戦乱に突入する世界 | 行政調査新聞

戦乱に突入する世界

戦乱に突入する世界
「日本以外全部沈没」が現実になる!

 激動の渦の中にあって、我が国もすべてが混乱、混沌に向かっている。
 統一教会問題で与党・公明党と溝をつくった岸田政権は、防衛費増額の財源問題で与党内に対立の火種をつくったうえに、内閣支持率も急降下、綱渡り運営を強いられる。コロナ禍とウクライナ問題で世界経済に暗雲がたちこめる中、日本もお先真っ暗と感じられるが、無策の日本だけが生き残る道筋がつくられている。2023年、世界は大混乱に陥る。日本もその渦に巻きこまれるが、被害は少ない。この先の世界を遠望してみよう。

崩落が見えてきた米経済

 米国株が暴落する可能性が高まっている。米国経済はずっと虚飾で固められてきた。戦時中の1944年(昭和19年)に、第二次大戦後の世界を仕切るために「ブレトンウッズ体制」という仕組みがつくられた。戦後世界を共通通貨「米ドル」で動かす体制だ。米ドルを世界の基軸通貨にするためには、金地金(きんじがね)を大量に持つ「強い米国」が必要だ。だが米国は、持っている金地金を上回る米ドルを発行し、ブレトンウッズ体制が破綻しそうになった。そこで米国は1972年に、「ドルを金に交換することを停止」する宣言を出した。いわゆる「ニクソン・ショック」だ。
 これにより、金地金の持ち分に関係なく米ドルが発行されることになった。当然、ドルの価値は一気に下がり、ブレトンウッズ体制は崩壊した。それでも最高の軍事力を持ち、世界に号令を発することができる米国は、どんどん米ドルを印刷し、様々な債券を金地金に代わる財産と見なすように世界をリードしてきた。
 だが2008年に起きたリーマン・ショックは、債権が架空の財産であること――ときに紙クズになってしまうことを明らかにした。リーマン・ショック後、世界の金融界は回復に向かっているかのように報道されているが、実際はそうではない。金利を引き下げ、あるいは金利ゼロ、マイナス金利などを導入して、紙クズのような債券を支えているだけだ。その虚飾がバレてしまうと、米国金融界は破綻してしまう。

米国を支えてきたペトロダラー

 これまで米ドルを支えてきた仕組みがもう一つある。ペトロダラーだ。ペトロダラーとは我が国では「オイルマネー」という。日本以外ではペトロダラーと呼ぶのが普通だ。石油のことは「ペトロリアム(petroleum)」といい、これに「米ドル(dollar)」をくっつけて「ペトロダラー」という。本紙も今後はオイルマネーを「ペトロダラー」と呼ぶ。
 石油はドルでしか買えない。ニクソン・ショック後の1973年に、「石油の取引は米ドルだけで行う」ことが、米国とサウジアラビアの了解によって決められた。
 当時は米ドルが世界唯一の基軸通貨だったから、サウジとしてもこの取り決めはありがたい話だった。ところが今や、米ドルだけに頼る必要はなくなった。世界のあちこちから「ペトロダラーがいつかペトロ元(中国の人民元)に代わるだろう」との声が聞かれはじめた。そんな折りの2018年に「カショギ事件」が起きた。サウジの名門一族のひとり、カショギという作家・ジャーナリストがトルコで暗殺された事件だ。

 この殺害にサウジのMBS皇太子が関与しているといわれている。(MBS皇太子=ムハンマド・ビン・サルマン。現サウジ首相)事件の容疑者5人は有罪(死刑)が確定した(刑は執行されていない)。だが5人以外の容疑者はMBS皇太子の側近で、不起訴処分となった。国連から派遣された調査官がこの裁判に不満を漏らしたほど怪しい裁判だった。当時米大統領で、サウジを擁護し続けていたトランプも、この裁判には納得せず、「ウソだ」「納得していない」と不満を漏らした。
 それでもトランプは、表向きはサウジ王家との対立は避けた。ところがトランプに代わって大統領に就任したバイデンは、2021年2月に「カショギ暗殺はMBS皇太子が承認した」という米国家情報長官室の報告書を世界に公表したのだ。米政府の公式発表に、サウジは猛反発。米国とサウジの関係は極度に悪化していった。
 そんな状況下の12月7日から10日まで、習近平がサウジを訪問、サルマン国王やMBS皇太子(首相)と首脳会談を行った。これには米国だけでなく欧州全域が緊張、さらにはイランも反発するなど、中東に新たな火ダネがまかれた感がする。いずれにしても米国とサウジの関係は修復不能になり、ペトロダラーが米ドルから離れて人民元に近づく可能性が強まっている。

悪化する米経済、引きずられる日本

 危険水域に入っている米金融界は、悪化する経済状況に足を引っ張られそうだ。
 米経済は安定していると報道されている。だが細かく見ていくと、政府の虚飾と報道の不正確が目につく。インフレが続く米国の実質賃金は昨年より8.5%も下落している。我が国も実質賃金が下落しているが、下落幅は1.3%ほど。米国が貧困に向かっていることは明白だ。しかもこの状況下に、米国ではあちこちで大量解雇が行われている。11月にはアマゾンが1万人規模のリストラを発表したが、大手スーパーのコストコや米最大の輸送会社フェデックスも次々にリストラを発表している。

 米FRB(連邦準備制度。日本の日銀に相当)は来年の米国失業率が現在の3.5%から4.4%に上昇すると発表したが、経済学者の多くは失業率がこの数字より多くなると予想している。さらに加えて米国の住宅価格の大幅な下落がある。ローンで住宅を購入した者の多くが、支払いができなくなり家を手放したため、中古住宅が溢れている。クレジットカードの負債は過去最高になり、食糧品を買えなくなっている市民の数もうなぎ上りになっている。米経済がパンクする日は、それほど遠くない。万引き、窃盗などの犯罪も増加し、米国全体が危険水域に突入している。
 ある日突然、米国経済・米国金融界が音を立てて崩れる日がくる。それは年末に起きるかもしれない。遅くとも来春には、米国株価は暴落を開始する。米国株が下落すれば、間違いなく日本株も暴落する。それも、第一波、第二波……と、底なし沼に落ちるかのように激しく下落するだろう。しかし、米国が復活するには相当な時間が必要(たぶん時間をかけても復活しないだろう)だが、日本はすぐに立ち直る。
 日本はこれまで33年間という超長期の不況にあり、実態よりずっと低い株価が続いてきたから、立ち直りは驚くほど早いはずだ。

バルカン半島が火の海になる

 日本漢字能力検定協会による「今年の漢字」「戦」が選ばれた。選ばれた一文字の漢字は、日本を含めた世界の世相を表すものだといわれている。日本中の多くの人が「戦」の雰囲気を理解している。今年は確かに「戦」の年だった。
 だが「戦」は、今年だけの話ではない。来年の世界を見事に表している。今年2月に始まったウクライナ戦争は、来年になっても終わらない。終わらないどころか、その余波が世界をガタガタにしている。ウクライナ戦争は休戦するとの情報も流されているが、その可能性は少ない。来年は世界中に戦火が飛び火する。世界が二手に分かれて戦う第三次世界大戦はないが、世界各所で戦争が始まる。最初にどの地域が火を噴くか、わからない。可能性として高い地域としてはコソボが考えられる。
 コソボとは、黒海とイタリア半島の中間あたりにある国(地域)だ。もともとはユーゴスラビアという国の一部だった。南側に北マケドニア、さらにその南がギリシアだ。北側にはセルビアがある。

 コソボは1990年代に内戦状態におちいり、米国などの援助により、2008年にセルビアから分離独立した。NATO(北大西洋条約機構)や米国などはコソボを独立国として承認したが、ロシアや中国は国として認めていない。もともとセルビアはロシア正教の国で、旧ソ連との関係が深かったが、セルビア南部のコソボ州はアルバニア人が多い。ロシアの影響力を弱めようと、米国などが強引につくりあげた国だ。このコソボに対し、セルビアが圧力を強めはじめている。セルビアはコソボの独立を認めていないから、内戦が再燃しそうだと表現するのが正しい。だが、コソボ紛争が再燃すると、ウクライナの戦争が西側に拡大し、黒海―バルカン半島の一帯が火の海になる可能性が出てくる。ウクライナ侵略戦争がうまくいっていないロシアにとっては、コソボ紛争の再燃はありがたい話になる。

 さらに黒海の南、トルコも不安定な状況にある。トルコはシリアが内戦下にある2011年に越境攻撃を行い、現在はシリア北部の一部地域を支配下に置いている。トルコで独立戦争を繰り広げているクルド人勢力の掃討が目的で、シリア反政府軍と連携してクルド人組織(クルド人民防衛隊)を攻撃している。11月20日にはトルコ軍がシリア北部で大規模な空爆を実施した。この戦乱がさらに拡大する可能性が高まっているが、中東全域でもっとも危険なのがイランだ。

中東で「ハルマゲドン」がぼっ発する

 ウクライナ戦争でロシアがイラン製のミサイルやドローンを使っていることが明らかになった。ロシアに加担するイランを叩こうと、英米勢力がイラン国内で反政府活動を展開している。イランでは、ヒジャブ(スカーフのような布)のつけ方が悪いとして逮捕された若い女性が死亡したことが原因で、反政府活動が活発化した。刑務所の放火騒動など、反政府活動は驚くほど活発だ。背後に英国や米国の工作員が暗躍していると推測されている。イラン政府は過敏に反応し、次々と公開処刑を行うなど、非人道的な圧政を強めている。このままでは、まもなく政府は転覆させられる。
 危険な状況に陥ったら、イラン政府はロシアに支援を求める可能性が高い。それを待っているのがイスラエルだ。イラン政府がロシアに援軍を求めたら、イスラエルは「イランが核武装をした」と言いがかりをつけてイラン攻撃に入るだろう。

 この背後には複雑な宗教問題がからんでいる。最大はエルサレムにある「岩のドーム」問題だ。岩のドームとは東エルサレムにあるイスラム教の聖地だ。その一部に、ユダヤ教の神殿の外壁があり、この壁は「嘆きの壁」という名でユダヤ教の聖地となっている。ユダヤ教徒の中には、この地に「神との約束にもとづいて」第三神殿を建立する計画がある。今から3000年ほど昔、イスラエルのソロモン王がエルサレムに神殿を建てた。これを第一神殿という。この第一神殿はバビロンにより破壊された。その後の紀元前530年頃に、その地に建てられたのが第二神殿だ。第二神殿は紀元70年頃にローマ軍によって破壊された。以来、ユダヤ人の多くはこの地に第三神殿を建立しようとしてきた。だがその場所には、イスラムの聖なる神殿「岩のドーム」がある。

 この岩のドームを跡形もなく破壊して、第三神殿を建てようという計画がある。そんなことをすれば、世界中のイスラム教徒が立ち上がり、ユダヤ教との宗教戦争がぼっ発する。それこそが聖書に預言されている「ハルマゲドン(最終戦争)」だ。ユダヤ教徒が第三神殿を建立しても、そこにわずかでも岩のドームの残骸が残っていれば、イスラム教徒はそこを聖地とするだろう。そんなことがないよう、岩のドームを完璧に消し去る必要がある。――ユダヤ教徒の過激派たちは、そう考えている。
 「この地域の83%(6分の5)の人が死んでも、岩のドームを消し去り、第三神殿を建立する」。それがユダヤ過激派の決意なのだ。岩のドームを完璧に消し去り、自分たちを含め83%を死滅させる。それはすなわち、核を使用すると宣言しているに等しい。常識では考えにくいが、宗教戦争とはそんな非常識な側面を持っているのだ。

ウクライナ侵攻の宗教的側面

 プーチンによるウクライナ侵攻は終わらない。ウクライナのゼレンスキー大統領が、G7(先進7カ国)首脳とのビデオ会合で提案した「クリスマス休戦」も、プーチンの拒否(12月14日)で実現できなかった。欧米のメディアは短期間の一時的な休戦が近いという観測を流しているが、クリスマス休戦すら拒否しているプーチンを考えると、それもないだろう。ウクライナ戦争は、当分の間、終わらない。おそらく数年は続く。
 プーチンのウクライナ侵攻の理由について、様々な分析がされている。NATOとの確執、英米との政治闘争、自由主義陣営との経済闘争などが取りざたされている。それらは間違っていない。だが一つ、重要な視点が抜けている。宗教的側面だ。

 プーチンの頭脳といわれる男がいる。地政学者のアレクサンドル・ドゥーギン(60歳)だ。今年8月20日に、ドゥーギンの娘が運転する車に爆薬が仕かけられ、娘は爆死している。ウクライナの工作員がドゥーギンの暗殺を狙って仕かけたものだ。ドゥーギンはウクライナ戦争の命運を左右するほど重要な人物である。
 そのドゥーギンがプーチンと共にロシア正教のキリル1世総主教のもとで10月末に会議(儀式)を行っている。ウクライナ戦争(特別軍事作戦)の意義を再確認するためと伝えられる。地政学者のドゥーギンは今回の軍事作戦は「シー・パワー(海の勢力)」「ランド・パワー(陸の勢力)」の争いと見立て、「大西洋の勢力(英米)」「ユーラシア勢力(ロシア)」が争って、ユーラシア勢力が勝たなければならないとしている。そう聞けば、ただの勢力争いと思われるだろう。
 だがこの奥に、旧約聖書の「リバイアサン(海の獣)」「ベヒーモス(陸の獣)」の最終戦争の構図が重なっているのだ。プーチンもドゥーギンもロシア正教古儀式派(旧儀派ともいう。ロシア語でスタロベール)に属している。古儀式派とは、ロシア正教の異端派と分類されるが、簡単に言えばロシア正教の「密教」である。
 キリスト教は大きく東方教会と西方教会に分類される。西方教会とは西ヨーロッパで発達したキリスト教で、ローマカトリックもプロテスタントも聖公会も西方教会だ。
 キリスト教をよく知らない日本人が、普通に「キリスト教」と呼んでいるのは西方教会のことだ。東方教会には、ギリシア正教やロシア正教などがある。

 西方教会の密教――隠された面に、イエズス会がある。
 この延長上にあるのがフリーメイソンやイルミナティ、ブナイ・ブリスといった組織だ。東方教会の一つであるロシア正教は、帝政ロシアの時代に弾圧を受け、ロシア革命でソ連が誕生すると、すべての宗教が「悪」と認定され、さらに弾圧された。その弾圧の中を生き延びた密教的な存在がロシア正教古儀式派である。つまり、西方教会のフリーメイソンやイルミナティに匹敵するのが東方教会古儀式派であり、プーチンやドゥーギンはこの一員なのだ。そしてそれは、ユダヤ教やイスラム教と同じように旧約聖書を理解している。
 この話の深奥を語ることは面倒なので、ここでは深入りしない。理解して頂きたいのは、ロシアのウクライナ侵攻の一側面に、宗教的な問題があるということだ。そして宗教戦争は非常に怖い。全滅すら覚悟で戦争を展開する可能性すらある。ウクライナ戦争は、しばらくは終わることがない。それだけは、はっきりしている。

中国は台湾に侵攻するか

 半導体製造の世界一の企業、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)は、世界の半導体の半分以上を製造している。TSMCが熊本に進出すると発表されたのは一昨年秋のこと。ソニーグループとデンソー、TSMCの3社が共同で進める新工場(2024年本格稼働)に、熊本はお祭り騒ぎである。
 そのTSMCが12月6日に、新たに米国アリゾナに巨大工場を建設し、2026年に稼働させる予定と発表した。この発表に中国は「台湾の民進党・蔡英文政権は、TSMCを米国に売り飛ばした」と強烈に批判。大陸・台湾間(両岸関係)の新たな火ダネになっている。一方、TSMCの日本・米国への工場進出を「TSMCは台湾を捨てて日本や米国に逃げ出した」という見方も少なくない。「中国による台湾侵攻が近いから、TSMCは工場を海外に移そうとしている」というのだ。中国軍の台湾侵攻は、本当に近づいているのだろうか。
 極東問題の情報通の意見も2分されている。「中国軍の台湾侵攻は近い」という説と、「中国軍は軍事的圧力を高めるだろうが、武力侵攻はしない」という説だ。本紙が事情通から得た情報では、「武力侵攻は近年にはない」が圧倒的だ。
 万一、中国軍が台湾に侵攻すれば、米英仏そして豪印などが強力に反発する。
 それは中国を内部から揺さぶる。10月22日の中国共産党大会閉幕式で、胡錦涛(前国家主席)が退席させられる事件が起きた。習近平1強体制の中で、なお共青団(共産党青年団)が「反習近平」として存在することを明らかにしたもので、世界中がこれに敏感に反応した。――中国は内部分裂する可能性を持っている――。

 そして世界の反応を、習近平体制自身も理解している。その後の新型コロナ対策の大幅緩和などは、反体制派の結集を未然に防ごうとする習近平政府の動揺が見て取れる。中国は2024年の台湾総統選に全力を傾けるはずだ。そして2024年総統選に民進党(現政権)候補者が勝つようなことになれば、改めて武力侵攻を考えるだろう。親中国を掲げる野党・国民党が勝利すれば、中国は緩やかに統一する政策をとっていくだろう。それまでは軍事的圧力を高めるだけ高めながら、実際の武力攻撃は行わないと考えていい。だが米英の好戦派は、何としても台湾海峡で戦争を開始させたいと暗躍する。東シナ海の緊張は、これまで以上に高まるはずだ。

無策の日本は世界一安全な地域になる

 ウクライナ戦争の拡大、コソボや黒海周辺の火ダネ、火を噴く可能性が高いイランや中東全域、それに加えてバルト海、台湾海峡、さらにはアフガニスタン、ミャンマー……。世界は間違いなく戦乱に突入する。第二次大戦後、初めての大戦争の時代がやってくる。こうした世界事情を考察した上で、12月16日に岸田政権は「歴史の転換期を前にして」「今後5年間で緊急的に防衛力を抜本的に強化するため、43兆円の防衛力整備計画を実施する」ことを閣議決定した。
 防衛費拡大は当然のことと受け止めていい。その財源に関しては「法人税・所得税・たばこ税」を充てるとしている。財源に関しては議論の余地があり、所得税一律1%上乗せには本紙としては同調できないが、防衛費拡大は了承すべきと考える。国防費のGDP(国内総生産)比率は、日本は先進国の中でも一番低い。国防費のGDP比は、1位がオマーンの11.5%で、イスラエルが4位の5.6%、ロシアは9位で4.2%、米国は13位の3.8%、韓国は29位で2.6%、以下34位英国2.3 %、35位フランス2.2%と続き、日本は103位の0.99%。日本の場合、防衛費を拡大すると、様々な業界が潤い、景気が好転することが期待される。景気が良くなるだけではない。
 日本の軍事力に関しては、いろいろな説がある。

 世界的に知られる「グローバル・ファイアパワー」の分析では、日本の軍事力は世界第7位。防衛予算では世界103位なのに、その実力は世界第7位。米ロ中印仏英に次ぐ順位なのだ。こと「防衛力」に関しては、世界の多くが日本の強さを認めている。(本当に強いかどうかは別として)世界は日本の防衛力を評価している。
 日本だけは安全だと、世界が思っている。世界中のあちこちが戦火に包まれれば、世界中のカネ持ちたちは資産を安全な地域に避難させる。来年、世界のあちこちが戦火に包まれれば、日本に世界の資産が集まる。おそらく来年の夏以降、日本には世界中の資金が集まってくる。夏より早まり、春先にはそうなる可能性もある。

 株価崩落、金融クラッシュを迎えるだろう米国を尻目に、円ドルレートは一気に円高に進む。来年末には「1ドル70円台」の史上最高値になることも想定される。しかしそれは、日本が犯罪多発国家になる怖さも意味する。来年の日本は、これまでのような「ぬるま湯国家日本」ではなくなる。心の底に覚悟と緊張感をみなぎらせて、新しい年を迎えようではないか。

 読者諸氏がよいお年を迎えられることを心より祈念したい。■

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