米中首脳サミットと中国共産党における決定的戦略思考の欠如 | 行政調査新聞

米中首脳サミットと中国共産党における決定的戦略思考の欠如

藤 井 厳 喜 (国際政治学者)

4月6日から7日、米中首脳会談が開催された。
トランプ大統領は習近平・国家主席を米フロリダ州にある自らの別荘マール・ア・ラーゴに招き、形式上は歓待を尽くして米中両大国の首脳会談が開かれた。
この首脳会談に先立ち、トランプはティラーソン国務長官を訪中させ、習近平と直接、会談させている。世情、言われるところでは、ティラーソンはチャイナ側のレトリックを二度も繰り返し丁重な姿勢で米中首脳会談の根回しを行なった。アメリカとしては何としても、米中首脳会談を4月6日から7日に仕掛ける必要があったのである。それは「首脳会談」という形で、習近平を人質にとり、東アジア情勢を安定させ、中東において米露連携において、一挙にISを叩き潰すという思惑であった。このトランプの戦略は、シリアのアサド政権による毒ガス兵器使用というアクシデントで、やや乱れはしたものの、基本路線は変わらずその後も進行している。

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