川合市政による官製談合を黙過する異様な市議会 | 行政調査新聞

川合市政による官製談合を黙過する異様な市議会

一人追及の狼煙を上げた小林薫市議も空振りか

平成28年9月13日の川越市議会第5回定例会。一般質問において、ただ一人、当該問題を取り上げた小林薫市議の質問は、残念ながら川合市長との個人的確執に拘泥する余りか、本紙が告発する川合市政の官製談合等について、本質的な追及はなされなかった。
川合市長は㈱カナイ消防機材との「癒着はない」と木で鼻を括ったかの答弁であったが、そもそも癒着の被疑以前の問題として、特定業者が6年間11回連続落札などという異常な入札結果について、なんらの不審も抱かないこと自体川合市長の首長としての職責が問われるべきである。逆にいえば、そのような偏向した入札履歴を放置することこそが川合市長と㈱カナイ消防機材の「反社会的な信頼関係」を雄弁に物語っていると見るほうが自然ではないだろうか。

いずれにしても川合市長には、その疑惑に対する説明責任があるはずだが、市議会では市長への言及もないまま、事実上、黙過されたのであった。市民の疑念は増すばかりである。
市街化調整区域に本社を構える ㈱カナイ消防機材は、平成28年9月15日 現在、看板等も以前のままで通常営業を継続している。自省なきその業態が意味するものは市行政の最高責任者によって、不法行為が黙認されるという担保があるからではないのか?
この問題が議会において不発に終わった事で、川合行政内は安堵するかもしれない。しかし、官製談合を禁じる官製談合防止法は自治体単位の条例ではなく、わが国・日本の公職に対する公正を保護法益とする国法である。

川越市行政や議会が、絡みついた利権と自己保身の沈黙の内に本件をなし崩しに風化させようとしても、真に社会正義を願う、川越市のしがらみに関与しない「日本国民」から糾弾の声が挙がることもあり得るだろう。もしそうなったときに、いま沈黙を続ける市議会は有権者に、そして日本社会に対して釈明ができるのだろうか。
最近では、富山市議による政務調査費の不正取得が連日報道され、この一連の問題で7名もの富山市議が辞職している。おそらく彼らも慢心していたであろう―「富山の中のことなど大きな事件にはなるまい」と。