日本×北朝鮮分断を狙う世界勢力 | 行政調査新聞

日本×北朝鮮分断を狙う世界勢力

――安倍晋三を辞任に追い込む奇妙なウラ情報――

北朝鮮の核実験(1月6日)、ミサイル発射(2月7日)に対し日本政府は、北朝鮮国籍者の入国禁止や北朝鮮向けの支払い原則禁止、北朝鮮籍船舶入港禁止など日本独自の厳しい制裁を課した。韓国も開城工業団地からの撤退を始めとする厳しい制裁を行っている。北朝鮮制裁を巡って駆け引きを展開した米中露だったが、最終的に「ヒト・モノ・カネの流れ」を大幅に制限する、前例のない厳しい制裁案が国連安保理で採択された(3月3日)。これに対し翌4日に日本海に向けて数発のミサイルを発射するなど、北朝鮮の態度に揺るぎはなく、「核をいつでも使える状態にしておく」などと強烈なメッセージを送っている。
日本の隣国でありながら、日本は北朝鮮のことを知らない。北朝鮮に興味を持たない国として日本は世界有数だろう。それは意図的に作られた国際環境と考えられる。なぜ日本人は北朝鮮を知ろうとしないのだろうか。

北のミサイル技術はどこからもたらされたか

北朝鮮はこれまで4回の核実験を行っている。金正日(キムジョンイル)総書記時代の2006年と2009年、そして金正恩(キムジョンウン)第一書記時代となった2013年と今回2016年の4回である。ミサイル発射実験は1993年5月以降、何度も行われている。とくに記憶に残るのは1998年8月に日本列島を飛び越えて太平洋アラスカ沖に到達したミサイル、そして2009年4月に同じ方向に打ち上げられた人工衛星「銀河2号」だろう。この自称人工衛星は失敗に終わっている(北朝鮮は成功したと強弁)。その後、金正恩体制になって間もない2012年4月に「光明星3号」を南方向(韓国・フィリピン方向)に打ち上げ、これも失敗。しかし同年12月、金正恩第一書記が陣頭指揮をとった「光明星3号(改良型)」は見事に成功させている。

今年(2016年)2月7日に打ち上げられたミサイルは2012年の2回と同様に南方向(韓国、フィリピン方向)に発射され、一旦は軌道上に乗ったものの、その後回転を始め衛星としては機能していないと見られている。人工衛星の成功とは言い難いが、大陸間弾道弾としては大成功と言えるだろう。大気圏再突入時の耐性にも問題なく、命中精度も格段に上がっており、米本土東海岸までを射程圏に捉えており、それは米国も熟知している。
発射の模様は複数方向からの映像が朝鮮中央テレビを通して全世界に流され、日本の防衛省は解析を行ったが、世界中の機関がさまざまな分析をしたことだろう。北朝鮮としてはすべてを堂々と公開したことで、その能力を正確に判断してほしいと考えたと思われる。

北朝鮮のミサイル技術に関し、北当局は「共和国(北朝鮮)オリジナルのもの」と主張しているが、一般には旧ソ連のスカッドミサイルを改良したものと考えられている。

旧ソ連が北朝鮮にスカッドを渡した事実はない。エジプト経由で渡ったものと推測できる。第四次中東戦争(1973年秋)でエジプト・シリア軍(アラブ共和国軍)がイスラエルと戦った。この戦争は史上初めて両軍のミサイルが実戦で使用されたものとして知られる。戦争では北朝鮮空軍がアラブ共和国側に加担し、イスラエル軍機を多数撃墜している。北朝鮮空軍パイロットの勇猛果敢さとその戦績を絶賛したエジプトのサダト大統領がソ連から入手したスカッドを譲ったのではないかと思われる。(イスラエルが意図的に北朝鮮にスカッドを渡したとの異説もある。)

細部はともかく、北朝鮮のミサイル技術は旧ソ連のスカッドを基本に、独自の改良を重ねて今日の完成度まで高めたと考えていい。しかしミサイルはロケット技術だけではない。誘導システムが重要である。
北朝鮮のミサイルは「プログラム誘導方式」を採る。この誘導法はさらに、慣性航法、人工衛星航法(GPS補正法)、地形照合(テルコム)法などに分類される。北朝鮮はGPSを駆使して誘導していると考えられるが、中国は協力していない。考えられるのは唯一ロシアが協力していることだ。これに関してロシアはひとことも発言していない。脱北した北朝鮮の科学者が「ロシアの軍事衛星を利用している」と証言していることも併せ、北朝鮮ミサイル技術が旧ソ連、ロシアの援護で生まれたことは間違いない。問題は「核開発」である。北朝鮮の核開発に日本が大きく関わっている可能性があるのだ。

「ニ号計画」と「F計画」

今年(2016年)1月6日に行われた北朝鮮の核実験が水爆だったのか、原爆だったのか、あるいはその中間のブースト爆弾だったのか、意見が分かれるところだが、その議論に意味はない。水爆(核融合爆弾)の定義すらあやふやなものなのだから、原爆だったか水爆だったかを議論しても始まらない。ミサイル同様、北朝鮮の核技術がどこからもたらされたものなのか。そちらのほうが重大である。

北の核技術はパキスタンのカーン博士からもたらされたという説がある。完全否定はできないが、その可能性は低い。旧ソ連解体の際にウクライナから流れたと考えるべきだろう。

ソ連は1990年にバルト3国が独立、1991年12月に共産党が解体されて連邦を構成していた共和国がそれぞれ独立。12月25日にソ連が完全に解体した。このときウクライナもソ連から独立した。

ウクライナは旧ソ連時代には「核兵器工場」と呼ばれ、ソ連の優秀な核科学者、核技術者が結集した地域で、核兵器もここにストックされていた。ソ連解体と同時に、ほんらいはロシアに戻り、あるいはそれぞれの出身共和国に戻るべき科学者、技術者たちの多くが、カネで引き抜かれ北朝鮮に渡ったのだ。北朝鮮最初の核実験はソ連解体15年後の2006年10月に行われたが、これはウクライナにいた旧ソ連の科学者や技術者の叡智の結晶と見るべきだろう。

しかしもう一つ頭に入れておくべきことがある。
北朝鮮の核兵器研究は第二次大戦後すぐに始められ、朝鮮戦争(1950年)後に加速されたことだ。そこには日本出身の科学者たちが関与している。

大東亜戦争中に日本陸軍は仁科(にしな)芳雄博士の下で「ニ号計画」という原爆開発を行っていた。これと並行して海軍も独自に「F計画」という原爆研究を進めていた。海軍の研究は京大の荒勝文策、湯川秀樹両博士が中心だった。「ニ号計画」「F計画」どちらも大勢の科学者が動員されたが、陸軍は東大(東京帝大)、海軍は京大(京都帝大)の学者、研究者が主流だった。仁科、荒勝、湯川の下には東大、京大で働いていた優秀な朝鮮人(当時の国籍は日本人)がいた。この朝鮮人の多くは終戦後日本に残ったが、朝鮮戦争後の「祖国復帰運動」の際に北朝鮮に戻ったり渡ったりして、北朝鮮の核開発に携わった。

さらに李升基(リスンギ1996年没)博士のことも忘れてはならない。李博士は京大を卒業後、京大助教授となり、昭和14年には世界で2番目の化学合成繊維となるビニロンを発明した人物。戦後韓国に帰りソウル大学長を務めていたが、1950年の朝鮮戦争の折りに北朝鮮に拉致され(北朝鮮発表では「自ら進んで北朝鮮に亡命」)、寧辺原子力研究所の初代所長となった人物。1964年(昭和39年)に建設された寧辺原子力研究所こそ北朝鮮核開発の原点となったものだ。

北朝鮮核開発の基礎を築いたのは、東大、京大で原爆研究を行っていた朝鮮人だった。その研究は当然ながら日本流、日本方式だった。ちなみに原爆研究に関して、旧日本軍はかなり早い時点で完成直前まで漕ぎつけていたが、原材料のウランを入手できず米国に先を越されてしまった。ニ号計画、F計画に従事していた多数の科学者たちにとっては痛恨の極みだったろう。

大日本帝国の残置国家・北朝鮮

「北朝鮮は大日本帝国の残置国家である」というと、眉つば陰謀論のように思われるだろう。だが日本と北朝鮮との間に横たわる闇は奇妙奇天烈で、冷静に見る限り北朝鮮は間違いなく大日本帝国の残置国家である。核開発の経緯を見ても、それが理解できる。あるいは今日なお北朝鮮の電力を賄っている水豊ダムを見てもそれが理解できるだろう。水豊ダムとは中朝国境にあるダムで、昭和12年(1937年)に日本の資金と技術によって建設が始められ、戦時中の昭和19年に完成。その当時世界最大の発電量を誇り、その後ほとんど改修工事などは行われずに現在も北朝鮮の電力を生み出している。ダムや発電所だけではない。北朝鮮の生産現場のあり方、工場の設備に始まり、国家組織の形態、指令、命令伝達の手法、教育……。どの部分を取り出しても北朝鮮は大日本帝国が作った組織の延長上にある。そうした意味で北朝鮮は大日本帝国の残置国家なのだが、ここに真実か嘘か不明の尾ヒレが山のように付いてくる。

大東亜戦争終戦後の3年間はソ連が北朝鮮を占領していた。北朝鮮は1948年9月に、ソ連が後押しした金日成(キムイルソン)によって独立を果たしたのだが、その金日成の過去に疑念が噴出し始めた1950年6月、朝鮮戦争が勃発する。これにより北朝鮮は金日成の下で一致団結する国家体制を構築した。その後、金日成の過去に触れようとした者やソ連との関係を重視しようとした大物は軒並み粛清され、「建国の英雄」金日成だけが表面に出る国家となった。ソ連と袂を分かった北朝鮮の誕生である。
この金日成を陰から支えた金策(キムチャク)という人物がいた。今日なお製鉄所、大学、市の名として残る金策という人間は、本名を畑中理といい、大日本帝国陸軍が放った工作員だとする説がある。にわかには信じがたいが、この説を裏付ける情報が大量に存在する。さらに、金日成の子として北朝鮮を率いた金正日総書記が金策の子だという話もあるのだ。笑い飛ばしたくなる話だが、この説を主張する一人が自衛隊で情報を扱ってきた元空将で、その情報源、分析等を見る限り、否定することは難しい(『金正日は日本人だった』佐藤守著・講談社刊)。
もっと強烈な噂話もある。金正恩の母は横田めぐみさんだというものだ。ここまでくると流石にバカバカしくなってくる。しかし、こうした一連の物語が安倍晋三首相の足元を脅かしていることも間違いない。核・ミサイル実験に対する制裁に関して、金正恩第一書記は米韓を初め敵対する国やその元首を徹底的に批判しているが、なぜか安倍晋三に対しては攻撃をしていない。金正恩は安倍の悪口を言わない。

安倍首相辞任という「あり得ない噂話」

第一次安倍内閣時代の平成19年(2007年)9月に国会の所信表明で「職責を全うする」と強い決意を述べた安倍晋三が、そのわずか3日後に胃腸機能の異常を理由に辞任を表明したことはご存じの通り。一般には安倍の病気は潰瘍性大腸炎だとされている。
平成24年(2012年)12月に首相に再就任した直後から、安倍の健康状態に対する疑念や噂話は後を絶たなかった。潰瘍性大腸炎の場合、精神的なストレスで病状が一気に悪化する可能性は捨てきれず、「安倍はまたぞろ途中で首相の座を放り出すだろう」という話になる。じっさい第二次安倍政権誕生以降、「安倍が間もなく辞任表明」といった憶測記事を載せる週刊誌等がいくつもあった。いったんは鎮静化したそんな話題が、昨年末から、また浮上し始めている。ネット情報の中には「安倍は進行性膵臓ガン」などというものまで出現している。ちなみにガンは進行性の病気であり、ことさら「進行性」と付けるところが既にデタラメ怪情報なのだが。
大腸炎やガンといった病気だけではない。安倍が美人タレントのBと不倫関係にありそれを隠すためにBと別な男との不倫が作り上げられたといった話すらある。2月に訪露したキッシンジャーがプーチンとの会談で安倍引退に合意したといった説もあるという。キッシンジャーやプーチンが日本の首相の動向に口を挟むことなど常識的にあり得ない。

病気に始まって不倫スキャンダルに至る情報を全国紙の政治部記者に話したところ、鼻で笑われてしまった。
「病気のことは真実は不明ですが、ガンという話は初めて聞きました。不倫にしろキッシンジャーの話にしろ、そんな情報をネット上に載せるのは自由ですが、どんどん信用を失くして見向きもされなくなるでしょう」
甘利経済再生相の辞任、島尻沖縄北方担当相が「歯舞」を読めず失笑を買い、丸川環境相は被爆線量目標を「根拠なし」、そして丸山参院議員の「奴隷」発言、さらには育休をとった宮崎参院議員の不倫騒動と、ほんらいなら内閣に打撃を与える事件が次々と起きたが、安倍晋三の支持率にはまったく翳りが見られない。時事通信社の世論調査でも2月の安倍内閣の支持率は46.4%で5カ月連続の上昇となっている。
「政局という話題はまったくありません。だいたい、ポスト安倍の候補がいない。石破、麻生、谷垣あたりが動いているなんて話はまったくありません。この3人以外に安倍の後釜を狙う人間は考えにくい。せいぜい二階、菅、岸田あたりでしょうが、いずれも総理の器ではない。閣僚経験もない小泉進次郎は早くても次の次」(前出全国紙記者)
ウラ情報の中には、伊勢志摩サミットを花道として、夏の参院選(衆参同時選の可能性あり)後に安倍が退陣するという話もある。
「政治の世界の話ですから、絶対という話はない。たしかに米国の一部には、安倍の過激なナショナリズムを嫌う雰囲気はあります。だからといって安倍が辞任することはない。民主と維新が3月末に新党を立ち上げますが、これが自民党を脅かす勢力になることは考えられない。多少のスキャンダルが発覚しても、今の国民が政権交代を望むことはないでしょう。北朝鮮問題が安倍の足元を掬うという話も考えにくい」(同上記者)
しかし、その北朝鮮問題が安倍の行く手を遮る壁になる可能性が高まっているのだ。

発動された「作戦行動計画5015」

3月7日(月)から米韓合同軍事演習が始まる。
この演習には沖縄に駐留している第3機動遠征軍4500人を初めとする米軍(海兵隊主力)7000人以上、韓国軍3000人以上、合計1万1000人にも上る兵員が投入される。強襲揚陸艦ボノム・リシャール、揚陸艦ニューオーリンズ、輸送ヘリ・オスプレイだけではなく、爆弾そのものを内蔵し完全にレーダーに映らないF22ラプター戦闘機も加わる。
軍事演習の規模は史上最大のもので、それだけで北朝鮮をじゅうぶん刺激しているが、何より今回の演習で「作戦行動計画5015」が採用されているところが重大である。

米軍の作戦コードの頭に付いている「50」は朝鮮半島という地域を意味する。これまで朝鮮半島では「5027」という作戦行動計画が採られていた。「5027」とは北朝鮮軍の南進(韓国への侵攻)への対応作戦である。ところが今年は、数年前に作られた「5015」が採用されるのだ。では「5015」とは何か。「核承認者を排除する計画」である。核爆弾のスイッチほ押せる権利のある者を抹殺する計画――ひとことで言えば金正恩暗殺計画である。

今回の軍事演習では「核施設に対する攻撃」「核施設の破壊」が表面に出されている。しかし米軍内では金正恩暗殺に向けての計画が真剣に練られ、またその事実を北朝鮮側が把握しているところに注目すべきだ。これまで「コード15=暗殺作戦」は、ビン・ラディンや聖戦士(ジハーディ)ジョンで使用され成功している。イラクの故フセイン大統領のときには暗殺作戦は成功せず、最終的にイラク戦争で片をつけた。これまで暗殺作戦は、終了してから初めて表に出たが、実行前にその作戦が明らかにされることはなかった。当たり前の話で、狙う相手に「あなたを暗殺しようと考えています」と教えることなど普通に考えてあり得ない。それなのに今回、米軍は「作戦計画5015発動」を公表している。ここには何らかの意味があるはずだ。

いっぽう北朝鮮の金正恩第一書記の動きはどうだろうか。
国連決議に反応して金正恩が「核をいつでも使える状態にしておく」と発言したと報道されているが、この発言は明確に米韓に対する圧力である。米韓軍が本気で北に侵攻し、核施設破壊や第一書記暗殺を視野に入れた行動をとれば直ちに核攻撃するという意味だ。
その金正恩は、核実験、ミサイル実験が成功裏に終わる度にテレビに登場し、また父・金正日の誕生日(2月16日)を初め軍視察、工場視察などひんぱんにその姿を見せている。3月4日のミサイル発射の際の陣頭指揮の模様も公表されているが、それらはすべて合成写真だという。それも高度なテクニックを使った合成ではなく、専門家が見ればひと目で合成だとわかるものなのだ。
米軍の暗殺計画は既に実行段階に移されている可能性もある。米軍の発表では、聖戦士ジョンの処刑は無人戦闘機によるものだという(じっさいはIS内の人間に処刑されたとの説が濃厚)。金正恩に対しても無人攻撃機が使われる可能性も排除できない。そのため金正恩は地下深くに潜り、滅多に表には出ないといわれている。平壌の地下には北京を凌ぐ大地下網が構築されており、数年間も籠ることが可能だとされる。

以上が表に出回っている一般情報だが、奇妙なところがあり過ぎる。なぜ米軍は「5015」を公表したのか。なぜ金正恩の映像は粗っぽい合成写真なのか。
考えられることはいくつかある。最大は「米朝が水面下で何らかの協議中」というものだ。

金正恩暗殺作戦のウラに潜む計画

2013年12月に金正恩の叔父である張成沢(チャンソンタク)が処刑された。その理由は金正恩暗殺計画が判明したからである。張成沢はなぜ金正恩を殺そうとしたのか。自分が北朝鮮のトップに立とうとしたのではない。金正恩を亡き者にして、中国に亡命中の金正男(キムジョンナム)を北の頂点に立たせようとしたのだ。

金正男44歳。日本人の多くは「ディズニーランド見物に来た男」と記憶している。東京ディズニーランド見物に来日というのは金正男本人が騙ったウソであり、それを広めた日本政府、そして真相より売るための情報を優先させたマスコミの戯言である。金正男が入管で拘束された平成13年5月には、金正日がミサイル商売を繰り広げていた時期だった。

余談になるが、プーチン大統領の側近中の側近、コンスタンチン・プリコフスキー(ロシア極東連邦管区大統領全権代表)が金正日との会話内容を公開して物議を醸したことがあった。それによると金正日は「ミサイルを作って発射するには2億ドルあるいは最大3億ドルかかる」。そして、「ではなぜ北朝鮮はミサイルを作るのか。儲かるからだ。ミサイルは中東のイラクやシリアなどに1基9億ドルで売れる。すでに何基も売りさばいている」と発言していたことを公開したのだ。

金正男は北朝鮮ミサイルを中東に売るバイヤーだった。そしてそのカネは日本や香港の銀行を経由して北朝鮮に送金されていた。成田空港で捕まったときも、都心の銀行でカネを動かす目的で来日していた。当時、金正日の長男・金正男は父親からも信頼され、北朝鮮の未来の首領と考えられていた人物だったのだ。その後中国で暮らすことになった金正男は、中国政府要人とくに太子党(トップは習近平)の大物政治家と密接な関係にある。
張成沢が金正恩暗殺を企図した理由は、金正恩に換えて金正男を北朝鮮のトップに据えようとしたものだった。その背後に中国政府が関係している可能性は非常に高い。
また昨年12月29日に交通事故死した金養建(キムヤンゴン・統一戦線部長)も同様の計画を実行しようとしていたようだ。(本紙は以前、金養建の死は日韓慰安婦問題解決合意によるとの推測記事を掲載したが、最新の情報では金正恩暗殺計画に関与したと考えられる。)
さらに今年2月初めに処刑された李永吉(リヨンギル・総参謀長)も金正恩暗殺を狙っていたとの情報がある。

もし仮に金正恩が殺されて金正男が北朝鮮のトップに立ったらどうなるだろうか。何がどう変わるか、まったくわからない。しかし、わかることが1つだけある。北朝鮮は完全に中国の属国になるということだ。

それは米国にとって好ましいことではない。
米国にとっては、中国べったりの金正男よりは、乱暴で中国にすら刃向かう金正恩のほうがずっといい。そんな米国がなぜ中国に利する金正恩暗殺計画を実行しようとするのか。「作戦計画5015=金正恩暗殺作戦」を公表したのか。正解は不明だが、ブラフ(はったり)の可能性が高い。その場合の首謀者はオバマ大統領である。

米大統領の任期は最長で2期8年。バラク・オバマはあと10カ月で大統領を終える。米大統領は、当然のことなのかもしれないが、任期終了直前に「歴史に残る大事業」をやろうとすることが多い。オバマにとってそれはキューバとの国交回復と考えられていたが、ここに「朝鮮戦争平和条約締結」「北朝鮮との国交回復」が加われば、さらに光が増す。「5015」の公表も、金正恩の行動も、米朝がウラで何らかの協議中と考えれば理解できる。その水面下の協議がまとまれば、米国大統領オバマが北朝鮮を訪問するという仰天ニュースが見られる可能性もある。
それはどちらかというと期待したい明るい未来像だが、深読みすると逆に暗澹たる未来も出現する。安倍晋三辞任にも繋がる暗い可能性を見ておこう。

日朝国交回復に向けて動く安倍政権

北朝鮮の核、ミサイル実験の後、日本は独自制裁に踏み切った。その直後の2月12日、北朝鮮は拉致調査を全面的に終了し特別調査委員会を解体すると宣言した。日本と北朝鮮の間には冷たい空気が流れ、日朝和解ムードは完全に消し飛んだ。これは米韓中そして世界が待ち望んでいる姿である。そのことを、どれほどの日本人が理解しているだろうか。

日朝国交回復は、「あってはならない出来事」なのだ。
韓国を筆頭に米国、中国は絶対にそれを認めたくない。朝鮮半島統一前に日朝国交回復が実現したら、韓国は立場も何も消滅してしまう。慰安婦どころか、竹島問題も日本海表記問題も吹っ飛んでしまう。米国、中国にしても、日朝国交正常化など絶叫したいほどの恐怖のプログラムなのだ。大東亜戦争で日本を潰した意味すら失われてしまう。地下資源のない日本に資源が渡り、あろうことか日本が核爆弾を抱えてしまう。東アジアの勢力地図は激変し、ロシアだけでなく英仏独伊…欧州全域が巨大な衝撃波に見舞われる。日本が北朝鮮に対して独自制裁を打ち出し、北朝鮮が拉致問題調査終了を宣言したことに、全世界は胸を撫で下ろしたことだろう。その事実を日本人は知らない。知ろうとも、考えようともしていない。

日朝は断絶した。そのように見える。しかし、まだ疑念が残る。
金正恩第一書記登場以来、北朝鮮は東方向にミサイル(人工衛星ロケット)を発射していない。衛星ロケットを東方向に発射することは地球の自転の力を借りることになり、じつに理に叶っている。それなのになぜ北朝鮮はあえて困難な南方向にミサイルを飛ばすのか。日本を刺激しないためとしか考えられない。
そしてなぜ金正恩は安倍晋三の悪口を言わないのか。

平成26年(2014年)5月29日、日本と北朝鮮は「日朝政府間協議」を公表した。いわゆる「ストックホルム合意」である。それは平成14年(2002年)9月に小泉純一郎・金正日との間に交わされた「日朝平壌宣言」に基づいて日朝国交正常化に向けての前進を高らかに謳いあげた合意文書だった。わずか3日間の協議でこれほど見事な合意ができるはずはなく、日朝が長期にわたり水面下で緻密な交渉を繰り広げたことが、このとき初めて明らかになった。それは米韓中のみならず世界中が衝撃を受ける内容だった(日本国内では大した評価はされなかった)。
安倍政権の下、日本の外務省は世界中の目を盗んで北朝鮮と秘密交渉を行っていた!
日朝間の極秘交渉回路は2016年の今日、まだ健在なのではないか。
日朝国交交渉は何としても潰さなければならない。それは全世界の共通認識なのだ。

安倍晋三の膵臓ガン、美人タレントとの不倫話、あり得ない外国要人の合意情報――吹き出したくなるバカバカしい情報の出所を本紙はある程度掴んでいる。その発信源が米国、そして中国だろうとの推測もある。彼らは安倍晋三を「第二の田中角栄」にしたくないのだ。米国の頭を越えて中国と手を結んだ田中角栄は、最終的に米国の罠に沈んだ。安倍晋三が米中韓の頭越しに北朝鮮と手を結ぶことがないよう、先手を打っての安倍潰し作戦が、いま始まろうとしている。本紙はそう推測する。