速 報 | 行政調査新聞

速 報

告発人は伝説の正義の味方
元愛媛県警「警察見張り番」 仙 波 敏 郎
市長に怯える川越市議会、仙波氏の請願を闇に葬る

現在、川越市議会のホームページには、川越市政の異常さを物語る爆弾級の文書が公開されている。 仙波氏「請願書」リンク 

議会事務局によって公開されているこの「請願書」は、愛媛県警を定年まで勤めたベテラン警察ジャーナリストとして国際的にも著名な仙波敏郎氏が、川越市長・川合善明氏と川越市議会議員・三上喜久蔵氏を川越警察署に刑事告発した事件について、市議会で議論し川合市長を追及することを請願する公文書である。
紹介議員は小林薫市議
内容は川合市長の、市民女性に対する「強制わいせつ容疑」ならびに三上市議の「私文書偽造同行使容疑」である。

現職市長で弁護士でもあるという川合善明氏の「強制わいせつ容疑」と市議の「不法行為の刑事告発」とは、一見信じ難い話だが、同請願は元警察官の手によって正式に議会に受理された公文書であり、川越警察署が捜査に着手した事件なのである。このように重大な容疑で刑事告発された川合市長・三上市議に説明責任があることは言うまでもない。
ところが、 3月7日 に開かれた川越市議会総務財政常任委員会は、この請願を不採択と決議したのである。川合市長の「強制わいせつ容疑」で刑事告発を追及すべきだとした賛成議員は小林薫議員と共産党の池浜あけみ議員の2名。その他の委員会市議らは全員、「強制わいせつ容疑」を告発された川合市長を死守するかのごとく反対にまわった。

前掲の請願書に明らかだが、川合善明市長の説明責任を求めるだけの請願を川越市議会は闇に葬ったのである。川合市長の刑事告発は、川越市民女性への「強制わいせつ容疑」であり、三上市議の方は川合市長の同容疑を否認するための「私文書偽造容疑」だ。
つまり川越市は、市の執行部と市議会が共謀して、無力な市民女性を標的にする犯罪に及んでいるという、異常極まる自治体ということになる。
本年で市政施行100周年を謳う川越市だが、その闇はあまりにも邪悪にして深い。川合善明市長と三上喜久蔵市議が共謀しての市民女性に対する「強制わいせつ容疑」での刑事告発の全貌を特集する。

全面敗訴の川合市長 市民女性A氏に「刑事告訴」される

昨年末12月23日、さいたま地裁川越支部で川合善明市長が全面敗訴した事件については昨年までの本紙既報のとおりだ。

不正市道認定問題で住民訴訟を提訴した原告川越市民23名のうち4名だけを相手取り「住民訴訟をしたことが不法行為だ」という、川合市長の狂気の主張は、そのすべてを同裁判所の齋藤憲次裁判長によって棄却された。

この判決は、単に川合市長の請求を全面棄却しただけではなく、不正市道認定問題の核心部にも言及し、「このような違法な本件市道認定等について、原告らに共謀が認められると考えることが不合理とはいえない」と市民らの正当性を認め、これら川合市長の疑惑を追及した本紙の言論活動に対しても、なんらの不法行為にあたるものではないと判断したもので、川合市長の立場であれば控訴して当然の判決言い渡しだった。
ところが川合市長は控訴することなく、自らの疑惑を認めたのも同然に判決を受け入れ全面敗訴が確定した。だがこの事件は、判決の2週間前、誰も予想し得なかった新たな局面を迎えていたのである。昨年12月9日の朝、1通のFAXが川越市の「記者クラブ各位」に届いていた。

FAXが説明するとおり、「市民女性A氏」は先の住民訴訟事件でも4人の被告のうちの1人だ。つまり女性A氏は、原告・川合市長の事件で判決を待つ身で、今度は自分が告訴人となって川合市長と市議会議員・三上喜久蔵氏を川越警察に刑事告訴すると意を決したのである。
午後2時、川越警察署の前には地元記者クラブの記者ら、東京からも週刊誌記者が駆けつけ、警察署玄関には刑事二課長代理ら幹部警察官数名が女性A氏の到着を待っていた。だが川越警察が待っていたのは、告訴人の市民女性A氏だけではなかった。FAXの送り主である「市民女性A氏を支援する有識者グループ 代表世話人・仙波敏郎」その人こそ、警察幹部でさえ緊張して出迎えるほどの「大物警察OB」なのである。

「仙 波 敏 郎 氏」 と は 何 者 か

仙波敏郎氏は、いまから17年前、愛媛県警の現職警察官だった2005年に、警察の裏金作りを実名告発したことで、一夜にして国内外に知られることになった孤高の警察官だ。仙波氏は、警察社会の裏金作りを内部告発したことによって、定年退職で警察官を退官するまで警察によるあからさまな報復人事や、警察内部での暗殺の危機にも晒されることになった。

なぜなら、警察裏金問題とは、日本の警察機関最大にして最深部の闇だからであり、現在でも組織的に行われている「国家としての犯罪」だからである。からくりは単純だ。警察官が捜査協力費の名目でカラ領収書を書いて、実際には支出されていない経費を作り出すという裏金作りである。これら裏金作りの核心部であるカラ領収書は、驚くべきことに警察機関で働いているすべての警察官や事務職員(つまり交番のお巡りさんから経理課の女性職員まで全員)が書かされている。

そうして作られた裏金は、架空領収書を書かされた平巡査や事務職員を素通りして、上層部の懐へと流れ込む仕組みになっている。
たとえば警察署長以上の管理職には年間数百万円以上の裏金だけでなく、退職金とは別に、日常的に貯め込まれた裏金から最大数千万円もの「闇の退職金」が支払われる。これは日本の警察機関の「慣例」で、仙波氏が告発した後の現在でも全国の警察が裏金作りを止めることはない。
仙波氏は、警察学校時代からトップの成績で警察幹部としても将来を嘱望されながら、「警察の裏金作りの共同作業」であるカラ領収書を書くことを拒否したその日から、一切の出世の道を閉ざされ生涯「巡査部長」という階級のまま定年退職を迎えたのだ。一般的には「町のお巡りさん」である巡査部長として警察官人生を終えた仙波氏を「一生その階級なんて大した警官ではない」などと軽口をたたく者もいるだろうが、皮肉にも警察社会の人間であるほど仙波敏郎氏が「生涯巡査部長」でなければならなかった理由をわかっている。一方で、現場の警察官たちは憤りと恥を抱えている。
犯罪を取り締まる警察官が、カラ領収書による裏金作りという歴然たる犯罪の共犯者になることを上層部から命令されているからだ。
日本の警察史上、この裏金領収書を一度として書かなかっただけでなく、裏金による飲食への同席や分配金(嫌でも裏金を受け取らせ、事実上の共犯者に仕立てる、いわば口封じである)に一円たりとも関与せず、受け取らなかった警察官は、大袈裟ではなく仙波敏郎氏ただ1人であることを、全国の警察官が知っている。だからこそ仙波氏は、日本の警察機構というエスタブリッシュメント(権威的勢力)にとっての敵であり続けている。

しかし、捜査課の刑事を含む現場の警察官にとっては敬意の対象にさえなっている。警察の負の慣例にがんじがらめにされている警察官たちも、仙波氏を前にしたときだけは、本来の警察官の誇りと使命を取り戻したように真摯に事件と向き合う。仙波氏と長く交流する本紙は、同氏の「警察見張り番」としてのボランティア活動で、所轄警察のそのような光景を幾度となく見て来た。

それは川越警察署でも同様だった。やや失礼な言い方かもしれないが、国際的に著名なジャーナリストであり警察官としての大先輩でもある仙波敏郎氏が乗り込んで来たとなれば、川越署内は一種のパニック状態となったに違いない。前述のように、市民女性A氏の世話人として仙波氏が川越署を訪れたとき、刑事課上層部が出迎えたのも道理だ。

仙波敏郎氏の裏金告発を記録したテレビ朝日のドキュメンタリー番組は世界的な反響を呼んだ。  https://www.youtube.com/watch?v=IbFJ0oHL2dY

自分が逃げるためなら市民女性も脅す
卑劣極まる川合市長の異常性!

市民女性A氏の刑事告訴は、川合善明市長と三上喜久蔵市議に対する私文書偽造(および同行使)容疑である。いったい何の罪か?
話は本紙社主・松本が弁護士としての川合市長を懲戒請求したところから始まっている。不正市道認定事件で追い込まれた川合市長は、原告市民らを裁判から降ろすことを画策。係争中の裁判であるにも関わらず、原告市民代理人弁護士の存在も平然と無視して、市民らの自宅に直接、手紙を送り付け、電話をかけては有形無形の圧力をかけた。弁護士としてあるまじき行為であり、これで市長だというのだから、本紙・松本でなくとも川合氏を懲戒請求して当然だろう。

この懲戒請求を受けて、弁護士会に反論を主張した川合善明市長が初めて名前を持ち出したのが、のちに川合市長のスラップ訴訟の餌食となってしまう市民女性A氏である。市民女性氏は、川越市を訴えた先の住民訴訟原告団の一員で、原告弁護士を無視した川合市長から直接電話が入り恫喝された1人でもある。A氏は過去に民生委員を務めた関係から川合市長・三上市議とも面識があった。
川合市長は、A氏を含む市民らを、いわゆる「恫喝」した、弁護士にあるまじき非行で懲戒請求された。だが川合市長は弁護士会に提出した弁明書で、市民に対する自分の恫喝行為が事実無根だと逃げるために、唐突に女性A氏の存在を持ち出した。川合市長は、三上市議とも旧知の女性A氏を利用して、あたかも市長と市議に私怨を抱く市民女性A氏が住民訴訟を使って、川合市長に悪意ある個人攻撃をしているという主旨の嘘八百を並べ立てたのである。
もちろん、川合市長のデタラメな逃げ口上は、市民に対する恫喝行為が女性A氏に限った事件ではないことにも明らかだ。つまりA氏を引っ張り出す正当な理由などないにも関わらず、A氏が社会的弱者で無力な女性だと蔑視した川合市長は、A氏を標的として、懲戒請求されたことへの報復のスラップ訴訟にまで及んだのである。

女性A氏の告訴から、仙波敏郎氏による「刑事告発」へ
川 越 警 察 署 が 捜 査 に 着 手

市民女性A氏が川合市長と三上市議を刑事告訴したのは、このような異常な川合市長の言動があったからだが、ここに登場したのが前述の仙波敏郎氏である。実は仙波敏郎氏は、愛媛県警を定年退職後の講演やボランティア活動を通じて、本紙と17年にわたる交流関係にある。
余談だが、ここで笑止千万のエピソードを紹介しておく。件の懲戒請求事件で、つい最近、川合善明氏が新たに弁護士会に提出した反論がある。

仙波氏は、高橋玄監督の「ゼウスの法廷」に最高裁判所主席調査官役で出演している。また、仙波氏は、懲戒請求者代理人の清水勉弁護士とも知り合いである。

文面からもわかるように、要するに川合市長は、本紙社主・松本と仙波敏郎氏、市民女性A氏とその事件の代理人でもある清水勉弁護士、さらには以前から川合市政を追及する動画制作などの活動にも参画する映画監督・高橋玄氏らまでが、すべて本紙の依頼で雇われた陰謀の工作員であるかのように主張しているようだ。
読者のために秘話を伝えれば、清水勉弁護士が仙波敏郎氏の警察裏金告発をめぐる裁判に参加したのは、全国から集まった80人もの仙波弁護団の一員であったに過ぎず、しかも仙波氏の裁判以後、両人は一度も会っていない。何も知らない川合善明氏は、自分の妄想だけで世界を作り上げているようで、そのような精神疾患も疑われるほどの思考だからこそ「市長は独裁者であるべき」との歪んだ理念を抱いているのだろう。
住民訴訟を提訴した市民らをスラップ訴訟で報復し、市民女性A氏への「強制わいせつ容疑」で刑事告発されるような極悪市長を追及する市民が本紙だけのはずがあるまい。しかし、無知と独善の世界に生きる川合善明氏は、自分を批判し糾弾する人間は、本紙関係者と小林薫市議だけだと信じているようだ。当たり前のことだが、仙波氏は業務として刑事告発や市議会への請願をしたわけではない。
本紙記事で、川合市政の幾多の腐敗を見ながら、同時に重なる別件ボランティアに忙殺される日常を送る仙波氏が、川合市長のあまりの無法ぶりに義憤をたぎらせ、時間を見つけては愛媛県松山から川越まで、毎回ボランティアで駆けつけているのが実情だ。

事実、仙波氏はここ数年だけでも、地元愛媛県内での多くの警察事案で市民を助け、沖縄辺野古基地に飛んでは反対住民らに暴力を働く機動隊を取り締まり(現職警察官でなくとも現行犯逮捕は可能)、愛知県では教員による児童・生徒に対する性暴力を刑事告発し警察と連携した捜査協力に奔走し、また東京大学に招聘されて講師も努めている。
仙波氏の活動を知る者であれば、川合市長の「行政調査新聞が仙波を使って攻撃をしてきた」などという言い分は、ここにわざわざ指摘するまでもなく「小心者の下衆の勘繰り」でしかない。ともあれ、この仙波氏の正義と熱意は、川越警察署の現場刑事たちにも伝わった。
川合善明氏は、最初、市民女性A氏による刑事告訴の世話人として登場した仙波氏の素性さえ知らなかったはずだ。ところが、現職警察官が一様に「大先輩」と仙波氏への敬意を隠さない伝説の警察官とわかって、川合市長は危機感を抱いたであろうことも容易に想像できる。

時効の壁に挑んだ川越警察署捜査員たち

一方、仙波氏は、川越署との連絡を密にした捜査の過程で、市民女性A氏が川合善明氏から受けた「強制わいせつ被害」を刑事告発することを決意したのである。「市長」「弁護士」という、社会から信頼を寄せられる立場を利用して、裏では自身の違法行為を卑劣な手段で隠蔽する川合善明という人物を、断じて許すわけにはいかない。仙波氏の川合市長に対する激烈な怒りは、全国の警察へのそれと同じだろう。
市民女性A氏による刑事告訴に次いで、仙波氏自身が刑事告発人となったことで、川越警察署でも担当課が変わった。最初は川合市長が、三上市議を飼い犬のように使った私文書偽造同行使の容疑による事件であり、詐欺などを担当する刑事二課が捜査に着手した。
だが仙波氏による「強制わいせつ容疑」の刑事告発は刑事一課が担当である。いわゆるテレビドラマでお馴染みの、どちらかといえばコワモテの刑事たちで知られる部署だ。その刑事一課をして最大の敵が「公訴時効」である。
川合市長による女性A氏への「強制わいせつ容疑」の時効は7年である。
そして本件事件は7年前に発生していた。仙波氏が川越警察署に刑事告発をしたとき、事件は時効まで30日となっていたのである。

普通であれば、時効直前の、しかも仮にも市長のタマをとる(逮捕する)話など、告発状は受け取っておいて実際には何もせず、ただ時間切れを待つことが警察の常識である。しかし仙波氏の熱意は川越署の捜査員たちを動かした。元職であっても裏金問題以外では警察社会の仁義を守る仙波氏は、本紙にも捜査状況の詳細を教えてくれることはないが、実況見分など具体的な捜査が開始されたことは女性A氏への取材でわかっている。
時効の壁を目前にしながら懸命な捜査に挑む川越署捜査員たちと仙波氏の間には、警察官としての連帯感はあるように見えた。だが事件の時効成立は間もなくである。そこで仙波氏は、この事件の存在を広く市民に知らせるべく、川越市議会への請願というカードを切ったのである。

「仙波発言封じ」 = 川合市長を恐れた
川越市議会の矛盾と詭弁!

ここで話を冒頭の川越市議会に戻そう。3月7日、市議会総務財政常任委員会の会議室である。この日の委員会で仙波氏の請願を採択するか、不採択(すなわち葬り去るか)を議論することになっていた。
規模の大小に関わらず全国どこでも政治とは「根回し」の世界である。議案や請願の採択を決める各委員会では、実際の議論の場を待つまでもなく、委員会としての一定の方向性というものを探り合い、また共有するものだ。
だが仙波氏の請願(本稿冒頭)は川合市長だけではなく、三上喜久蔵市議を追及せよという内容だ。執行部である市長相手だけの話なら「根回し」は簡単でも、三上市議の犯罪容疑まで追及しろと迫られたら、「触らぬ神に祟りなし」とばかりに議員同士の身内かばいから、仙波氏の請願否決に傾いても不思議ではない。しかし小林市議だけは「根回し」に動いた。
仙波氏に委員会で請願の背景事情、法律解説、警察での捜査状況などの詳細を説明してもらおうと、小林市議は各会派をまわった。

その結果、共産党を除くすべての会派が仙波氏の請願自体に難色を示し、委員会で仙波氏の意見を聞くという小林市議の提案は空振りに終わったのである。他方、女性への性暴力被害に対する積極的な取り組みで知られる共産党は、迷うことなく賛成派として立った。

委員会翌日の本紙取材で明らかになったことだが、やはり議会全体を覆う「三上市議を守る」という空気が仙波氏を敬遠する原因だった。だが客観的に見れば、仙波氏請願反対派のこれら市議会のムードは異常だ。
まず「三上市議を守る」という考え自体が、有権者から信を預かる議員として、いかに的外れな使命感であるかという自覚が、反対議員らには欠落している。前述のとおり仙波氏の刑事告発は、すでに川越警察署を動かし、捜査は行われている。それは請願書にも記載された事実である。

捜査対象となった三上喜久蔵市議を「守る」とは、三上氏の無実を確信しているか、またはクロ(既遂犯)だと推認した上で組織防衛のつもりで仙波氏の請願を拒否したかのいずれかとなるが、どちらであってもこれは市議として完全に矛盾した見解であり詭弁だ。なぜなら、市議は市民の代弁者だからである。刑事告発された三上市議は容疑を否認しているというが、本当に無実なのか嘘で逃げているだけなのか不明だ。では、来るべき司法判断が出るまで、現職市議である三上氏の刑事告発を、市議会は「容認」するというのか?

市民の票で政治家となり市税で生活する市議らには、市長の「強制わいせつ容疑」と並んで刑事告発された三上市議の容疑を報告する義務があり、主権者である市民には、前代未聞のこの「事件」を知る権利がある。

記憶によみがえる「川越の闇」

記憶に新しい元川越市議・新井喜一氏の「ハラスメント疑惑事件」を思い出して頂きたい。2018年9月議会の真っ最中に、議会事務局勤務の女性が大々的な記者会見をぶち上げ、新井氏によるセクハラ・パワハラ被害を訴えた事件である。

▼          ▼          ▼

この事件は、新井氏が川越市の女性職員を名誉毀損で訴え、2022年3月現在でも民事裁判で争われている。だが、川越市議会は、裁判どころか疑惑の記者会見の段階で「第三者委員会」を設置し、急ごしらえの議員ハラスメント条例まで「全員一致」で採択し可決したではないか。
もちろん新井氏は当時から疑惑を全否定しており、すべての議員らもそれを知っていた。職員女性の怪しい記者会見だけで新井氏に関する議案が全会一致で決まるのであれば、川合市長の「強制わいせつ容疑」に連座して刑事告訴された三上市議が「捜査中」で「事実かどうかわからないから」、仙波敏郎氏の請願を不採択するなどという市議会の言い訳は自己保身のウソであり、市民には通用しない。

つまり今回の請願不採択は、仙波氏の発言を封じることが市議らの目的であり、それはただ単に「独裁市長=川合善明」からの報復を恐れてのことだろう。そうでなければ川合市長に忖度(そんたく)してのことなのか、いずれにせよ議員らは「同士を守る」と口先だけの自己欺瞞と現実逃避に終始し、そのためには三上市議の名前を利用する恥知らずである。

いずれにせよ、議員としての義務も使命も忘れ、執行部首長にビクビクするだけの川越市議らは、仙波氏の請願に賛成した小林議員と共産党を除いて全員、少なくとも今期を最後に議員辞職するべきだ。
市議らにとっては「触らぬ神に祟りなし」という程度の話になっているのだろうが、そもそも市長を「神」と勘違いしているバカそのものの議員に用はなく、腐敗した市長に怯える腐敗議会などは、市民の税金泥棒に過ぎない。
本紙の取材に議会関係者は「裁判の結果で市長や三上市議の犯罪が明らかになれば、もちろん議会は動くはずです」とコメントした。
裁判で結果が出るまで議論や判断をしないなど、見え見えの「後出しジャンケン」でしかない。また先の新井喜一氏事件での議会対応が「特別扱い」でなかったのなら、今回の三上市議の問題を議会が議論することは当然だろう。
川合善明市長の「強制わいせつ容疑」と三上喜久蔵市議の「私文書偽造容疑」を川越警察署に刑事告発した仙波敏郎氏が、川越市議会に提出した請願を不採択とし仙波氏の発言を封じた議員は次のとおりだ。

         村山博紀市議(自民党)    中原秀文市議(自民党)
         小ノ澤哲也市議(公明党)   川口啓介市議(政晴会)
         高橋剛市議(川越政策フォーラム)
         ※川口知子(共産党)委員長が欠席のため、

          海沼秀幸(自民党)副委員長が委員長代行を務め議事を進行

仙波敏郎氏 インタビュー
「私の経験上、最大最悪の腐敗市長だろう」

本稿では、警察裏金問題の実名内部告発で世界的に脚光を浴びるようになった仙波敏郎氏の来歴を紹介したが、今回の速報の最後に、仙波氏のもうひとつの意外なキャリアについても触れておこう。

仙波氏は警察官を定年退職後、鹿児島県阿久根市から竹原信一市長(当時)に招かれて副市長に就任し、その後、前市長の失職に伴って阿久根市長職務代理も勤めている。ここでは詳細を割愛するが、要するに仙波敏郎氏は捜査のプロ中のプロである上に、自治体首長として市の執行部の動きにも精通している。その仙波氏だからこそ、川合市長の「強制わいせつ容疑」三上市議の犯罪容疑を自身の責任と名誉をかけて、また何よりも社会的弱者である被害女性を救うために刑事告発に踏み切ったのである。
仙波氏の告発がウソであれば、虚偽告発(虚偽告訴等罪)で3ヶ月以上10年以下の懲役刑という重い刑罰が科せられる。市議らはこのことを冷静に考えてみたことがあるのか。仙波敏郎氏は、今回の川越市議会の対応と共に、川越市長・川合善明氏について、こう語った。

私が川越の事案に関わったのは、ハラスメント疑惑で議員辞職された元川越市議の新井喜一さんと面談したことが始まりです。
その事件をきっかけに、川越市の闇を知ることになったんですけど、驚いたのは35万人都市でこんな市長がいるのかということです。

日本には1,741の市町村があるんですが、私の経験上、その中で最大最悪の腐敗した市長は川越市長・川合善明氏だろうと言いたいですね。自画自賛で恐縮ですが、私は警察と市役所という二大行政の専門家ですけんね。川越に入ってから、自分の足を使っていろいろと調査もしましたけん。詳しく言えませんが、最初のきっかけになった新井さんの事件で、疑惑の告発をした被害者女性職員の夫とも、私は直接顔を合わせて話したこともありますよ。行政調査新聞さんでもそんなことは出来きんでしょう?
あるんですよ、捜査のテクニックというものが(笑)。

そういう流れから川越市の闇が深いことを知ったんです。カナイ消防機材の都市計画法違反も、Aさんも住民訴訟原告になった不正市道認定事件も、新井さんの事件も川合市長の影がちらついてます。
今回の被害者女性Aさんの話は特に酷い。いろんな話を聞くと川合市長は、Aさんだけじゃなく、酒が入ると相手が女性となれば体を触ることを平然とやっている。だけど市長だからと、みんな口を閉ざす。

それでも中には体を触った市長に「何するんですか!やめてください!」と毅然と突っぱねた女性もいるという証言もあります。だからAさんだけの被害の話じゃないんです。それなのに川越市議会は、私の請願を潰しました。
そこに川合市長の意図があったことは容易に想像出来ます。
百歩譲って市長の意図がなかったとしても、だいたい当時は議長の三上市議が、川合市長に言われるがまま陳述書に署名するなど、それだけでも大変な問題です。Aさんを川合市長の犯行現場に呼び出した三上市議は、市長とAさんとの3人で飲んだことも店に行ったこともないと嘘をついています。ところが、三上市議はAさんと旧知の仲だったと知って、三上市議がどれだけ卑怯な男なのかと思いましたが、それ以上に川合市長の卑劣さ、悪性の高さに強く怒っています。

今回の私の請願潰しも、川合市長にとっては漁夫の利ですよ。議会の判断なんだからというわけです。市議たちが川合市長を怖がるのは、住民訴訟を提訴した市民から小林市議まで、自分に盾つく相手と見れば手当たり次第に名誉毀損で訴えるような、川合市長の恐怖政治同然の手口を知っているからとしか思えません。私は元警察官ですが、正義を追求する心は現役のままですけんね。悪のやりたい放題は許しませんよ……

◇       ◇        ◇      

今年、市政施行100周年を迎える川越市最大の名誉毀損とも言うべき、川合善明市長の「強制わいせつ容疑」で刑事告発、連座する三上市議の容疑。仙波氏の逆鱗に触れた川合市政と川越市議会の動向が見ものである。本紙も総力を上げて続報をお届けする。

(プリントアウトはこちら)