緊急特報!中野英幸埼玉県議会議員の政務活動費不正受給疑惑… | 行政調査新聞

緊急特報!中野英幸埼玉県議会議員の政務活動費不正受給疑惑…

中野英幸氏に対する「本紙公開質問書と同氏のデタラメ回答を公開!」

埼玉県議会議員の中野英幸氏に政務活動費をめぐる疑惑が浮上したのは本年7月のことだ。折しも同月11日、領収書を偽造して政務活動費約545万円を不正受給したとして、埼玉県議会自由民主党県議団が沢田力県議の除名処分を決定した。沢田県議は同日に当該政務活動費の全額を県議団に返還した。
今のところ埼玉県自民党県議団は、沢田力議員を告訴しない方針のようだが、その理由が「カネを返したんだから、まあいいじゃないか」というのであれば、県議団も市民を軽視していることになる。

マスコミ一般では「不正受給」など柔らかな表現をするが、簡単にいえば政治家が税金を騙し取ったということで、バレたからカネを返して済む話ではない。
仮にも政治家が架空の領収書まで作って支出先を偽り、県税が原資だと分かっている政務活動費を詐取したことが犯罪でないならば世の中の詐欺犯は、被害金さえ返せば全員無罪だ。
さて、この沢田力議員の報道を受けてか、7月末に匿名市民から本紙に「中野英幸県議の政務活動費についても不透明な点があるから調べて欲しい」旨の情報が寄せられた。本紙が独自に取材を行ったところ、中野県議の政務活動費の支出について多くの疑問点が見つかったのである。

そこで本紙は去る10月18日(水)付で中野県議に対して公開質問書を送達し、本人からの回答を待った。その回答期限である10月30日(月)の2日前となる28日(土)、本紙事務所に「中野英幸事務所」名義で回答らしき書面がFAXで届き、その翌日には同一書面が郵送されて来た。
いずれの書面にも中野県議自身の個人名はなく、あくまでも「事務所」名義である。勿論、本紙の質問書は「埼玉県議会議員 中野英幸殿」名義で中野英幸事務所宛てに送達しているのだ。
それに対する同回答書は、本人の署名も無く本人であることの確認が出来ないという意味では怪文書とさえいえる。さて、この中野英幸事務所からの回答書らしき書面だが、およそ疑義を問われた県議の誠意ある説明とは言い難い、デタラメ極まる回答が記載されていた。

合計給与68万円もの姿なき3名の政務活動専従者

今回本紙は平成26年度から28年度までの中野英幸県議の政務活動費の支出について取材した。政務活動費とは、日本における地方議会の議員に政策調査研究等の活動のために支給される費用である。もとは政務調査費の名称であったが、2012年の地方自治法改正により改称された。

「埼玉県政務活動費の交付に関する条例」では次の通り定められている。

第三条政務活動費は、議長が別に定めるところにより議長に届出のあった会派(所属議員が一人の場合を含む。)に対し交付する。
第四条政務活動費は、月額五十万円に前条の会派の所属議員の数を乗じて得た額を交付する。

埼玉県の条例に規定されている通り埼玉県議会議員は、月額500,000円(年間6,000,000円)の政務活動費が支給されていることになる。

中野県議の場合はどうなっているか?
同氏の政務活動費は広報費と人件費に使用されているが、平成26年度から28年度に渡って、まず人件費が異常に膨張しているのだ。
中野英幸事務所には、政務活動のみに従事する県政調査補助用務(中野県議が使用している用語)の職員が2名。また、県政活動補助用務(中野県議が使用している用語)の職員が1名在籍している。要は中野県議の政務活動に専従する職員が3名もいるということだ。政務活動費には一定の縛りがある。
政党活動への支出・選挙活動への支出・後援会活動への支出・私的経費への支出等に政務活動費を充当してはならないと決められている。いわゆる政務活動専従職員は、政務活動費より給与が支出されている為に政務活動以外に選挙等、他事の活動には従事出来ないのだ。
であるのなら、一人の県議の政務活動に専従職員が3名も必要なのかに疑義が生じる。専従職員の給与の内訳を見ると、職員の給与は、県政調査補助用務職員が月額300,000円、県政活動補助用務職員が月額80,000円である。

・県政調査補助用務…300,000円×12ヶ月×2人=7,200,000円
・県政活動補助用務… 80,000円×12ヶ月×1人= 960,000円

ところが、年間合計816万円もの給与が支払われている中野県議の政務活動専従者3名の素性がまったく不明なのである。中野英幸事務所に関する情報でも「政務活動に携わる専従職員の姿を見たことがない」との声まであったのだ。
また、広報費についての使途にも、印刷部数や配布先など不透明な点が多い。
そこで本紙が、中野英幸県議に直接回答を求めた公開質問書が以下である。長文ではあるが、中野県議の政務活動費の支出における不透明性が具体的に理解できるのでご一読頂きたい。

埼玉県議会議員 中野英幸氏への公開質問書

埼玉県議会議員 中 野 英 幸 殿
貴殿に係わる「政務活動費不正受給疑惑」に対する回答を求める

公   開   質   問   書

平成 二十九年 十月 十八日
行政調査新聞社
社主 松 本 州 弘

〒350-1103
川越市霞ヶ関東三丁目八番十三
電 話 049-237-5431
FAX 049-237-5432

主  旨

本紙、行政調査新聞は民主主義社会の原理原則である、主権在民を活動理念の主軸として、インターネット新聞活動を主体とするフリージャーナリストであり、如何なる問題に対しても公正かつ不偏不党の報道をポリシーとする、有志のボランティアで構成される言論機関である。また、単に地域社会の木鐸であるに留まらず、行政犯罪ならびに政治腐敗等の不法行為に対しても、実効力あるジャーナリズムとしての社会貢献活動を展開するものである。

本日ここに、貴殿に対して本書を送達するに至る事由は、本紙が独自に入手した告発情報を端緒とした貴殿に係る「政務活動費不正使用の疑い」が浮上したことにある。
貴殿も御承知の通り、本年7月、元自民党県議団・沢田力議員が領収書の偽造等により「政務活動費約545万円を不正受給していたことが発覚」し議員辞職している。
沢田氏は「545万円」を返還したとしているが、議員辞職は当然ながら詐取した公金を返還したところで「金のために市民の信を平然と裏切る政治家の行為」は、社会的に許されるものではない。
同氏の当該不正は、2011年から4年に渡って放置されていた。この不正行為は、貴殿も所属する自民党県議団の腐食体質を象徴するものであるばかりか、同様の不正が自民党県議団の内部で看過されていると推認するに足る、極めて重大な犯罪行為である。
同氏の場合、偽造領収書の作成による不正受給であるから「刑法上、詐欺罪となるものであり」本来であれば県議団の告発により、沢田氏は刑事罰を問われるべきである。
議員を辞職することで、詐欺罪自体が消滅する理由にはならず、県議団は捜査機関を通じて沢田氏を厳しく追及することが、市民の主権を付託された政治家の責務であることは論を待たない。ところが、県議団では沢田氏の議員辞職と詐取した現金の返還をもって、事実上の無罪放免としているのだから、その組織的腐敗の常態化を市民から疑われて当然であろう。

まさにその折、本紙は独自の取材ルートを通じて、貴殿の政務活動費に関する不正疑惑を惹起する情報を入手した。
内容は、平成26年度から平成28年度に渡って、貴殿が埼玉県議会自由民主党議員団から支給された「政務活動費の支出の実態」についてである。具体的には、平成26年度分の貴殿事務所人件費「合計816万円」及び広報費「合計191万5181円」並びに平成27年度分の同人件費「合計816万円」及び広報費「合計192万1175円」直近の平成28年度分の同人件費「合計816万円」及び広報費「合計215万5988円」となっている政務活動費の使途についてである。

付言するまでもなく、政務活動費とは、日本における地方議会の議員に政策調査研究等の活動のために支給される費用である。
もとは政務調査費の名称であったが、2012年の地方自治法改正により改称された。
「埼玉県政務活動費の交付に関する条例」では、次のように定められている。

第三条
政務活動費は、議長が別に定めるところにより議長に届出のあった会派(所属議員が一人の場合を含む)に対し交付する。

第四条
政務活動費は、月額50万円に前条の会派の所属議員の数を乗じて得た額を交付する。

右の埼玉県の条例に規定されている通り、埼玉県議会議員は月額50万円(年間600万円)の政務活動費が支給されている。
平成26年度から直近の平成28年度に至るまで、貴殿の政務活動費は広報費と人件費に使用されているが、係る経費使途が事実だとすれば、議員活動の一般的かつ平均的事例に比しても、その人件費が占める割合は、貴殿に対する疑義を生じるに足る偏りがある。

貴殿の申告された支出証明書によれば、貴殿の政務活動のみに従事する県政調査補助用務(貴殿が使用している用語)の職員が2名。また、県政活動補助用務(貴殿が使用している用語)の職員が1名在籍しており、3年度に渡って貴殿の政務活動に専従する職員が3名存在することになる。
但し、貴殿も承知の通り政務活動費は、「政党活動への支出・選挙活動への支出・後援会活動への支出・私的経費への支出等」に充当してはならないと定められている。
いわゆる政務活動専従職員は、政務活動費より給与が支出されている為に政務活動以外に選挙等、他事の活動には従事出来ない。一方、貴殿に於いては一人の県議の政務活動に専従職員を3名も擁しており、貴殿の政務活動費の受給と使途に疑義を生じざるを得ない。

そこで本紙は、ここに公開質問書を貴殿に送達し、係る疑義について貴殿自身からの明確な説明と回答を求めるに至った。
仮に貴殿が本書に対して真摯な回答を示さず、また無視黙殺する所存であれば、本紙は埼玉県議会自由民主党議員団を始め、捜査機関とマスコミへの情報提供を通じて、係る貴殿の疑惑に対し厳しく徹底した言論活動を展開するものである。

質  問

一、平成26年度「県政報告 2014-3-March 印刷代並びに配布代」について

貴殿は、平成26年5月8日支出の「県政報告 印刷代 中野ひでゆき2014-3-March」として、90万7200円を 株式会社NKコーポレーション(さいたま市西区内野本郷936-5)に支払い、領収証を受領している。
また同県政報告のチラシ配布を平成26年5月8日付けで「県政報告 配布代中野ひでゆき2014-3-March」なる使途により、合同企画株式会社(東松山市六軒町22-17)に対して、53万7425円を支払っている。本件支出について次の通り質問する。

ア 使途目的には「印刷代」の記載があるが、当該広報紙の編集及び版下作成等の業務はどのように行ったのか、また、その編集作成経費を未計上とした経緯を説明せよ。

イ 貴殿が、印刷、配布ともに他市業者である「株式会社NKコーポレーション」ならびに「合同企画株式会社」に、それぞれ業務発注をした、具体的な理由及び当該法人らと貴殿との人的関係を明確に回答せよ。

ウ 合同企画株式会社が受注した当該チラシ配布枚数ならびに配送地域と、その方法を開示せよ。

二、平成26年度「県政報告製作費 中野ひでゆき 2014-8月号」について

貴殿は、平成26年9月30日支出の「県政報告製作費 中野ひでゆき2014-8月号」として、35万1000円を 株式会社NKコーポレーション(さいたま市西区内野本郷936-5)に支払い、領収証を受領している。本件支出について次の通り質問する。

 本件領収証には「データ作成・印刷料」と記載されているが、同社は具体的に当該紙面のどのデータを作成したのかを明らかにせよ。

 本件県政報告では、他には支出されている配布料が計上されていない。その理由を述べよ。

 当該法人所在地は一般居住用の建造物に見えるが、現に印刷業務を行う設備を有するのか、また別途印刷所または外注によって印刷業務を行っているのか明らかにせよ。
また、本件印刷を孫請印刷業者が行っていた場合は、その事業者名と所在地を公開せよ。

 本件業務を、貴殿地盤ではない他市業者である「株式会社NKコーポレーション」に発注した具体的な理由及び当該法人らと貴殿との人的関係を明確に回答せよ。

三、平成26年度「ホームページ更新代金」について

貴殿は、平成27年2月28日支出の「ホームページ更新代金」として、11万9556円を「Tabiya(川越市中台南2丁目18-3)」に支払い、領収証を受領している。
本件支出について次の通り質問する。

 貴殿のホームページは、一見するところ、いわゆるテンプレートを使用したウェブ・デザインであり、作成においてプログラム言語の構成技術を要さない、いわばアマチュア仕様である。業界相場において、本件のようなホームページの更新代金に約12万円を請求する業者は、ウェブ・デザインの専門会社でさえほとんど見られない。業界相場でいえば、テンプレート仕様の同類の更新作業は、高くても3~5万円程度で行える。
事実、本件受注業者の営業目的にはホームページ制作が記載されているものの主業務は、個人営業による中古パソコン販売ならびに修理などであり、一般人でも可能な作業に12万円を請求すること自体に違和感がある。
ましてや県税を支払い原資とする政務活動費から支出するのであれば、貴殿はより安価な料金で同種業務を受注する事業者を探し、利用することが県議としての誠意と義務である。貴殿が、本件業務を同社に発注した具体的かつ合理的な理由を述べよ。

 また前項指摘の通り貴殿のホームページは、専門技術を有しない一般人でも作成可能なレベルのものである。本来であれば、貴殿が政務活動費から高額な給与を支払い雇用している貴殿の政務活動専従職員が、この程度の作業をすることが常識であるはずだが、貴殿がなぜ当該作業を外注したのか、その理由を述べよ。

 さらに貴殿のホームページは、少なくとも数年に渡って同一のインターフェイスであり、コンピューター・プログラム技術上で「更新」と言えるほどの作業を行っていないことは明らかである。貴殿が「更新」としているものは、いわゆるプラグインで挿入したフェイスブックやツイッターの投稿記事の更新であるとしか見られない。
貴殿が本件業者に約12万円を支払って更新したその更新前と更新後の具体的な違いを説明のうえ、ログデータと共に開示せよ。

四、平成27年度「広報製作費 中野ひでゆき県政報告 はがき2016・1」について

貴殿は、平成28年1月29日支出の「広報製作費 中野ひでゆき 県政報告はがき2016・1」として、20万7900円を 株式会社NKコーポレーション(さいたま市西区内野本郷936-5)に支払い、領収証を受領している。
また同広報紙なるはがき約1万4500枚を川越郵便局から発送し、その郵送費63万3491円を「広報紙送料 中野ひでゆき県政報告 はがき2016・1」として支出し、領収書を受領している。本件支出について次の通り質問する。

 本件はがきの印刷数量、印刷方式(オフセット印刷等)が記載された見積書もしくは、作業明細書を開示せよ。

 他項質問に同じく、貴殿が川越市外で営業する同社に本件業務を発注した理由を明らかにせよ。

 本件広報紙なるはがきは約1万4500枚郵送されている。現在、同種のはがき(両面フルカラー)をオフセット印刷で外注する場合、納品までの日数により価格の差があるものの、1万4000枚をおよそ2万5千円台から3万円台で印刷可能であり、1枚あたり3円前後の印刷代金が同種事業者の相場価格でもある。
すると当該はがきの製作を受注した 株式会社NKコーポレーションに支出された製作費20万7900円に対する印刷費は、1枚につき14円台となり相場価格の7倍という高額になる。仮に同請求額に版下となる「A4データ作成料」を含むとしてさえ、業界平均値を超過する価格となる。
貴殿が業界相場の数倍も高値の同社に対して、本件業務を発注した経緯を述べよ。

五、平成27年度「広報紙製作費 中野ひでゆき2016-3-March」について

貴殿は、平成28年3月30日支出の「広報紙製作費 中野ひでゆき2016-3-March」として、70万2千円を 株式会社NKコーポレーション(さいたま市西区内野本郷936-5)に支払い、領収証を受領している。本件支出について次の通り質問する。

 本件領収証には「データ作成・印刷料」の記載があるが、その数量を開示せよ。

 同種の貴殿広報紙と推認される「県政報告」のデータ作成・印刷料は70万2千円と計上されているが、同じ業者が受注しながら、平成26年度では35万1千円の支出となっている。その理由を述べよ。
仮に前年に比して印刷部数が増加したならば、その理由と数量を併せて開示せよ。

六、平成27年度「広報紙折込料」について

貴殿は、平成28年3月30日支出の「広報紙折込料」として、37万7784円を合同企画株式会社(東松山市六軒町22-17)に支出し、領収証を受領している。
本件支出について次の通り質問する。

 当該広報紙のサイズ及び折り込み配布枚数ならびに折り込み新聞名、またその新聞の配送地域を開示せよ。

 他項質問に同じく、貴殿が川越市外で営業する同社に本件業務を発注した理由を明らかにせよ。

七、平成28年度「自民党県議団ニュース 印刷代14万3434円の支出」について

平成28年3月28日発行の「自民党県議団ニュース(政務活動費平成27年度分)」を貴殿は一ヶ月遅れの平成28年4月22日付(政務活動費平成28年度分)で「同紙の印刷代」を政務活動費の使途目的として 「15万984円を 株式会社TMコーポレーション(田村琢実県議会議員関係会社・さいたま市浦和区上木崎2-14-3-104)に支払い」領収証を受領している。
政務活動費領収書等貼付用紙によれば、「政務活動に使用する割合が10分の9・5であるため」として、印刷代金×0・95=14万3434円を政務活動費からの支給額としている。本件支出について次の通り質問する。

 使途目的には「自民党県議団ニュース」の記載があるが、当該広報印刷物は「県議団ニュース」と表題されながら貴殿の責と負担に於いて支出するものなのか。明確に説明せよ。
また平成28年3月28日に発行された「自民党県議団ニュース」の印刷代金は、平成27年度政務活動費として計上すべきだが、貴殿はあえて同紙の印刷を一ヶ月遅らせ印刷代金を平成28年度政務活動費に組み入れている。その理由を説明せよ。

 支払先の「株式会社TMコーポレーション」の具体的な営業目的(業種)及び当該法人と貴殿との人的関係を明確に回答せよ。

 当該法人所在地は一般居住用のマンションであるが、現に印刷業務を行う設備を有するのか、また別途印刷所または外注によって印刷業務を行っているのか明らかにせよ。

 「自民党県議団ニュース」の配布手段、配布枚数並びに配布代金の支出原資を明らかにせよ。また、本件配布代金を政務活動費に計上しなかった理由を述べよ。

 貴殿の県政報告紙の印刷は、前年度までは 株式会社NKコーポレーションを発注先としているが、本件から 株式会社TMコーポレーションへの印刷業務発注と変更した理由を述べよ。

八、平成28年度「県政報告紙印刷代 中野ひでゆき2017-3-March」について

平成29年3月29日付で貴殿は「県政報告紙印刷代 中野ひでゆき2017-3-March」なる使途により、93万3120円を 株式会社NKコーポレーション(さいたま市西区内野本郷936-5)に支払い領収証を受領している。本件支出について次の通り質問する。

 当該広報紙の印刷部数を開示せよ。

 前項「七、」で質問した印刷業者 株式会TMコーポレーションから、本件について貴殿は再び 株式会社NKコーポレーションに印刷業務を発注している。
印刷部数が不明ではあるが、印刷代金だけを比較すれば 株式会社NKコーポレーションのほうが圧倒的に高額である。
そもそも県政報告が、発行するごとにこれほどの印刷代金の格差を生むほど部数の増減があること自体、通常では考えられないことである。なぜ高額の 株式会社NKコーポレーションを主要な印刷発注先とし、前項支出については 株式会社TMコーポレーションへの発注となったのか、その理由と経緯を明らかにせよ。

九、平成28年度「中野ひでゆき県政報告 朝刊チラシ配布代の支出」について

平成29年3月31日付で貴殿は「3月28日 朝刊チラシ配布代 中野ひでゆき県政報告2017-3-March」なる使途により、合同企画株式会社(東松山市六軒町22-17)に対して、48万6千円を支払っている。本件支出について次の通り質問する。

 当該チラシのサイズ及び折り込み配布枚数並びに、折り込み新聞名またその新聞の配送地域を開示せよ。

 貴殿は、本件業務を東松山市の業者に発注している。川越市民の支持を得て県議となった貴殿が、市外業者を選定した理由を説明せよ。

 本件県政報告は、この配布と同時に、次項指摘の通り郵送されてもいる。同一の広報紙を配布と郵送に仕分けした具体的な理由を述べよ。

十、平成28年度「県政報告紙郵送代の支出」について

平成29年3月31日付で貴殿は「県政報告紙郵送代 中野ひでゆき県政報告2017-3-March」なる使途により、59万3434円を川越西郵便局に支払っている。本件支出について次の通り質問する。

 当該郵送物について、「中野ひでゆき県政報告2017-3-March」なる記載があるが、これは前項「朝刊チラシ配布」に同一の広報紙であるのか回答せよ。

 本件チラシが、前項の通り朝刊折り込みされたものと同一であれば、折り込み配布と郵送の重複を回避しない理由を述べよ。
すなわち、原則的には貴殿の広報紙は、貴殿後援会等、貴殿関係者に対してのみ有用なのであり、その目的からいえば広報紙は、むしろ郵送による配布のほうが合理的である。
貴殿が、高額な折り込み配布代を投じてまで不特定多数の新聞購読者に対して配布する必然性を述べよ。

十一、「職員給与の支払い」について

平成26年度から平成28年度までの政務活動費支出証明書によれば、貴殿の事務所に政務活動専従者「県政調査補助用務・県政活動補助用務」人件費を使途として、書面上では月額30万円の給与を支払う職員2名、月額8万円の給与を支払う職員1名(合計年額816万円)が在籍しており、各年度の「雇用契約書」には貴殿の中野英幸事務所(川越市久保町5-3)に於いて前記3名の職員が当該雇用期間(3年間)中、常駐あるいは出勤している。
本件支出について次の通り質問する。

 本紙取材では、貴殿事務所に於いて係る3名の職員らが雇用契約に記載の条件で就労する業態が、平成26年度から平成28年度に渡り、現認されていない。係る職員らの存在が架空ではないと証する、各人員の氏名ならびに「県政調査補助用務・県政活動補助用務」なる業務の具体的な内容、及び勤務実績表を開示せよ。

 当該各支出証明書によれば、これら職員給与は2分の1の按分算定を根拠に政務活動費からの支出を受領しているが、政務活動費の余の支払い原資を具体的に回答せよ。

 当該貴殿事務所職員らへの給料支払いの方法及び支払い明細(銀行振込明細等)ならびに当該人件費に対する、源泉徴収票を開示せよ。

十二、「政務活動専従者の必要性」について

そもそも貴殿には、予め私設秘書ならびに事務所要員が在籍する。大半の議員はこれら人員に加えて、選挙の際には後援会による支援で活動するところ、貴殿に於いては秘書、事務員に加えて、常駐の政務活動職員3名を雇用していることになる。
本件について次の通り質問する。

 これら3名の政務活動専従者を、3年間も継続して必要とする合理的かつ具体的な需要の内容を延べよ。

 貴殿作成の雇用契約書に記載の「県政調査補助用務・県政活動補助用務」なる用語は、いかなる公的資料に記載及び認められ得る業務であるのか明確に回答せよ。また、その適用業務の範囲を延べよ。

 議員に支給される政務活動費の財源が、県民の税金によることは貴殿も従前に承知のはずである。県税を以てして明らかに合理性を欠く3名もの政務活動専従者の雇用が妥当かつ適法とする、貴殿の市民社会に対する政治理念を述べよ。

十三、「事務所費等、他の経費区分」について

本書前述の通り、貴殿が「広報費」「人件費」として受給、支出したとする政務活動費には、それ以外の経費区分が設けられている。本件について次の通り質問する。

 貴殿の申告ならびに報告によれば、政務活動費から「事務所費」は支出されていないと推認されるが、一方では不要とさえ思われる人件費が多く支出されている。
貴殿の事務所費等、政務活動費で認められ得る他の経費区分について、貴殿がこれを利用せず、その受給や支出が存在しない理由を明らかにせよ。

 貴殿の事務所所有者または、賃借人を明らかにすると共に、当該事務所費支払いの財源を回答せよ。

なお、以上の質問ならびに各証明資料の開示請求に対して、貴殿が回答ならびに開示を拒否するときは、その回答拒否が適法かつ倫理上の瑕疵がないものと証する法的根拠を併せて延べよ。
貴殿に於かれては、本質問書が貴殿に到達した日から起算して十日以内に、本紙に対する内容証明郵便による書面で、本書各質問に回答するよう求めるものである。
前述の通り、貴殿が本書質問に対して無視黙殺または真摯な回答を示さなかったときは、本件疑義について埼玉県議会自由民主党県議団及び捜査機関ならびにマスコミに対して情報提供を行い、係る貴殿の疑惑を解明するよう要求する所存であることを申し置き、本書の結尾とする。  以上

そして上記、質問書に対して中野県議が示したものであるらしき「中野英幸事務所」名義の回答が次の書面である。

冒頭にも触れた通り、この回答書なる文書の差出人は「埼玉県議会議員中野英幸事務所」となっている。その理由は想像できる。
中野英幸氏には、政治家としての自覚と責任感が欠落しているのだ。中野県議は、先の衆議院解散選挙でも立候補するとの声明を公表しながら、翻意して出馬を取り止めるなど、その無責任な言動に県民・市民から非難の声が上がっていた。
政治家としての職責を自覚しているならば、有権者から自らの疑義を問われて、まるで後に責任逃れをするための伏線でもあるかのように「事務所名義」で回答するなどという、県民を愚弄する行いは出来ないはずだ。
そのうえで中野県議側の回答を見てみると、始めから答弁が矛盾していることは明白だ。
「政治活動の自由の観点から(中略)…回答は差し控えます。」といった文言が連なっているが、そもそも「政務活動費は政治活動に使用することはできない」という大原則に反していることさえ中野県議は理解できていない。
中野県議が支払ったとしている各業者への、金額が真であるかどうか(はっきり言えば作った数字ではないかどうか)を証明するためには、印刷部数など具体的な単価を開示しなければならない。

地方自治法 第百条 第十六項 
議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。

それを「政治活動の自由の観点」などという意味不明の理由で開示を拒否する中野県議には、地方自治法がいう「透明性の確保」に努力する気もないということであり、政治家の資格も責任感もないと言わざるを得まい。

質問をかわしているのか… 意味さえ理解できていないのか…
中野英幸県議の「珍回答」は本人の回答なのか?!

重複するが本紙に返って来た回答書とは「中野英幸事務所」からのものである。
つまり、中野英幸県議本人の回答であるという証明がなされていない怪文書でもあるが、郵送されてきた差出人住所が同氏の事務所である以上、本人の回答と受け取るのが普通だろう。
すると、中野英幸県議はリテラシー(読解力)に相当の問題があると思われる。
本紙は、そもそも本件領収書や支出証明だけでは不透明だから詳細を述べよと質問したのである。ところがその回答からは、中野県議は質問の主意さえ理解していないと思われる珍回答を連発しているのだ。
たとえば、本紙による公開質問書『三、平成26年度「ホームページ更新代金」について』において、ホームページ更新代(平成26年度)約12万円について言及した本紙質問は、同様の更新作業などは相場からすれば、数倍も高額なことは明らかで、県税を原資とする政務活動費から支出する経費として、なぜわざわざ高額な業者(しかも中古パソコン販売店)に発注したのか、また更新というからにはホームページのどこが変わったのかを問うているものだ。
これに対して中野県議は「本件支出は、報告書に添付した領収書をご覧いただければお分かりになるとおり、政務活動のためのホームページ更新にかかった実際の支出です。」などと、とぼけた返答である。
これが核心の追及をかわすためでないのであれば、中野英幸県議は文章の理解力に問題があることになり、このような簡単な質問主意さえ理解できない議員が、県民の声を理解して政治をやるなど望むべくもないのだから中野氏は、自ら県議を辞職したほうがよい。
本件中野県議の回答書には「添付した領収書をご覧いただければお分かりになるとおり」という文言が何度も使われているが、内容の詳細が記載されていない領収書だから言及されているのに、「見てわかるだろ」とは、県民を馬鹿にすること甚だしい(本紙主要人員も埼玉県民であり有権者だ)。

中野県議の「政務活動専従者」は和菓子でも作っているのか?
この状況が「疑惑」でないなら、なんと言うのだ?

地元川越ではよく知られていることだが、中野英幸県議の実家は明治時代から続く有名な和菓子店「有限会社くらづくり本舗」である。現在、同社の会長は英幸氏の父で元衆議院議員の中野清氏、社長は英幸氏の母・ソノ子氏、英幸氏自身も同社の副社長である。
この和菓子店の本社に、政治家としての中野英幸県政事務所が置かれており、中野ひでゆき後援会また元衆議院議員の父・清氏の個人事務所、そして自民党川越支部も同社所在地(川越市久保町5-3 電話番号049-226-8888)にある。
さて、中野県議は本紙から、姿が見えない3名の高給取りの政務活動専従者について問われて、この「くらづくり本舗」事務所内に置かれた中野英幸事務所に勤務していると答えている。
そして中野県議の政務活動費支出証明によれば、この3名にかかる年間給与合計816万円の半分は中野県議個人が支払い、もう半額を政務活動費から払っていることになる。
ところが、この3名の勤務地は単に中野県議の事務所なのではなく、和菓子屋「くらづくり本舗」でもあり、中野清元衆議院議員の個人事務所、そして自民党川越支部、さらには中野ひでゆき後援会の事務所でもある。政務活動費の会計という観点からみれば、中野県議個人がどこまで人件費を負担しているのか疑わしい。
本紙の想像に過ぎないが、仮に姿の見えない3名の政務活動専従者が、中野県議の実家でもある和菓子店の従業員などであれば、その給与は会社から支払われているはずだから、中野県議が「彼らの人件費の半分は自分が個人で払っている」との主張の信ぴょう性は希薄となる。
その潔白を証明するためには中野県議は、当該3名の源泉徴収票を開示すべきなのだが、これも回答書で「プライバシー」を理由に逃げている。
前提として、政務活動費から支出された給与の源泉徴収票の開示がプラバシーの侵害になるはずもない。開示を要求されたなら、氏名・住所といった受給者の個人情報は黒塗りにしても、源泉徴収票自体は開示しなければならないのだ。
なぜそれが出来ないのか? それ以前の重大な問題として、中野県議が県議団に提出した本件3名の雇用契約書は「月給制」になっている。

埼玉県議会が発行する「政務活動費の運用指針」の人件費(P15)には、職員の賃金は「労働時間×時間単価により算出すること。」と記載されている。
中野県議は本紙への回答書の冒頭で「政務活動費は法令、条例及び埼玉県議会の「政務活動費の運用指針」に従い、適正に支出し、報告しているところ」としているものの、その回答書面の中で、まさに県議会発行の運用指針にある労働時間×時間単位という職員賃金計算のガイドラインも無視した、どんぶり勘定の月給制について、なんらの説明もしないまま逃げている。そうしなければ不都合な事情があるのだろうか、それとも政治家としての誠意も責任感もないのだろうか?

中野県議は回答書のなかで、これら3名の「勤務の実態はあります」と述べるに留まり、源泉の開示も勤務時間による証明も出来ないということを自ら告白しているも同然である。これら中野英幸県議の現状を「政務活動費の不正受給の疑惑」と言わずしてなんと言うのだろうか? 沢田力議員を除名した自民党埼玉県議団の先生方に聞いてみたいものである。

中野英幸県議が回答書で謳う「政治活動の自由の観点」とは何だ?
中野県議は、政務活動と政治活動の違いも判らない政治家なのか?!

では、中野英幸県議の「回答書」について、本紙と関係者が分析した矛盾点を挙げてみよう。

◆回答3、に関しては本文記載

◆回答1、6、8 
「政治活動の自由の観点から…回答は差し控えます。」について

  • 政務活動費は政治活動に使用することはできない。
  • 地方自治法100条16項に「政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。」とあるように、政務活動なのだから広報誌の配布枚数や配布先等を回答しなければならない。

◆回答4、10 
「県政報告郵送代」について

  • 基本的に個人に郵送することは、名簿の存在がある。この名簿は後援会もしくは支援者名簿であると予想され、この後援会または支援者は、特定の有権者である。後援会また支援者の市民に広報活動をすることは、政務活動ではなく政治活動であるから政務活動費の使用はできない。

◆回答9(上記回答4、10と観点は同じ。)
「日ごろお付き合いのある方々」について

  • 前述と同じだが、名簿があることは間違いない。特定の支援者であることは予想される。

◆回答11
「政務活動専従者の必要性」について

  • 政務活動のための職員の「勤務の実態はあります」と回答しているが、何人の雇用があるかは明らかにしていない。また、「勤務の実態がある」のならば、中野県議はそれを証明する政治家として疑惑に答える義務がある。
  • 埼玉県議会が発行する「政務活動費の運用指針」の人件費(P15)に「1対象となる職員等」には、「(1) 政務活動を補助する業務(受付・接遇業務、資料整理・集計等)に従事する者の人件費について計上すること。」と記載されており、普段は事務所に常駐していなければならない。
  • 同じく「政務活動費の運用指針」の人件費(P15)より職員の賃金は「労働時間×時間単価により算出すること。」と記載されている。中野県議は雇用契約書を提出しているが、この契約書は月給制である。
  • 同じく「政務活動費の運用指針」の人件費(P15)より職員の賃金は「労働時間×時間単価により算出すること。」と記載されている。中野県議は雇用契約書を提出しているが、この契約書は月給制である。
  • 職員の雇用があるからには、中野県議は源泉徴収票を保持していて当然である。この源泉徴収票は中野県議が雇用しているとする3人個人のものではなく、3人分の源泉徴収票なのだから、プライバシーは関係のないことである。また、政務活動費を充当しているからには、個人のプライバシーなどと言うことはできない。源泉徴収票を提示できないということは、3人の職員の雇用は架空であるということが容易に想像できる。

◆回答12
「政務活動にかかる事務所」について

  • 中野県議の事務所は、「くらづくり本舗」の会社事務所内に設けてあるが、「事務所家賃や事務所費にかかる経費は中野個人の金で支弁している」という回答ならば、いくらの事務所費を支払っているのか疑問である。
  • 「中野英幸県政事務所」「中野ひでゆき後援会」「自由民主党川越支部」すべて住所は、川越市久保町5-3 電話番号は049-226-8888と同一である。
    また中野英幸氏の父・中野清氏の事務所としても使用しているので、政務活動費に計上している人件費において2分の1の按分では問題がある。

以上であるが中野英幸県議と言う人物は、呆れる程に県民を軽く嘗め切っているから県民を馬鹿にした斯様な回答が出せるのだ。

◆参考資料◆
平成26年度 中野英幸県議会議員 政務活動費(公開質問書作成のための資料)
平成26年度 政務活動費領収証等
平成26年度 広報紙

平成27年度 中野英幸県議会議員 政務活動費(公開質問書作成のための資料)
平成27年度 政務活動費領収証等
平成27年度 広報紙

平成28年度 中野英幸県議会議員 政務活動費(公開質問書作成のための資料)
平成28年度 政務活動費領収証等
平成28年度 広報紙