あと3年で「2024年問題」といわれる困難な問題に直面する。
高齢化社会を迎えた日本は、この問題に対処する方法を見失っている―
☞ 国民の平均年齢が50歳を超える
家庭の固定電話やインターネット、携帯といった通信の交換網が、2024年に「IP網」に換わる。「5Gデジタル変革」とも呼ばれ、「2024年問題」といえば、普通はこれを指す。だが通信網とは別の、もっと重大な「2024年問題」がある。人類史上初めて、日本の国民の半数以上が50歳を超えるという問題だ。ちなみに令和元年(2019年)時点で日本人の平均年齢は48.4歳、もちろん世界一である。
今から120年あまり前の明治31年(1898年)日本人の男の平均寿命は42.8歳、女は44.3歳だった。それが令和元年(2019年)には、男81.4歳、女87.5歳。120年で日本人の寿命が倍近く延びた。寿命とは別に「余命」という数字がある。
あと何年生きるかの平均的な年数だ。例えば今年(令和3年)1月に80歳を迎えた男の平均余命は9.2年、女は12.0年。2024年(令和6年)1月に80歳を迎えた男の余命は10年、女は13年と予測されている。長生きするのだから、めでたい話ではないか。そう思われる方もいるだろう。だがこの話の裏には恐怖の現実が存在するのだ。