戦争、異常気象、そして大恐慌 | 行政調査新聞

戦争、異常気象、そして大恐慌

戦争、異常気象、そして大恐慌

混乱の行方と決着

 世界各地で異常気象、自然災害が多発する中、ウクライナをめぐる戦乱に歯止めがかからない。11月中旬開催のG20(主要20カ国会議)での米ロ首脳会談に期待がかかるが、戦乱がさらに拡大される可能性もある。
 一方で世界大恐慌勃発の情報も流されている。有史以来の大危機を迎え、混乱する人類の明日はどうなるのか!? その「全体像」を俯瞰してみる。

ドローン(無人戦闘機)同士の「一騎打ち」

 戦闘機同士の交戦は、第一次世界大戦からヒーロー物語として語りつがれてきた。第一次大戦で名をあげたのはドイツ陸軍のM・F・リヒトホーフェンで、なんと80機(一説には82機)を撃墜し、真っ赤な機体の色から「レッドバロン(赤い男爵)」と呼ばれ、恐れられたという。
 第二次大戦で活躍したのはドイツ空軍のエーリッヒ・ハルトマン。機体に黒いチューリップを描いていたため「黒い悪魔」と恐れられ、352機を撃墜。戦後もパイロットとして活躍し、名誉少将になった男だ。日本海軍では「ラバウルの魔王」と呼ばれた西沢広義中尉が知られる。
 昭和19年10月に乗っていた輸送機が撃墜され24歳で戦死したが、それまでに143機を撃墜。日本陸軍では一式戦闘機「隼」を操り、B-29爆撃機12機をはじめ76機を撃墜した上坊良太郎大尉や、「東洋のリヒトホーフェン」と呼ばれた篠原弘道が知られる。篠原は初陣からわずか3カ月で戦死したが、その3カ月の間に58機を撃墜している。戦闘機の交戦は物語にもなったが、それは過去の話。今日では無人機ドローンの「一騎打ち戦闘」が物語になりそうだ。
 10月13日に、ウクライナとロシア軍のドローンが空中で対戦する「一騎打ち」の動画がインターネット上で公開され、話題を集めた。

 この動画では、ウクライナのドローン「マービック」がロシア軍ドローンを撃破している。ウクライナのドローンは同国の政治家S・プリトゥラが供与した民間ドローンで、中国製のものだという。中国は(国際的には内緒で)ロシア軍を支援しているのだが、中国製のドローンがロシア軍ドローンをやっつけたというのは、何とも奇妙な話だ。軍事的に劣勢にあるロシアは、この数週間、ドローンへの依存度を高めている。ロシアが使っているのはイラン製ドローンだ。
 ウクライナ戦争に関して、イランは公式的には中立の立場を表明しているが、米国は7月に「イランはロシアにUAV(無人航空機)を提供している」と公表。さらに米軍は、イランが短距離弾道ミサイルをロシアに提供したとも報じている(「ワシントン・ポスト」紙10月16日)。またイランは「自爆型ドローン」2400機をロシアに提供したと米軍は分析している。ロシアによるウクライナ戦争(特別軍事作戦)は、イランの支援が重要度を増している。

燃え上がるイランの「反政府運動」

 イランの首都テヘランに「エヴィーン刑務所」がある。主に政治犯を収容することで知られ、拷問や心理的脅迫が続けられていると、欧米の人権団体から批判されている悪名高い刑務所だ。この刑務所で10月15日に火災が発生した。ただの火災ではない。銃声が鳴り響き、爆発が何度も起きた火災だ。イランの国営放送は、この火災の原因は、収容されている金融事件犯が火を放ったものと説明し、服役中の4人が死亡、61人が負傷したという。

 この公式報道が真実かどうかは怪しい。イランでは9月下旬から、激しい「反政府デモ」が繰り返されている。発端はマサ・アミニという22歳の女性が「ヒジャブのつけ方が悪い」として逮捕され、数日後に死亡したことだ。ヒジャブとは、イスラム教徒の女性が顔や頭髪を隠すために使うスカーフのような布。警察は9月16日にアミニさんの死亡を公表した。アミニさんは幼いころから心臓に問題を抱えており、逮捕されたのち拘置所で倒れ、3日間意識不明のまま死に至ったと警察は説明した。だがアミニさんの両親は、心臓が悪かったとの話を否定。

 さらに目撃者の中には、アミニさんが逮捕されたとき耳から血を流していたと証言する者が現れ、入院時に頭蓋骨骨折していたとの情報も流されている。厳格なイスラム教の戒律に従うイランでは、日本や欧米諸国とは違い、女性の人権は守られていない。これまでにも女性を中心とした抗議活動は見られたのだが、今回は特に激しく、そして継続的な反政府運動になっている。アミニさんの死に対する抗議活動が続いていた9月末には、抗議デモに参加していた16歳の少女ニカ・シャカラミさんが死体で発見されるという事件が起きた。警察当局は少女の死と抗議デモは無関係で、死因は調査中と発表。だがその直後に、この少女が箱の上に立って自分のヒジャブに火をつけて燃やし、「独裁者に死を!」と口にしている映像がネット上に流された。
 イランで「独裁者」といえば最高指導者のハメネイ師を指す。
 この少女も警察の圧力で死に至ったのではないかと囁かれている。アミニさんの死後、イランの各地で女性がヒジャブを燃やし「ハメネイに死を!」と叫ぶ反政府運動が活発だ。そのイランでは9月末以降、SNSなどのソーシャルメディア通信網が切られて、写真や動画などは送れない状況が続いている。おそらく当局が遮断しているのだろう。イラン政府は各地で起きている反政府活動を「米国とイスラエルが関与している暴動だ」と非難している。

イランの反政府運動の背後に米英諜報機関

 ウクライナ戦争(特別軍事作戦)で、軍事的にロシアが劣勢になっていることは間違いない。
 そのロシアの劣勢を挽回するために、イランが短距離ミサイルやドローンを提供していることも、もはや公然の秘密だ。イランは公式的にはウクライナ戦争に中立の立場をとっている。
 ところが前述のとおり、米紙「ワシントン・ポスト」は、イランが短距離弾道ミサイルなどをロシアに供与していると報道している。ここで問題は、ロシアにイランが武器供与していることは、国と国との間の「秘密合意」であることだ。その秘密合意を「ワシントン・ポスト」紙がすっぱ抜いたのは、記者が優れた人間だったかもしれないが、常識的に考えれば、米国のスパイが、入手した情報をワシントン・ポスト紙に流したと考えるのが当然だ。つまり、イラン側から情報が漏れたものと考えられる。先に記したイランのエヴィーン刑務所の火事について、英国BBCが興味深い情報をいくつか流している。
(英BBCは公共放送で、日本のNHKに相当する。数多くの新聞なども発行している。
中立性をうたっているが「英国政府の御用機関」と評されることもある。)

 BBCの報道(10月16日付け)によると、アミニさんの死に抗議する活動で逮捕された容疑者の多くが、エヴィーン刑務所に収容されていたという。そしてBBCは「一部のジャーナリストは、当局がわざと刑務所に放火したと書いている」と伝えている。政治犯として収監されていたイランの元大統領の息子が仮釈放されたことに対して、当局が不満を示すために放火したのだという。さらに「刑務所の外から何かが撃ち込まれ、その直後に爆発音が響いた」とも報じている。また、この火災が起きる直前に機動隊がエヴィーン刑務所に入っていく映像もあるとの「未確認情報」を出している。証拠が揃っているわけではない、不確実な情報を流すことは、情報操作と言われても仕方ないだろう。しかしBBCの情報には、明らかにイラン当局の当事者からの情報が入っている。イランの体制派の中に、英国の情報機関につながっている人物が複数いると思われる。米英の諜報機関がイランの内部深くに入り込んでいる現状は、今後ますますイランが混乱に向かう可能性を暗示している。イランで革命的な政変が起きることもあり得るだろう。

世界は「第三次世界大戦」に向かうのか

 旧約聖書に基づく「ユダヤ暦」というのがある。ユダヤ暦では7年が1周期で、それが7回あると「7×7」で49年になる。49年経つと、次の1年が「清算の年」で、それまでの不当な利益などを元にもどす規則がある。今年(西暦2022年)の秋からユダヤ暦5783年が始まる。9月末に49年が完了し、10月25日から「清算」のための1年が始まる。この1年をユダヤでは「ヨベルの年」と呼ぶ。ヨベルの年には、不当な利益を元にもどす作業が始まる。広げすぎた領土を元に戻したり、元の領土を返してもらったり。取り過ぎたカネは元に戻し借金がゼロになる。

 これは旧約聖書に生きるユダヤの民の規則であり、私たちには何の意味もない。だが、世界の金融界を仕切っているユダヤ人たちは、この規則に生きている。そのため、ヨベルの年には金融の暴落や戦争・紛争が起きることが多い。特に新年早々(10月25日以降)には、待ってましたとばかり一気に物事が進む。そして今年は例年になく、10月末以降に大事件が起きる雰囲気にあふれている。欧米の金融界の中心の1つとされるスイスのクレディスイス(世界最大の金融巨大企業)が昨年から巨額損失に苦しんでいる。

 いくつかの事業が連続して大赤字を出したためだ。そんな状況下、2月に始まったウクライナ戦争は世界の証券・金融・物流などに大きなマイナス要因を作り、クレディスイスはいよいよ危険な状況に押しやられている。もしクレディスイスが潰れるようなことになれば、世界の巨大銀行・証券に連鎖倒産の危機がやってくる。それを狙ったハイエナのような怪しい金融業の連中が動きを強めていることも不気味だ。世界大恐慌が起きる(起こされる)との噂が囁かれている。世界大恐慌の噂話と同時進行しているのが「第三次世界大戦勃発」の予測だ。
 ウクライナ戦争でロシアが核を使えば、それは直ちに中東に飛び火する。ロシアとNATO(ナトー/北大西洋条約機構)軍の戦争になれば、米国はNATOに加担するだろう。ロシアに中国が加担し、中東が巻き込まれたら、世界中に核が飛び交う終末戦争に発展する可能性もある。

 実際のところ、その可能性は限りなくゼロに近い。そもそも、どの国も戦費を支出できるカネを持っていない。これまでの世界大戦であれば、どこかに裕福な国や資産家がいて、資金援助をしただろうが、今回はそれがない。カネだけではない。人員(兵力)も物資(兵器)も食糧も世界規模で不足している。ウクライナや中東ではなく、台湾海峡が戦火に包まれ、それが世界大戦につながるとの説もあるが、こちらも可能性は低い。中国が圧力を高めることは必然だが、武力戦を行う意味がない。中国としては台湾を内部から攻めたて、親中国派の政権を作り上げることに専念するはずだ。

 第三次世界大戦の予測は、武器兵器産業を喜ばせ、それが結果としてその国の内需拡大につながっていく。欧米のマスコミなどが第三次大戦の危機を煽っているのは、戦争の恐怖を国民に植えつけて、目の前のインフレや食糧不足などから目をそらす意図がある。しかし、そうは言っても、ロシアの動向は気になる。武力戦で明らかに劣勢に立たされているロシアが、核を使う可能性は残されている。そして今回のウクライナ戦争(特別軍事作戦)は、「ロシアが仕掛けた戦争」ではあるが、実態は誰もが知っているとおり「プーチンの戦争」である。
 今、明らかに、プーチンが世界未来のカギを握っている。プーチンとは何者なのか。世界中のあらゆるメディア、あらゆる情報から隠されたプーチンの秘密を、ここで明らかにしたい。プーチンこそが世界の明日を握っていると思われるからだ。プーチンの正体に迫るのは決して簡単ではない。順を追って、ゆっくり見ていきたい。

プーチンとは何者なのか

 極秘情報に入る前に、一般に知られるプーチンの概要を記しておく。
 ウラジーミル・プーチンは1952年10月7日にソ連のレニングラード(現サンクトペテルブルグ)に生まれた。今年70歳になったばかりだ。貧困家庭に育ったが、柔道を学んだことで礼儀と忍耐力を身につけ、10代のはじめから映画の影響でスパイを目指す。13歳のときに、一人でKGB(ソ連の諜報機関)を訪ね、どうしたらKGB職員になれるのかを尋ねた。その真剣さに打たれた係員は、プーチンに次のように語ったという。
 「KGBに興味を持っていることは口にしないこと。KGBに近づかないこと。優秀な大学で法律を学び、高度な格闘技を身につけること」。プーチンはこの教えを守り、レニングラード大学で法学を学び、優秀な成績をおさめる一方で、柔道に打ち込み、KGBに近づくこともその名を口にすることもしなかった。すると大学卒業直前に、KGBから入庁の勧誘があったという。

 KGBに入ったプーチンは第一総局(対外諜報部)やKGB赤旗大学で基礎を学び、アンドロポフが作った第五総局(防諜)で「怪物」と呼ばれる活躍をする。ちなみにプーチンの師匠アンドロポフとは、当時のKGB議長(KGBのトップ)で、後に政治家に転身し書記長(ソ連の国家元首)に上り詰めた人物。ハンガリー動乱のときに革命家たちを大量虐殺し「ブタペストの虐殺者」と呼ばれた男だ。プーチンはその後、東ドイツの国家保安省(シュタージ/秘密警察)に派遣され、NATOの情報収集に専念していたが、そこでソ連の共和国の多くが脱退・独立する1991年を迎える。プーチンはKGBに辞表を提出し、師であるアンドロポフにならって政治家への転身をはかる。
 まずレニングラード市の国際関係顧問に就任。1991年6月にレニングラードはサンクトペテルブルグと名を変えたが、その翌年、プーチンはサンクトペテルブルグ市の第一副市長になり、1996年にはロシア大統領府総務局勤務。1998年にロシア大統領府副長官に就任。翌年にはロシア首相となる。そしてこの年の12月31日に、健康を害して大統領引退を宣言したエリツィンに任命されて大統領代行となり、2000年のロシア大統領選挙で過半数をおさめ、正式に大統領に就任したのだ。
 以上が一般に知られるプーチンの略歴である。だが、この中にはどこにもゴルバチョフとの関係が書かれていない。プーチンとゴルバチョフの関係を示す文書にめぐりあうことはほとんどない。そして、プーチンとゴルバチョフとの深い関係を知ると、プーチンがソ連の莫大な資金を継承した人間だということを理解できる。

国家崩壊の瞬間、ソ連には100兆円の「海外資産」があった

 プーチンはKGB時代の師であるアンドロポフを尊敬し、アンドロポフの執務室や銘板を復活させたり、サンクトペテルブルグ市に銅像を建てたりしている。アンドロポフは腎臓を痛めて69歳で死去。後任としてソ連の書記長になったのは、アンドロポフのライバルだったチェルネンコだった。アンドロポフはソ連の中では改革派で、部下のゴルバチョフの育成に努め、若いゴルバチョフをどんどん引き上げて出世させたが、アンドロポフの死去時のゴルバチョフは52歳。
 異例の出世で政治局議長になっていたが、書記長までの道は遠かった。アンドロポフの思いを知り抜いていたプーチンは、早くからゴルバチョフに近づいていった。ゴルバチョフが書記長に就任したのはチェルネンコが死んだ1985年3月。54歳の誕生日を迎えた直後だった。
 書記長就任1年後の1986年4月、ゴルバチョフは「ペレストロイカ(建て直し)」を掲げてソ連の改革に乗り出す。7月にはアフガニスタンからのソ連軍撤退を発表。
 1988年には強引に憲法を改正するが、反対派も多く、ゴルバチョフの指導力にかげりが見えはじめる。そこでゴルバチョフは1990年に複数政党制(ソ連はそれまで共産党1党独裁だった)と大統領制を導入する憲法改正を行い、ソ連の初代大統領に就任する。ソ連はゴルバチョフ一代だけの大統領で国家が消滅してしまったが――。

 大統領になったゴルバチョフは外交政策を一変させ、1990年10月には「東西ドイツ統一」を実現させる。壁が壊されベルリンが一つになるとき、西ドイツのコール首相がゴルバチョフに200億マルク(約2兆円)の対ソ経済援助を行った。この200億マルクは公式記録に残されているが、一説にはさらに巨額なウラ金が流れたともいう。プーチンは回想録『プーチン自らを語る』(扶桑社)の中で「安売りしすぎた」と述べているが、東ドイツを明け渡した本当の金額は謎のままである。念のために書き添えるが、200億マルクは札束や債券などではないし、金地金が手渡されたのでもない。世銀(世界銀行)などの機関に預託され、支払われるべき相手に渡るカネとなる。ソ連共産党は、ゴルバチョフによる改革の嵐の中、様々な形で資金を集めていた。その大部分はソ連改革の費用として世銀から受けた融資である。

 世銀は第5代総裁マクナマラの時代(1968年~1981年)に融資額を5倍に拡大し、共産圏諸国にも融資するようになっていた。世銀は戦後の1945年設立。現在は日米英中ドイツの5カ国が中心となる機関。「世界の秘密資金」「簿外資産」あるいは「天皇の金塊」「黄金の百合」「M資金」などと呼ばれるカネを扱っている組織といわれるが、実態は不明だ。信憑性の高い情報も多いが、それらについて詳述することは機会を改める。いずれにしても、ソ連崩壊の直前、世銀からの融資やドイツをはじめとする各国からの経済援助を含め、ソ連には100兆円とされる海外資産が存在した。(それでもプーチンは「安売りしすぎた」と語っている。)

 このカネはソ連共産党のものだが、ソ連共産党は1991年10月にゴルバチョフにより活動を停止させられ、100兆円はソ連大統領ゴルバチョフの手にわたった。とはいっても、この100兆円は札束でも債券でも金地金でもない。このカネで、銀座のクラブで豪遊することも新橋で芸者遊びすることもできない。自由に使うことはできない。使用するためには、世界の秘密資金を運用管理する一群の人々の了承を得なければならないのだ。
 この100兆円はゴルバチョフからエリツィンへ、そしてプーチンにわたった。

プーチンと「フリーメイソン」

 今年2月にロシアがウクライナに侵攻し「プーチンの戦争」がはじまった。ロシア系の住民を守るとか、ネオナチを倒すとか、NATOの東方拡大を阻止するといった大義名分を最初は掲げていたが、最近ではロシアの総司令官スロビキンが「目標はウクライナに親ロ派の政権を打ち立てることだ」と本音を公表している(10月19日)。それならば武力侵攻以外に、打つ手はいくらでも考えられたはずだ。また武力侵攻も、最初から総力戦でのぞめば、これほどの消耗戦にならなかっただろう。
 最近になって「ロシアは小型核を使用する」と噂されているが、その覚悟があるなら侵攻直後の2月下旬にキーウ(キエフ)攻撃に使ったはずだ。ロシアの苦戦については、ウクライナ側の制空権や対戦車ミサイル「ジャベリン」の活躍、ロシア軍とウクライナ軍の士気の差などが理由とされるが、最大の理由は、プーチンが全力をあげなかったことだ。なぜプーチンは最初から総力戦に持ち込まなかったのか。ウクライナ掌握とは別の目的があったためだ。

 「巨大な目的」が――。ゴルバチョフは1990年にノーベル平和賞を授与されている。それは「巨大な目的」への第一歩を進めた褒美として与えられた栄誉である。だがゴルバチョフは1991年末に不本意な形でソ連崩壊を迎え、本来の活動を停止する。(その後、統一教会が資金を出してゴルバチョフ財団を運営するが、初期の目的とはかけ離れた。)
 ゴルバチョフの動きが本来の目的から外れて10数年後、プーチンがその役目を継承した。プーチンが手にした100兆円というカネは、その目的を推進するための資金なのだ。では、その巨大な目的とは何か? 一言でいうと「地球安定化」である。話をさらに先に進めよう。

 数年前から、プーチンの正体について、噂話が密かに流され始めた。ウクライナ侵略戦争が始まった今春以降、かなり著名な政治評論家なども、その言葉を口にするようになった。「プーチンはフリーメイソンの重要メンバーである」と。この話は、真実ではない。暗闇の中でカラスを追うような話で恐縮だが、非常に信頼できる筋から得た情報に基づいたものだ。
 プーチンは「フリーメイソンと同系統の、『あるグループ』の中枢である」というのだ。フリーメイソンとは古代からつづく秘密結社とされるが、伝説上の物語はともかく、近代フリーメイソンは英国で1717年6月24日に誕生している。フランスのメイソンとして知られる仏大東社(グラントリアン)の誕生は1733年だ。フリーメイソンはイルミナティ、ブナイ・ブリスなどと共に、イエズス会に源流を持つ。
 反論は山ほどあるだろうが、フリーメイソン、イルミナティ、ブナイ・ブリスは、ユダヤ教とカソリックにつながる情報収集機関といっても、間違いではない。プーチンは、ここには属していない。ロシアにはユダヤ教やカソリックとは若干異なるロシア正教があり、そのロシア正教から1666年に「旧儀派」(古儀式派)が分離。このとき旧儀派情報機関ユビニアンミ(無名)などが作られている。ゴルバチョフ、プーチンはこれらのどこかに所属していると考えられる。広い意味でフリーメイソンやイルミナティと同格の別組織といっていいだろう。

混乱に向かう地球とその未来

 プーチンが属している組織の名前やその構成など、知る必要もなければ考える必要もない。
 問題はプーチンやその仲間たちが何を目指しているかだ。プーチンは究極の目標「地球安定化」を目指しているのか。それとも別な目的をもってウクライナに侵攻したのか。
 今、世界は大混乱の中にある。政治の世界を眺めても、英国ではトラス首相が辞任、米国では中間選挙でバイデン民主党の敗北が濃厚、わが日本では統一教会問題で政権がガタガタになるなど、世界の政界は不安と混乱のまっただ中。ウクライナ戦乱は中東に飛び火しそうで、台湾情勢も緊迫し、金融界は大恐慌直前。異常気象と自然災害が世界を覆っている。

 こんな中、怪しい情報が人々を右往左往させている。「人口削減計画」という言葉を聞かれたことがあるかもしれない。世界を牛耳っている連中が、人口を削減しようと企んでいる。新型コロナは人口削減のための兵器だ。いや新型コロナのワクチンこそ人口削減の兵器だ――。
 そんな情報を耳にされたことがあるかもしれない。そんな陰謀論に乗ってはならない。人口削減計画など、断じてあり得ない。冷静に、本当に冷静になって、現在の状況を考えるべきだ。

 地球を取り巻く宇宙全体、大宇宙全体の動きが大きく変化している。その激変ぶりを冷静に眺め、分析する必要がある。地球の中で一番偉そうな顔をしている人類は、間違いなく激減する。それは「人口削減計画」のためではない。人類の欲望が肥大化したためなのだ。天に向かってツバを吐いた人類が、今、そのツバを全身に受けようとしている。人類全体、地球全体に降り注ぐ汚いツバが、地球を傷つけようとしている。
 瀬戸内海の大久野島(広島県)は「うさぎ島」として知られる。かつては無人島で、昭和末期に小学校で飼われていたうさぎが持ち込まれ、平成10年(1998年)頃にはうさぎは300匹ほどに増えた。その後、観光客が押し寄せ、エサを大量に与えるようになり、令和に入ったころには900匹以上にまで増えてしまった。観光客も増えて大量のエサをバラまくようになり、うさぎがエサに困ることはなかったが、うさぎ同士がナワバリ争いをはじめるようになった。互いに攻撃しあい、目を失い、鼻をかじられ、ケガをするうさぎが大量に増えた。(エサの奪い合いにカラスも参入してうさぎが傷つくことも多くなった。)コロナ禍で観光客が激減し、現在、うさぎは400匹ほどに減ったが、まだナワバリ争いは続いているらしい。

 地球に住む人類は大久野島のうさぎではない。人類には叡智がある。その叡智を結晶する一群の人々がいる。例えば「国連の頭脳」と呼ばれる国連大学などだ。(国連大学とは一般の大学とはことなる研究機関。)国連とは無関係の組織や機関もあり、ゴルバチョフが手にした100兆円をはじめとする巨額資金を管理している。プーチンは、ゴルバチョフが得た100兆円を引きだそうとしている。プーチンは「巨大な目的」を押し進める英雄なのだろうか。

 「地球安定化」を目指すヒーローなのだろうか。全く逆である。一言で言えばプーチンは、ゴルバチョフから引き継いだはずの100兆円を手に入れようと考えているのだ。ウクライナに攻め込み、核兵器をちらつかせ、領土を巨大なソ連時代に戻そうとしているのだ。「ヨベルの年」には、領土は本来の領土にもどり、預けたカネは元に戻るべきだと考えているのだ。さらにプーチンは、英米主導の資本主義体制を壊し、プーチン流の「安定した地球」を作り上げようとしている。それがプーチンなりの正義なのかもしれない。

 世界はこれから大変革の時代を迎える。ジェットコースターの時代だ。カタカタカタ…と昇っていたジェットコースターが、ついに頂点に達した。たぶん年内に、もしかしたら今日、明日にでも、世界はとんでもない大変革に突入する。心の緊張感を持続させながら、この激動の世を楽しんでいこう。■

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