|

ダイヤモンドなんて買ってはいけない?
世界の全ダイヤを仕切ってきたデビアス(De
Beers)がこれまでの方針を変更、ルイ・ヴィトン方式に切り換えた。
ご存じの通り、デビアスは世界中のダイヤを掌中に収め、ダイヤ価格をデビアスの思い通 りに動かしてきた。
ダイヤモンドの価値を決める要素は4C(カット、カラー、カラット、クラリティー)とされる。4Cの相互作用によりダイヤは個性を発揮し、価値を普遍のものとするとされる。そして世界中のダイヤを取り仕切ってきたデビアスは、ダイヤをまず100のランクに分類し、その価格安定に努めてきた。
ところが、アフリカ諸国やロシア等から、俗に「紛争ダイヤ」と呼ばれる屑ダイヤが出回るようになり、デビアスによる価格安定策が保てなくなってきた。そこでデビアスは世界の全ダイヤに関与するのではなく、『デビアスのダイヤ』というブランドを使ってのダイヤ販売に切り換えることにしたのだ。今後デビアスは、全世界の25%のダイヤだけを仕切る方針だとされる。
世の中には、ダイヤは財産として保持できるとか、身につけてイザという時にカネに代えることができるとかといった間違えた考え方をしている人が多い。とくにダイヤに憧れる女性たちは、これが嘘であることは百も承知なのにダイヤを買って(買わせて)しまうらしい。
デビアスが大雑把に百に分けたランクの、半分以下のダイヤは、購入した時点で値段が下がる代物で、財産代わりになるようなものではない。またデビアスは、ランク50以上のダイヤが日本人の手に渡るようなことが絶対にないように手配し続けてきた。日本人が手に入れられるダイヤとは、ランク50未満のダイヤである。
また、ランク25以下、つまり世界に出回るダイヤの下から25%は「屑ダイヤ」と呼ばれるもので、紛争ダイヤも多くはこの屑ダイヤである。屑ダイヤは、世界ではほとんど売り物として流通
していないが、日本だけは例外で、世界最大の(あるいは唯一の)屑ダイヤ市場なのだ。
ランク25以下の屑ダイヤは、購入された時点で価値はほぼゼロになり、日本や一部アジア圏以外では売り物にもならない。ちなみにデビアスのランク50あたりのダイヤの価格は日本円にして約1億円。屑ダイヤの最高ランクであるランク25あたりだと1000万円程度。ということは、1000万円以下のダイヤを買うなど、カネをドブに捨てるようなものなのだ。
さて、世界中のダイヤを仕切ってきたデビアスが下級ダイヤから手を引いたことで一気に盛り上がってきたのが、ロシアの最北東部にあるサハ共和国(ヤクーチャ)とアフリカ諸国である。これまでデビアスから「屑ダイヤ」と扱われてきたダイヤが、日本を初めとする一部アジア圏で商売ができるからだ。
サハ共和国では現在、年間15億ドルのダイヤ採掘計画が進められている。そして競うようにしてサハ共和国産のダイヤに手を出そうとしているのが、日本のヤクザ組織である。正確のところは不明だが、すでに日本のかなりのヤクザ組織がサハ共和国に足を運んでいる。アフリカ諸国の紛争ダイヤもまた、極東市場に出回る可能性が高い。
ここで気になるのが、あの鈴木宗男である。
国会で田中真紀子外相と大論戦を繰り広げたかと思うと、次には互いにエールの交換をするなど、何を考えているかわからない自民党橋本派の大物。参院選で小泉旋風が吹き、自民が圧勝が明らかになったその夜には、小泉に対する「抵抗勢力」などマスコミの造語(実際は小泉自らの言葉)と切り捨て、小泉改革を支持するとまで語った人物である。田中外相どころか国民のかなりの量
が、鈴木宗男に巨大な不信感を抱いていることは、本人も薄々は理解しているらしい。しかし、彼が悪事を働いたという具体的証拠は、ない。
鈴木宗男はロシア、とくに極東のサハリン州やサハ共和国関連の莫大な利権を手にしている――。というのが一般 の推測だが、漁業問題やエネルギー資源問題を含め、鈴木宗男の利権の正体は不明だ。
その鈴木宗男の目は、昨年あたりからアフリカに向いていた。いったい何が目的で、彼はアフリカに目を向けたのだろうか。永田町の情報通
たちは首を傾げた。一説にはODA予算が目的では?との見方もあったが、ODAのカネなど鈴木宗男にとっては小さな額だ。
だが、デビアスが国際ダイヤ市場の一部から撤退し、アフリカ諸国の紛争ダイヤが極東市場に流出するという情報で、彼の目論見が見えてきたようにも思える。
|