第三次大戦ぼっ発か? 沖縄に火の手があがるのか? | 行政調査新聞

第三次大戦ぼっ発か? 沖縄に火の手があがるのか?

第三次大戦ぼっ発か? 沖縄に火の手があがるのか?

10月7日朝にパレスチナ・ガザ地区からハマスの武装勢力がイスラエルに攻撃を開始した。これは聖書に預言されている「ハルマゲドン」の幕開けなのだろうか。
 ウクライナと中東で二正面作戦を展開しなければならなくなった米国を見て、いよいよ中国が台湾に圧力を高め、まず沖縄米軍を叩くという予測も流されている。
 この先、世界はどうなるのか?

ハマスの攻撃は「偽旗作戦」か?

 米国外交委員会のマコール委員長は「エジプトはハマスの攻撃の3日前に、イスラエルに対して警告を行っていた」と記者会見で述べた(10月12日)。
 10月7日午前6時半にはじまったハマスの「奇襲攻撃」は、奇襲ではなく、イスラエル側はわかっていたというのだ。さらに興味深いニュースも流された。トランプ前米大統領が「ハマスの武器は米バイデン政権が与えたものだ」と発表したことだ。
 米国はイスラエルを全面的に支持する国なのに、その米国がハマスに武器を与えるなど、常識的にはありえないが、前大統領の発言だけに、信ぴょう性は高い。
 この情報に追い打ちをかけるかのように「ハマスがイスラエル侵攻に使用した武器は、ウクライナから渡された。ハマスはゼレンスキー(ウクライナ大統領)に感謝している」という情報もある。
 現実に、NATO(北大西洋条約機構)製の兵器をハマスが使っている画像も存在する。これについてゼレンスキーは「ロシアがウクライナから奪った兵器をハマスに渡したもので、ウクライナがハマスに武器を提供することなどない」と弁明に必死だが、NATOからウクライナに渡された武器がハマスに流れたことは間違いない。
 パレスチナという国は、ヨルダン川西岸地域とガザ地域の2つに分かれている(正しくは、イスラエルによって分断されている)。ガザ地域は細長く狭い地域で、国境を接するイスラエルとは高さ3メートルの壁で仕切られている。食糧をはじめ物資のほとんどはイスラエルからやってくる。そんな地域に、どうやって大量の兵器が送り込まれたのか。「戦闘がはじまる10日前から1週間前にかけて、イスラエルから大量の物資がガザに送り込まれていたという衛星写真がある」という信頼できる情報がある。
 ガザにいるハマスのメンバーは1人1人に厳重な監視がついている。常識的に考えて、イスラエル側は前もってハマスの行動がわかっていたはずなのだ。こうした数多くの情報をながめてみると、今回のハマスの攻撃は、イスラエルが前もって承知していたことは確実だ。これは明らかに「出来レース」であり、極端にいえば「偽旗(にせはた)作戦」だったといえる。

ハマスとの戦争を望んでいたイスラエル

 イスラエルのネタニヤフ首相は、汚職容疑で裁判にかけられている身だ。裁判は2020年5月にはじまったが、進行が遅れていた。ネタニヤフは裁判逃れのために今年7月に司法改革の法案をいくつか提出。これが火に油を注ぐことになり、市民の間では激しい反ネタニヤフ運動が展開されてきた。裁判は現在、審理が中断しているが、ネタニヤフ政権が潰れる危機にある。そんな状況下でハマスがイスラエルに侵攻したのだ。「汚職疑惑を打ち消し、ネタニヤフ支持の強力国家にまとめるために、イスラエルがハマスを扇動して戦争を起こした」という説は、こんな背景から生まれた。

 一方、ハマス側としてはイスラエルに戦争を仕かける必然がある。「第三神殿建立」の問題だ。狂信的なユダヤ教徒がエルサレムにある神殿の丘に第三神殿を建立する計画がある。旧約聖書の預言に基づいたもので、来年4月の「過ぎ越しの祭り」というユダヤ教の祭典の際に、建立された第三神殿で儀式を行うことが聖書に定められていると主張する。4月に儀式を行うためには、今年年末か、遅くとも来年早々には着工しなければならない。もっとも一説には、第三神殿の部品は細部まで完成しているから、整地さえできれば数日のうちに神殿が完成するとの話もある。

 神殿の丘には現在、イスラム教の寺院「岩のドーム」などが建てられている。このイスラム教寺院を破壊しなければ第三神殿を建てることができない。しかも岩のドームの中には「聖なる岩」という神聖な岩がある。この神聖な岩は、イスラム教徒の宝物であると同時にユダヤ教徒の宝物でもある。ユダヤ教徒としては、神聖な岩を残したまま岩のドームを取り壊して、そこに第三神殿を建てたいのだが、聖なる岩を傷つけることはできない。神殿の丘をめぐっては、イスラム教徒とユダヤ教徒が激しく争ってきた。今年(2023年)1月にもイスラエル国家治安相が「異教徒は立入禁止」のこの丘に立ち入ったため、イスラム教徒が猛反発した経緯がある。

 その後もイスラエル側は神殿の丘に立ち入り、イスラム教徒を排除しようとしてきた。イスラム教徒としては、何としても第三神殿建立を止めたい。着工期限が迫っていることは、イスラム教徒はよく理解している。イスラエルとパレスチナが戦争状態になれば、第三神殿の建立話など吹っ飛んでしまう。イスラム教徒としては、戦争の勝ち負けより、戦争を起こして来年4月まで混乱が続けばいいという目論見かもしれない。

イスラエルは「ハマスの黒幕イラン」を攻撃するか

 ガザ地域は現在まさに地獄と化している。イスラエルはガザの電気・水道を止めてしまった。225万人が、水も食糧もない暗闇で生きている。トイレは1,000人に一つくらいしかない。そうした中イスラエル軍のガザ侵攻が迫っている。10月17日にはイスラエル軍がガザの病院を空爆し、少なくとも500人以上が死亡した(イスラエルは過激派のロケット弾が誤爆したと主張)。

 一方、ガザ地域のパレスチナ人を見殺しにできないという国際世論も高まっている。世論だけではない。ガザの人々を武力支援しようとする動きもある。
 その一つはイスラエルと国境を接するレバノンの動きだ。レバノンの武装勢力「ヒズボラ」が国境線を越えてイスラエルに進軍する動きを見せている。これに対しイスラエルは国境線に壁をつくり、爆発物をしかけている。10月17日にはヒズボラの兵士5人がイスラエル軍に殺された。ヨルダンのアブドラ国王はイスラエル軍のガザ病院空爆を「虐殺であり戦争犯罪」と非難、「黙って見過ごすことはできない」と声明を発表。

 ヨルダン軍がイスラエルに向かう可能性も高まっている。世界中が注目しているのは、ハマスの後ろ盾となっているイランの動きだ。中東地域は古くから、ペルシア、アラビア、トルコが巨大勢力として存在してきた。トルコは穏健派で、サウジアラビアはイスラエルとの関係を正常化しようと交渉している矢先だった(今回のイスラエル軍の動きで、サウジは国交正常化交渉を中断すると発表)。
 そうした中、イスラエルの「宿敵」は何といってもイラン(ペルシア)だ。イスラエルはずっと、ハマスの黒幕はイランと決めつけ、イランを攻撃するための準備をつづけてきた。

聖書の預言通りに「ハルマゲドン」がぼっ発する

 旧約聖書の3大預言書の一つに「エゼキエル書」がある(他の2つは「イザヤ書」「エレミア書」)。このエゼキエル書の第38章に、戦争を予言した部分がある。それによると、北の地の果てに住む「メセクとトバルの大君であるマゴグの地のゴグ」がイスラエルの敵となり、「ペルシアやエチオピア、ブテ」も敵に加わるという。
 しかし一方で「ゴメルの全軍、ベト・トガルマの軍隊やその他大勢の者がお前(イスラエル)に味方する」ともいっている。ここには聞いたことのない地名・国名が並んでいるが、すでに解読は済んでいる。メセクとはロシア、トバルは黒海沿岸の国、ゴグとは大王のことだ。ペルシアは現在のイラン、ブテとは北アフリカ諸国、ゴメルはトルコ、ベト・トガルマとはヨーロッパ諸国である。

 つまり世の終わりには、イスラエルを戦場とする大戦争がぼっ発し、イスラエルの敵としてロシアや黒海沿岸の国、さらにイランやエチオピア、北アフリカ諸国も敵になるというのだ。だがトルコとヨーロッパ諸国はイスラエルの味方になる。これは旧約聖書の預言であり、ここに書かれた通りになると決められているわけではない。

 世の中には、聖書の預言を実現させようと動く勢力もある。ロシアをこの戦争に引っ張り出し、第三次世界大戦を現実のものにしようとする勢力が存在するのだ。

この先、世界はこうなる!

 この先に何が起きるのか。それは「神のみぞ知る」出来事だ。だが中東の地域には、ユダヤ教、キリスト教そしてイスラム教の3つの神がいる。それぞれが正義を振りかざしているのだから、予測は難しい。どの神さまも、自分が正しいと主張する。
 ガザに対するイスラエル軍の地上侵攻は、まもなくはじまる。この原稿を書いている18日現在は、まだ侵攻していないが、間違いなくまもなくはじまる。18日にイスラエルを訪問したバイデン米大統領は、地上軍の侵攻を認めたと考えられる。
 それを受けて、まもなく、ヨルダン川西岸のパレスチナ人たちが立ち上がる。ヨルダン川西岸には、ハマスとは一線を画すファタハに属しているパレスチナ人が多いが、ガザのパレスチナが虐殺されることを黙って見過ごすはずはない。そして彼らは「神殿の丘」をイスラエルから守るために、ここを封鎖する。そこにイスラエル軍がロケット砲などを撃ち込み、神殿の丘のパレスチナ人のモスクが破壊される。
 ――聖書の預言を成就させるために、「第三神殿」建立を成し遂げるために、ここまでは確実に進むと考えられる。その前後に何が起きるのか。

 様々な予測が可能だが、可能性が高いのはイスラエル軍(または米軍)によるイラン攻撃(イラン空爆)だ。イスラエルも米国も、パレスチナ過激派の背後にイランがいると考えている(現実にイランが彼らを背後支援している)。このとき、最悪の場合、核が使用される。そして、イランに対して核が使用された場合、ロシアがウクライナに核を使用する可能性は高い。それは、今年中に起きる話だ。
 そうなれば、サウジ・トルコ・イラン・UAE(アラブ首長国連邦)だけではなく、エジプトやパキスタン・インドネシアまでが参戦する。米国はウクライナの対ロシア戦だけでなく、中東の大戦争に引っ張り出され、完全に身動きが取れなくなる。そうなれば、中国が極東米軍に戦争を仕かける可能性が高まる。18日に北京を訪れ、習近平と二人だけで長時間密談に及んだプーチンは、その腹のうちを語ったことだろう。

 この日(18日)、松野官房長官が鹿児島を訪れ、塩田知事と面会、「台湾有事の際には沖縄県の避難民を九州で受け入れる」という協力要請を行っている。
 台湾有事の際には、沖縄に火の粉が降りそそぐ可能性は高く、そのための要請だったと発表されている。だが現実にあり得るのは、台湾有事ではなく沖縄の米軍基地襲撃であり、佐世保、岩国基地攻撃と考えられる。
 中東有事は日本有事につながる可能性を秘めている。(以下、続編につづく)

※中東情勢がどのように変化するか、観測が難しいですが、間違いなく戦火は拡大されます。本紙は中東情勢の解説を今後も詳細にお伝えする予定です。■

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