東京都町田市立町田第三小学校「いじめ隠ぺい事件」第2弾 | 行政調査新聞

東京都町田市立町田第三小学校「いじめ隠ぺい事件」第2弾

総力取材大特集 本紙独占特報

本紙前回記事で紹介した、町田市いじめ隠ぺい事件の告発動画が各方面で話題となっているようだ。日本語でのオリジナル版に次いで英語版も公開され、国際的な拡散が進んでいる。
まずは本紙前回記事と併せて、下記リンクから問題の動画をご覧頂きたい。

『ウソつきと共犯者』
httpssssss://www.youtube.com/watch?v=SZf3T2fj8OE

英語版『LIARS AND ACCOMPLICES』
httpssssss://www.youtube.com/watch?v=AjKBI2QRY6Q

その後、本紙特別取材班が追った衝撃的な本件続報をお届けしたい。

『取材申し込みの件ですが、いろいろと検討させていただきました。
現段階では、やはり子供たちの学校生活への影響を考えて、取材には応じられないことになりました。
以上、ご連絡いたします。
平成27年12月14日 町田市立町田第三小学校 校長 黒沢志津夫』

これは、前回記事公開の2日後に、黒沢志津夫学校長から本紙記者あてにFAXで届いた、取材申請への回答である。
YouTubeでの告発動画『ウソつきと共犯者』の制作者が語った「学校長も、教育委員会も、市長もまったく同一の回答だった」との前回記事中の指摘を意識したわけでもあるまいが、ほんのひと匙(さじ)加えただけの珍妙な取材拒否回答には思わず失笑を禁じ得ない。
だが現地では失笑どころではない、さらに重大な疑惑が浮かび上がっていた。

警察が知っていた「子供のトラブル」?

新年を迎えた1月1日深夜(2日午前1時50分前)。
本件「町田第三小学校いじめ隠ぺい事件」の被害者である山本氏の自宅固定電話に、非通知の不審電話があったという。
これについて、山本氏には思い当たる節があるという。
本件、町田第三小学校での「いじめ隠ぺい」に対して被害児童保護者・山本氏が立ち上がって以降、同氏宅には不審な無言電話や、不審人物による訪問や様子見のような往来が複数回あったというのだ。
しかし、新年早々の夜中の不審電話とあって警戒感を強めた山本氏は、すぐに町田警察署に通報、被害届を申し出た。
だが、申し出を受けた同署の刑事課は「不審な電話というだけでは捜査が困難。相手が特定できない事案で被害届は受理できない」と判断。生活安全課が「相談を受ける」ことになり引き継がれるかたちとなった。
頻発するストーカー殺人事件のほぼすべてが、事前に警察に被害を訴えていたにもかかわらず被害届が見送られた結果として、回復不可能な悲劇に至っている。 何度か不審電話や不審人物を見かけたからと主張しても動かないのは日本警察の常識といえばそれまでだろう。
ただ本件は、そう単純ではない特殊な事情も隠されているようだ。
被害児童保護者・山本氏が町田警察署生活安全課で詳しい話をした2日の夜、同課の担当巡査部長から山本氏の携帯電話に連絡が入った。
 それは次のような内容だったという。

「署内で情報照会した結果、この件は昨年の10月の時点で警察に情報が来ていました」

警察からの電話に、山本氏は耳を疑った。

山本氏は脅迫電話の被害相談をした際、心当たりとして町田第三小学校での「いじめ隠ぺい事件」についての詳細を警察に話している。生活安全課の巡査部長も初めて聞く案件として、親身になって相談を受けてくれたという。
しかし、夜になって事情は一転。町田警察署は、2か月以上も前の昨年10月には「町田第三小学校での子供同士のトラブル」という内容の本件情報を把握していたことが判ったのだ。
「警察に情報が上がって来ていたというのは、学校からということですか?」そう質問した山本氏に対して、巡査部長は言葉を濁しながらも「学校からではない」との明確な否定はしなかった。
いずれにせよ、学校または関係者が通報しない限り、学校自身が隠ぺいしようとしている本件いじめ事件について、警察が知ることなどあり得ないのだ。
そして昨年のこの時期、山本氏は制服警官(巡査)2名に、あからさまに尾行されるなど、行動を監視されることがあったというのだ。
当時、山本氏は、本件いじめ事件について頻繁に学校側と交渉や質問を重ねており、被害当事者としての自分の怒りが学校側を警戒させているのだろうと思い、警察官の監視についても深くは考えなかったという。

しかし、これは民事不介入が大原則である警察の行動律としては異常な動きであり、公権力のありかたとしても重大な問題である。

「子供たちの学校生活への影響を考えて取材には応じられません」

いかにも教育者を自称する模範解答を示した黒沢校長だが、その裏で、警察に被害児童保護者側の監視を依頼していたとしたら大問題である。
また町田警察署も、民事不介入の原則を侵してまで、黒沢校長(または本件関係者)の意を受けて、刑事事件の被疑者でもない山本氏をマークしていたのだとしたら、問題は教育行政に留まらない。
果たして、誰が警察を動かしたのか?

黒沢志津夫校長は、「いじめと疑われる事案」について「事実確認ができていないから、本件解決に向けた対策が遅延したのだ」とする釈明を繰り返していた。
同様の答弁は、昨年末の町田市議会文教社会常任委員会にて町田市教育委員会によっても繰り返された。
この「事実確認ができていない」との答弁が、黒沢志津夫学校長と教育委員会のまったくの虚偽であることは後述する。

問題は、黒沢校長の言い草によれば「事実確認ができていない6歳児の悪ふざけ」に過ぎない、その程度の認識であったはずの本件について、学校(または関係者)が、早々に警察に通報していたという点である。
黒沢校長自身が警察に通報していなかったとしても、本件いじめ事件(学校から言えば「子供同士のトラブル」)が発生した学校側から情報が提供されない限り、警察上層部が知ることはあり得ない。
またなぜ、町田警察署は「子供に関するトラブル」に過ぎない民事に対して、山本氏に事情を聞くなどの手続きもなく、学校側の要請に速やかに応じて、山本氏の行動監視を行ったのか?

相談に訪れた山本氏に、警察は「双方(山本氏と加害児童M家側)がすでに弁護士を立てて、裁判の予定ということですから、警察としては静観するということになります」と回答した。
それだけなら、ある意味では「もっともな話」ではある。裁判が予定されている民事事件に介入しないことは、警察機関として至極当然の判断なのだ。ただし、それが他方にも同じ対応であるなら、という注釈がつく。
だが、町田警察署は、山本氏に対しては民事不介入の原則を示し、一方の学校側(または学校関係者)からの要請には、その原則を無視して、なおかつ山本氏から事情を聞くという適正な手続きさえなく、即座に同氏をマークしているのだ。

この状況は、まるで学校関係者と警察内部の誰かが「特別な関係」にでもない限り説明できない不公正さである。

無論、町田警察署と協力関係にあるのは学校だけではあるまい。
本件町田第三小学校における「いじめ隠ぺい」が明るみに出ては不都合な者たちが、なんらかのかたちで警察権力を私的に濫用し得る立場にあるとすれば、山本氏を「要意注意人物」であると警察に通報し、ワナにはめることもできるのだ。

加害児童M家の「ピーポくん」と、警官志望の加害児童

この不可解な町田警察署の動きを解くヒントになるような、ある証言が現地で得られた。

それは本件加害児童側であるM家の自家用車内に、ある日から警視庁のマスコット「ピーポくん」のぬいぐるみが、外から見えるように置かれるようになったというものだ。
本紙取材班も、M家の門前に停められた自転車に「ピーポくん」のステッカーが貼られた「パトロール中」なる黄色いプレートが装着されていたことを確認している。
「ピーポくん」なるマスコットは、ぬいぐるみからキーホルダーまで多様なグッズがあり、それらは運転免許試験場や通信販売などで、警察関係者でなくとも誰 でも購入可能である。「ピーポくん」を置いているから「警察の身内」であるという単純な話ではない。
加害児童M家が「ピーポくん」を車に乗せ始めたのは、山本氏が提訴を宣言した頃からだと証言者が述懐する。
だとすれば、むしろ加害児童M家側は、山本氏からの責任追及をかわすために、警察を防波堤として利用することを「誰か」に示唆されたのではないかという疑惑さえ絵空事ではなくなってくる。

しかし、町田第三小学校の保護者からは、もうひとつの「説」も聞かれた。
「いじめの加害者側のM君ですけど、普段から“おれのお父さんは警察に強いから、なにをやっても大丈夫なんだ”というようなことを自慢してたのを聞いたことがあります」というのだ。
6歳という年齢の子供は、オトナの言葉を無邪気に反映する。加害児童が「自分の父親が警察に強い」などと嘯(うそぶ)くからには、M家と警察上層部に、なんらかの人的関係があるとしても不思議ではないだろう。

少なくとも、当初、町田警察署の生活安全課巡査部長は本件情報を知らなかった。だからこそ巡査部長は親身になって山本氏の相談に対応したのである。
この巡査部長自身、おそらく釈然としない思いがあるはずだ。署内で本件相談内容を情報として上げてみたら、すでに上層部が知っていたのだから。
小学校での児童のトラブルなどは、そもそも学校に通報されるような出来事ではないはずだ。百歩譲って警察に持ち込まれた場合、生活安全課の現場担当者が把握していても、そんな小さな案件を上層部は知らないというほうが普通である。
それが町田警察署では、アベコベなのだ。案件が「小学校1年生児童のトラブル」であるにもかかわらず、知っていたのは管理職の上層部で巡査クラスは知らなかった。まるで「極秘事項」同然に秘匿されていた形跡さえあるのだから奇妙な話だ。

不透明さを感じた山本氏は、再度、町田警察署を訪ねて、担当者の生活安全課巡査部長に直接事情を聞こうとした。
すると、担当の巡査部長に加えて、前回はいなかった別の警察官が同席し「本件については情報を一切言えない」との回答をしたというのだ。
山本氏は「担当の巡査部長が、最初の相談のときと違って、とても歯切れが悪そうにしてたことが印象的でした。おれにも子供がいるからと、すごく親切に対応してくれた人だったので、正義感との板ばさみになっているのかもしれません」と感想を述べた。

子供を悲劇に巻き込む、オトナの権力構造

本紙は、ここである過去の事件を引用して、本件との類似性を指摘したい。

1999年12月4日に発覚した、通称「栃木リンチ殺人事件」である。未成年の犯人3名(死体遺棄にさらに16歳の少年が加わる)が、ひとりの勤労少年を 恐喝目的で拉致監禁し、連日連夜暴行、拷問し続けた末に殺害。その死体を山中に遺棄した凶悪かつ陰惨な殺人事件である。
詳細 ウィキペディア参照 <栃木リンチ殺人事件>

この事件は、主犯少年の父親が当時栃木県警警部補であったことが発覚し、日本犯罪史上に残る大事件となった。
警察は、主犯少年が警部補の息子だと知っていたからこそ、殺害された被害者少年の両親による度重なる捜査願や証拠保全の訴えを組織的に遮断し、回復不可能な悲劇を生んだ。これが日本の警察機構の現実である。
こ の事件の主犯少年は幼少時から「粗暴な行為」を繰り返したが、自分の父親が警察官であることを自覚しての確信犯であったことは想像に難くない。どれだけ自 分が罪を犯しても、父親が父親自身の保身のために自分を助けるだろうことを、この種の狡猾な少年犯罪者は知っているのだ。

本紙が追及する町田市立町田第三小学校でのいじめ隠ぺい事件は、この栃木リンチ殺人事件の背景と同類の「闇」が漂っていると言っても、決して突飛ではない。
その「闇」とは、なんらかの関係性によって警察権力を私的に行使し得る立場の者の邪悪さが、その子供たちに「転移」するという闇である。

こうした邪悪な連帯感は、自らの不都合をもみ消すためには、なんの落ち度もない他人の心身を傷つけ、命を奪っても意に介さない。
問題がなんであれ、ある地域性に「なじまない」人間は、「抹殺しても許される」という排外的な特権意識が、人道も正論も、法律さえも無視した異常な共同体 を形成し、市の行政がこれを放置しているのであれば重大な社会問題である。歪んだ社会を容認し、あるいは恐れて沈黙する日本に未来はない。
本件、町田第三小学校いじめ隠ぺい事件の「主犯」児童らが、このままなんの社会的指導も制裁も受けずに成長すれば、「権力者につき従えばウソが素通りす る」と学び、第二、第三の栃木リンチ殺人事件が容易に起こるだろう(事実、類型の事件は後を絶たない)。
このような問題は、例外なく「教育の不在」が最大の要因で発生する。
だからこそ、教育者を騙りながら自らの権益に腐心するばかりの「ニセモノ教育職員」の根絶こそが、わが国の教育を更生させる第一歩となるのである。
 町田市立町田第三小学校は、現代日本の教育荒廃の縮図に過ぎないのかもしれない。

ウソにウソを重ねる黒沢志津夫学校長による、保護者への情報操作の実態!
学校内で行われた異様な集会

去る12月21日、午後6時。町田市立町田第三小学校・多目的室において「第1学年臨時保護者会」なる集会が開催された。
こ れは、本紙前回記事でも紹介したYouTubeの告発動画『ウソつきと共犯者』を端緒として、事態が発覚した学校側が、学校と連帯するPTA保護者と一緒 になって、事情を詳しく知らない保護者に情報操作をする目的で行った、黒沢校長と教育委員会による「悪あがき」である。

本紙は、独自のルートでその全容を録音した音声を入手。そこで繰り広げられている、被害児童の父親・山本忠氏を吊し上げるかの異常な集会の実態は、まるで中世ヨーロッパの「魔女狩り裁判」のような常軌を逸したものであった。

同集会は、まず黒沢志津夫校長による開会主旨説明から始まった。
長文になるが、重大な事件なので、以下にその全内容を、黒沢校長の各発言に対しての本紙注釈(※印)を挿入するかたちで公開する。

黒沢志津夫・町田市立町田第三小学校校長
「お集まりいただきましてありがとうございます。
本日お集まりいただきましたのは、御存知の方も多いかと思いますけども、1年●組で現在3か月以上、学校をお休みしている児童がおります。
その児童の登校再開に向けて学校として、いろいろ取り組んできてはいるところですが、そのうちのひとつとして3学期あたりから考えていることをお話して、皆さんの御協力を得たいと思いまして臨時保護者会を開かせて頂きました。

さて、その説明に入る前に、なぜこのような事態になったのか、そのへんをご説明したいと思います。
12月8日の1年●組の保護者会で説明させて頂きましたけれども、もう少し詳しく聞きたいという保護者の方の要望もあり、教育委員会と相談しまして個人情報に配慮しつつ「事実だけ」をお話させて頂くことに致しました。
皆様もご存知の方も多いかと思いますけれども、動画サイトのYouTubeというところに『ウソつきと共犯者』という動画が公開されました。
現在、多くの子供たち、保護者、地域の方々を不安にさせているものでもございます。そのへんも含めてご説明致します。」

※黒沢校長は、告発動画が学校関係者を不安にさせていると発言しているが、自身は取材も拒否し、告発に関する公的な説明責任も果たしていない。自分自身が学校と地域に不安を招来する元凶だと自覚することもなく、告発動画に責任転嫁している。
また順を追って指摘していくが、「事実だけ」を話すという宣言からして黒沢校長の「大ウソ」である。

黒沢志津夫校長
「なお、説明の都合上、訴えている保護者の方・児童をA君、訴えられているほうの児童をB君というふうにして話を進めさせて頂きます。
まず9月に、A君保護者より「子供がいじめられている」というお話を聞きました。学校としてはすぐに管理職、基幹教諭、学年主任、担任で、その方から示された事案について早々に事実確認、解決に着手致しました。
そして、学校としては、早期に事実確認をし、必要な指導をし、保護者へ連絡するということを行い、子供たちが楽しく通学できるようにすることを最終目標に全力で取り組むことを(被害児童保護者に)お伝えしました。
この段階で、「いじめ」という訴えだったこともあり、「いじめの訴え」という捉え方で取り組みました。
後で「学校が最初、いじめと認めていたのに認めなくなった」と言われているのは、このことだろうというように思います。」

※まったくの虚偽説明である。
そもそも加害児童の粗暴な振る舞いや精神的に不安定な言動については昨年5月頃から、複数の在校児童によって認められている。
当初、被害児童の母親は加害児童を心配して、担任女性教諭に連絡帳を通じて知らせている(連絡帳の記載に明らか)。ところが、この担任はこれら加害児童の 危険な兆候を示す情報について、一切往信をしない。不自然なほどの完全無視であり、いわゆる「初動調査」の義務放棄である。
黒沢校長は、「いじめ」はあたかも
9月に突如発生したかに報告しているが、入学早々の春先から、加害児童について注意を促す情報が担任教諭に知らされていた事実を意図的に省略している。

黒沢志津夫校長
「調査の結果、出された事案は、現段階で3つのグループに分けることができます。
一つ目は、話し合いの上、訴えた方と訴えられた方とが事実確認はできているけれども、いじめかどうか判断の分れるもの。
二つ目は、話などに食い違いがあり、確認がストップしているもの。つまり、事実かどうか確認できないことです。
三つ目は日時・場所、特定できていないもの。これも事実かどうか確認ができません。
では、事実確認ができていることについてお話をします。
まず一つ目です。
こ の事案は9月の10日、仲良しの二人が下校中、A君の家の前の門の内側に蝉の死骸がありまして、B君が黙ってそれを持って行こうとしたことです。A君の宝 物だったようで、A君の母親に注意をされ「そんなに欲しいならあげるよ」と言われましたけれども、B君は断って投げて返しました。起きた事実はここまでで す。
このことについてA君の保護者より学校に連絡が入りましたので、担任が事情を聞いて指導し二人は仲直りをしました。
Bさんの保護者よりA君の保護者への謝罪の電話もあり、学校としては解決した事案と考えていたところです。
ところが、1か月後の10月5日の話し合いのときに、Aさんより「蝉の件は敷地内に勝手に入って敷地内にあるものを勝手に持って行ったので、いじめを通り超えて窃盗であると、犯罪である」というお話がございました。
学校では、悪い行動ではあるけれども、いじめとしては捉えませんでした。また、6歳という無邪気な年齢ですので犯罪と言わず「悪ふざけのひとつ」と考えま した。この段階でA君の保護者が主張する「犯罪」と、学校側の「悪ふざけ」という判断が並行線となっているわけです。
なお、この話し合いは両保護者、学校、教育委員会、そして市議会議員が参加しております。」

※「蝉の死骸を拾った」という軽微な出来事だけを引き合いにすれば、真相を知らない他の保護者らには、これを「犯罪だ」と被害を訴える山本氏のほうが異様に見えるだろう。
しかし事実としては、前段の注釈の通り、加害児童の問題行動には「序章」があったのである。
だ からこそ山本氏は、「
B君」が「無断で人の家の敷地に立ち入って蝉の死骸を拾った」という軽微なことを、ただの子供の無邪気な振る舞いではない、加害児童 が暴発する危険な予兆を感じていたのだ。そして、山本氏の「B君」に対するその予感は自分の息子への暴行という悲劇的な結果で的中したのである。
な お、黒沢校長がここで用いた「悪ふざけ」という言葉は、この日の臨時保護者会で初めて使われた表現である。それまでの「話し合い」の中でも一度も使われて いない。他の保護者に、とにかく「大したことではないことを大騒ぎしている山本家」という洗脳を急ぎたい黒沢校長は、この日のための新たな情報操作として 「6歳児の悪ふざけ」と言い出したのである。
そのうえで黒沢校長は「話し合いには両保護者、学校、教育委員会、そして市議会が参加しております」などと、いかにも関係者全員が「6歳児の悪ふざけ」だとの認識を共有していたかのように発言している。
事実は前述のように、誰一人「6歳児の悪ふざけ」などと言っていない。くどいようだが「話し合い」全4回合計6時間ほどの録音を聞いても、ただの一度も出 てこない表現である。録音の中で、加害児童M家の保護者(父親)は沈痛な声で山本氏に謝罪している。「6歳児の悪ふざけ」で、そのような謝罪をする保護者 がいるだろうか?

黒沢志津夫校長
「次、事実確認ができている二つ目の件です。
これは遡ること4か月前の5月29日、一緒に下校していたA君にB君が「自宅に入るときに“おじゃまします”と言うように」と言った件です。
一緒に下校していた子供たちは覚えていませんでしたけれども、B君がこれを認めたため、翌日、B君の保護者からA君の保護者への謝罪がありました。
子供たちへの指導も6月1日、担任が済ませており、A君がB君に「ごめんなさい」をしました。

※謝罪は当然、加 害児童B君がA君に対して「ごめんなさい」と言ったのだ。黒沢校長の言い間違えであるが、強いてプロファイリングをすれば、被害児童A君=山本家を意図的 に貶めようとする黒沢校長の無意識が、このような被害者・加害者逆転の発言をさせているのではないか?

そのため、学校としては解決した事案と考えておりました。
しかし、4か月後の9月11日の話し合いのときに、A君の保護者より「言葉の暴力である」と、「いじめ」という話がございました。
この件についても学校は、いじめと捉えず「6歳児の悪ふざけ」と捉えました。
これも先ほど同様、A君の保護者が主張する「いじめ」と学校側の「悪ふざけ」という判断との違いが並行線になっています。
三つ目は9月18日、A君とB君、そしてもうひとりの友達3人と1年●組の教室で、中休み仲良く自由帳に絵を書いて遊んでいました。A君が「書いてもいい よ」と言ったので、B君がトカゲとクワガタの絵を書いたそうです。そして、さらにその自由帳には「バ」と書き、B君は自分の名前を書きました。さらにもう ひとりいた子が、その「バ」の後ろに「カ」って書いたわけです。だから「バ」と「カ」とB君の名前になりました。これの件も「いじめ」という訴えがござい ました。
これはB君が、友達を使って自分がA君にいじめられているように仕組んだものである、A君をいじめの対象にするものだったと主張されています。
この事案は、A君が(9月)24日から不登校になっていますので、子供同士の落書きについての謝罪はできていません。
学校での話し合いのときに、B君の保護者からA君の保護者に対して「落書きに関して、やってしまったことは申し訳ない」との謝罪がありました。
子供同士の「ごめんね」ができていないので、解決とは言い難いですが、学校としては「いじめ」ではなく「6歳児の落書き帳の悪ふざけ」と捉えています。
これもAさんの「いじめ」と学校側の「悪ふざけ」が並行線になっている事実でございます。
以上、話し合いに参加しての事案を知った上で「いじめ」か「悪ふざけ」かで分れている3点でございます。」

※黒沢校長が「事実確認ができている3点」というのは、加害児童による言動のなかで、いずれも軽微なものだけである。
第一、3点目の件などは校長自身、被害児童A君が不登校で謝罪ができていないと証言している。即ち、学校は被害児童からの事実確認が取れていないにもかか わらず「加害児童B君が認めたから」と事実認定している。なぜなら、これらは軽微な事実だからである。
逆に、本件について学校、教育委員会、加害児童・被害児童両保護者、市議が一堂に会した「話し合い」では協議の主題にさえなっていた、加害児童が傘の先端 で被害児童の眼を狙って突いた「傘事件」(市議会議長・上野孝典氏自身がそのように発言)のことは、この臨時保護者会では一切触れられていない。
黒沢校長は「事実確認ができたものだけを報告」と前置きしているが、「傘事件」についても加害児童「B君」自身が「傘の先端で眼を狙って突いた」と明確に 担任教諭に話をしており、この聞き取り結果は、ほかでもない黒沢志津夫校長の面前で担任教諭から報告されているのだ。
「蝉の死骸を拾った」ことを「加害児童B君が認めたから事実認定」したというならば、「傘事件」こそ、「B君」本人が認めているのだから、その時点で事実確認ができていることになる。
さ らに黒沢校長は、加害児童保護者が「落書きに関してやってしまったことは申し訳ないと謝罪した」などと放言しているが、「話し合い」の録音に明らかな通 り、謝罪は「傘による暴行事件」について行われている。誰あろう加害児童保護者自身が、「傘事件」を認めて謝罪している事実があり、黒沢校長もその場にい たのである。
つまり、黒沢校長は自分たちに不都合な、加害児童による重大な暴行を、事情を知らない他の保護者から隠すために、確信犯でまったくの「ウソ」を並べ立てているのだ。
告発動画などで事実の一部が流出しており、実際に被害児童A君が長期欠席している以上、さすがに黒沢校長も「なにもなかった」とは言えない。
そこで意図的に軽微な出来事だけを前面に強調して、他の保護者が被害を訴える山本氏を異常なモンスターペアレントであると錯誤するように仕向けている。極めて悪質なネガティヴ・キャンペーンだ。
いや、黒沢志津夫氏が仮にも公立小学校の学校長であり、市税を財源とする給与で食ってきた教育職員であるという事実に鑑みれば、このような明白な「ウソつき」ぶりは、悪質どころか「凶悪」とさえ言えるほどの犯罪的な行為であろう。

黒沢志津夫校長
「あと他の事例ですけれども、すべて事実確認ができませんでした。
どうしてできないんだろうと思われる方も多いと思いますので、一例だけ理由を申し上げたいと思います。
A君保護者より訴えがあったものの中に、日時、場所、関係者等がまったく示されてないものがございました。
その点をA君の保護者に聞くと「日時、場所、関係者は学校が調べて欲しい」という主張でした。「証拠もあり証明できるけども学校には教えない」ということも仰られています。
学校としては出来る限りのことで調べましたけども、確認はできませんでした。
Aさん保護者に情報提供をお願いしているところでございます。
さて、ここまでお話できることで経緯をお話して参りました けども、9月24日より今日までA君は学校に来ていないことも事実です。学校そして校長として大変胸を痛めております。担任のほうも、翌日の9月25日の 朝、描いた絵を見せてくれたA君を見たのが最後です。学校としてこの事実を重く受け止めております。」

※「あと他の事例ですけれども、すべて事実確認ができませんでした」という黒沢校長だが、真相は前述の通りで、加害児童が行った軽微な出来事だけを「事実確認できた」ものとして報告することで、保護者らを誤誘導している。
一般的な人間の認知メカニズムとして、軽微な事例を正式に報告されて、その後に「あと他の事例ですが」などと聞かされれば、あたかも「あと他の事例」は、それまで聞かされた軽微な言動よりもさらに軽い言動だろうとの先入観を植え付けられる。
そうでなくとも、「傘で眼を突く暴行」などは事実確認の有無にかかわらず、黒沢校長がもしも公正な人物ならば、そのような重大な争点があることを他の保護者に報告する義務があるはずだ。
なぜなら、事情を知らない保護者でも、山本氏が「傘で目を突く暴行」について被害を訴えていると聞けば、一方的にモンスターペアレントだとは思わないはずだからだ。
しかし、後に判ったことだが、この臨時保護者会には、事前に学校側の意を受けて参加した、いわば学校側のサクラが仕込まれていた。これについては後述する。
な お、24日から登校していない被害児童「A君」について、黒沢校長は「9月25日の朝、描いた絵を見せてくれたA君を見たのが最後です」という意味不明の 報告をしている。「A君」が9月25日に登校したり、または自宅に学校関係者が訪ねた事実もないので、これも黒沢校長の言い間違いであろう。いかにも理路 整然とした報告を演じているわりには記録も不正確で、被害児童「A君」と加害児童「B君」を言い間違えるなど、黒沢校長には本件に対する誠意も緊張感も感じられない。

さらに、ここで発言された以下の黒沢校長の報告を再度確認しておこう。

A君保護者より訴えがあったものの中に、日時、場所、関係者等がまったく示 されてないものがございました。
その点をA君の保護者に聞くと「日時、場所、関係者は学校が調べて欲しい」という主張でした。「証拠もあり証明できるけども学校には教えない」ということも仰られています。
学校としては出来る限りのことで調べましたけども、確認はできませんでした。
Aさん保護者に情報提供をお願いしているところでございます。」

この黒沢校長の発言に至っては、いじめ隠ぺいどころか被害児童の苦しみを抱えながら告発に立ち上がった山本氏を侮辱さえしている、許されざる「大ウソ」である。
何度も繰り返すように、本件の「話し合い」はすべてが録音されていた。学校長や教育委員会、加害児童保護者も上野孝典町田市議会議長も、「密室会議」にできているという過信があったからこそ、いわば本性を隠さずに言いたい放題に発言していた。
その中で、黒沢校長は「
A君保護者」こと山本氏に対して「いじめの証拠があるなら見せて下さい」などと言っている。どれだけ核心を掴まれているのか探りを入れるかの物言いである。
そこで山本氏は「証拠はすべて弁護士が持っていますから聞いて下さい」と返答したのだ。
ところが、黒沢校長が山本氏の弁護士に証拠の存在を確認することはなかったのである。つまり、弁護士に聞いて本当に証拠を示されたら、もはや黒沢校長は言い逃れが効かなくなるからだ。
「学校としては出来る限りのことで調べた」などと言った黒沢校長は、山本氏に「証拠は弁護士に聞いて下さい」と言われながら、自ら「調べないことにした」 に過ぎない。それを、あたかも解決を妨害しているのが山本氏のほうだとでもいう論旨にすり替えているのだ。
付言するまでもなく、山本氏はすでに弁護士に委任したと学校側に告げている。それならば、山本氏自身が「弁護士に聞いてくれ」と言われて、学校側がこれを 実行しない理由などない。まさに「事実確認」の白黒がはっきりするであろう、弁護士保有の証拠について、なぜ黒沢校長は触れようとしなかったのか。

答えは、ただひとつ。黒沢志津夫校長は、すべての真相を知っているからである。
触れてはならない、触れては加害児童と保護者の墓穴となる証拠だという確信があったからこそ、黒沢校長は山本氏の提言にもかかわらず弁護士に連絡をしな かった。いや、すべての真相を知っているからこそ、弁護士から証拠を開示されたら、自らが窮地に立たされるであろうことを知っていたのである。
黒沢校長への糾弾は今後に譲るとして、まだ続く、臨時保護者会での黒沢校長の虚偽答弁を検証しよう。

黒沢志津夫校長
「では、先ほど申し上げた話し合いで、学校側や教育委員会から提案し取り組んできたことを申し上げます。
一つ目は、学級の様子を伝え安心させるために担任が手紙、学習プリントを届けがてら家庭訪問を行います。数日おきにやっておりますが、まあ、定期的にはなかなか難しいので何日かおきになっております。ただこの間、担任はA君に会えておりません。
二つ目、話し合いの中で町田市のスクールソーシャルワーカーの派遣、教育相談所、これは「けやき教室」といいますけども、への相談。本校のスクールカウンセラーの活用についてお薦めしています。残念ながら実現しておりません。
四つ目・・・あ、三つ目。学級の子供や近所の子供たちと遊ぶことによって、学校への復帰につなげる提案をしましたが、遊んだ子供がA君のいじめの標的になるからとの理由でこれも実現しておりません。
さて、こっから本日の本題に入りたいと思います。
A君の保護者より、A君はB君が怖くて学校に行くことが出来ないということで、B君に対する措置を強く希望されております。
A君を登校させる条件として、三つ出されました。
一つはB君を転校させる。二つ目はB君を出席停止にする。三つ目はB君に対してひとりだけ別室で授業を受けさせるというものでございます。
これについて私・校長としては、三つは受け入れらないことをお伝え致しました。」

※ここでも黒沢校長による「ウソ」のオンパレードが続く。
黒沢校長は、あたかも学校はこれだけ被害児童A君の復学に向けた努力、対応をしているが、ことごとく山本氏が拒否しているかに吹聴しているが、事実はまったくの逆である。
こ の間、担任、校長、教育委員会、市議、東京都教育委員会にまで、あらゆる方面に必死で解決を訴えていたのは山本氏であって、学校側が対応らしきことを見せ 始めたのは、本件告発動画『ウソつきと共犯者』がYouTubeで公開され、周辺で大ごとになり始めた後のことである。
担任教諭が「A君の様子はいかがですか?」と自分から山本氏に電話をしてきたのは、告発動画が公開され、市議会での請願が行われた当日(被害児童の欠席か ら約
3か月後)が初めてであり、黒沢校長が言うように学校側が本件解決に向けて積極的に取り組んだ形跡など、なにひとつないのである。
また、黒沢校長は、いかに山本氏が異常であるかに演出して報告するために自分に都合よく文言をねじ曲げてまとめている。

A君を登校させる条件として、三つ出されました。
一つはB君を転校させる。二つ目はB君を出席停止にする。三つ目はB君に 対してひとりだけ別室で授業を受けさせるというものでございます。」

これだけ聞かされれば、まるで山本氏が校長に要求書でも突きつけたかの図を思い浮かべるが、実際の会話で、山本氏はこのような要求をしていない。
前回本紙記事で紹介している告発動画『ウソつきと共犯者』のなかで、まさにこの部分の実際の音声が使われている。
山本氏は「いじめ防止対策推進法で、こういう場合に(加害児童の)出席停止措置の適切な運用、というのはできないんですか?」との主旨を質問し、これに対して黒沢校長が「できません」と一蹴しただけのことである。また山本氏が学校側に「
B君を転校させろ」と要求した事実もない。
「加害児童を別室で授業させる」というのも、いじめ防止対策推進法に定められた法文に沿って「そのような措置が出来ないのか」と山本氏が質問したに過ぎ ない。いじめ防止対策推進法は理念系の法であるにせよ全会一致で議員立法された法律である。そこに定められた一文についての質問であり、山本氏の不当な請 求であるはずもない。これに対しても黒沢校長は「加害児童の教育権がありますから出来ません」と一蹴している。
山本氏が「3点要求する」などと黒沢校長に迫り、「三つは受け入れられない」などと応答した事実は存在しないのである。
このように黒沢校長は一貫して、山本氏を「異常なモンスターペアレント」にデッチ上げようと画策し、実際の会話を知らない保護者らに対して山本氏を貶めている。それとも「算数」教師出身の黒沢志津夫校長は、国語が苦手ということなのか。
そして、黒沢校長の「大ウソ演説」は次の言葉で締めくくられた。

黒沢志津夫校長
「それで学校としては、今から申し上げる方法を新たに提案していきたいと思います。
それは、A君に十分目が届き、様々な点で配慮が出来る少人数指導です。
登校し始めの1週間程度、1年●組をふたつの少人数クラスにして、それぞれに担任がつくという案です。担任は現在、●●教諭と副校長を考えております。
もちろんこれはA君の保護者の同意を得てから実施したいと思いますが、とにかくA君の登校できるようになった状態で、すぐにでも実施したいと思っております。
状況に応じて、この期間は多少延びるかもしれませんけれども、1日も早いA君の登校に向けて今回の対応について、ご理解とご協力を皆様方に求めたいと思いまして、今日、保護者会を開かせて頂きました。
最後になりますけれども、今回、仲良しだった二人が一刻も早く問題を解決し、二人が以前のように楽しく学校に過ごせるようにするため、私も当然ですけども全職員で力を合わせて取り組みたいというように思っております。
また、本校の保護者の皆様、地域の皆様にも、今後、いろいろとお力を借りることが出て来るかもしれません。そのときは、どうぞよろしくお願い致します。
今回は、ほんとに皆さんに不安を与えるような事態になってしまったこと、校長として深く反省しております。お詫び申し上げます。大変、申し訳ございませんでした。私からは以上です。」

以上が、臨時保護者会の冒頭で黒沢志津夫校長が滔々と述べた「大ウソ」演説の全容である。

終始、まるで「無理難題をふっかける山本家に対しても、学校は登校できていないA君のために誠実に対応している」とでもいうような言いぐさである。
それ以前に、大学病院で世界診断基準のストレス反応を診断された被害児童と、その加害児童を、たかだか1週間程度、クラス分けしたところで解決するはずもないことを、黒沢校長は理解できないのだろうか。

この黒沢志津夫学校長の演説に、告発動画の製作会社代表で本件支援のボランティア活動の中心的人物でもある国際的映画監督・高橋玄氏は憤りを隠さない。

「今年の干支が申(サル)でシャレにもなりませんけど、猿芝居もいいところです。ウチでも山本氏と学校側との4回に及ぶ「話し合い」とやらの録音を入手し ており、私たちは全容を聞いています。山本氏の代理人・武田弁護士も訴訟での証拠方法とするものです。
そこには、「傘の暴行」について謝罪をする加害児童M家の父親の言葉が残っています。黒沢校長は「事実確認できたもの」などと言っていますが、それは数ある加害児童の暴行のうちから、故意に軽いものだけを保護者会で開示しているに過ぎません。  
たとえば、蝉の死骸を無断で手に取ったことを「窃盗だとA君両親は主張されました」と聞かされたら、真相を知らない人たちは、山本氏が異常な感覚のモンスターペアレントだと思ってしまうでしょう。
繰り返しますが、加害児童M家の父親は「蝉の死骸事件」や「自由帳への“バカ”の落書き」のことで謝罪したのではなく、明確に「傘で眼を突いた事件」につ いて被害児童保護者の山本氏に謝罪しています。M家の父親の「やってしまって申し訳ありませんでした」という声がそのまま録音に残ってるわけです。
「話し合い」の録音内容を無編集で聞けば、この保護者会での黒沢校長の説明や市議会での教育委員会の答弁が、ウソまみれであることは誰にでも判ることです。
私たちがボランティアで製作している本件ドキュメンタリー映像の監督・土屋トカチも取材で確認していますが、「話し合い」というのは、加害児童M家の両親 も息子がやらかしてしまった暴行を認めていたからこそ始まったんです。M家が認めていなかったなら「知りませんよ」でおわりのはずで、「話し合い」に同席 するはずもないんですから。
いじめ-私たちの認識では6歳児による暴行傷害事件ですが-を事実無根だというなら、なぜ最初から数えて4回も当事者 が集まるんですか。事実だと全員が知っていて、加害児童保護者と学校側がマズイから「どうやって封印しようか、どうやって軟着陸させようか」と探りを入れ るためのものが「話し合い」だったんです。
それが最後には、山本氏が裁判とメディアでの紛争に進めると宣言したから、もう粉飾は出来ないと判った加害者や学校側は作戦を変えて、あとはウソが通用するまでウソを突き通すことにしたんでしょう。
ど うして、山本氏が私たちメディアの人間に相談してきたか。それは完全に四面楚歌に追い込まれたからです。手順を踏んで、担任、学校、教育委員会、その上の 東京都まで話をして、すべてに無視された。それどころか、行政ぐるみで、もみ消しに動いている。不審なやつらが自宅前をうろつくし、無言電話もある。子供 はパニックに襲われ続けて、家庭内も消耗してくる。その間、夫のほうは生計を立てる仕事を休み救いの手を求めて走り回る。それでも学校、町田市行政は知ら んふりだった。だから、ニューヨークにいる私にSOSをしてきた。本当に、6歳の子供が自死する直前の状況だった。
結果としては、告発によって学校らがマズイと思い始めて事態がやっと動き出した。もちろん、黒沢校長を含めて、あの連中はなにも反省などしてないですよ。ただ事態が暴露されて保身を考えているだけです。
いじめ防止対策推進法制定のきっかけとなった、大津市のいじめ自殺事件を代表的なものとして、その他の後を絶たないいじめ事件でも、日本の教育行政は全部同じ体質です。
役人体質というのかな。子供の命にまでかかわるようないじめ事件でも、まるで「カラ出張がバレちゃまずい」という程度の感覚で、ウソをついて責任追及から 逃げおおせようとしか考えない。そういうデタラメな連中が、いまの日本の教育行政を仕切っているわけです」

さて、黒沢校長は、裁判になれば明らかにされることを、なぜ、あからさまなウソで乗り切ろうとするのか。
ある学校関係者によれば「当の黒沢志津夫学校長がこの春には定年退職で同校を退くことが決まっているからだろう」という。退職すれば黒沢氏は「私人」として、責任を逃れ得るだろうとの思惑だろうか。

学校とPTAの異様な連携―PTA会長の倫理に反する暴言!

しかし、前掲の昨年12月21日の町田第三小学校第1学年臨時保護者会の異様さは、黒沢志津夫校長による、ウソにウソを重ねた情報操作だけではなかった。
本来、問題がなんであれ、学校と生徒・保護者の間に立って諸問題を解決すべき調整役であるはずのPTA会長自身が、被害児童保護者・山本氏を吊し上げるも同然の暴言を吐いていたのである。
「この日の臨時保護者会は、初めからシナリオがあった茶番だったと思います」と、山本氏は振り返った。

黒沢志津夫校長は、開会宣言なる長いウソ八百の演説に続いて「では、保護者の方からご質問があれば」と、出席者に意見を求めた。
ここで発言した保護者のほぼ全員が、あらかじめ黒沢校長=PTA会長の意を汲む発言を「心得ている」お母さま方だったようである。

ある保護者は「そもそも、なんでYouTubeに動画を公開したんですか?」と、見当違いの質問を山本氏に浴びせている。
前出のプロデューサー・高橋氏や、取材・監督の土屋氏が公開した告発動画を、保護者らはなぜか「山本氏が公開した動画」という認識で吊るし上げているのである。

これこそが「弱い者いじめ」の構造そのものだと、当該動画の土屋トカチ監督は言う。
「前にもお話しましたが、高橋プロデューサーと旧知だった山本さんからの相談で、この事件を支援するようになったんです。
た だ、それはこちらが取材して、こちらが制作して公開した動画です。山本さんが公開したわけでも、動画で暴露してくれと頼みに来たわけじゃありません。動画 に使った録音証拠だって弁護士の許諾を得ています。逆に山本さんは、闘うという覚悟を決めるまでだいぶ葛藤もあったようですよ」

つまり、学校やPTAは「動画を制作・公開している映画会社は、どうも簡単にはやっつけられそうもないから、弱そうな山本家を攻撃しよう」とでもいうようだ。
PTAは、問題発覚の端緒となった告発動画の内容も知りながら、誰一人として黒沢校長や教育委員会に真偽を問わない。黒沢校長の「報告」とやらを無条件に 受け入れ、山本氏を「査問」し、精神的に追い込んでいる。学校側の意を汲む誰かが主導して、黒沢校長のウソを既成事実化させようとしているかの発言しか見 受けられないとは異常な集会としか言いようがない。

そんな山本氏包囲網の陰の中心人物のひとりが、町田第三小学校PTA会長A(女性)だろう。本紙では実名も所在も把握しているが、彼女は公人ではないので現在のところはイニシャル表記とする。

A氏は笑い混じりに「町田に合わないなら、引っ越して転校されたらいかがですか?」と山本氏に言い放ったのである。

仮にもPTA会長という女性が、長期欠席している被害児童についての集会で口にして良い言葉であるはずがない。
黒沢校長が本件について「事実確認ができていない」というのは、逆にいえば少なくとも建前上は実情が明らかになっていないという意味だ。誰も事実を知らないはずなのに、PTA会長が「やなら出ていけばいい」と放言すること自体が矛盾している。
黒沢校長は本件の「すべてを知っているからこそ」隠ぺいに必死なのだ。そうであれば、事実を知らないはずのPTA会長A女史が、このような発言をするはず はないと考えるほうが自然だ。A女史も「すべてを知っているからこそ」真相が露呈する前に、山本家を町から排除したいのではないか。
町田市という自治体は、教育行政はおろか、市民レベルまで異常なのかとの疑念さえ余儀なくされる。
本紙は同臨時保護者会の全容を録音で確認したが、山本氏を吊し上げるPTA保護者が「このような動画を公開するのは子供たちのためにならないと思いますから、止めて頂きたいです」と発言すると、会場から拍手が沸き上がる異常さである。

ここまであからさまに山本氏を攻撃する「他の保護者」らが、なにも事情を知らない無垢の存在であるとは信じ難い。
こ の日の臨時保護者会には、同小学校に子供を通学させている東京都議会議員が参加していたという。某都議氏が誰なのか特定できていないのだが、いずれ判明す るだろう。この某都議氏は、先のPTA会長の山本氏への暴言にも黙っているどころか、薄笑いを浮かべながら、吊し上げを見守っていたという。

町田市の「闇」は、一自治体としての自浄作用などおよそ期待できない、歴史的に異様な排他性を堅持する特殊な地域とでも言えるほど深いものだと推察される。
少なくとも、本件は町田市における教育行政の問題である。
根まで腐敗している町田第三小学校については、文部科学省直々に大ナタが振るわれるような改革をしなければ、被害児童のみならず、優秀でまじめな同校の児童たちにも被害は拡大する。
実際、学校関係者と保護者の間には「町田第三小学校の卒業生徒は受け入れたくない」と漏らす中学校も出てきたとの噂まで流れている。

加害児童M家は自ら転校を相談していた!?

「学校のすべては校長で決まる」―教育界では原理原則とされているこの言葉に従えば、本件問題のすべての元凶は町田第三小学校・黒沢志津夫校長にある。
ある意味では、加害児童M家は、学校が主導する話のすり替えに相乗りしたかたちともいえる。
それをうかがわせる、非常に興味深い証言が得られている。
本件問題が発覚した当初、加害児童M家保護者は、自らMの転校を希望する相談を学校側にしていたというのだ。
というのも、加害児童Mには、明らかな暴行事件に至る以前から精神的に不安定な様子が散見されており、M家としても環境自体を変えなければ再び同じような問題行動を起こすのではないかと危惧していたというのである。
ところが、M家からの転校の相談を却下したのが、当の黒沢志津夫校長と教育委員会であったという。
公立学校の場合、生徒は定められた学区の学校に登校させるという「教育委員会によるルール」(法律ではない)があり、転校を申請する場合には相応の条件を満たさなければならないことになっている。
本件の場合、加害児童Mを転校させようとすれば、M自身のいじめや暴行歴を認めることになる。町田第三小学校として不都合であるばかりか、問題児童を快く受け入れてくれる学校が容易に見つかるとも思えない。
それならば、被害者側に泣き寝入りさせて、表面上でも「解決」させたことにしたほうが得策だという行政上の謀略が、そもそも本件が、ねじれていった最初の要因であろう。

社会は「ウソつきと共犯者」を逃がさない

だが、これら黒沢学校長や町田市教育委員会、そして「なんらかの特殊な関係性」を過信している者たちは、社会や世論というものをあまりにも軽視している。
先述の栃木リンチ殺人事件は、被害者の殺害という最悪の結末から約半年も経ってから、すべての事件背景が明るみ出て、日本を震撼させる歴史的凶悪事件となった。
この栃木リンチ殺人事件が発覚した直接の原因は、殺害した被害少年の死体を遺棄する際に、主犯3人に呼びつけられた16歳の少年が「良心の呵責に耐えかねて」警察に自首したことだった。
そして、これに注目した地方新聞の記者が初めて県警警部補の息子を主犯とする凶悪事件であることを報じて全国に拡散したのである。

本紙で取り上げる、本件町田市立町田第三小学校の「いじめ隠ぺい事件」とは、局所的な一過性の事件なのではない。
いまの日本は包括的に同類の事件に覆われている。それが日常的なニュースにまでなると、異常は常識になるのだ。いまでは、国民も「いじめ」事件の数々を、まるで不可避の自然現象であるかのように眺めているだけである。
また、そのように精神が麻痺した社会では、誰も責任所在を追及しないまま、問題はあてもなく先送りにされ、やがて風化する。その繰り返しとなる。
栃木リンチ殺人事件に限らず、桶川ストーカー事件、綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件、昨年の岩手矢巾北中学、今年になって明らかとなった沖縄での小学生自死事件など数えればきりがない「いじめ事件」がその証左だ。

しかし、時代は変わり、いまやインターネットでの情報共有が日常となった。
岩手矢巾北中学校での中学2年生いじめ自殺事件でも、陰の主犯とされる訴外女子生徒の実名と画像までがネット上で拡散されている。
いじめ防止対策推進法立法の契機となった、滋賀県大津市の皇子山中学校での、いじめ自殺事件も同様だ。
主犯の少年らは半永久的に本名と所在地をインターネット上に公開され続け、そのたびに過去を消すために名前を変えながら、姑息に生き延びようとする。
だが、最後には自らが犯した「人殺し」の報復を自らの手で、自らに下す時が来るのである。それが真の「世論」というものだ。

これら同質事件での学校長や教育委員会の「ウソにウソを重ねた答弁」は、本件、町田市立町田第三小学校での「いじめ隠ぺい事件」と、まったく同じである。
だが決定的に違う点は、町田第三小学校での山本氏と支援者らは、回復不可能な悲劇に至る前に、メディアにも呼びかけた闘いを始めたことである。
まさか被害児童保護者が自らの実名を挙げて告発活動を展開するとは、町田第三小学校・黒沢志津夫校長も、町田市教育委員会も想像しなかったのだ。自分たちが「不義」に生きている人間だから、世の中の「不義」に立ち向かう人間がいることを想像できなかったのである。
皮肉なことに黒沢校長らのその油断が、これから自分たちの致命傷となる「話し合い」の全録音を可能にした。黒沢校長が、山本氏を頭からナメ切っていたから こそ、いじめ事件では、ほとんど初めてのケースとなるであろう、いじめ隠ぺいの密室会議の生の録音証拠を残すことが出来たのである。

本件を最初に告発した動画監督の土屋氏は言う。
「私は労働組合運動の専門家でもあるので、社会の庶民の力、世論の力が最終的には権力階層よりも強いことを知っています。この町田市立町田第三小学校の事件も、最後には社会が「犯人たち」を逃がさないでしょう」

冒頭の、山本家にあった1月1日深夜の不審電話に話を戻そう。

本件被害児童の母親・山本氏夫人は、万が一の時を想定して、友人限定公開のFacebookで次のようなコメントを残している。

『【私達は自ら死なない、そして、今頑張っている先生達へ】

ここに、先に書きとめておく。
私達家族は、真実、事実確認、証拠を全ておさえての上で慎重に動いてます。
したがって、本当の事がバレてしまったら、都や市では(もしかすると国でも)、困る人達がいるのです。
もしも、私達家族が”死”のようなことがあったら
自殺、事故では絶対ありません。

ただ、かなりの癒着のある村なので
もしニュースか何かで
(隠蔽の街だから、公にもならないかも。)
私達が”死”などのニュースなんかになって
自殺とかのニュースだったら
絶対にあり得ません。

もし、そうなったら、
そう片付けたい市や、癒着のある警察官の情報が
そのままメディアに反映された。
そういうことなだけです。

先に、私達が自ら”死”はないので
ここに書き留めておきます。』(後略)

このメッセージを目にしても、町田第三小学校教諭やPTA関係者、市議会の政治家たちは、本件に対して沈黙を続けるのだろうか。

身の危険まで感じている山本家に対して所轄の町田警察署は、本稿冒頭の通り「静観」。万一のことも想定して、山本家は民間警備会社に警備を依頼。現在、巡回と機械警備で24時間体制の警備が続けられている。
小学校に入学したばかりの息子が理不尽な暴力の被害に遭い、訴え出れば学校と教育委員会は隠ぺい工作。さらにその不義に対して立ち上がれば、学校や加害児童保護者と連帯していると思われる「見えない力」から迫害される。
異常な環境で山本家をこれ以上孤立させないためにも、本紙は本件告発報道を継続する。
自らの利権のためには6歳児童さえ犠牲にする、教育者とは名ばかりの卑しい国賊たちを決して許すことなく徹底的に糾弾することを、本紙はここに改めて宣言しておく。

本紙特別取材班