日本は今、「超限戦」という戦争のまっただ中にある!
『超限戦』という言葉をご存じだろうか。
『超限戦』とは、限度を超えた戦争という意味で、新しい形の戦争だ。
軍隊が兵器で戦う戦争ではない。目に見えない「静かな戦争」だ。
いま日本は、その「超限戦」の真っただ中にある!
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日本を奪いあう2つの勢力
2月22日、日経平均株価が過去最高値を記録した。
日経平均は、バブル経済の最終盤だった平成元年(1989年)12月29日に3万8915円87銭をつけたが、以降下がり続けてきた。平成13年(2001年)9月には米同時テロ事件の影響から1万円を割り込んだこともあった。その後、自民党政権が復活し、株価は上昇を続けた。
今年(令和6年)に入っても上昇の勢いは止まらず、ついに2月22日の終値が3万9098円68銭になったのだ。株価は今後、どうなるのか。「5万円越えは間違いない」という声もあるが、慎重な見方も多い。現実には、年内はしばらく緩やかに上昇を続け、やがて悪化するという見方が妥当だろう。これまで中国に向いていたカネが、中国経済の状況を見て日本に流れてきただけで、日本経済そのものが強くなっているわけではないからだ。
防衛予算の増大、H3ロケットの成功、なにより兵庫県高砂につくられた「高砂水素パーク」により三菱重工の株価が上昇している。同様に、防衛産業を担う日本アビオニクスや、IHI石川島播磨、あるいは日本製鉄など、防衛関係の企業は全体として上昇していく。防衛関係以外では、新型コロナの新しいワクチン「レプリコン・ワクチン」の開発で、明治製菓HDに注目が集まっている。
こうした一部企業以外は国際情勢に左右される。大雑把に言えば、現在の日本は「米英・大西洋勢力」とロシア中国中心の「新興国勢力(大陸勢力)」の狭間(はざま)にある。2つの勢力が日本を奪いあっている状況だ。米英側につけば、しばらくは安泰で株価はゆるやかに上昇を続けるだろうが、やがて米英は沈没する。大陸勢力側につけば、米英側の反発を喰らって一時期は大きく下落するだろうが、必ず大浮上する。日本はどちらの道を選ぶだろうか。
日本に残ってほしい米英
米英・大西洋勢力は、日本が自分たちの陣営に残ることを切望している。日本がロシア中国側につくことを阻止しようとしている。だが米英は、日本独自の文化は認めようとしない。このところ米英人が日本を訪問し、日本の風景や料理を絶賛しているのは、米英が日本にゴマをすっているようなものだ。
『ゴジラ-1.0』がアカデミー賞作品賞候補になり、『君たちはどう生きるか』がアニメ賞候補になっているのも、米英側が日本にすり寄ろうとしている表れといえる。だが日本は、米英の信頼は得られていない。
年末年始の市場に、ロシア産のカニ、サケ、イクラなどが山ほど積まれた。首都圏ではどのマーケットにもロシア産の海産物があふれていた。首都圏に限らず、おそらく日本中でロシア産の海産物が大量に出回ったはずだ。だが日本は、ロシアのウクライナ侵攻に反対して、ロシアに制裁をかけていることになっている。ジェトロ(日本貿易振興機構)の発表でも、対ロ貿易は増えていないことになっている。
ロシアから日本への小麦粉は2400%……24倍になったとロシアは発表している。サハリン(樺太)からの天然ガス供給も減っていない。日本は国家ぐるみで対ロ貿易をごまかしているのではないか。そんな雰囲気が感じられる。正月元旦の石川県能登半島地震に対して、北朝鮮の金正恩(元帥)がお見舞いの電報を打ったと伝えられるが、その際に「岸田文雄内閣総理大臣閣下」と最大限の敬称をつかった。北朝鮮がこんな扱いをするのは、日本がロシア中国寄りだと理解しているからではないのか……。米英・大西洋勢力は日本を信用していない。
「ジャニーズ事務所」攻撃の深奥
大正時代に『大日本皇道立教会』という組織がつくられた。光格天皇(江戸時代後期の第119代天皇)の第6皇子、長仁親王が臣籍降下して中山家(京中山家)を名乗り、その孫である中山忠英が初代会長として采配をふるった組織である。この『大日本皇道立教会』は幹事長が頭山満、幹事に内田良平、梅屋庄吉、顧問に大隈重信や東郷平八郎を置く巨大組織で、会員には出口王仁三郎、安岡正篤などが入っていた。中国で辛亥革命を起こした孫文もこの会と深い縁で結ばれていた。ちなみに孫文は中国では「孫中山」というが、この「中山」は、中山家(京中山家)の養子(猶子)になったことから生まれた名である。
(この辺りのことは本紙で何度か触れている。以下をご参照ください。https://www.gyouseinews.com/1289/20180911-3/)
大日本皇道立教会は「大アジア主義」という思想を根幹に据えていた。
覇道に生きる西欧……とりわけ英米蘭の植民地主義を否定していた。
大日本皇道立教会のメンバーに、喜多川諦道(きたがわていどう)という男がいた。高野山真言密教の僧で、大日本皇道立教会の大隈重信に可愛がられていた。喜多川諦道は大隈重信の命を受け、米国に仏教を布教しようと、大正13年(1924年)に渡米。ロサンゼルス大師教会(高野山米国別院)の主監となった。喜多川諦道は、日本人の妻との間に二男一女を儲けている。
その長女がメリー喜多川、次男がジャニー喜多川である。
米国で生まれたジャニー喜多川は、満一歳の昭和8年(1933年)に家族と共に日本に来て、戦争を体験する。13歳のときには疎開先の和歌山で大空襲にもあっている。16歳のときに米国に戻り、昭和27年(1952年)には徴兵されて朝鮮戦争に出兵。その後、軍事顧問団の事務員として東京に来て、以来、日本で生活する。ジャニーズ事務所を創業したのは昭和37年(1963年)のことだった。
(ジャニーズ事務所は昨年「スタート・エンターテイメントTARTOENTERTAINMENT」に名称を変更したが、以下ジャニーズ事務所と記す。)
昨年(令和5年)春にジャニー喜多川による性加害事件が表面化した。
ジャニー喜多川が「男の子が好き」なことは、かなり以前から話題になっていたが、表面化したのは昨年3月に英国BBC(英国放送協会)が「秘められたスキャンダル」を放送、同時期に「週刊文春」がジャニーズ・ジュニアの性加害証言を掲載してからのことだった。ジャニー喜多川が男性タレントに性加害を行っていたことは、多くの証言からも明らかだ。だがよく考えて頂きたい。加害者はジャニー喜多川であり、被害者はジャニーズ事務所のタレントたちだ。加害者には罪がある。罰せられて当然だ。被害者には罪はない。被害者が罰せられることは、あってはならない。ところが「性加害問題を隠蔽し続けた」ジャニーズ事務所に批判が集まり、ジャニーズのタレントたちが仕事を打ち切られ、テレビCMはすべて消える状況になってしまった。被害者が排除されたのだ。ジャニー喜多川の性加害問題は、どこかで歪められている。
天皇家を守る人々が狙われた
江戸時代末期に登場した光格天皇は、寛政6年(1794年)に「尊王討幕の綸旨(りんじ=命令書)」を出すほど過激な天皇だった。光格の第6皇子として生まれ、臣籍降下して中山家(京中山家)を創設した一族もまた過激な尊皇派だった。幕末・維新期には、京中山家を中心とする300人以上の熱烈な尊皇派が仁孝天皇(光格天皇の第4皇子)、孝明天皇(仁孝天皇の第4皇子)、明治天皇(孝明天皇の第2皇子)を補佐し、身辺警護にもあたった。
こうした中から「大日本皇道立教会」が生まれたのだが、他にも、名のある組織ではない忠臣が何人も存在した。元号が大正から昭和に変わった直後、昭和大恐慌の際につくられた昭和銀行の二代目頭取・田島道治もその一人である。田島道治はその後、戦後の初代宮内庁長官を務めている。
同じように天皇家につくした人物として日銀(日本銀行)監査役の藤島敏男が知られる。藤島敏男の父は帝国海軍協会理事長だった藤島範平(はんぺい)。子供は作家の藤島泰輔(たいすけ)だ。
藤島泰輔(平成9年に64歳で没)は明仁上皇(平成の天皇)のご学友として知られ、皇太子時代の明仁上皇の物語を描いた小説『孤独の人』の著者でもある。明仁皇太子とともにバイニング夫人の教育を受け、一緒に学習院を卒業。天皇となられて以降も親しく付き合っていた。
藤島泰輔はその後、メリー喜多川と結婚し、藤島ジェリー景子の父となった。藤島ジェリー景子は、母メリー喜多川(戸籍上の本名は藤島メリー泰子)が所有していたジャニーズ事務所の全株を所有している。
昨年春にはじまったジャニーズ事務所タレント叩きが、加害者ジャニー喜多川叩きではなく、被害者ジャニーズ事務所タレント叩きにすり替えられたのは、意図的なものと考えられる。
「スクリーン」に日本を復活させたジャニー喜多川
お断りしておくが、男性タレントに性加害を行っていたジャニー喜多川を擁護しようなどとは考えていない。その上で、ジャニー喜多川について、ひとこと申し上げておく。ジャニー喜多川がタレントとして事務所に来た若い男の子たちに、太平洋戦争の悲惨さを伝え、また東京大空襲や沖縄戦などで米軍が行った残虐な行為を解説していたことは多くの証言から明らかだ。
男の子が大好きなジャニー喜多川は、同時に、愛国者の側面ももっていた。天皇を守る姿勢は強固なものだった。ジャニーズ事務所が創設されたころ、日本のテレビ、ラジオでは米国製のドラマや歌が全盛を極めていた。
戦後の日本は、米国の「3S政策」のワナに嵌まり、アメリカ製の文化をありがたがっていた。(注:3Sとは、「スクリーン・スポーツ・セックス」の頭文字。3S政策とは、大衆の興味をスクリーン・スポーツ・セックスに集中させて、他に興味を持たないようにする政策。)
ジャニーズ事務所が創設された当時、テレビでは「ララミー牧場」「アンタッチャブル」「ローハイド」「ルート66」「ベン・ケーシー」「コンバット」「奥さまは魔女」「刑事コロンボ」などなど、アメリカ製のドラマが花盛りだった。音楽の世界では、ポール・アンカ、ニール・セダカ、エルビス・プレスリー、その後にはビートルズが世界を席巻し、ロック時代に入るとレッド・ツェッペリンやボン・ジョヴィ、その後にはマイケル・ジャクソンが現れる。ご記憶されている方も多いだろう。
昭和の時代、日本では、アメリカ製のテレビや音楽ばかりが人気だった。
アメリカ製しかなかった。愛国者のジャニー喜多川は、ここに風穴をあけようと、日本製のポップス導入を図った。それがジャニーズ事務所だった。その事務所の全株式を保有していたのは、明仁皇太子(後の天皇、上皇)の無二の親友・藤島泰輔の奥さんであるメリー喜多川だった。その全株式はやがて藤島泰輔の娘・藤島ジェリー景子にわたる。すべては天皇家を支えてきた大日本皇道立教会の流れの中にあった。
愛子内親王は「ジャニーズ推し」
いま皇族の中で一番注目されている方といえば、なんといっても愛子さま(愛子内親王)だろう。その愛子さまが「週刊女性」3月5日号(2月20日発売)で興味深い話を語られている。その一部を以下に引用してみる。
「公私共に充実している愛子さまだが、実は毎週密かに楽しみにされているテレビ番組があるという。『愛子さまは日本テレビ系で毎週月曜日に放送されている人気バラエティー番組「月曜から夜ふかし」がお気に入りだと伺いました』(宮内庁関係者)」
「実は愛子さまは旧ジャニーズがお好きで、高校生のときから、御所で推し活を楽しまれていたそう。特に 『WEST.』 の重岡大毅さんと藤井流星さんのファンで、彼らの誕生日を祝う様子を限られた友人にだけ公開しているインスタグラムにあげていたことも。村上信五さんも、愛子さまの推し 『WEST.』 と同じ旧関西ジャニーズ勢ですから、それもあって番組を応援されているのかもしれません」(「週刊女性」3月5日号より引用)
20歳の愛子さまがテレビ番組を楽しまれていること、そしてジャニーズ好きなことは間違いなさそうだ。だが皇族が特定のテレビ番組の話をされることは珍しい。しかも、この時期にジャニーズを話題に出すとは…。
「超限戦」で使用される武器=SNS
天皇をはじめ皇族の方々が好きなテレビ番組を口にされることはない。それでも天皇家の方々が大相撲や歌舞伎に強い興味を持たれていることは、様々な形で伝わってきている。その大相撲や歌舞伎の世界が、近年スキャンダルにまみれている。ジャニー喜多川の性加害問題と、そこから派生したジャニーズ事務所叩き、そして愛子さまの「ジャニーズ推し」発言。
もしかしたら、大相撲や歌舞伎界のスキャンダルにも仕掛けがあったのかもしれない。なにしろ天皇家が好まれる世界なのだ。だが概略を眺めた限りでは、ウラは感じられない。そうした中、いま気になっているのはダウンタウン松本人志のスキャンダルだ。9年前に松本人志が行ったとされる性加害事件で、松本人志はテレビから姿を消した。
本当に性加害があったか否かは、今後明らかにされていくだろう。だが引っかかるのは、なぜ9年前の話が2023年末に取り上げられたかだ。
ダウンタウンは吉本興業のタレント。ダウンタウンを見つけ、才能を花開かせたのは吉本興業の大﨑洋。大﨑洋は、現在は吉本興業の取締役で、内閣官房「まち・ひと・しごと創成本部」委員、さらに大阪万博(2025日本国際博覧会協会)シニアアドバイザーを務める。松本人志事件は必ず大﨑洋に行き着き、大﨑は多大な時間と手間を割かれることになる。
現在の日本全体を俯瞰してみよう。政府自民党は派閥の政治資金問題で大揺れに揺れている。国政を司る代議士、国会議員だけでなく、地方議会や市長、町長、村長なども、あちこちで問題を起こしている。カネの問題に限らず、セクハラ、パワハラ事件が連日のように報道される。
一つ一つを詳細に調べたわけではないので、具体名は列記しないが、昭和初期や戦後のある時期まで、日本中のあちこちで見られたセクハラであり、パワハラであり、汚職収賄事件のように思える。地位や権力を傘に、悪いことをする輩はいつの時代にもいる。そんな連中が糾弾され、つるし上げられるのは当然のことだ。しかし、こうした事件が次つぎと明らかになっていくのに従って、日本から日本らしさが消えていく。日本全体が、萎縮し、こぢんまりとしたみじめな姿に変わりつつある。胸を張って生きてきた日本人が、肩をすぼめ、人目を怖れ、こそこそ生きている。
日本から日本らしさを奪っている根源は、米英の、西欧の価値観である。わかりやすい例が「SDGs(エスディージーズ)=持続可能な開発目標」だろう。
SDGsは持続可能な17の目標を掲げている。たとえば「1・貧困をなくす」「2・飢餓をゼロに」「3・すべての人に健康と福祉を」「4・高度な教育」などだ。これらの美辞麗句に文句をいう人はいないだろう。だが「5・ジェンダー平等」あたりから、ちょっと怪しくなる。「水とトイレ」「エネルギー」「技術革新」と並べられる中には、西欧的価値観だけが優先される姿勢が見えはじめる。
細部まで詳述する紙幅はないので一気にまとめよう。
いま日本は、西欧的価値観を押し付けられ、それが正義だと思わせられている。米英が正しいと決めた価値観に従うことが当然だと思わせられている。
疑念を語ることは間違っていると断罪される世の中になっている。こうした構図を生み出しているのが「X(旧ツイッター)」に代表されるSNSであり、インターネット情報だ。米英側はSNSを利用しての思想戦がうまい。巧みである。見事に世論を誘導し、正義を生み出している。私たちはいま、携帯電話やパソコンの世界から抜け出すことはできない。
インターネットの情報やSNSは、いまや生活の一部になっている。それでも一部の日本人は、奇妙さに気づいているはずだ。英米側がつくりあげてきた正義は、決して正義ではないということを。あらゆる情報を鵜呑みすることなく、そのウラで何が動いているか、ご自身で考える癖を身に付けておこう。
その姿勢こそが、明日のあなたを保証するはずだ。■