、事案の全容解明に向けた捜査を推進しているというところでございます」

 この答弁から、報道されたよりも倍(報道は二十数カ所)の強制捜査が行われ、多数の証拠物件の押収、関係者の取調べが行われたことがわかる。本紙で報道したように、エリア・コーディネーターや地方特約店(「A-road」と改名したカーマスカット店を含む)のうちの相当多くが捜査され、そこから重要な証拠物件が出てきたことを伺わせる。ちなみに、本紙が複数の会員から得た証言では、警察からの呼び出しを受け、聴取に応じながらも「あいつは警察に協力した裏切り者だ」とのレッテルを貼られて報復されることを恐れ、華信本部やブロック幹部に黙っているケースがあるという。

 椎名社長の如きは、「千葉県警は、たいへん好意的だ。我々が包み隠さず事業の関係資料を差し出し、説明すると『誤解されている』と言っている」などと厚顔無恥にも会員間に言いふらしているが、後述するようにいずれこの広範な捜査と証拠物件の押収は、これらの欺瞞的言辞の舌の根も乾かぬ幹部たちに対する司直からの「鉄槌」につながることは確実だ。
 


卑劣な華信のホームページ上での実名公表攻撃
「人権擁護機関として看過できない問題」(法務省)

 吉岡議員は、華信がこの間、リニューアルしたホームページ上で出資金の返金請求をした会員たちの実名を公表し攻撃していることについて、「会長にこんなに世話になったのに裏切り者だとか、自分だってこんなに世話になったのに裏切り者だとか、…狂っていると言われても言い過ぎではないだろうというふうなホームページ」と批判。その上で法務省に見解を求めたところ、以下のような答弁がされた。

 「…今、委員御指摘のとおり、個人のプライバシーに関する情報が非常に無秩序に流れておるというような状況がございます。これは人権擁護機関といたしましても看過できない問題であるというふうに考えております。
 そこで、私どもの方では、こういうふうな被害に遭われた方から人権救済の申出がございましたら人権侵犯事件として調査をいたしますし、また、個々の事案に応じまして、行為者に対しまして啓発をする、それからそういうふうな情報の削除を求めるというふうな処置を講じることとしております。さらに、これに関しましては、いわゆるプロバイダーの団体とも話合いの機会を持つなどしております。
 したがいまして、委員の御指摘の事案につきましては、具体的に被害を受けたというふうな方から私どもの方に人権救済の申出がございましたら、事案の内容に則しまして是非適切に対処いたしたいというふうに考えております」

 華信ホームページには、既に10人以上の元会員の実名があげられ「裏切り者」として糾弾されている。または、華信の業務(会員拡大とそのための「預かり金」業務)の際に元会員らが出した「預かり証」その他の文書が公表され、華信・大橋一派の犯罪行為がこれら元会員の勝手な行為であるかのように描きだされ、攻撃されている(華信の積極的な手先として動いた点、元会員らは身から出たサビともいえなくない。猛省すべきだ)。

 答弁で示された法務省の立場は、元会員らが人権擁護委員会等に申立をすれば直ちに華信への取締りを開始するとのものであり、そうした動きが出ることが期待される。


タイ国要人への接近
「承知している」(外務省)/「事案の全容解明と被疑者の早期検挙を期する」(警察庁)

 吉岡議員はあわせて、タイ国関係者からの話として華信メンバーが「タイ国政府要人に対して勝手に写真などを撮影して親密ぶりの証拠にしようとするなど、相手に迷惑千万な行為をしております。…執拗に付け回されたり接近されたりして。これは、ほっといて、こういうことが結果で外交問題になるようなことになってもならない…政府としても実態を把握して解決に乗り出すべき」と質した。これに対して矢野副大臣は、「その問題については外務省としても承知しておりまして、当時、外務省としても、外交上支障が生じてはいけないという観点から、直接連絡をとらせていただきながら、もし対応が必要とするならば対応しようというふうなことで、相談もさせていただきました」と答弁。

 吉岡議員が引き続き、「重要な関係者である大橋会長はもう一年にわたって日本から姿を消し、コンゴ、中国、タンザニア、そして現在はタイ国に居所を移動していると聞いております。そして、行く先々から会長の言葉なるものを発して、日本国内の会員に指示を出しているという状況です。…私が心配するのは、タイ国には、日本で退職した高齢者が第二の人生を始める場にしており、現地では日本人社会が大きくなってきたため、こうした場でまたもや華信が相手政府との関係を口実にしてトラブルが起こるようなことがあってはならないということでございます。…警察庁もこういうことをも念頭に置いて今後の捜査をしていただくように要望するものであります」と質すと、警察庁は次のような明確な答弁を行った。

 「本件は千葉県警察におきまして捜査中でございまして、警察といたしましては、事案の全容解明と被疑者の早期検挙を期するべく、迅速かつ適正な捜査に努めてまいりたいと考えているところでございます」

 もう多くの言を尽くすこともなかろう。警察庁のいう「早期検挙を期す」「被疑者」とは、質疑の流れから言うなら大橋利一郎そのものであることは明白だ。今後の事態の展開は、見物である。「華信を守る会」を始めた会員諸兄は、この事実をいかに受け止めるのだろうか。

 

行政調査新聞社 社主:松本州弘 埼玉県川越市
著作権は行政調査新聞社またはその情報提供者に属します。
Copyright 2001-2007: Gyousei Chosa Shimbun.
All Right Reserved.
 本紙へのメールはこちらをクリックしてください。