石原莞爾研究(後篇) | 行政調査新聞

石原莞爾研究(後篇)

天才戦略家「石原莞爾将軍」の功罪

藤  井  厳  喜
(国際政治学者)

敗戦後の指導者としての「石原莞爾」

石原莞爾は敗戦直後の時代に、新しい日本の指導者として脚光を浴びている。
このことは多くの人々が全く忘却していることだ。石原は満洲国を建国し、30年後の日米による世界最終戦争を夢想したが、その予見は完全に現実に裏切られてしまった。彼は1941年(昭和16年)3月には、予備役に追いやられている。すでに彼は昭和13年12月に、舞鶴要塞司令官に任ぜられ、この時から完全に軍中枢部からは外されていたのだ。完全な左遷人事である。
その後、敗戦まで石原は東亜連盟を中心に活動し、昭和19年には小磯国昭首相と会見し、その後も終戦工作に関わっている。しかし、国の運命を変えることは出来なかった。だが終戦と同時に石原の運命が大きく動き始める。

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